2019年5月21日 (火)

第1489回 名牝への一歩

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 今年のオークスは、スローペースを想像していたが、実際はジョディーが逃げて、コントラチェックか絡んで、ペースは上がった。前半から11秒台のラップが続き、1000メートル通過が59秒1。直線ではさらにペースが上がって、しのぎあいのレースになった。

 ラヴズオンリーユーは中団から。向こう正面、馬群の中で位置を下げ、4コーナーは後方にまで下がってしまった。ただ、ペースを考えれば、その位置が正解だったようで、坂を上がってからの瞬発力は1頭だけ別次元で、断然に抜きんでていた。先に先頭に立っていたカレンブーケドールが押し切るかに思えたが、ラヴズオンリーユーは勢いそのままにカレンブーケドールを楽に交わして、見事に4戦無敗でオークスを制した。

 ラヴズオンリーユーの上りタイムはメンバー中最速の34秒5。2着のカレンブーケドールは35秒1、3着のクロノジェネシスは35秒4だった。例年の勝ち馬の上りタイムは最速の33秒2(アーモンドアイ)から35秒5くらいで、過去10年の勝ち馬の上りタイムの平均34秒1からすると、ラヴズオンリーユーの上り34秒5は遅いほうに属する。それでも2分22秒8のオークスレコードタイムでの勝利だったわけで、ペースの厳しさを物語る上りタイムだったといえそう。

 ラヴズオンリーユーのスピード指数は昨年の勝ち馬アーモンドアイと並ぶ高指数だったが、4歳牝馬ながらも、スタミナは相当に豊富のようで、世界の女王アーモンドアイを脅かす存在になるかもしれない。

 クビ差2着のカレンブーケドールもまた勝ち馬と同じ高指数で、今後の成長が楽しみな1頭だ。カレンブーケドールから2馬身半差の3着クロノジェネシスは、少し距離が長かったかもしれない。

 平安Sは順当に1番人気のチュウワウィザードが勝利した。しかし、その位置取りはいつもと少し違っていた。これまでは先行して押し切るレースが多かったが、今回はペースが速いとみるや、後方に控える作戦。手綱を取った川田騎手の判断だったようだ。3コーナーから動き出すものの4コーナーではまだ後方。そこからモズアトラクションと馬体を合わせて一気の脚で駆け上がり、前を行く馬たちを次々と交わしていった。

 モズアトラクションとはわずかにハナ差だったが、3着オメガパフュームとは1馬身4分の1以上の差をつけており、58キロを背負っていたことを考えれば素晴らしい差し脚だった。59キロを背負って後方から3着に駆け上がったオメガパフュームも完全復調の気配だ。

 今週はいよいよダービー。天気もよさそうで、競馬日和になりそうだ。良いレースを期待したい。

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2019年5月16日 (木)

第1488回 差し脚比べなら

 今週はオークス。
 1番人気馬は過去10年で、5勝、2着2回、3着1回。連対率は70パーセントで安定している。なかでも前走、桜花賞組が8勝をあげて中心を担っている。他に、忘れな草賞の勝ち馬が2勝、フローラSの勝ち馬が1勝をあげている。
 指数上は前走指数上位馬が中心。なかでも前走指数の高い馬A、B馬が最有力だが、平均指数の上位馬や過去の指数上位馬も差なく好走している。

(オークス) 1着    2着    3着
09年    A c   B a   C
10年   (AZa)(c)1着同着  Z
11年    -     D     B d
12年    AYa   B b   -
13年    -     -     -
14年      c   DY    AX
15年    BX    -     C
16年    AXa   B b   -
17年    BZa   -      Xb
18年    A a   C c   BZb
(スローペース調整-20/-10)

 今年の指数上位馬は、シゲルピンクダイヤ、クロノジェネシス、ダノンファンタジー、ビーチサンバ、コントラチェック、エールヴォア、フィリアプーラなど。

 中心は桜花賞組から取りたい。桜花賞馬グランアレグリアは先々週のNHKマイルCに出走して5着(4着入線も降着)。オークスは回避した。桜花賞の2着はシゲルピンクダイヤ、3着にクロノジェネシス、4着はダノンファンタジー、5着がビーチサンバの順だった。その上位馬たちのゴールは横一線。指数上もほとんど差がなく、オークスでも有力馬になる馬たちだろう。

 シゲルピンクダイヤは勝ち馬からは2馬身半の差の2着。最後方から、直線、馬群に入れて32秒7の最速の上りの脚を使って浮上した。内にスペースがあったのも幸いだったはずで、4コーナーで外に回していたらこの成績はなかっただろう。和田騎手の好判断だった。

 悔しい思いをしたのが3着のクロノジェネシスだったのではないか。好スタートを決めて中団の前からレースを進めたものの、3コーナー手前でぶつけられ、位置を下げざるを得なかった。直線も馬群に包まれ、行き場を失う場面もあったが、外に持ち出すと一気呵成の差し脚を見せ、シゲルピンクダイヤにクビ差まで迫った。上りは32秒9だったが、直線後半の鋭い差し脚は1頭だけ抜きんでているように見えた。競馬に、「たら、れば」は禁物だが、スムースなレースだったらと思わされた。すくなくとも上りタイムは間違いなく最速だっただろう。

 桜花賞で1番人気に推されたダノンファンタジーは4着だった。先行して4コーナー4番手から先に抜け出した勝ち馬を懸命に追ったが、最後は苦しくなったようで、後続馬たちに交わされてしまった。2400の距離には少し課題があるかもしれない。

 スローペース必至のオークスだけに、長く使える差し脚は必須条件。スローペースでの差し脚なら、クロノジェネシス、ビーチサンバ、カレンブーケドール、アクアミラビリス、コントラチェック、シゲルピンクダイヤなどが上位だ。

 なかでもクロノジェネシスの安定した鋭い差し脚に期待したい。ここまで5戦3勝。負けたのは阪神JFの2着と、桜花賞の3着だけ。クロノジェネシスは東京コースのクイーンCやアイビーSで見せたように、スローペースでの差し脚はここでも最上位だ。

 桜花賞とクイーンCは上がり2番目も、それ以外のレースはすべて最速の上りタイムを記録している。差し脚比べなら一層の輝きを放つだろう。スローペースの2400なら距離の問題もないと思うし、オークスでの中心馬に推したい。

 相手も上りの上位馬や、桜花賞組を上位に取りたいと思うが、桜花賞組以外では、3連勝で忘れな草賞を勝ったラヴズオンリーユー、前走フローラSの勝ち馬ウィクトーリアなどにも注意したい。

 平安Sは5月の開催になって今年で7年目。ダートの重賞で、前走指数上位馬が連軸中心だ。
 今年は、チュウワウィザード、クイーンマンボ、ロンドンタウン、アナザートゥルース、サンライズソア、グレンツェント、サトノティターン、オメガパフュームなどが指数の上位馬たち。

 2走前の東海Sで、6連勝を飾った現ダート最強馬インティに2馬身差の2着だった4歳馬チュウワウィザードに注目したい。さすがにインティは強かったが、上りタイムは最速で、指数も自己ベストの高レベルなら、2着といえども価値が高い。前走は公営船橋の重賞戦を2番手からの差し切り勝ち。2つ目の重賞タイトルを手にした。ここまで、公営の成績を含め(6220)と、好成績を残しており、その安定感を評価したい。

(平安S)  1着    2着    3着
13年    AXa   B      Yc
14年    -       c   B
15年    -     BZc    Xa
16年    AYc     d   B b
17年    B     D d   -
18年    -     -       d
(海外、公営のレースは減戦して集計)

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2019年5月14日 (火)

第1487回 レーン騎手の独り舞台

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 ヴィクトリアマイルは1番人気のラッキーライラック、2番人気アエロリット、3番人気レッドオルガなど、上位人気馬が馬券に絡めず、好配当になった。

 勝ったのは5番人気のノームコア。2着が4番人気のプリモシーン、3着が11番人気のクロコスミアで、3連単は17万円を超す配当だった。

 今年のヴィクトリアマイルはアエロリットの果敢な逃げで、思いのほかペースが速くなった。2番手にアマルフィコースト、3番手にミッキーチャームと続いたが、結果的には先行馬は粘り切れず、直線、中団から差し脚を伸ばしたノームコア、プリモシーンが浮上するレースになった。

 勝ったノームコアは4コーナーで7番手。直線半ばで前が詰まる場面もあったが、壁になっていたラッキーライラックが動いて進路が大きく開くと、馬場の中央から一気に差し脚を伸ばし、先行各馬をとらえていった。4コーナー10番手のプリモシーンが大外から馬体を合わせにかかるが、最後まで並ばせることもなく、ゴールを駆け抜けた。まさに快勝といえるレースだった。

 ペースにゆるみがなかったため、上位馬たちの指数は90台半ばを記録して、2006年に始まったヴィクトリアマイル史上、過去最高の高さになった。ペースが上がっても勝ち馬の上りは33秒2。最速の上りは2着のプリモシーンで33秒0だったが、ペースを考えれば、上りもしっかりとしており、上位馬たちの能力の高さを示す結果だったといえるだろう。また、逃げて5着のアエロリット、先行して4着のラッキーライラックも、今後とも大きな活躍を期待できるレベルの馬たちだ。

 京王杯スプリングCは1番人気のタワーオブロンドンが中団から4分の3馬身抜け出して勝利をつかんだ。大混戦の2着は6番人気のリナーテ、3着は2番人気のロジクライだった。タワーオブロンドンはこれで芝1400メートル3戦3勝となった。

 G1ヴィクトリアマイルもG2京王杯スプリングCも勝ったのはオーストラリアの若手D・レーン騎手だった。短期免許で4月28日から騎乗して、3週で目下44戦13勝。重賞は5戦3勝。先週は土日で7勝をあげ、レーン騎手の独り舞台のような東京だった。インタビューの受け答えもすがすがしく、すっかりファンになってしまった。

 今週末のオークスはコントラチェック、ダービーはサートゥルナーリア、宝塚記念はルックトゥワイスに騎乗予定とか。宝塚記念の週まで騎乗の予定で、まだ残り6週もある。あといくつ勝つのだろう。
 負けるな、頑張れ、日本の若手騎手たち!!

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2019年5月 9日 (木)

第1486回 中心は4歳馬から

 ヴィクトリアマイルは牝馬限定のG1。過去10年、1番人気は3勝、2着3回だが、1番人気で勝ったのは名牝として名高いウオッカ、ブエナビスタ、ヴィルシーナの3頭だけで、圧倒的な能力上位でない限り、1番人気は疑ってかかった方がいいだろう。また1番人気が勝てなかった年の勝ち馬は、2、4、11、5、7、6、8番人気の馬たちで、波乱も多く、2、3番人気馬もあてにできない。

 世代的には過去10年で5勝をあげている4歳馬が中心。4歳馬が連対できなかったのは3連単で2000万超馬券になった2015年の1度だけ。連軸は4歳馬から取るのがセオリーだろう。

 指数上は、前哨戦などにスローペースが多いこともあり、ランク外の馬たちが上位に浮上しており、指数上位馬が圧倒する状況ではない。

(ヴィクトリアマイル)
       1着    2着    3着
09年    CXa   -     -
10年     Xb   -     C c
11年    BYc   DXa   -
12年    A     -       Zc
13年    -     -     A d
14年      d    d     Xb
15年    -     A     -
16年     Y    DZb   BYa
17年    -     -     -
18年    -      Xa   -
(スローペース調整値-10/0)

 今年は、プリモシーン、ノームコア、レッツゴードンキ、フロンテアクイーン、アエロリット、ミッキーチャーム、ソウルスターリング、ワントゥワン、ラッキーライラック、レッドオルガなどが指数の上位馬たちだ。

 中心勢力になる4歳馬のなかで、マイルの重賞を勝っているのは、プリモシーン(フェアリーS、関屋記念)、ミッキーチャーム(阪神牝馬S)の2頭だ。

 プリモシーンのマイル戦は(3203)、マイルの重賞に限っても(2103)と安定しており、マイルの専門家だ。3歳夏の関屋記念の勝利は、51キロの重量に恵まれた部分もあったかもしれないが、中団後方からの長く使える差し脚は同馬の特徴だ。前走のハンデ戦ダービー卿CTも中団から長くいい脚を使って、勝ち馬とはクビ差の2着。4歳牝馬で55キロのハンデを背負っていたことを思えば、内容のある2着だった。前走指数は出走メンバー中で最も高く、真っ先に中心にとりたいと思う1頭だ。

 ミッキーチャームは秋華賞の2着馬。前走の阪神牝馬Sは初のマイル戦だったが3番手で先行、スローペースで先行馬たちの直線の激しい叩き合いになったが、半馬身差で重賞初制覇を果たした。今回、阪神牝馬Sを使った馬たちが10頭出走しており、その勝利の価値は高いだろう。また、ここもペースは落ち着くはずで、先行できるミッキーチャームに流れが向くのではないか。

 その阪神牝馬Sで最速の上りの脚を使ったのが9着のサトノワルキューレ(4歳)。スローペースの前残りの流れを後方からではチャンスはなかったが、東京コースでの巻き返しに注目したい。

 4歳馬以外ではアエロリット、クロコスミア、フロンテアクイーンの先行力。レッドオルガ、デンコウアンジュなどの差し脚に要注意だ。

 京王杯スプリングCは、1番人気が過去10年で1勝のみ。大苦戦している。指数上は過去10年で9度連対している平均指数上位馬が連軸向きだが、1、2着がランク馬同士で決着したことはない。

 今年は、ロードクエスト、ドーヴァー、サトノアレス、タワーオブロンドン、トゥザクラウンなどが指数の上位馬たちだ。

 トゥザクラウンの逃げで平均的なペースになりそう。差し脚の鋭い中団より後ろの馬たちにチャンスが広がるだろう。

 差し脚上位はサトノアレス、キャナルストリート、リナーテ、ストーミーシー、タワーオブロンドン、エントシャイデンなど。
 なかでも東京向きの差し脚が光るサトノアレスに期待したい。

 5歳馬サトノアレスはここまで(4426)の成績だが、良馬場に限れば(3423)。さらに東京の良馬場なら(1221)で、唯一4着以下になったのは安田記念での4着だけだ。2走前、稍重の阪神Cは15着に大敗したが、前走、良馬場の東京新聞杯は、直線、内で窮屈になりながらも鋭い差し脚を見せて3着に好走した。高速馬場の適性が高く、良馬場でこそ素軽いスピードが生きる馬だろう。重賞勝ちは2歳時の朝日杯FSだけだが、古馬重賞戦線で安定した成績を残しており、ここでも連軸の中心になるだろう。

(京王杯スプリングC)
       1着    2着    3着
09年    -     AYa   C
10年    -     BYc   A
11年    -     BYb    Zd
12年      a   -      C
13年    -     -     -
14年    -     A c   -
15年     Xb   -     -
16年    BXa   -     A b
17年    DYc   -       b
18年    -     A c   -

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2019年5月 7日 (火)

第1485回 マイル王を目指す

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 朝、グリーンチャンネルでケンタッキーダービーの中継を観ていた。1着で入線した1番人気馬が、4コーナーで外にふくれて17着に降着になった。「日本なら降着はないだろうね」とカミさんと話していた。ところが、日本でも1番人気馬が降着になった。

 NHKマイルカップは、最優秀2歳牡馬に選出され、前走、皐月賞は4着だったアドマイヤマーズ(2番人気)が快勝した。外枠から出遅れ気味のスタートだったが、すぐに中団まで位置を上げ、直線は馬場の真ん中を突き抜けてきた。正直、こんなに切れる差し脚があるとは思っていなかった。これでマイル戦は5戦5勝となり、今後はマイルの王者を目指すことになるようだ。

 14番人気のケイデンスコールが大外一気、最速の上りタイムで2着に入り、内から伸びた7番人気のカテドラルが3着。3連単は41万円超の高配当になった。

 1番人気のグランアレグリアは直線で外にふくれ、ダノンチェイサーと接触。4着から5着に降着になった。グランアレグリアはスタートに遅れ、すぐに先団に取り付いたものの、4コーナー手前から外をふさがれ、内に閉じ込められてしまった。直線は馬群にもまれ、右に左にコースを探したが、その時の事象が審議に問われた。直線に向いたところでスムースに外に出せていれば、結果は違ったかもしれない。ルメール騎手はダービーでサートゥルナーリアに騎乗予定だったが、騎乗停止処分になってダービーも騎乗できなくなった。

 京都新聞杯も荒れ気味だった。勝ったのは中団から最速の上りの脚を発揮した11番人気のレッドジェニアル、2着が逃げ粘った2番人気のロジャーバローズ、3着は先行した7番人気のサトノソロモン。
 1番人気のタガノディアマンテは4コーナー2番手から。ただ、直線の差し脚に余力がなく、5着に後退していった。

 珍しいことからスタートすることになった令和競馬の初週。土曜日の東京10レース前から降り始めた激しいひょうのために、東京競馬の10レース以降が中止になった。ひょうで中止になるなんて、はじめて聞いた。雨だけなら中止はなかったはずだが、ひょうがとけずコース一面をおおっていては、たしかに危ない。中止も納得。

 毎週土曜日の夜の「大人のジャズタイム」というラジオ番組が好きで、よく聞いていたが、そのパーソナリティを勤めていた島崎保彦さんがお亡くなりになった。先々週の番組の中で、そのお知らせがあった。そういえば、最近は声に力がないように聞こえることもあった。長い間、楽しませてもらいました。ありがとうございました。ご冥福をお祈りいたします。

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2019年5月 2日 (木)

第1484回 グランアレグリアに期待

 NHKマイルCの1番人気は過去10年で5勝しているが、2、3着はない。人気薄の馬たちも上位をにぎわしており、3連単は高配当も多い。
 指数上は前走指数上位馬や、過去の指数上位馬が連軸の中心になっている。

(NHKマイルC)
       1着    2着    3着
09年    -     -     -
10年    -     C     A a
11年     X    -     -
12年    D      Zc   -
13年     Y    -     -
14年    DYc   B     CZ
15年    AZb   -     -
16年     Xb   AYa   -
17年    CX    -      Yc
18年     Xa   D     -
(スローペース調整-10/0)

 今年は、アドマイヤマーズ、グランアレグリア、ファンタジスト、ハッピーアワー、プールヴィル、ダノンチェイサー、グルーヴィット、クリノガウディーなどが指数の上位馬たちだ。

 重賞の実績と前走指数の高さで、アドマイヤマーズ、グランアレグリアが少し抜けた存在だろう。

 アドマイヤマーズは朝日杯を制して、最優秀2歳牡馬に選出された。続く共同通信杯は2着、皐月賞は4着と、現3歳世代のトップクラスにある逸材だ。皐月賞は4番手で先行したものの、直線は伸びあぐね、上位の3頭とは2馬身と離されてしまったが、指数は世代のトップレベルのものだった。マイル戦は4戦4勝の距離で、改めて巻き返しに注目したい。

 牝馬のグランアレグリアは、ここまで(3010)。唯一3着だったのがアドマイヤマーズが勝った朝日杯だけだ。前走、桜花賞は2着馬に2馬身半の差をつけて完勝。先行して押し切る強い内容だった。鋭い瞬発力を見せており、天性のスピードが見て取れる。

 ペースは落ち着くはずで、先行する馬たちが中心だろう。その点からも先行できるアドマイヤマーズ、グランアレグリアに流れも向くはずだ。
 前走指数はアドマイヤマーズが上位だが、牝馬のグランアレグリアは2キロ減の重量差があり、実際はそれほど差はないだろう。直線の追い比べになったら、軽量で東京向きの素軽いスピードのあるグランアレグリアの方に分があるのではないか。

 他ではファルコンSの上位馬ハッピーアワー、グルーヴィットに、桜花賞6着のプールヴィル、きさらぎ賞の勝ち馬ダノンチェイサーなどに要注意。

 京都新聞杯は、過去10年、1番人気は(3223)。2、3番人気も合わせて5勝しており、比較的堅いレースだろう。指数上は平均指数の上位馬の連対率が高い。

 今年の指数上位馬は、タガノディアマンテ、ナイママ、ブレイキングドーン、ヒーリングマインド、オールイズウェル、ハバナウインド、ヴァンケドミンゴなど。前走、皐月賞組の指数が高いが、他は押しなべて低調。

 2200メートル戦だけに、スローペース必至で、差し脚は必須条件だ。長くいい脚を使えるのはタガノディアマンテだろう。
 前走、皐月賞は、外枠で位置取りが悪くなったが、後方から大外一気に差し脚を伸ばし6着に押し上げた。上がりは勝ち馬に次ぐ2番目だの速さで、京都コースなら切れる差し脚がより生かせるのではないか。

 他に、差し脚鋭いヴァンケドミンゴ、オールイズウェルにもチャンスがあるだろう。

(京都新聞杯)1着    2着    3着
09年    AXb   D       d
10年    AYc   CZb   B a
11年    -     AYa   B
12年    D     AXa     c
13年    BXa   -     -
14年    -       d   -
15年    -     -     C
16年    DXb    Yd   AYa
17年     Zd   -     DY
18年      d   -     -
(スローペース調整-15/-5)

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2019年5月 1日 (水)

第1483回 フィエールマンの強さ

201904280811
201904270511
201904290411
 平成最後の天皇賞(春)を勝ったのは、ルメール騎手騎乗の4歳馬フィエールマンだった。

 後方待機のフィエールマンは2周目の向こう正面から徐々に進出。3コーナー過ぎには3番手、直線に向くと早々と先頭に立った。フィエールマンの外から、すかさずグローリーヴェイズが並びかけ、ゴールまで2頭の激しい叩きあいが続いたが、ゴールはクビの差でフィエールマンが制し、平成最後のG1馬となった。

 3着は7歳馬の伏兵パフォーマプロミス。ただ、1、2着馬とは6馬身もの大差がついてしまった。4、5着には4歳馬のエタリオウ、ユーキャンスマイルが入ったが、2頭とも向こう正面ではまだ後方。3コーナー過ぎから追って4コーナーに立ったものの、1、2着馬はすでに遠く前方で激しい叩きあいを演じており、追いつくすべがなかった。

 早々と先頭に立って押し切って勝ったフィエールマンは菊花賞に続くG1戦2勝。その強さは疑いがない。スピード指数も上々で、過去10年間の春の天皇賞馬の中でもベスト3に並ぶ高レベルの指数だった。残念ながらエタリオウ、ユーキャンスマイルは、フィエールマンから大きく離されてしまったが、力の差は着差ほど大きくないだろう。仕掛けのタイミングの差が、この差になったのではないか。

 ダービーを目指す青葉賞は、平均ペースで逃げたリオンリオンが逃げ切り勝ち。4番手から迫った2着のランフォザローゼスとはハナ差だった。このメンバーならスローペース必至と思っていたが、ペースを緩めず逃げに懸けたリオンリオン横山典騎手の判断が光ったレースだった。

新潟大賞典は先週から短期免許で騎乗しているオーストラリアのダミアン・レーン騎手のメールドクラースが勝利。中団待機から直線、ど真ん中をまっすぐに突き抜けてきた。4分の3馬身差の2着にミッキースワロー、3着はロシュフォールだった。

 レーン騎手は25歳とまだ若いが、オーストラリアのG1を15勝している天才騎手。先週のレーン騎手は3日間で(5117)と実力を発揮。しかも、参戦初週でいきなり重賞戦を勝つのだから、またまた、すごい騎手が参戦してきたものだ。

 今日から令和の時代になった。自分自身の中では何も変わるものはないはずなのに、なぜか心が浮き立つ。戦争のない平和な時代でありますように。

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2019年4月25日 (木)

第1482回 4歳馬が中心

 平成最後のG1、京都芝3200メートルの天皇賞(春)がメインレース。
 2000年以降、過去19年間の連対馬は、平均指数上位のabcd馬が17年間で連対して、連軸の中心を担っている。比較的、指数上位馬が活躍するレースだ。
 1番人気馬は、過去19年間で4勝、2着1回、3着3回。10番人気以下の馬たちの好走も多く、それほど堅いレースではない。過去19年間の勝ち馬は、4歳馬が9勝、5歳馬は7勝、6歳馬が3勝と、馬齢が若い方に分がある。

(天皇賞)  1着    2着    3着
00年    AXa     d   BZ
01年    DYb   D c   AYc
02年    -     DYb   CXa
03年    D      Yd   -
04年     Xb   -     CXa
05年    -     -     -
06年    AZ    BXa   -
07年    -     -      Yb
08年    -     BXb   A
09年    C     B b   AYb
10年    -     AYb   -
11年    B b   A a   C
12年    -      Xa    Zd
13年    DYc   D     -
14年     Xa    Yd   -
15年    AYa   -     -
16年    C       d   A
17年     Xc   BZd   A b
18年    A d    Zd   C c

 今年の指数上位馬は、グローリーヴェイズ、カフジプリンス、ロードヴァンドール、リッジマン、クリンチャー、チェスナットコート、パフォーマプロミスなど。

 ただ、5歳以上の馬たちは、昨年の天皇賞(春)で3着のクリンチャー、前走、阪神大賞典2着のカフジプリンス、3着のロードヴァンドールなどの指数が上位にあるものの、指数上は若干、低調に思える。
 とすれば、昨秋、菊花賞で上位だった4歳馬フィエールマン、エタリオウ、ユーキャンスマイル、グローリーヴェイズなどが中心になるのではないか。

 菊花賞は、直線、馬場の真ん中からエタリオウが先頭に立つところ、内をついて一気に迫ったのがフィエールマン。2頭のきわどいゴールになったが、写真判定の結果ルメール騎手のフィエールマンがハナ差で先着していた。少し離れた3着に後方から伸びたユーキャンスマイルが入った。

 スローペースのため、上位3頭の上りタイムはともに33秒9という、3000メートルの距離としては破格の上りタイムだった。後方にいた馬たちには厳しかったが、それだけに、早めに仕掛けたエタリオウのM・デムーロ騎手、フィエールマンのルメール騎手の判断が光ったレースだった。後方から長く良い脚を使ったのは3着のユーキャンスマイルで、上位2頭とも差はない。

 菊花賞を勝ったフィエールマンは、前走、1月のAJCC(2200メートル)で2着。力があるとしても、3か月もの間隔があくのは気になるところだ。

 エタリオウは3月の日経賞(2500メートル)で2着になったが、ここまで(1702)と2着が多く、まだ1勝のまま。何かが足りないのだろうか。

 ユーキャンスマイルは1月の万葉S2着の後、前走、3400メートルのダイヤモンドSを快勝した。近走は3000メートル以上の距離を使って、(1110)と、距離経験はユーキャンスマイルが最上位だ。

 今年、逃げるのはロードヴァンドールになりそう。前走、阪神大賞典ではハイペースでて逃げて3着に粘っており、ここも極端なスローペースはないだろう。後続馬も脚を使わされる流れになりそうで、近走、長距離の経験とスタミナを積んできたユーキャンスマイルに向くのではないか。

 3歳の青葉賞はダービートライアル。2着まで優先出走権が与えられる。
 スローペースのレースが多く、上がりの脚の戦いになりがちで、指数上位馬も苦戦の傾向が目につく。

 今年の指数上位馬は、アドマイヤスコール、ウーリリ、カウディーリョ、マコトジュズマル、ディバインフォース、サトノラディウス、ランフォザローゼス、リオンリオン、キタサンバルカンなど。

 スローペース必至で、長く使える差し脚は必須条件だ。
 差し脚上位馬で、2400メートルの距離もこなせそうなのは、デビューから(2001)のカウディーリョだろう。前走は2200メートルの山吹賞を後方から。3コーナーから仕掛けていって、4コーナーでは大外に膨れるものの、各馬をとらえて鮮やかな差し切り勝ちを決めた。長くいい脚が持ち味のようで、東京の2400メートルも問題なくこなせるだろう。

 他に、ピースワンパラディ、トーセンカンビーナ、アドマイヤスコール、セントウルなどが差し脚の上位馬で、逆転候補。

 前走、2400の未勝利戦を勝ったばかりだが、前々でレースができるディバインフォースにもチャンスがある。

(青葉賞)  1着    2着    3着
09年    -      Y     Z
10年    B a   -     -
11年    -     -     -
12年     Z    -     -
13年    -     -     -
14年    -     -     -
15年     Y    D     -
16年    B a   -     -
17年     Xa   -     B
18年    BZ    -     -
(スローペース調整-15/-5)

 新潟大賞典はハンデ戦だが、前走指数の上位馬が健闘している。1番人気は過去10年で勝ち星がなく2着1回、3着2回のみ。

 今年の指数上位馬は、ミッキースワロー、アウトライアーズ、エアアンセム、ブラックスピネル、ルックトゥワイス、ショウナンバッハなど。

 トップハンデは57.5キロのミッキースワロー。G2セントライト記念勝を勝ち、G1大阪杯、ジャパンカップでそれぞれ5着に好走しており、当然の重量だと思うが、後方一気の差し脚に懸ける脚質だけに、休み明けとトップハンデは気になる。

 ここは新潟の開幕週で、素軽いスピードが持ち味のロシュフォールに注目したい。目下連勝中で、ここまで(4101)と好成績を残している。左回りは4戦4勝。何よりも鋭い瞬発力が魅力の4歳馬だ。指数上はランク外だが、ハンデは55キロと恵まれた。4歳馬で前走81の指数レベルなら十分に戦えるだろう。

(新潟大賞典)1着    2着    3着
09年    D     -     B c
10年    A b    Zd     a
11年    -     -     CXb
12年    B     -       b
13年    C     A     -
14年    -     A d   B a
15年    BZ     Z     Z
16年     Yc   AX    C
17年    C      X    A a
18年     Z    -     -

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2019年4月23日 (火)

第1481回 スローの差し脚

201904210811
201904210511
201904200311
 超スローペースになったマイラーズカップは、先行した3頭が1、2、3着を占める結果だった。2番手を追走したダノンプレミアムが直線楽に抜け出し、危なげないレースぶりをみせ1馬身4分の1の差で勝った。逃げたグァンチャーレが2着に粘り、3番手で脚をためていたパスクアメリカーナが3着だった。

 上りタイムはストーミーシーの32秒0が最速だったが、その驚異的な上りタイムでも5着がやっと。先行した上位3頭の上りも軒並み32秒台の前半では、前をとらえることは不可能だっただろう。中団以降の馬たちには流れが向かなかったというしかない。

 開幕週の良馬場でタイムが出やすい馬場状態だったことが大きいと思うが、その高速馬場でスローペースになれば、この結果も当然といえるだろう。

ダノンプレミアムは実績や指数からも勝って当然の馬だが、もともと先行力があり、展開に左右されにくい脚質もプラスに働いたはず。もし、出遅れて後方からだったとしたら、結果は違っていただろう。先行力はそれだけでアドバンテージになる。

 東京のオークストライアル・フローラSもスローペースになった。
 勝ったのは、直線、内で包まれそうになりながらも外に持ち出し、鋭い差し脚を見せた ウィクトーリアだった。狭い最内をついて内ラチから2着に浮上したのがシャドウディーヴァ。この2頭がオークスへの切符を手にした。マイペースで逃げたジョディーが3着に残った。

 ウィクトーリアは出遅れて中団後方から、シャドウディーヴァは内で前が開かないという、それぞれスムースさを欠いたレースになったが、その不利を克服しての1、2着は評価したい。ただ、ペースは緩く、指数は低調。桜花賞組とは指数差が大きく、本番のオークスではどうだろうか。

 福島牝馬Sは、デンコウアンジュが快勝した。スローペースの流れをものともせず、後方から直線大外一気の差し脚が鮮やかに決まった。2着のフローレスマジックとは2馬身差だったが、スローペースの流れで、直線の差し脚だけでこの差をつけるのだから、見事な差し脚というしかない。3着はダノングレース。

 やっと暖かくなって、さわやかな競馬の季節になった。今週は平成最後のG1天皇賞(春)がある。盛り上がるといいな。

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2019年4月18日 (木)

第1480回 スローペースの差し脚は

 今週から東京、京都に開催が替わる。
 東京の開幕週はオークスの出走権を争うフローラSがメインだ。過去10年、1番人気は(4105)。連対率50パーセントとやや不振。波乱含みのレースだ。
 3歳重賞戦だけに前走指数上位の馬が連軸の中心になるが、牝馬限定戦はスローペースが多く、指数が低くても上がりの脚がある馬たちには注意が必要だ。

(フローラS)1着    2着    3着
09年     Zc   D     -
10年    -     AYb   DYc
11年    -     -     CZc
12年    A b   -     -
13年    C     -     A a
14年    A      Zc    Yb
15年     Xa   A      Y
16年    -     -     -
17年    -     -     A a
18年    B     -     -
(スローペース調整-20/-10)

 今年の指数上位馬は、レオンドーロ、フェアリーポルカ、シャドウディーヴァ、ジョディー、ウィクトーリア、イノセントミューズ、エアジーン、エトワールなど。

 2勝馬は5頭いるが、重賞勝ち馬は不在で、低調なメンバー構成になった。
 3歳牝馬の2000メートル戦だけに、スローペースは必至。スローペースで長く使える差し脚なら、シャドウディーヴァ、ローズテソーロ、セラピア、フォークテイル、クラサーヴィツァ、エトワールなどが上位だろう。

 ここはスローペースの差し脚が鋭いシャドウディーヴァに注目したい。シャドウディーヴァは10月にデビューして3戦目に初勝利をあげた。まだ1勝馬の身だが、年明け2月のフリージア賞は3着、前走は重賞フラワーCに挑戦して4着に好走している。フラワーCはスタートが遅く後方からになったが、直線は内に入れて鋭い差し脚を見せ、上りは出走メンバー中2番目の速さだった。

 安定した差し脚はここでは最上位にあり、距離もフラワーCの1800メートルより、フローラSの2000メートルのほうが合うはず。東京の2000メートル戦は4戦して(1210)。経験値は大きい。

 他では、1戦1勝のセラビアの差し脚が鋭く、この馬から入る手もあるたろう。

 京都のメインは読売マイラーズC。
 京都開催になった2012年以降の7年間で、1番人気は2着2回、3着2回と、まだ勝利がない。
 今年の指数上位はインディチャンプ、ダノンプレミアム、グァンチャーレ、パクスアメリカーナ、モズアスコット、ケイアイノーテック、ストーミーシーなど。

 中心は指数上位の実績馬ダノンプレミアムだろう。ここまで6戦して(5001)。朝日杯、弥生賞も勝って、唯一負けたのが1番人気に支持されたダービーでの6着だけ。皐月賞を挫跖で回避した影響が残っていたのかもしれないが、距離が少し長かったのも要因だったのではないか。

 休み明けの前走、2000メートルの金鯱賞は、先行して直線、難なく差し切る横綱相撲で快勝。改めて能力の高さを感じさせる完璧なレースだった。マイルは2戦2勝しており、距離に問題はないはず。

 逆転候補は4歳馬インディチャンプ。目下3連勝中で、前走はマイルの東京新聞杯を制して初重賞制覇。スピード指数も上位で、マイルは(4101)と、距離適性が高い。1番人気馬が勝てていないジンクスに乗るなら、インディチャンプからだろう。

 他にモズアスコット、ケイアイノーテック、パクスアメリカーナなどが有力な連下候補だ。

(マイラーズC)
       1着    2着    3着
12年    A     -     D d
13年    AXa   -      Za
14年     X    BYb   CZc
15年      d   D     A b
16年    -      Yc    Xb
17年    DYc    Ya    Yd
18年    C b     c   AXb

 福島牝馬Sは平均指数の上位馬の連対率が高い。
 今年の指数上位は、デンコウアンジュ、フローレスマジック、ダノングレース、ウインファビラス、ランドネ、カワキタエンカなど。

 小回りの福島だけに先行馬の前残りが有力だろう。ならば、前走、中山牝馬Sをハイペースで逃げて12着のカワキタエンカ、それを2番手で追走したランドネ(13着)の巻き返しに注目したいところ。とりわけ、直線で前がふさがる大きな不利があって、追うに追えなかったランドネに期待したい。

 ペースによっては、後方一気の差し脚が魅力のデンコウアンジュ、中団から脚を伸ばすダノングレース、ダート馬ながら差し脚鋭いビスカリア、ミッシングリンクなどにもチャンスはありそうで、少頭数ながら波乱含みだ。

(福島牝馬S)1着    2着    3着
09年    -     D b   -
10年    A     C b   C
11年(新潟)-     D b   -
12年    B     AZ     Yb
13年    D b    X    BYc
14年      d   -     -
15年     Ya     c   -
16年    C     A     B
17年     Xa   -     -
18年    -     BXb   -

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