2020年9月29日 (火)

第1625回 コントレイル1強

202009270711
202009270611
 神戸新聞杯のコントレイルは、自己ベスト指数の比較で10以上も下のメンバーたちとの戦いになった。史上3頭目、無敗の3冠馬を目指すコントレイルなら、単勝1.1倍も当然の支持だろう。そして結果も、力の差を見せつける快勝劇だった。

 コントレイルは2番枠からスタート。福永騎手は外に出したかったようだが、1コーナーを目指し、外から各馬が殺到して、馬群の真っただ中に閉じ込められてしまった。動くに動けず、中団の内のまま、我慢の競馬になった。

 直線も前が詰まって出しどころがない。やっと前にスペースが開いたのが、ラスト300メートル地点だった。わずかなスペースだったが、そのスペースをこじ開けると、楽々突き抜け、あっという間に差を広げていく。最後まで馬なりで抑えたままのゴール。後方から追い込んだ2着のヴェルトライゼンデとは2馬身差だったが、着差以上に強さを感じさせる勝利だった。

 コントレイルにとって、レースらしいレースだったのはラスト300メートルだけだろう。それも馬なりで抑えたまま。コントレイルの指数は他の馬たちのレベルに合わせる程度の高さでしかなく、脚慣らしのようなレースだったとはいえ、菊花賞の勝利さえも確信させる快勝に感じた。

 オールカマーは後方から脚を伸ばした5歳牝馬センテリュオが差し切り勝ちを決め、重賞初制覇を果たした。2着は4歳牝馬のカレンブーケドール。3着は5歳牡馬ステイフーリッシュ。

 ジェネラーレウーノの逃げで、1000メートル通過が1分4秒3という超スローペースになった。3コーナーから一気にペースが上がって、各馬が一斉に動き出すところ、2番手に上がったカレンブーケドールが直線、早々に先頭に立ち、そのまま押し切ってしまうかにみえた。

 「これでカレンブーケドールも念願の重賞制覇だ」。テレビ画面に向けて拍手でも送ろうと思った。が、大外から一気に飛んできたのがセンテリュオだった。早仕掛けだったか、少し脚色の鈍ったカレンブーケドールをゴール前でとらえきったセンテリュオに凱歌が上がった。うーーーーん。次はどこを使うのかわからないが、やっぱりカレンブーケドールに勝ってもらいたい。

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2020年9月24日 (木)

第1624回 不動の中心コントレイル

 菊花賞トライアル神戸新聞杯が今週のメイン。
 1番人気馬は7勝、2着2回、連対率90%と圧倒的な連対率を示している。とりわけ前走ダービー出走組が強く、ダービー5着以内の馬が過去10年で9勝をあげている。また、前走、ダービー最先着馬の連対率は100パーセントだ。
 指数上も、過去10年、指数上位馬が上位を占め、ここでも圧倒的に強い傾向が続いている。

(神戸新聞杯)
       1着    2着    3着
10年     Xa    Xb   A
11年    BX    C     D c
12年    AXa   -     C c
13年    BXa   -     -
14年    BXa   D     -
15年    -     AXa    Yb
16年    AXa   -     C
17年     Y    A d   -
18年    A a   C      Zd
19年     BXa   AXa    Zd
(スローペース調整値-10/0)
 今年の指数上位は、コントレイル、グランデマーレ、ファルコニア、ヴェルトライゼンデ、シンボ、ディープボンド、レクセランス、メイショウボサツなどだ。

 最有力馬候補といえるダービー出走組は、無敗のダービー馬コントレイルを筆頭に、3着ヴェルトライゼンデ、5着ディープボンド、9着マイラプソディ、15着レクセランス、16着マンオブスピリットなどが出走してきた。

 不動の中心はコントレイルだ。
 コントレイルは5戦5勝。新馬勝ちのあと、G3東スポ杯2歳S、G1ホープフルSを制して最優秀2歳牡馬に選出された。続くG1皐月賞、G1ダービーを勝ち、無敗の2冠馬、無敗のダービー馬として世代のトップに君臨する。

 ダービーで圧倒的な人気を集めたコントレイルは、内ラチ沿いの3番手から。直線、大きく外に持ち出し、ゆっくりとスピードを上げていく。そのまま先頭に立つと、後続馬をぐんぐん引き離し、サリオスの追撃も突き放して、ゴールでは3馬身差の完勝だった。スタートからゴールまで、どこにも危なげなところがなかった。

 陣営は「遊びながらダービーを勝つのだから」とコメントしていたが、まだまだ成長の余地が大きいとすると、どこまで強くなるのだろう。この神戸新聞杯が目標であるわけではないとはいえ、シンボリルドルフ、ディープインパクトに続く史上3頭目の無敗の3冠馬を目指す以上、ここでは負けられない。

 コントレイルの相手はダービーで上位のヴェルトライゼンデ、ディープボンドに、2戦2勝のグランデマーレなどを中心にとりたい。

 オールカマーは、過去10年、1番人気が3勝、2着3回、3着1回と好成績をあげている。前走、宝塚記念や天皇賞などのG1戦を戦ってきた馬たちが8勝をあげており、底力が問われるレースだ。

 今年は、クレッシェンドラヴ、カレンブーケドール、ミッキースワロー、ステイフーリッシュ、サンアップルトンなどが指数の上位馬だ。

 G1戦で好成績を上げているのは、オークス2着、秋華賞2着、ジャパンC2着のカレンブーケドール、天皇賞(春)3着のミッキースワロー、大阪杯9着のステイフーリッシュなど。

 中心には4歳牝馬カレンブーケドールをあげたい。前記の通り、オークス2着、秋華賞2着、ジャパンC2着とトップクラスの馬たちと互角に渡り合ってきたが、実はまだ2勝の身。重賞勝ちもなく、ここまでの成績は(2521)だ。初の古馬相手のレースだったジャパンC(重馬場)は先行して、直線もしぶとく差し脚を伸ばして2着。その指数は過去1年間、牝馬の中でアーモンドアイ、リスグラシュー、アエロリットに次ぐ高いレベルだった。

 前走、重馬場の京都記念も後方から差し脚を伸ばして2着に好走。3月のドバイのレースはコロナ過で中止になって帰国。秋はここから始動することになった。勝てないまでも、実績はG1級。堅実なレース内容は高く評価できるだろう。

 他では前走、七夕賞を勝ったクレッシェンドラヴ。天皇賞(春)3着のミッキースワローの逆転に注目したい。

(オールカマー)
       1着    2着    3着
10年    AYb   BXa   C
11年    AXa    Yb   D
12年    -     -     C
13年    -     -     D b
14年(新潟)-     -      Xb
15年      c     c   C b
16年    B a    Yb   -
17年    -     BXb   CYd
18年    CZb   B b   A d
19年    C c   A b   -
(海外、公営のレースを減戦して集計)

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2020年9月23日 (水)

第1623回 無敗2冠馬の相手は

202009210611
202009200711
 未勝利、1勝クラス、G3ラジオNIKKEI賞を勝って、目下3連勝中だったバビットが、セントライト記念も逃げ切り勝ちを収めて、菊花賞への切符を手にした。

 バビットは楽にハナに立つと、外回りの1400メートル地点からペースを上げ、4コーナーまでの3ハロンを11秒台のラップで逃げた。後続馬たちに脚を使わせる絶妙なペースで、直線ではダービー組のサトノフラッグ、ガロアクリークが迫ってきたが、結局、余力があったのは逃げたバビット自身で、ゴールまで差を詰められることもなかった。手綱を取った内田騎手の好騎乗だったといえるだろう。

 2、3着のサトノフラッグ、ガロアクリークは、勝ち馬に迫ったものの、差し脚の切れを見せられず、ゴール前はバビットと脚色が同じになってしまって、まだ、調整途上を感じさせる内容にみえた。
 今のレース内容では、無敗の2冠馬コントレイルの強敵にはならないだろう。

 中京のローズSは3番人気のリアアメリアが圧勝した。
 リアアメリアは、スローペースで逃げるエレナアヴァンティのすぐ後ろで脚をためていた。直線に向くとすかさず先頭に立ち、そのまま差を広げる一方の強いレースだった。

 リアアメリアはオークス4着馬。勝ち馬デアリングタクトとはコンマ3秒差で、直線の坂を上がってからの伸びは、勝ち馬に引けを取らない鋭さが目立っていた。これまで後方からのレースが多かったが、今回のローズSでは2番手からの先行策。堂々の正攻法での快勝は力がなければできないはず。無敗の2冠馬デアリングタクトのライバルになりうるのではないか。

 勝ったリアアメリアは3番人気。2馬身差の2着には後方から差し脚を伸ばしたムジカが浮上、3着は内ラチから伸びたオーマイダーリンだった。ムジカは14番人気、オーマイダーリンは11番人気の伏兵で、3連単は113万円超の高配当になった。

 コロナが収束しているわけではないが、スポーツやイベントなどは、徐々に入場制限か緩和されつつある。プロ野球は声を出さない観戦と応援スタイルながら、スタンドに多くの人が戻った光景は観ていてもうれしいし、応援にも熱が入るだろうと思う。競馬は2月末から半年以上、無観客で開催されているが、観客が戻るのはいつになるのだろう。無観客競馬になれた馬たちが、以前のような歓声の渦の競馬にすぐに慣れるものだろうか。

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2020年9月17日 (木)

第1622回 残された3歳1冠

 今週は中山、中京を舞台に3日間開催。
 中山、中京とも、3歳世代に残された最後の1冠、菊花賞、秋華賞を目指すトライアルがメインレースだ。
 中山のセントライト記念は、3着馬までに菊花賞の優先出走権が与えられる。
 過去10年、1番人気は(4213)の成績で、連対は60パーセントとまずまず。指数上は、前走指数や過去の指数、平均指数などの上位馬が満遍なく活躍しているが、ランク外の馬たちにも注意が必要だ。

(セントライト記念)
        1着     2着     3着
10年     C      -      CYc
11年       c    -       X
12年     AXa    -      -
13年     -      DX      X
14年(新潟) BXa    CYd    C
15年      Xc    DYd    -
16年     AXa    -      C c
17年     -       Xd    C
18年     -      B b    -
19年      -      -      D
(スローペース調整値-10/0)

 今年の指数上位馬は、フィリオアレグロ、バビット、ガロアクリーク、ヴァルコス、サトノフラッグなど。

 過去10年、前走、ダービー出走組が7勝をあげており、ダービー6着のガロアクリーク、11着サトノフラッグ、14着ヴァルコスなどに注目が集まる。

 とりわけ スプリングS1着、皐月賞3着、ダービー6着と、世代トップを相手に安定した成績を残してきたガロアクリークが中心になりそうだ。皐月賞は無敗対決で話題になったコントレイル、サリオスが1、2着を占めた。その2頭には離されたが、中団後方から2頭に続く鋭い差し脚を使って3着に浮上した。ダービーもコントレイルが勝ち、サリオスが2着。さすがに2強は強かったが、3着ヴェルトライゼンデとはコンマ1秒差、(頭+半馬身+ハナ)差の6着だった。スローペースで先行馬に向く流れを考えれば、もう少し前でレースができていればと思うが、中団後方から差し脚を伸ばしての6着は内容があったといえるだろう。ガロアクリークの持ち味は中団からの鋭い差し脚にあるが、その差し脚はここでは最上位だ。ダービー上位組が不在で、ガロアクリークがダービー最先着に押し出されることなったが、ダービーの結果を別にしても、ここでは中心になるべき能力を身につけているといえるのではないか。

 ダービー組以外では青葉賞3着のフィリオアレグロ。ここまで3戦1勝の身だが、差し脚がシッカリとしており、前走、青葉賞の高い指数が能力を裏付けている。

 また、ラジオNIKKEI賞を勝って3連勝中のバビットにもチャンスはあるはず。3連勝とも逃げてのもの。前走は、直線でさらに差を広げる完勝劇だった。ここも楽に先手が取れるメンバー構成で、逃げ粘りに要注意だ。

 中京のローズSは3着馬までに秋華賞の優先出走権が与えられる。

 過去10年、1番人気は(5104)と、6連対で安定している。指数上は前走指数上位のA、B、C馬が過去10年で8連対だ。

 今年は、フアナ、リアアメリア、ムジカ、ウーマンズハート、オーマイダーリン、シャレード、セウラサーリ、デゼル、リリーピュアハート、クラヴァシュドール、アブレイズ、フィオリキアリなどが指数の上位馬たち。

 前走、オークス出走組が過去10年で8勝をあげており、セントライト記念同様、春のG1戦の成績が生きるレースだ。

 今年はオークス4着のリアアメリア、9着リリーピュアハート、11着デゼル、12着ウーマンズハート、15着クラヴァシュドール、17着アブレイズなどが該当する。

 中心はリアアメリアだろう。新馬、G3アルテミスSを勝って、阪神JFでは1番人気に推されたが、6着まで。桜花賞は重馬場が合わず、後方のまま10着に大敗。続くオークスは中団後方から4着に巻き返した。オークスのスローペースを克服して、勝ち馬とコンマ3秒差なら上々。直線の坂を上がってからの伸びは、勝ち馬デアリングタクトに引けを取らない鋭さが目立ったほどだ。ここもスローペースが想定されるだけに、鋭い差し脚は大きな武器になるだろう。

 オークス11着から巻き返しをはかるデゼルも、スローペースで長くいい脚を使える差し脚上位馬。要注意だろう。

 他路線組では前走指数最上位のフアナに注目。

(ローズS)  1着     2着     3着
10年     -      A b     Yb
11年     BYa    -      A d
12年     AXa    BYb    D
13年     C b    -      -
14年     A      -      -
15年     B      AX     -
16年     AX     -      -
17年     -      -      CYc
18年     -      -      -
19年      AXb     Z     A c
(スローペース調整値-15/-5)

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2020年9月15日 (火)

第1621回 高速馬場はどうした

202009130611
202009130711
202009120611

 先週から始まった秋競馬。中山も中京も野芝オンリーのコースで、高速馬場を想定していたが、中山は昨年の開幕週と比べ、マイルに換算すると2秒ほど時計のかかる馬場だった。雨の影響があったとしても、時計がかかりすぎており、例年の高速馬場はどこにいったのだろう。

 中山の京成杯オータムHは大外枠から逃げたスマイルカナを、2番手から差し切ったトロワゼトワルがギリギリ、ハナ差で勝利を手にした。2着は逃げたスマイルカナ。3着は3番手から差を詰めたボンセルヴィーソ。2着スマイルカナとはハナ差だった。4、3、13番人気の決着で、先行した3頭が1、2、3着に残るレースたった。

 トロワゼトワルは5歳牝馬。昨年もこのレースに参戦、52キロの軽ハンデを生かし、レコードタイムで逃げ切っている。今年は55キロのハンデで、2番手から差し切って連覇を達成したわけだが、昨年も今年も、横山典騎手の手腕によるところが大きかったのではないか。ただ、馬場状態を加味しても、多少低調なレースだった。

 中京での開催になったセントウルSは、重賞5勝の実績上位馬のダノンスマッシュ(1番人気)が完勝した。4番手で先行して、直線は残り200メートル、坂を上がると一気に加速して先頭に立ち、後続の追撃を寄せ付けなかった。中団から差し脚を伸ばしたメイショウグロッケ(12番人気)が1馬身差で2着に食い込み、3着は先行したミスターメロディ(2番人気)だった。

 ダノンスマッシュの指数は自己ベストとなる高レベルだった。この後はG1スプリンターズSに向かうことになると思うが、昨年は1番人気に推されながらも、3着に敗れており、今年は雪辱を晴らせるだろうか。昨年のスプリンターズSの覇者で、目下1200メートルでの最高指数を示しているタワーオブロンドンは調教が遅れ、スプリンターズSを回避するらしい。ダノンスマッシュのチャンスはより大きくなるだろう。

 秋華賞トライアル紫苑Sは、5番人気のマルターズディオサが快勝した。2番手から4コーナーで先頭に立つと、直線も脚が衰えることなく、楽々押し切ってみせた。ただ指数は低調で、スローペースを味方に、先行できたのが勝因だろう。2着は中団から脚を伸ばした10番人気のパラスアテナ。3着は先行4番手からシーズンズギフト(3番人気)が粘り込んだ。
 上位3頭が秋華賞の優先出走権を得て、無敗の2冠馬デアリングタクトに挑む。

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2020年9月10日 (木)

第1620回 高速馬場への対応力

 引き続き無観客のまま、今週から秋競馬がスタートする。
 中山の開幕週は京成杯オータムハンデがメインレースだ。
 1番人気馬は(3007)、2番人気は(3124)。1番人気馬は直近の4年間で3勝しているものの、過去10年でみると、他の年は3着もない。
 指数上も、ハンデ戦らしくというか、傾向をつかみにくい。

(京成杯オータムハンデ)
       1着    2着    3着
10年    A     -     A d
11年    -     -     D a
12年      d   DY    A c
13年    A b   AXa   -
14年(新潟)AXa   A     -
15年     Z    -     -
16年     Xa   -     -
17年      b     d   A
18年    -     A     DYc
19年    A d   B     -

 今年は、ラセット、トロワゼトワル、ミッキーブリランテ、アンドラステ、エントシャイデン、アストラエンブレム、ストーミーシーなどが指数の上位馬たちだ。
 トップハンデ馬は57キロのアストラエンブレム、ストーミーシーだが、トップハンデ馬は過去10年で2着2回、3着2回のみ。まだ勝利がない。

 4戦3勝の3歳馬ルフトシュトローム(ハンデ54キロ)が人気になりそう。4戦とも1600メートル戦で、新馬、1勝クラスを連勝。ニュージーランドTも勝って、NHKマイルCは5着に好走した。基礎能力は高く、ここは初の古馬相手で、真価が問われる。

 マイルの距離適性からは、エントシャイデン、ラセット、アストラエンブレム、ミッキーブリランテ、メイケイダイハードなどが指数上位の有力馬だ。

 期待は、差し脚鋭いミッキーブリランテ(ハンデ54キロ)。前走、新潟の関屋記念は後方から、直線、最内に入れて4着に浮上した。上りタイムは勝ち馬に次ぐ速さで、高速馬場の対応力もあり、長く使える鋭い差し脚が魅力だ。

 鋭い差し脚から、前走、阪神の中京記念を最後方から一気の差し脚で2着に上がってきたラセット(ハンデ55キロ)にも多いにチャンスはあるはず。上りは最速で、前走指数も最上位だ。

 野芝の中山開幕週で高速馬場の対応力、素軽いスピードが求められるが、その点からは4歳牝馬シゲルピンクダイヤ(ハンデ54キロ)にも要注意だ。まだ、未勝利戦を勝っただけの1勝馬だが、果敢に重賞に挑戦して、昨年はチューリップ賞2着、桜花賞2着、秋華賞3着、ターコイズS3着などの好成績をあげてきた。前走はG1ヴィクトリアマイルで6着ながら、上りタイムは勝ち馬アーモンドアイに次ぐ33秒2の速さで、高速馬場の東京マイルで持ち味を発揮、復調を感じさせる内容だった。ここはペースが上がる牡馬相手の重賞戦で、同様のレースができるかどうか。一発あっても不思議ではない。

 有力馬にあげた馬たちはいずれも後方から差し脚に懸ける馬たちになった。高速馬場で前々でレースができるアンドラステの前残りを狙う手もありそうだ。

 関西の秋競馬は中京からスタート。阪神で行われてきたセントウルSも中京での開催になった。阪神時代のデータだが、1番人気は(4411)と、連対率80パーセント。目下、1番人気が4連勝している。

 今年の指数上位馬は、トウショウピスト、ビアンフェ、ダノンスマッシュ、メイショウグロッケ、クリノガウディー、ミスターメロディ、シヴァージ、セイウンコウセイなど。

 中京もスピードの出る野芝の開催。
 実績からはダノンスマッシュが最有力で、G1スプリンターズS3着、G3オーシャンS1着など、1200戦は(5112)。内重賞は4勝。近走、1400の京王杯、1600の安田記念は逃げたが、1200なら逃げないでも、勝負になる自信の距離だ。先行して楽に差し切る確率が高いのではないか。 

 注目は逃げたい3歳馬ビアンフェ。函館2歳Sを逃げ切って、京王杯2歳Sも逃げて2着に好走した。前走は葵Sを逃げ切り勝ち。同世代との戦いだが、1200メートルは(3100)と距離適性は高い。ダノンスマッシュとの兼ね合いが問題だが、高速馬場と3キロの重量差を生かして、逃げ粘れないだろうか。

(セントウルS)
       1着    2着    3着
10年    -     外     C
11年    A     外     D a
12年    D      Yc   -
13年    BXc   AXa    Zb
14年    B      Xa   B d
15年    -     CXb   -
16年    CXa   -     -
17年     Yb   B     A
18年    AXa   B     -
19年    AXa     b   -
(海外の成績は減戦して集計)

 秋華賞トライアルレースの紫苑Sは、2016年から重賞に格上げされた。
今年の指数上位馬は、シーズンズギフト、クロスセル、ラヴユーライヴ、スカイグルーヴ、マジックキャッスル、ホウオウピースフル、レッドルレーヴなど。

 中心はウインマイティー、マジックキャッスル、チェーンオブラブ、ホウオウピースフルなどのオークス組だ。

 とりわけ、オークスで勝ち馬デアリングタクトに次ぐ上りタイムで5着だったマジックキャッスルに期待したい。オークスは最後方から。直線、馬場の真ん中から差し脚を伸ばしたが、直線半ばの勝負所で、スペースがなかったり、勝ち馬に前をカットされてスピードダウンするなどの不利を抱えながらも、そこから立て直し、鋭い差し脚を見せての5着は優秀だ。

 同じように、オークスでいい差し脚を使って6着のチェーンオブラブも力は足りるだろう。

 また、オークス3着のウインマイティーは忘れな草賞を勝ってオークスに参戦。先行して、直線は先頭に立つ場面もあった。切れる脚はないが、安定した先行力で押し切りも可能だ。

 オークス組以外では、シーズンズギフト、スカイグルーヴ、クロスセル、ラヴユーライヴなど指数上位の馬たちに要注意だ。
(紫苑S)  1着    2着    3着
16年    A     D a   BYa
17年    CXa    Zb   -
18年    -     AXa   D c
19年    C      Zd   A a

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2020年9月 8日 (火)

第1619回 超スローペースの叩きあい

202009060411
202009061011
202009050111
 新潟記念は、福永騎手のブラヴァスが直線の叩きあいを制して、初重賞制覇を果たした。

 好スタートを決めたウインガナドルが注文通りに逃げた。夏の新潟最終日のせいか、馬場の内ラチ沿いが荒れているようで、他の馬たちは内を大きく開けて追走する。向正面、そのぽっかりと開いた内ラチを、中団からするする上がっていったのがジナンボーだ。3コーナー手前でジナンボーが先頭に立ち、そのまま直線に向かった。直線も大きく内をあけて、馬場の外に馬群がかたまり、長い直線の攻防が始まった。

 ジナンボーは馬場の真ん中でしぶとく粘っている。中団で脚をため、直線は馬場の良い外から差し脚を伸ばしたのがブラヴァス。ブラヴァスの更に外から脚を使ったのがサンレイポケットだった。熾烈なたたき合いを、アタマ差で制したのがブラヴァス(2番人気)、2着は逃げたジナンボー(3番人気)が粘り込んで、クビ差の3着が重賞初挑戦だったサンレイポケット(5番人気)。3連単は3万2940円。

 スローペースの差し脚比べになり、勝ったブラヴァスの上りでタイムは32秒6。途中から逃げたジナンボーの上りは33秒1。3着サンレイポケットのそれは32秒4。4着のサトノガーネットは31秒9という信じられないほど速い上りの決着になった。ひとえに道中のペースが未勝利戦並み、あるいは未勝利よりも遅かったことによる。

 土曜日の3歳未勝利の2000メートル戦は、1000メートル通過が1分ちょうどだったのに比べ、新潟記念の1000メートル通過は1分1秒9で、実に1秒9も遅いタイムだ。超スローペースの結果、素軽いスピードと32秒台の決め手のある馬たちが本領を発揮することになった。

 小倉2歳Sは直線なかば、圧倒的人気のモントライゼと、2番人気メイケイエールが大きく抜け出し、差し脚に余力のあった牝馬のメイケイエールがモントライゼに1馬身以上の差をつけて快勝した。メイケイエールは中団から長くいい脚を発揮。2着モントライゼは控えて2番手からのレースだったが、勝ちにこだわるのなら逃げたほうが良かったかもしれない。ただ、先を見据えて控えるレースを教え込みたかったのかもしれない。メイケイエールのスピード指数は現2歳世代トップに立つ高指数だった。

 札幌2歳Sは、3、4コーナーの中間で早々と先頭に立った白毛の牝馬ソダシがそのまま押し切った。これで2戦2勝。母ブチコがなしえなかった重賞タイトルを手にした。2歳レコードでの勝利で、指数も上々。白毛馬の芝重賞制覇は初めてのこととか。今後人気になるのは間違いないが、ハイペースを押し切るパワーは魅力的に思える。

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2020年9月 3日 (木)

第1618回 波乱もありそうな新潟記念

 夏競馬の締めくくり、新潟最終週のメインはハンデ戦の新潟記念。
 1番人気馬は過去10年で2勝、2着2回。2番人気馬は2勝のみ、3番人気馬は連対ゼロ。5番人気以下の馬が6勝しており、波乱模様のハンデ戦といえそうだ。また、トップハンデ馬も1勝、2着1回だけで、トップハンデ馬も苦しい戦いが続く。
 指数上は、前走指数や平均指数の上位馬たちが7年間で連対しており、連軸向き。

(新潟記念) 1着    2着    3着
10年    C     -     -
11年      b   -      Zb
12年    B     -     -
13年    -      Zd   D d
14年    A a     c    Xc
15年    D c    X    -
16年    A     A b   D
17年    -     -     -
18年    B c    Y    DZ
19年    D d   -      Y

 今年は、リープフラウミルヒ、ピースワンパラディ、プレシャスブルー、ブラヴァス、アイスバブル、カデナ、ジナンボー、アイスストームなどが指数の上位馬たちだ。

 トップハンデは、58キロのカデナ。ここでは指数上位で、指数のレベルからすると突き抜ける力はあるはずだが、後方一気の脚質で58キロのトップハンデは苦しいのではないか。

 ペースがゆるみがちな新潟外回りの2000メートル戦で、上がりのスピードが問われることになりそう。期待は重賞初挑戦の5歳馬サンレイポケット(ハンデ54キロ)。

 サンレイポケットは(4314)の全成績だが、ここ1年に限れば(3311)と安定した成績が続いている。前走3勝クラスを勝ち上がったばかりで、重賞は初挑戦だが、後方一気の差し脚はここでも上位だ。前走は不良馬場の東京で、最後方から直線、荒れた内に入れて最速の上りで差し切り勝ち。2走前も33秒1の最速の上りで2着に好走しており、良馬場でも不良馬場でも差し脚の鋭さは変わらず、後方一気の差し脚に懸ける戦法にも揺るぎはない。3勝クラスと重賞ではペースが違うかもしれないが、スローペースになりがちな新潟なら、後方に構えていても届くのではないか。

 他では上りの鋭いサトノダムゼル、ゴールドギア、カデナ、ワーケア、アイスバブルにも勝利のチャンスがあるだろう。

 先行馬では、ジナンボー、リープフラウミルヒ、プレシャスブルーなどの粘りに注目したい。

 小倉2歳Sは1200メートル戦。スローペースはないはずで、指数の高さと能力は比較的結びつきやすい。過去の連対馬も、前走指数上位馬たちが中心になっている。

 今年は、モントライゼ、フリード、フォドラ、アールラプチャー、リサコーハク、セレッソフレイムなどが指数の上位馬たち。

 中心には前走、逃げて大差勝ちのモントライゼを取った。新馬戦は3番手から、直線は早めに抜け出したが、勝ち馬との叩きあいにアタマ差遅れて2着だった。2戦目の阪神の未勝利戦(芝1200メートル)は好スタートからハナに立つと、そのまま楽に逃げて、直線は差を広げる一方。馬なりで2着馬に1秒7の大差をつけて圧勝している。上りタイムも最速で、スピード指数は今も世代トップにある。九州地方は週末、台風の影響で天気が気になるが、スタミナが豊富で、馬場が渋っても問題はないだろう。

 いまのところ自分のペースで行ったほうがいいはずだが、他に函館2歳S4着のフォドラや、前走好指数で未勝利戦を勝ったフリードなども逃げたいはずで、無理なハナ争いにならなければ良いのだが。

(小倉2歳S)1着    2着    3着
10年     Xb   A a   -
11年    -     A a   -
12年    -     -       c
13年    A a   D d   -
14年    -     B a   -
15年    BYd   -     -
16年    C a   A     BX
17年    C d   -     D b
18年    -     -     -
19年    AYa   -     -
(スローペース調整-20/-10)

 札幌2歳Sは、スローペース必至の芝の1800メートル戦。過去の傾向からは、指数の高さより、差し脚の鋭い馬たちが中心のレースといえそうだ。

 今年は、ウイングリュック、コスモアシュラ、ウインルーア、ヴィゴーレ、リキサントライなどが指数の上位馬たち。

 指数上位馬の中では、前走、函館の未勝利戦(芝1800メートル)を逃げ切ったウイングリュックが有力。直線も余力十分で2着馬に5馬身差をつける快勝だった。ウイングリュックが逃げればスローペースはないはずで、追走する馬たちは消耗を強いられる。先行して粘れそうなソダシ、ウインルーア、コスモアシュラ、ヴィゴーレなどが相手の中心になるだろう。

 もしスローペースになるなら、スローペースの差し脚で上位のヴェローチェオロ、バスラットレオン、ユーバーレーベンなどの浮上もあるかもしれない。

(札幌2歳S)1着    2着    3着
10年    BX    C     A a
11年    A a    Z    -
12年    -     B     -
13年(函館)-     AX    -
14年    -     -     -
15年    -     -     CXb
16年      c   CXb   -
17年    -     B a   C
18年    -        C c   -
19年    -     -     B
(スローペース調整は-20/-10)

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2020年9月 1日 (火)

第1617回 洋芝の重馬場

202008300111
202008300411
 日曜日、札幌の芝は早朝からの激しい雨で、重馬場のスタートとなった。
 メインレースのキーンランドCが行われる時間帯も小雨が降り、芝コースは重馬場のまま。良馬場だった前日の土曜日と比べると、マイル換算で3秒近く時計がかかる馬場になった。馬場指数を公表するようになった1992年以降、21年前の1999年に、日曜日の馬場指数に近い数値が記録されたことはあるが、札幌芝の馬場指数としては最悪を示す馬場状態だった。

 その馬場の影響を最も受けたのが圧倒的1番人気馬のダイアトニックだろう。ダイアトニックは最内枠から好スタートを決めたものの、徐々に中団まで後退。4コーナーでは後ろから数えて4、5頭あたり。それでも直線、外に出して上がってくるかと期待したが、全く動かず仕舞い。15着に大敗した。

 洋芝の重馬場に加え、最内枠で、1頭だけ58キロの重量を背負っていたことが大きかったと思うが、近走は積極的に前々でレースを進めて成績を残しており、好スタートながらも、位置を取りに行くこともなく、後退していく場面を見ると、すでに向こう正面あたりで走る意欲を失っていたのかもしれない。

 勝ったのは4歳牝馬の5番人気馬エイティーンガール。後方待機から直線、大外一気の差し脚で突き抜けた。2着も後方から差し脚を伸ばした2番人気のライトオンキュー。3着は直線、エイティーンガールと馬体を合わせて上がってきた9番人気のディメンシオンだった。いずれも内側と比べると少しは馬場が良かった外を回ってきた馬たちが上位を占めた。

 それにしても、洋芝のコースで重馬場になると、これほどまでに消耗するのかと思わされるようなレースだった。

 野芝で良馬場の新潟2歳Sは、2番人気のショックアクションが好位置からゴール手前300メートルを過ぎたあたり、馬場の真ん中から堂々と抜け出して快勝した。1馬身4分の3の差の2着は1番人気のブルーシンフォニー。3着は3番人気のフラーズダルム。

 上りタイムの最速は勝ったショックアクションの34秒1だったが、前半からペースが厳しく、今年は例年のようなスローペースで33秒台の上り勝負にはならなかった。勝ち馬の指数のレベルも、今の時期としては上々。底力もありそうで、今後の期待も大きい。

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2020年8月27日 (木)

第1616回 ダイアトニックが最有力

 札幌は芝1200メートルのキーンランドCがメイン。
 過去10年、1番人気馬は(3412)と、連対率は70%。連軸の中心馬としての信頼は高い。他に、牝馬が過去10年で7勝をあげていることも特徴だ。
 指数上は、前走指数の高いAB馬が、過去10年のうち8年で連対している。

(キーンランドC)
       1着    2着    3着
10年    A b   CXb   -
11年    B d    X     Yd
12年      c   AXa   BZd
13年(函館)A      Yb   -
14年    A     A      Z
15年    -     -      Xb
16年    A     -     -
17年     Yc   -     -
18年    B c   C     -
19年    BYc    Ya   A

 今年は、ダイアトニック、ディメンシオン、アスタールビー、ダイメイフジ、ライトオンキュー、ダイシンバルカンなどが指数の上位馬たち。ただ、指数上はダイアトニックが抜けた存在のようだ。

 ダイアトニックは2走前からスプリント路線に戦いの場を移した。2走前は1200メートルのG1高松宮記念。結果は3着だったが、ゴール前で立ち上がるほどの大きな不利がなければ勝利もあっただろう。前走、函館スプリントSは2番手追走から、直線、楽に抜け出し、2着のダイメイフジに2馬身差をつけて圧勝した。2走とも指数のレベルが高く、スプリンターとしての素質をいかんなく発揮したレースだった。

 それまでは1400、1600メートルを使って(6323)の成績で、重賞もスワンS(1400メートル)を勝っているが、マイルは1勝、1400は5勝していることを考えても、1200への距離短縮はダイアトニックの素質を生かす最善の選択だったのではないか。課題があるとしたら58キロの負担重量だが、前走、函館スプリントSも同じ58キロを背負って快勝しており、特に負担が苦しいとは思えない。

 新潟2歳Sは、スピード指数の高さより、スローペースで長くいい脚を使ってきた馬たちが中心のレースだ。

 今年は、セイウンダイモス、ショックアクション、ファルヴォーレ、フラーズダルム、ブルーバード、タイガーリリーなどが指数の上位馬たちだが、この時期の新馬戦や2歳未勝利戦はスローペースが基本。とくに直線の長い新潟コースはその傾向が強く、上がりだけの勝負になりがちだ。
 上がり指数の上位馬は、ブルーシンフォニー、ジュラメント、シュヴァリエローズ、ハヴァスなど。

 指数上位馬や上りの上位馬たち、どの馬にもチャンスがありそうで混戦模様だ。

 上りの脚からの注目馬はマイルの新馬戦を3番手で先行、直線で2着馬との叩きあいを制したシュヴァリエローズ。道中、ふらふらする場面もあってレースぶりは幼いが、差し脚の鋭さと勝負根性はありそうで、ここでも中心を担える馬だろう。

 指数上位馬のなかでは、積極的に前々でレースができ、素軽いスビートが求められる新潟コースに対応できるショックアクションに期待したい。

(新潟2歳S)1着    2着    3着
10年    -     CYd   -
11年    -     -     -
12年    -     -     -
13年    -     -     DXa
14年    -     -       d
15年    -     D     BXb
16年    B     -     -
17年    -     A     -
18年    A     -       d
19年    -     -     -
(スローペース調整-20/-10)

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