2019年9月12日 (木)

第1522回 残された1冠を目指す

 今週は中山、阪神での3日間開催。牡馬も牝馬も、3歳馬たちに残された1冠を目指す戦いがメインレースだ。
 中山のセントライト記念は、3着馬までに菊花賞の優先出走権が与えられる。
 過去10年の連対馬は、前走指数の高いABCD馬と、XY馬など過去指数の上位馬が中心になっている。1番人気は、過去10年で3勝、2着2回、3着1回。

(セントライト記念)
        1着     2着     3着
09年       Xa    A c    -
10年     C      -      CYc
11年       c    -       X
12年     AXa    -      -
13年     -      DX      X
14年(新潟) BXa    CYd        C
15年      Xc    DYd    -
16年     AXa    -          C c
17年     -       Xd    C
18年     -      B b    -
(スローペース調整値-10/0)

 今年の指数上位馬は、ニシノデイジー、タガノディアマンテ、メイショウテンゲン、ザダル、ランフォザローゼス、ナイママなど。

 過去10年、前走、ダービー組が7勝を上げており、その点からは、ダービー5着のニシノデイジーをはじめ、9着のタガノディアマンテ、10着メイショウテンゲンなども有力馬に浮上してくる。なかでも、ニシノデイジーが指数も最上位で、中心になるべき馬に思える。

 札幌2歳Sを勝ち、東スポ杯も1着。その後は勝ちきれないまでも、ホープフルS3着、弥生賞4着、皐月賞17着、ダービーでは5着に好走。一線級の相手に戦ってきおり、指数も世代トップに迫るレベルにまで上昇してきた。今年のダービーは2番手から差し脚を伸ばしたロジャーバローズが勝ったが、ニシノデイジーは中団後方から、直線、内に入れて13番人気ながら5着に浮上。上りは3番目の速さだった。素軽いスピードもありそうで、野芝の中山は合うのではないか。

 気になるのは3戦3勝のザダルだ。ダービーは自重して秋に備えていたようで、まだ底を見せていない逸材。ここでは鋭い差し脚も上位で、差し脚比べなら勝ち負けになるだろう。

 他にでは逃げるリオンリオンに、ランフォザローゼス、メイショウテンゲン、アトミックフォース、タガノディアマンテ、ナイママ、オセアグレイトなどの差し脚に要注意。

 阪神のローズSは3着馬までに秋華賞の優先出走権が与えられる。

 過去10年、1番人気は4勝、2着2回。6連対と比較的安定している。前走、オークス出走組が8勝をあげて、春のG1戦での成績が生きるレースだ。指数上は前走指数上位のA、B、C馬が過去10年で8連対を上げているが、ここ2年は連対できないレースが続く。

 今年は、ダノンファンタジー、ウィクトーリア、シャドウディーヴァ、シゲルピンクダイヤ、ビーチサンバ、スイープセレリタスなどが指数の上位馬たちだ。

 今年は桜花賞馬グランアレグリア、オークス馬ラヴズオンリーユーが不在。順当なら阪神JFを勝って2歳女王に輝き、桜花賞4着、オークス5着のダノンファンタジーが中心になるだろう。

 デビューから(4102)の成績はここでは最上位。指数のレベルもナンバー1だ。ペースが厳しくなったオークスでは、直線、中団の前から追ったものの、切れる差し脚は発揮できず5着だった。以前から2000メートル以上の距離に課題があるとされており、だとすれば、オークスはよく頑張ったというべきだろう。ローズSは阪神の外回りコースで、スローペースが基本。ダノンファンタジーなら守備範囲の距離。難なくこなせるのではないか。

(ローズS)  1着     2着     3着
09年      -      CX       c
10年     -      A b     Yb
11年     BYa    -      A d
12年     AXa    BYb    D
13年     C b    -      -
14年     A      -      -
15年     B      AX     -
16年     AX     -          -
17年     -      -      CYc
18年     -      -      -
(スローペース調整値-15/-5)

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2019年9月10日 (火)

第1521回 レコードタイムの大逃げ

201909080611
201909080911
201909070611
 秋の中山開幕週のハンデ戦、京成杯AH。  横山典騎手を背に大逃げを打った4歳牝馬トロワゼトワルが、そのまま逃げ切ってJRAレコードタイムで勝利した。トロワゼトワルはこれまで逃げたことはなかったが、逃げの戦法は横山典騎手の判断だったようだ。トロワゼトワルは「切れるタイプではない」ので、スローペースの差し脚比べでは苦しい。52キロの軽ハンデを生かして、ペースを上げて逃げるのが勝利に近いという判断だったようだ。

 この時期の中山の芝コースは野芝のみのコースで、洋芝をオーバーシードする他の季節の馬場と違って、素軽いスピードが求められるのが特徴。開幕週で天候にも恵まれ、馬場は絶好、加えてハンデ戦となれば、軽ハンデを生かして前に行く馬たちには、おあつらえの馬場状態だった。

 トロワゼトワルの1000メートル通過は55秒4。確かにタイムは速かったが、馬場状態を考えればさほどハイペースとはいえない。高速馬場を味方に、見事に思い描いた通りの大逃げで2着馬に3馬身半差をつけた横山典騎手の快勝劇だった。

 2着は3番手で先行したハンデ53キロの5歳牝馬ディメンシオン。3着は3番手で先行したジャンダルム。いずれも先行した馬たちで、高速馬場とペースを生かした馬たちといえそう。

 後方から追い込んだのは5着のプロディガルサンが最上位。また、トップハンデ馬ロードクエストは8着まで。京成杯AHではトップハンデ馬の苦戦が続いているが、その要因のひとつに高速馬場があるのかもしれない。

 阪神のセントウルSは芝1200メートル戦。秋の阪神も中山と同じ野芝オンリーの高速馬場だ。平均ペースで逃げたのはマテラスカイ。タワーオブロンドンはスタートでは出遅れ気味だったが、徐々に位置を上げて4コーナーでは7番手。直線、外に出すと一気の差し脚で圧勝した。

 タワーオブロンドンの上りタイムは33秒2。勝ちタイムもレースレコードだった。短距離戦での3馬身差はまさに大差だ。タワーオブロンドンのスピード指数は過去1年間の短距離戦での最高指数だった。2着は7番人気のファンタジスト、3着は3番人気イベリス。

 最近では、短距離戦で安定したスピード指数の高さを示す馬が不在で、低調な短距離戦線だったが、しばらくタワーオブロンドンの天下が続くかもしれない。もちろん、次走G1スプリンターズSでも大本命になるだろう。

 秋華賞トライアルレースの紫苑Sは、直線半ば、1番人気のカレンブーケドールがぬけだして、そのまま押切を図るところ、3番手から伸びた2番人気のパッシングスルー、4番手から内を突いたフェアリーポルカとの3頭の叩きあいになった。

 激しい叩きあいを制したのはパッシングスルーだった。ハナ差の2着にフェアリーポルカ。3着は半馬身差でカレンブーケドール。このレースはスローペースで、先行馬同士の決着になった。

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2019年9月 5日 (木)

第1520回 スローペースの差し脚

 今週から秋競馬がスタート。中山の開幕週は京成杯オータムハンデがメインレースだ。
 1番人気馬は直近の3年で3連勝しているものの、過去10年でみると、他の年は3着もない。指数上も、ハンデ戦らしくというか、傾向をつかみにくい。

(京成杯オータムハンデ)
       1着    2着    3着
09年    -     A      Z
10年    A     -     A d
11年    -     -     D a
12年      d   DY    A c
13年    A b   AXa   -
14年(新潟)AXa   A     -
15年     Z    -     -
16年     Xa   -     -
17年      b     d   A
18年    -     A     DYc

 今年は、トロワゼトワル、ディメンシオン、ロードクエスト、プールヴィル、ヒーズインラブ、ヤングマンパワー、キャプテンペリーなどが指数の上位馬たちだ。

 トップハンデ馬は57キロのロードクエストだが、トップハンデ馬は過去10年で2着2回のみ。まだ勝利がない。

 メンバー構成からするとスローペースは必至。加えて野芝コースの中山開幕週なら、素軽いスピードも求められるだろう。
 野芝の適性が高く、鋭い差し脚があるのは、ロードクエスト、ディメンシオン、プロディガルサン、ストーミーシー、レインボーフラッグなど。苦戦の続くトップハンデのロードクエストを除けば、ディメンシオン、プロディガルサンが有力馬に浮上してくる。

 ここはハンデが53キロと恵まれた5歳牝馬ディメンシオンに注目したい。近走は重賞の壁を感じさせるレースが続くが、マイル戦は(3003)と得意の距離。ハンデ戦での浮上を期待したい。

 阪神のセントウルSは芝1200メートル戦。1番人気は(3511)と、連対率は80パーセント。指数上は、前走指数上位馬が連軸の中心になっている。

 今年は、タワーオブロンドン、ミスターメロディ、ダイメイプリンセス、ペイシャフェリシタ、カイザーメランジェなどが指数の上位馬だ。
 短距離戦での指数の高さ、鋭い瞬発力で、タワーオブロンドン、ミスターメロディが中心になりそう。

 前走、G1高松宮記念を勝利したミスターメロディ、この夏を順調に使われ、前走キーンランドC2着のタワーオブロンドン。両者に差はないが、負担重量の違いもあり、差し脚勝負ならタワーオブロンドンに分があるのではないか。

 ダートで実績を積んできたマテラスカイも素軽いスピードがあり、要注意だ。

(セントウルS)
       1着    2着    3着
09年    -     CXa   -
10年    -     外     C
11年    A     外     D a
12年    D      Yc   -
13年    BXc   AXa    Zb
14年    B      Xa   B d
15年    -     CXb   -
16年    CXa   -     -
17年     Yb   B     A
18年    AXa   B     -
(海外の成績は減戦して集計)

 秋華賞トライアルレースの紫苑Sは、2016年から重賞に格上げされた。
 今年の指数上位は、カレンブーケドール、フィリアプーラ、パッシングスルー、レッドベルディエス、レオンドーロ、フェアリーポルカなど。

 中心は、スイートピーSを勝って臨んだオークスで、12番人気ながら2着に好走したカレンブーケドールだ。オークスは4番手で先行、直線、早々と先頭に立ったが、ゴール手前でラヴズオンリーユーに交わされた。それでも勝ち馬と馬体を合わせたままのゴールで、後続には2馬身以上の差をつけた。勝ち馬と同じ現3歳牝馬世代トップとなる高指数で、本番の秋華賞も狙えるはず。前哨戦のここは素直に中心に推したい。

(紫苑S)  1着    2着    3着
16年    A     D a   BYa
17年    CXa    Zb   -
18年    -     AXb   D c

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2019年9月 3日 (火)

第1519回 2歳戦も本格化

201909010411
201909011011
201908310111
 令和元年、夏競馬最後の重賞・新潟記念は2番人気のユーキャンスマイルが制した。  ユーキャンスマイルは内ラチ沿いの中団後方から。4コーナー、多くの馬たちが外に回し、内が大きく開いた。ユーキャンスマイルの岩田康騎手は、その開いたスペースを突いて一気に加速、先行馬たちをとらえ、最後はジナンボーとの叩きあいも、わずかにクビ差抑え込んで、2つ目の重賞タイトルを手にした。

 これで左回りのコースは3戦3勝。スピード指数も上々のレベルにあり、秋の東京開催のG1、天皇賞秋、ジャパンカップへと期待がふくらむ。

 2着は6番人気のジナンボー。3着は8番人気のカデナ。人気のレイエンダは直線見どころもないまま10着に敗れた。

 小倉2歳Sは3番人気のマイネルグリットが直線、差し切り勝ちを決めた。
 向こう正面では先行集団のすぐ後ろにつけ、4コーナーは3番手の外から。直線の叩きあいも楽々と差し脚を伸ばしての快勝劇。2着馬トリプルエースとの差はわずかにクビ差だったが、着差以上の強さを印象付けた。これでデビューから3戦3勝。とはいえスピード指数のレベルはさほど高くないので、これからの成長が課題になるだろう。

 2着は2番人気のトリプルエース、3着は4番人気のラウダシオン。

 札幌2歳Sは、5番人気のブラックホールが、直線、大外から一気の差し脚を繰り出して快勝した。2着は3番人気のサトノゴールド、3着は2番人気のダーリントンホールだった。

 ブラックホールは好スタートを決めたものの後方3番手にまで下げた。ようやく3、4コーナーの頂点から仕掛け、直線、大外から一気にまくる荒っぽいレースだったが、長くいい脚を使っており、素質は高いのだろう。

 圧倒的な人気となったゴルコンダは後方から。向こう正面から動いて、4コーナーでは2番手にまで上がったが、切れる差し脚は不発のまま。直線の叩きあいに後れを取って6着だった。ゴルコンダの手綱を取ったルメール騎手は「スタートで躓いてトモの蹄鉄がずれた」とコメントしていた。

 先週、土曜日の札幌1レース、芝2000メートルの2歳未勝利戦を勝ったミヤマザクラ(牝)が現2歳世代トップの高指数を示した。直線だけで2着に5馬身差をつけたが、この時期の2歳馬の指数としては出色なレベルだ。

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2019年8月29日 (木)

第1518回 波乱の主役は

 早くも新潟の最終週。メインはハンデ戦・新潟記念。
 1番人気馬は過去10年で2勝、2着2回。2番人気馬は1勝のみ、3番人気馬は連対ゼロと、上位人気馬は苦戦が多い。5番人気以下の馬が7勝しており、波乱模様のハンデ戦といえそうだ。また、トップハンデ馬も1勝、2着1回だけで、トップハンデ馬も苦しい戦いが続く。
 指数上は、前走指数や平均指数の上位馬たちが7年間で連対しており、連軸の中心になっている。

(新潟記念) 1着    2着    3着
09年    AYc   -     -
10年    C     -     -
11年      b   -      Zb
12年    B     -     -
13年    -      Zd   D d
14年    A a     c    Xc
15年    D c    X    -
16年    A     A b   D
17年    -     -     -
18年    B c    Y    DZ

 今年は、フランツ、アクート、ショウナンバッハ、ユーキャンスマイル、サトノワルキューレ、ダイワキャグニー、カデナ、ブラックスピネル、クリンチャー、サトノキングダムなどが指数の上位馬たちだ。

 トップハンデは、57.5キロのクリンチャー、ダイワキャグニー。トップハンデ馬は苦戦を強いられているだけに連軸向きとは思えない。

 近走好調で人気を集めそうなのはルメール騎手騎乗の4歳馬レイエンダだろう。ここまで(4103)の好成績だ。前走は超スローペースのエプソムカップを2番手で先行、ゴール前、逃げ馬をとらえて快勝、重賞初制覇を果たした。上がり指数は限界に近い高レベルを示しており、展開に恵まれた部分はあったにせよ、能力に疑いはない。ただ、今年の新潟記念が同じような超スローペースになるとは考えにくく、前走の再現は難しいかもしれない。

 多少ペースがあがっても対応できる差し脚で上位にあるのはアクート、フランツなどだろう。

 6歳馬アクートは前走、準オープンを勝ったばかりで、ハンデも54キロに恵まれている。新潟は(3010)とコース適性も高く、夏の新潟開催では3戦3勝と負けなし。上りタイムは3戦とも最速だった。加えて、ここまでの4勝はすべて野芝のコースでの勝利で、素軽いスピードが持ち味のようだ。出世は遅れたものの、初の重賞挑戦でも一発を期待できるのではないか。波乱の主役になるかもしれない。

 フランツも前走、準オープンを勝ちあがってきた4歳馬。5月のむらさき賞以来のレースになるが、ここまで(4102)と、まだ底を見せておらず、その素質に注目したい。前述のアクートとの比較では、フランツのほうが信頼できるとは思うのだが--。

 小倉2歳Sは1200メートル戦。スローペースはないはずで、指数の高さと能力は比較的結びつきやすい。過去の連対馬も、前走指数上位馬たちが中心になっている。

 今年は、マイネルグリット、テーオーマルクス、ゼンノジャスタ、ヒメサマ、シゲルミズガメザ、ローランダー、カイルアコナ、ホープホワイトなどが指数の上位馬たち。指数の上位馬はいずれも前走、フェニックス賞を戦ってきた馬たちだ。

 中心は、新馬戦に続きフェニックス賞を勝って連勝中のマイネルグリットだ。フェニックス賞は直線、最内の3番手から馬なりで先頭に立ち、そのまま押し切って勝利。まだ余力も感じさせるレース内容だった。

 相手もフェニックス賞組や指数の上位馬が中心だが、超スローペースの新馬戦を中団から差し切ったトリプルエースには要注意だ。

(小倉2歳S)1着    2着    3着
09年    BZd   -     DXc
10年     Xb   A a   -
11年    -     A a   -
12年    -     -       c
13年    A a   D d   -
14年    -     B a   -
15年    BYd   -     -
16年    C a   A     BX
17年    C d   -     D b
18年    -     -     -
(スローペース調整-20/-10)

 札幌2歳Sは、スローペース必至の芝の1800メートル戦。指数の高さより、差し脚の鋭い馬たちが中心のレースだ。

 今年は、ゴルコンダ、ダーリントンホール、コスモインペリウム、カップッチョなどが指数の上位馬。

 差し脚の最上位はゴルコンダ。新馬戦は中団から最内に入れ、直線では先頭に立つ場面もあったが、外から差し切られて3着。とはいえ、差し脚は上々の鋭さで、ここでは最上位。前走は一転、ハイペース気味に逃げて、直線は差を広げる一方で、レコードタイムでの大差勝ちだった。指数上、中距離では現2歳世代の最高指数だった。手綱を取ったルメール騎手はまだ「余力を残して」いるという評価で、ここは素直にゴルコンダの能力に期待したい。

(札幌2歳S)1着    2着    3着
09年    AYa   -     -
10年    BX    C     A a
11年    A a    Z    -
12年    -     B     -
13年(函館)-     AX    -
14年    -     -     -
15年    -     -     CXb
16年      c   CXb   -
17年    -     B a   C
18年    -     C c   -
(スローペース調整は-20/-10)

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2019年8月27日 (火)

第1517回 秋本番へ向けて

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201908250411
 札幌のキーンランドCは、堅く収まった。  勝ったのは1番人気のダノンスマッシュ。2着には2番人気のタワーオブロンドンが入り、3着は3番人気のリナーテ。人気通りの入線で3連単は4480円。

 1枠から好スタートを切ったナックビーナスが逃げてペースが上がった。稍重の洋芝コースで前半600メートルが33秒2、1000メートル通過が56秒7のハイペースでは、逃げ馬や先行馬は苦しい。ゴール前、中団より後ろに構えていた馬たちが一気に浮上して上位を占める結果だった。

 勝ったダノンスマッシュは好スタートも控えて中団から。直線は大きく外に持ち出すロスがありながらも、きっちり差し切るパフォーマンスは能力の証だろう。これで1200メートルは(4101)。1200の重賞も3勝目だ。G1高松宮記念でも4着に好走しており、1200メートルのスペシャリストとして、秋のスプリンターズSの最有力候補になるだろう。

 2着のタワーオブロンドンは58キロを背負って、勝ち馬と同指数だった。1200でもトップレベルの能力があることを示している。上がり指数は最上位で、次走での逆転もありそうな内容だったのではないか。

 ハイペースを逃げて5着に粘った牝馬のナックビーナスは、もう少しペースが遅ければ粘り切れたのではないかと思う頑張りを見せた。

 新潟2歳Sは1000メートル通過が1分01秒4のという超スローペース。
 前を行く馬たちに有利な流れだったが、中団7番手から抜け出したウーマンズハートが快勝。直線、少しよれながらも、メンバー中最速の上りタイム32秒8で他馬を寄せ付けなかった。

 半馬身差の2着は、直線、先に抜けだしたペールエール。ウーマンズハートとのたたき合いには後れを取ったが、33秒1の上りなら上々だ。ここは相手が強かったということだろう。3着は2番手から粘り込んだビッククインバイオ。1-3-8番人気の決着だった。

 暑い盛りも過ぎ、今朝はひんやりとした風に、半袖では少し肌寒く感じた。
 真夏の新潟競馬も、小倉も札幌も、残すところあと2日。今週末が最終週だ。

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2019年8月22日 (木)

第1516回 スローペースの差し脚比べか

 今週の札幌は芝1200メートルのキーンランドCがメイン。
 過去10年、1番人気馬は(2422)と、勝率は低いものの、連対率は60%で、馬券の対象にはなっている。他に、牝馬が過去10年で7勝をあげていることも特徴的だ。
 指数上は、前走指数の高いAB馬と平均指数上位馬が、過去10年のうち7年で連対している。

(キーンランドC)
       1着    2着    3着
09年     Xa   -     A
10年    A b   CXb   -
11年    B d    X     Yd
12年      c   AXa   BZd
13年(函館)A      Yb   -
14年    A     A      Z
15年    -     -      Xb
16年    A     -     -
17年     Yc   -     -
18年    B c   C     -

 今年は、リナーテ、ダノンスマッシュ、ダイメイフジ、ハッピーアワー、ナックビーナス、ライオンボス、セイウンコウセイなどが指数の上位馬たちだ。

 今年の出走メンバーの近走のレース内容から考えると、ペースは落ち着きそうで、直線の差し脚比べになるのではないか。
 差し脚の上位はリナーテ、アスターペガサス、ハッピーアワー、タワーオブロンドン、デアレガーロなどだ。

 注目は5歳牝馬のリナーテ。今年の春、京王杯スプリングCはタワーオブロンドンの2着に好走。直線、ラスト100メートルの瞬発力は先に抜け出した勝ち馬を脅かす鋭い差し脚だった。その後の函館スプリントSは薬物騒動のあおりで除外になったが、前走、1番人気に支持された札幌のUHB賞は、中団後方から直線、大外一気の差し脚で他馬を圧倒する完勝劇だった。差し脚は安定しており、負担重量もタワーオブロンドンの58キロと比べると牝馬の54キロは断然有利だろう。

 相手の筆頭はタワーオブロンドン。ただ、1200メートルは守備範囲だとしても、距離適性は1400メートル以上にありそうで、ベストとは思えない。58キロも苦しいのではないか。

 前走、G1高松宮記念で4着のダノンスマッシュにもチャンスはありそう。1200メートル戦は(3101)。1200の重賞を2勝しており、実績は最上位だ。

 他では、新潟直線1000メートル戦で3連勝中のライオンボス。はまれば逆転もありそうで、その素軽いスビートに注目したい。

 新潟2歳Sは、スピード指数の高さより、スローペースで長くいい脚を使ってきた馬たちが中心のレースだ。この時期の新馬戦や2歳未勝利戦はスローペースが基本。とくに直線の長い新潟コースはその傾向が強く、上がりだけの勝負になりがちだ。

 今年は、ウーマンズハート、ウインカーネリアン、ビッククインバイオ、モーベット、タイムマシンなどが、上がり指数の上位馬たちで、連軸の中心になる馬たちだろう。

 なかでも、新潟マイルの新馬戦を圧勝したウーマンズハートの差し脚が最上位だ。スローペースの新馬戦は中団待機。直線半ばから追い出し、逃げた1番人気馬を大外からとらえると、ゴールでは3馬身半の差をつけた。上りタイムは32秒0、上がり指数も限界に近い+23の高レベルだった。2、3着馬の上がり指数は+10で、その差からか考えても、破格の差し脚といえそうで、将来性も高いのではないか。

 相手も差し脚上位のウインカーネリアン、ビッククインバイオ、モーベット、タイムマシンなどが中心だが、2戦2勝のエレナアヴァンティの先行力にも要注意だ。

(新潟2歳S)1着    2着    3着
09年    -     -     A b
10年    -     CYd   -
11年    -     -     -
12年    -     -     -
13年    -     -     DXa
14年    -     -       d
15年    -     D     BXb
16年    B     -     -
17年    -     A     -
18年    A     -       d
(スローペース調整-20/-10)

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2019年8月20日 (火)

第1515回 G1馬たちの底力

201908180111
201908181011

 G1馬4頭がそろった札幌記念。
 エイシンティンクルが逃げ、平均ペースの流れになった。2番手にクロコスミア、3番手にサングレーザーがつけた。4番手に2番人気のワグネリアン、中団後方の内ラチ沿いに3人気のブラストワンピースがひかえ、更にその後ろに1番人気のフィエールマンが収まった。

 直線に向くと大逃げを打ったエイシンティンクルが失速。先行していたサングレーザーが勢いにのって早々にトップに浮上した。しかし、内を突いて、狭いスペースをこじ開けるように差し脚を伸ばしたのがブラストワンピースだ。ゴール手前50メートル、ブラストワンピースがサングレーザーをとらえると、そのまま一気に差し切って、有馬記念以来の勝利をつかんだ。

 クビ差の2着にサングレーザー、3着は大外から追い込んできたフィエールマン。先行したワグネリアンは伸びあぐねて4着まで。

 ブラストワンピースは狭い内を突いて、きっちりと差し脚を使えたのが勝因だろう。逆に言うと、前が塞がっていたらどうだったか。大外強襲で最速の上りタイムを示したフィエールマンは、もう少し前だったら届いていたのかもしれないと思わせた。勝ち負けには多少の幸不幸があるにせよ、実力のある馬たちが持てる力を十分に発揮したレースで、G1馬たちの底力を感じさせた。

 今年の凱旋門賞には、ブラストワンピース、フィエールマンに加え、キセキも参戦の予定とか。彼らの活躍を大いに期待したい。

 例年、波乱気味のハンデ戦北九州記念。今年も3連単は11万超馬券になった。

 勝ったのは9番人気で、単勝3080円の6歳牝馬ダイメイプリンセス。前走、アイビスサマーダッシュは2番人気に押されたもののも6着と振るわず、ここでは人気を落としていたが、ハイペースの流れを味方に、後方一気の差し脚が見事に炸裂した。昨年のこのレースでも2着に好走しており、これで小倉は(2101)。コースの相性も良かったのだろう。

 2着は3歳牝馬の3番人気ディアンドル、最速の上りタイムで上がってきた5番人気の4歳牝馬アンヴァルが3着だった。上位は4着までを牝馬が独占した。
 「夏は牝馬」の格言を忘れてはいけない。

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2019年8月15日 (木)

第1514回 4歳G1馬たちの戦い

 例年、レベルの高い有力馬が集まるG2札幌記念が今週の注目のレース。今年は春の天皇賞馬フィエールマンをはじめ、G1馬4頭が出走する。
 過去10年、1番人気馬は2勝、2着5回。3着1回。連対率は70パーセントとまずまずだが、勝率は物足りない。ここ7年に限れば、1番人気馬は2着4回、3着1回のみで、勝利がなく、波乱の傾向も見える。
 指数上は、前走指数上位馬の勝率と連対率が高い。

(札幌記念)  1着     2着     3着
09年     AYa    D      -
10年     AZb    -      -
11年     B a    D c     Xc
12年     D      AXa    DYb
13年(函館) A c    B c    -
14年     C      AZa    -
15年     CZ     -      D d
16年     -      CXa    A
17年     -      -      AYb
18年          AXa    BYa    -
(地方、海外の成績は減戦して集計)

 今年は、クロコスミア、フィエールマン、サングレーザー、ランフォザローゼス、サクラアンプルール、ブラストワンピース、ペルシアンナイトなどが指数の上位馬たち。

 G1勝ち馬は、菊花賞を勝って、今年の春の天皇賞を制したフィエールマン、昨年のダービー馬ワグネリアン、昨年の有馬記念を勝ったブラストワンピース、マイルCSの勝ち馬ペルシアンナイトの4頭。

 5歳馬ペルシアンナイトを除けば、他の3頭はともに同世代の4歳馬たちで、素質の高さと基礎能力、成長余力を考えても、この4歳馬3頭が中心になるだろう。

 その筆頭は、菊花賞、春の天皇賞を制したフィエールマン。デビューが遅れて3歳クラシックには参戦できなかったが、ここまで(4200)と、全成績では最上位だ。前走、天皇賞春は中団から、4コーナーで早くも先頭に立ち、直線、グローリーヴェイズとの長い叩きあいを制して、長距離適性の高さを示した。

 札幌記念の後、凱旋門賞に向かう予定で、ここで負けるわけにはいかないだろう。ただ、ここまで、2着2回は、ラジオNIKKEI賞の1800メートル、AJCCの2200メートルで、2000メートル前後の距離での2度の取りこぼしは気になるところ。札幌記念の2000メートルも素質からすれば問題にはならないかもしれないが、長距離の能力と適性が高い分、ペースにも左右されるかもしれない。杞憂であればいいのだか。

 ダービー馬ワグネリアンはここまで(5111)。菊花賞は出走しなかったので、フィエールマンとは初対決になった。初の古馬相手のレースになった前走の大阪杯は、直線、最内からじりじり差し脚を伸ばしたもののアルアイン、キセキに続く3着。7着のブラストワンピースには2馬身近く先着しており、ここはフィエールマンの対抗馬として、2番手に評価したい。

 ブラストワンピースは(5004)の全成績。毎日杯、新潟記念、有馬記念と、重賞は3勝している。有馬記念勝ちの後は、大阪杯6着、目黒記念8着と、いずれも1番人気に支持されながらも、苦戦続きはどうしたものだろう。今回、川田騎手に乗り替わるようだが、巻き返しはあるだろうか。

 3頭の4歳馬たちに割って入るとしたら、昨年の勝ち馬サングレーザー、牝馬のクロコスミア、4歳馬ステイフーリッシュなど。

 北九州記念は芝1200のハンデ戦。

 過去10年、1番人気は1勝もできず、2着2回、3着2回のみと不振。トップハンデ馬も1勝、2着1回、3着2回と苦戦続きだ。牝馬は10年で5勝をあげているが、そのうち4頭は指数上のランク外馬。牡馬で指数ランク外の馬が勝ったのは、2012年の1度だけだ。指数上は前走指数の上位馬が連軸の中心だろう。

 今年の指数上位は、シャドウノエル、アレスバローズ、ディアンドル、アンヴァル、モズスーパーフレア、キングハート、ファンタジストなど。

 短距離の差し脚は、ファンタジスト、ディープダイバー、ナインテイルズ、シャドウノエル、ディアンドル、ミラアイトーンなどが上位だ。

 注目は長期休養をはさんで目下4連勝中のミラアイトーン。デビュー以来(6012)の成績だが、特に1200メートルにシフトしてから、4連勝の快進撃が始まった。前走は出負け気味のスタートになって中団後方から。直線も前が詰まる場面もありながら、ラスト200メートルで一気に差し切り勝ちを決めた。平均ペースでの決め手の鋭さは最上位だろう。小倉の芝は3戦3勝、浜中騎手とも2戦2勝。休み明けも問題なく、ここは不動の中心に思えるが、しかし、そうはいっても5連勝は至難の技。そろそろ負け頃かもしれない。

 逆転候補は3歳牝馬のディアンドル。未勝利戦から5連勝中で、前走は重賞戦でも勝利をあげた。ここは初の古馬戦になるが、前々でレースができて、差し脚もある。52キロの軽ハンデは魅力的だ。

 差し脚に懸けたい馬が多いなか、楽に先手が取れて、マイペースで逃げられるモズスーパーフレアの逃げ切りに要注意。前走、高松宮記念は15着に大敗したが、もともと指数の高さは、ここでは最上位だ。55キロのハンデなら、勝ち負けになるだろう。

(北九州記念) 1着     2着     3着
09年     CZa    C       Ya
10年     -      B       Yb
11年     -      B      BZd
12年     -      -      -
13年      Yc    A      C b
14年     D      A      -
15年     -      BZ     -
16年     BY      Xa      c
17年     -      -      -
18年     B c    -      -

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2019年8月13日 (火)

第1513回 スローペースとハイペース

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 暑い暑い真夏の競馬が続く。  来年に迫った真夏のオリンピックの暑さ対策も大変だろうな。

 関屋記念は人気を集めたミッキーグローリーが快勝した。休み明けだったせいか、スタートが良くなく、後方からのレースになった。当然、スローペースで先行馬に向く流れだったはずだが、ミッキーグローリーは直線、ゴール手前200メートル地点から追い出されると、反応も鋭く馬場の真ん中を駆け上がり、ゴールでは2着のミエノサクシードに半馬身の差をつけ、重賞2勝目のタイトルをつかんだ。

 「ここでは勝つ自信があった」と、ミッキーグローリーの手綱を取ったルメール騎手のレース後のコメントがあったが、出遅れて思い通りの位置ではなかったにもかかわらず、32秒2の上りタイムで差し切った脚は、今は亡きディープインパクトを彷彿とさせる鋭さだった。差し脚にはよほど自信があったのだろう。

 2着に6番人気のミエノサクシード、3着は4番人気のソーグリッタリング。2番人気のケイデンスコールは後方のまま、いいところなく14着に大敗した。

 ダートの重賞、札幌のエルムSは、やっぱりというべきか、ハイペースになった。ハイペースを作ったのが逃げたドリームキラリと、2番手から競りかけていったリアンヴェリテ。さらに差のない3、4番手にマルターズアポジーとタイムフライヤーがつけ、後続を離してレースが進んだ。

 ただ、ダートで1000メートル通過が58秒6という芝なみのペースでは、先行馬は苦しい。まず4コーナー手前でドリームキラリ、マルターズアポジーが失速。直線半ばまで頑張っていたタイムフライヤー、リアンヴェリテの脚も上がった。

 直線半ば、先行馬を一気にとらえたのが2番人気のモズアトラクションだった。モズアトラクションはコースロスのない後方の内ラチ待機策。3コーナーから徐々に馬なりで順位を上げ、直線に向くと、内から外に持ち出し、最速の上りで完勝した。絵にかいたようなハイペースの差し切り勝ちのレースだった。

 昨年の勝ち馬、10番人気のハイランドピークが2着、3着が4番人気のサトノティターン。1番人気のグリムは中団のまま7着におわった。

 暑い暑いといっている間に、台風が来て、秋が来る。

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