2025年1月16日 (木)

第2059回 4歳馬が有力

 今週の日経新春杯は中京での開催。京都では2400メートルで行われていたが、中京では2200メートルで実施される。
 1番人気馬は(4204)と好成績を残しているが、1番人気は京都での成績が良いのが特長で、中京では2着が1度あるだけだ。明け4歳馬の成績が良く、過去10年で6勝をあげている。
 指数上は、前走指数の上位馬たちが連軸向きだろう。
(日経新春杯)1着    2着    3着
15年(京都) Z    -     -
16年(京都)A d   -     C c
17年(京都)B     -       d
18年(京都)-     DZ    A c
19年(京都)D     A a   C d
20年(京都)-     C     -
21年(中京)   d   D     C b
22年(中京)C     AZb   -
23年(中京) Ya   -     BZb
24年(京都) Xc   BZa    Zc

 今年の指数上位馬は、ショウナンラプンタ、サトノグランツ、プラチナトレジャー、ロードデルレイ、キングズパレス、バトルボーン、ヴェルトライゼンデなど。

 トップハンデは59.5キロを背負うヴェルトライゼンデ。58.5キロのサトノグランツが続く。

 注目はショウナンラプンタ、ヴェローチェエラ、サンライズアースなどの4歳馬たち。なかでも前走指数最上位のショウナンラプンタに期待したい。

 ショウナンラプンタはここまで(2114)の成績。重賞勝ちはまだない。青葉賞2着の後、ダービーは後方のまま15着だった。秋初戦の神戸新聞杯は3着、続く菊花賞も4着に好走した。菊花賞は中団後方から。4コーナーで4番手に進出すると、直線も堂々の立ち回りで、勝ち馬には離されたものの、2着馬にはハナ+クビ差の4着だった。指数も世代トップレベルで、夏を超して大きな成長を遂げた1頭だろう。有馬記念は除外になって、古馬相手のレースはここが初めてになるが、スタミナはしっかりとしており、ペースの上がるメンバー構成でも対応はできるだろう。

 同じく4歳馬のヴェローチェエラは(4210)の成績で、3歳春の京都新聞杯3着の実績馬だ。近走は1勝クラスから2、3勝クラスまで目下3連勝中だが、勢いだけではないはず。

 サンライズアースの前走はダービー。後方から4コーナーで2番手進出。直線の叩き合いに遅れたとはいえ、4着なら上出来だろう。

 メイショウタバルは毎日杯と神戸新聞杯の勝ち馬で重賞2勝馬。逃げ先行馬で、中京コースが合うだろう。


 中山は3歳馬たちの京成杯がメインレース。過去10年、1番人気は(3214)。
 今年の指数上位は、ゲルチュタール、ガルダイア、パッションリッチ、ニシノエージェント、タイセイリコルド、センツブラッド、ドラゴンブーストなど。

 注目は、前走指数最上位のゲルチュタールだ。新馬戦は2番手から楽に差し切り勝ち。2戦目の葉牡丹賞は中団から脚を伸ばし、直線3頭合わせの激しい叩きあいになったが、惜しくもハナ差で2着だった。ただ、指数上は世代トップレベルの好指数で、素質の高さを感じさせる。加えて2戦ともに2000メートルを使われており、その経験も生かせるだろう。

 他ではマテンロウムーブ、インターポーザー、キングノジョーなどにもチャンスがありそうだ。
(京成杯)  1着    2着    3着
15年    CY    A     -
16年    C     -     -
17年    B b    Y    A a
18年    C     -     -
19年     -     B b   -
20年    -     -     BYd
21年    -     AZa   -
22年    B b   -     -
23年    -      Y    C
24年    AYa   B     D
(スローペース調整-20/-10)

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2025年1月 9日 (木)

第2058回 人気馬不振

 明けましておめでとうございます。
 新しい年が平和であることを祈りたいです。
 今年もご愛読いただければ幸いです。

 3歳馬の試金石、シンザン記念は中京での開催になった。過去10年、1番人気馬は(1117)と苦戦気味。牝馬は3勝している。
 指数上は、指数上位馬の勝率、連対率ともに物足りないが、ランク外の牝馬を除けば、おおむね指数上位馬が中心になるようだ。

(シンザン記念)
       1着    2着    3着
15年    BXd     d   BZb
16年     X    -牝    A a
17年    CZd   -     -
18年    -牝    -牝    BZ
19年     -     A     B
20年    -牝    BZc   DYd
21年(中京)-     -     AYa
22年(中京)A      Xd   -
23年(中京)D牝    AXa     c
24年    -     -     -
(スローペース調整-20/-10)

 今年の指数上位は、マイネルチケット、レーヴブリリアント、リカントロポ、オンザムーブ、ラージギャラリー、アルテヴェローチェ、タイセイカレント、アーリントンロウなど。

 注目はアルテヴェローチェ。新馬、サウジアラビアRCを連勝しており、ここでは唯一の2勝馬で、ただ一頭の重賞の勝ち馬でもある。前走の朝日杯フューチュリティSは1番人気に支持され、好スタートを切ったが、徐々に位置を下げ、後方から。直線、馬場の真ん中から追ったものの、差し脚に鋭さがみえず、勝ち馬からは大きく引き離され、7馬身差の5着がやっとだった。陣営はペースが合わなかったと敗因を語っているが、ここまでのレースからは鋭い差し脚に欠けるだけに、スローペースであの位置から前をとらえるのはむつかしかっただろう。新馬、サウジアラビアRCで見せたように、ある程度ペースが上がっても先行できる力はあるはず。先行馬の粘り込みになれば勝機はより広がるのではないか。

 サウジアラビアRCで最速の上りタイムは2着のタイセイカレント。タイセイカレントは前走、朝日杯では4番人気も、直線は良い場面もなく15着に大敗しており、ここで巻き返せるだろうか。

 サウジアラビアRCの3着はマイネルチケット。前走は7Fの京王杯2歳Sに参戦。直線は4番手から前を追って、一旦は先頭に立ったが、ゴール手前でパンジャタワーにクビ差差し切られ、惜しい2着だった。素軽い瞬発力に見どころがありそうで、マイルが合うかどうか。距離の課題はあるだろう。

 中山のフェアリーSは、3歳牝馬の戦い。過去10年、1番人気馬は(0208)と低調。2番人気は1勝、3番人気が4勝と好成績をあげている。牝馬戦だけにスタミナより素軽いスピードが求められるせいなのか、指数上位馬たちも苦戦の跡が見える。また、前走、新馬、未勝利戦を勝ち上がってきた馬が4勝をあげており注意がいる。

 今年の指数上位は、ティラトーレ、ニシノラヴァンダ、ミーントゥビー、ルージュミレネール、ジアルディニエ、モルティフレーバー、レモンバーム、エリカエクスプレス、ネーブルオレンジなど。今年、2勝馬はジャルディニエ、ミーントゥビーの2頭がいるが、重賞の勝ち馬はいない。

 中山の芝は高速馬場状態が続いている。ここはスローペース必至の流れで、中団より前々でレースができ、素軽いスピードと鋭い差し脚がある馬を中心に取りたい。

 期待は先行できるティラトーレ。11月、東京マイルの新馬戦を勝った後、12月、牡馬相手のひいらぎ賞は4番手で先行、勝ち馬とは3馬身半差の4着に好走。牝馬では最先着だった。スパッと切れる脚はないかもしれないが、長く使える末脚は高評価だ。牝馬の現3歳世代の指数としてはトップクラスにあり、比較的厳しいペースを先行しての4着なら上々の内容だろう。

 他では、指数は高くないが、素軽い瞬発力が魅力のマイスターヴルクとレイユールにもチャンスがありそう。

 ルージュミレネール、ニシノラヴァンダ、ミーントゥビーなどにも要注意。

(フェアリーS)
       1着    2着    3着
15年     Zc   A a   -
16年     X    -     A a
17年    -     A c   -
18年    D     -     -
19年     A a   BYc   -
20年    C      Y    -
21年    -     B a   D
22年    -      Y      b
23年      c   -     B a
24年    D c   CX    -
(スローペース調整-20/-10)

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2024年12月26日 (木)

第2057回 スローペースの差し脚

 28日の中央競馬の最終日は、2歳G1、芝2000メートルのホープフルSがトリを務める。1番人気はG1に格上げされた最近7年間で5勝。前走指数上位馬が連軸の中心になる。

 今年の指数上位は、マスカレードボール、ピコチャンブラック、マジックサンズ、アリオーンスマイル、クロワデュノール、ジェットマグナム、リアライズオーラムなど。

 重賞勝ちがあるのはマジックサンズ、クロワデュノールの2頭。ともに2戦2勝で指数上も上位の有力馬といえそう。

 中心にはクロワデュノールを取りたい。6月上旬の新馬戦を好指数で勝った後、間をあけて11月中旬、出世レースといわれる東スポ杯2歳Sに参戦。スローペースを無理なく4番手で先行、4コーナー手前から逃げ馬を追って2番手に進出した。長く続いた直線の叩き合いを制して、4分の3馬身差で2戦2勝。新馬戦での自らの指数を上回れなかったが、上りは33秒3の最速タイでまとめた。新馬戦も上りは最速で、長く使える差し脚は非凡なものを感じさせる。スローペース必至のレースだけに、長く使える差し脚は大きな武器になるだろう。

 マジックサンズは函館の新馬勝ちの後、札幌2歳Sへ。中団から4コーナーで先頭に立つと、そのまま押し切って勝利をつかんだ。2着とはハナ差だったが、パワーのある力強さを感じさせるレースで、ペースが上がるようなら、よりチャンスが広がるだろう。

 前走指数最上位のマスカレードボールは新馬、アイビーSを連勝。アイビーSは3番手から。直線、しっかりとした末脚でジリジリと詰め寄り、1馬身半差で差し切り勝ちを収めた。ペースの如何を問わず、対応できる力はありそう。

 2戦2勝の3頭が中心だが、アイビーS2着のピコチャンブラックも差はない。他では10Fで差し脚を使ってきたジュンアサヒソラ、東スポ杯5着ながら上り最速タイのデルアヴァーも要注意。

(ホープフルS)
       1着    2着    3着
14年(G2)-      Xa   -
15年(G2)-     B     A a
16年(G2)A a    Y    -
17年(G1)AXb   -     -
18年(G1)-     B b   CXc
19年(G1)A a   -     -
20年(G1)C     B     -
21年(G1)-     -     D d
22年(G1)CZc    X    -
23年(G1)-     A a   -
(スローペース調整値-20/-10)

 今年1年、ご愛読いただきありがとうございました。新年の「馬場日記」は1月9日からスタートする予定です。来年もよろしくお願いいたします。

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2024年12月24日 (火)

第2056回 ペースを味方に

202412220611
202412210811
 有馬記念はレガレイラが勝った。3歳牝馬の勝利はスターロッチ以来、実に64年ぶりのこととか。おめでとう。
 レースは最内枠からダノンデサイルがハナに立った。2番手にベラジオオペラ、3番手にディープボンド、4番手にスターズオンアース、レガレイラは5番手につけた。人気のアーバンシックはスタートで立ち遅れて後方からになった。

 ダノンデサイルのペースは1000メール通過が1分02秒9。それ以降もラップは12秒から13秒かかっており、超スローペースになった。ペースが11秒台に上がったのは2周目の向こう正面から。

 4コーナー、逃げるダノンデサイルにはまだ余力がありそう。2番手のベラジオオペラも負けじとダノンデサイルについていく。直線、前の2頭を追ったのがレガレイラとシャフリヤール。どちらもひかず、馬体を合わせ、馬場の真ん中を猛然と突き進む。直線の坂を上がると、内ラチで粘るダノンデサイルを交わし、勝利はレガレイラとシャフリヤールに限られた。2頭はゴールまで熾烈な叩き合いを演じたが、わずかにハナ差でレガレイラが栄光のゴールに飛び込んだ。

 レガレイラは5番人気、2着のシャフリヤールは10番人気、3着は2番人気の逃げたダノンデサイルが粘り切った。3連単は19万6520円の高配当。

 超スローペースで先行馬に向く展開になって、上位は4コーナーで前にいた馬たちが占めた。1番人気に支持されたアーバンシックは4コーナー8番手から6着に浮上したが、超スローペースが敗因だろう。平均ペースなら結果は違ったのではないか。それでも出走取り消しになったドウデュースの末脚なら、後方からでも届いていたかもしれない。

 阪神カップは、前走スプリンターズS3着のナムラクレアが大外一気の末脚を爆発させて快勝。1番人気の支持にこたえた。
 逃げたのはアサカラキング。1000メートル通過が57秒2のハイペース気味の流れになり、先行馬で上位に粘ったのは2着のマッドクールだけ。勝ったナムラクレア、3着のオフトレイルは中団後方からの馬たちで、33秒2、3の上りの脚を発揮。ナムラクレアは大外から、オフトレイルは馬群を突いて浮上してきた。1-6-9番人気順で、3連単は6万5240円。

 2024年も残り少なくなってきた。中央競馬も余すところ28日の1日のみ。
 皆さんの幸運を祈っています。


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2024年12月19日 (木)

第2055回 ドウデュースの晴れ舞台

 今週はいよいよクランプリ有馬記念。
 2004年以降、過去20年間、前走指数上位馬が13勝、平均指数の上位馬も13勝をあげ、有馬記念は比較的指数上位馬が強いレースだ。指数のランク外で勝った馬は4頭いるが、そのうちの2頭は3歳馬であり、ランク外の古馬が勝ったのは、14年の牝馬ジェンティルドンナと、07年のマツリダゴッホだけ。古馬、とりわけ牡馬の場合は指数上位でなければ勝利は難しい。
 最近の10年に限ると、1番人気馬が(5113)と安定して強い。世代別では、3歳馬が4勝、4歳馬が3勝、5歳馬が3勝。2004年までさかのぼっても、6歳馬以上の勝利はない。過去10年で牝馬は3勝をあげている。

(有馬記念) 1着    2着    3着
04年    CXa   AXc    Zb
05年    A b    Y    B d
06年     Xa   -     BYc
07年    -     D     AY
08年    A      Z    B a
09年    BYa   -3歳   A b
10年    -3歳    Y    -3歳
11年    A b    Za    Y
12年    A b   -      Ya
13年    AXa    Zd    Yb
14年    -      Z    BZc
15年     Yb   D b   -3歳
16年    AYb   BXa    Y
17年    CXb   -     AYa
18年    -3歳   C a   B c
19年    D     -3歳   -3歳
20年    B c   -     BXa
21年    A     BXa   BXb
22年     Xa   B     -
23年    CYa   B c    X

 今年は、アーバンシック、ハヤヤッコ、ダノンデサイル、ディープボンド、プログノーシス、ダノンベルーガ、ドウデュース、ジャスティンパレスなどが指数の上位馬だ。

 秋のG1を連勝して、この有馬記念が引退レースになる5歳馬ドウデュースが中心になるだろう。ドウデュースは言わずと知れた22年のダービー馬。イクイノックスをクビ差抑え込んでの勝利だった。その年の凱旋門賞は重馬場で力を出せず19着。翌年は京都記念を完勝してスタートしたものの、ドバイは取消。天皇賞・秋、ジャパンCはイクイノックスの後塵を拝することになった。ただ、イクイノックス不在の有馬記念は後方から鋭い差し脚を発揮して快勝した。

 今年はドバイターフ5着の後、宝塚記念は6着と、やや期待を裏切る結果になってしまった。強豪相手では仕方がないが、勝ったり負けたりと、やや安定に欠く成績が続いた。しかし、今年の秋は違った。

 秋の天皇賞はスローペース。ドウデュースは後方2番手から、直線、素軽いスピードに乗った末脚を発揮。あっという間に各馬を飲み込んで栄光のゴールに飛び込んだ。特筆すべきはドウデュースの差し脚の鋭さ。上りは32秒5という快速で、上り2番手の馬たちと比べるとコンマ5秒もの差があった。

 続くジャパンカップもスローペース。ドウデュースはここでも最後方から。直線、大きく横一杯に広がった馬群の外から差し脚を伸ばし、ゴールまで残り400メートル地点で先頭に並び、そのまま押し切った。ゴールではクビ差だったが、着差以上に圧倒的なドウデュースの勝利だった。

 天皇賞もジャパンCも先行馬に有利なスローペースを後方から差し切る勝利で、それを可能にするのが驚異的で次元が違う差し脚だ。その差し脚の鋭さこそがドウデュースの持ち味であり、能力の証だろう。
 今年の有馬記念は極端なスローペースはないはず。東京と比べると直線の短い中山とはいえ、ドウデュースの後方一気、自慢の末脚が炸裂すると見たい。

 相手の筆頭は3歳馬アーバンシック。ダービー11着の後、ルメール騎手に乗り替わってセントライト記念、菊花賞を連勝。菊花賞は中団後方に控え、2周目の向こう正面から動き出し、4コーナーで3番手の外につけた。直線、アーバンシックの脚色が良く、並ぶ間もなく先頭に立つと、後はゴールまで後続馬たちを突き放すだけだった。スピード指数も高レベルで、このメンバー相手でも十分に勝負になるだろう。

 他ではダービー馬ダノンデサイル。伏兵ならスターズオンアース、ダノンベルーガ、ハヤヤッコなどに注意したい。


 今年は京都開催になった阪神カップは1400メートルの短距離戦。阪神で行われてきた過去10年、1番人気は(2026)と苦戦が続いている。指数上もランク外の馬たちの活躍が目立つ。
 今年の指数上位は、ナムラクレア、ママコチャ、ウインマーベル、セリフォス、マッドクール、レッドモンレーヴなど。

 中心は5歳のウインマーベル。ここまで芝戦は(7449)の成績だが、1400メートル戦は(4102)と得意距離だ。昨年の阪神C、今年は阪急杯、京王Sを勝って1400メートルの重賞を3勝している。近走はスプリンターズS、マイルCSと、短距離のG1を使って、5着、3着に好走。指数のレベルも高く安定しており、得意な1400メートル戦で本領発揮を期待したい。

 逆転候補はセリフォス。中央ではデビューから14戦すべてがマイルで、ここまで(5306)の成績。マイルの重賞は4勝、22年のG1マイルCSも制している。前走のマイルCSは後方から。直線は馬群にいれて脚を伸ばしたが、伸びの良い外からの馬たちに差し切られて6着。ただ指数は標準レベルで、着順ほど負けてはいない。1400は初挑戦だが、素軽いスピードも兼ね備えており、距離短縮にも対応はできるだろう。勝ちきれない消化不良気味のレースを払拭したいところ。

 他ではレッドモンレーヴ。1400メートルの京王杯SCは、勝ったウインマーベルを1秒もしのぐ最速の上りで、ハナ差の2着に好走しており、後方からまとめて差し切る力はあるだろう。
(阪神C)
       1着    2着    3着
14年    -      Xa   BYc
15年    D     D     AXc
16年    D     A c   C
17年    CXa    Y    A c
18年    -     -3歳   D        
19年    -3歳    Y    B
20年    -     -3歳   AXa
21年     Z    A     -
22年    A a    Yb   -
23年    -     -      Xc

 2024年の中央競馬も残すところあと3日。みなさまのご健闘、ご幸運を、心よりお祈り申し上げます。 
 GOOD LUCK!!!

 12月28日開催のホープフルSの予想は12月26日に掲載します。

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2024年12月17日 (火)

第2054回 しっかりとした強さ

202412150811
202412140611
 朝日杯フューチュリティSは、先手争いの中、最内枠からダイシンラーがハナに立ち、2番手にアドマイヤズーム、3番手にクラスペディアがつけた。ダイシンラーの1000メートル通過は1分00秒4のスローペース。

 変わらぬ隊列のまま4コーナーから直線に向くと、2番手からアドマイヤズームが逃げ粘るダイシンラーを楽々とらえ、後はコースの真ん中を堂々の一人旅。そのまま悠々とゴールを駆け抜けた。アドマイヤズームの上りは33秒6。スローペースで余力十分の先行馬にメンバー最速の上りの脚を使われたのでは、他の馬たちは太刀打ちできない。しっかりとした強さに見えた。

 2馬身半差の2着は、後方から徐々に進出して4コーナー4番手、上りタイム2番手のミュージアムマイル。3着は中団から差し脚を伸ばしたランスオブカオス。逃げたダイシンラーも4着に粘った。1番人気のアルテヴェローチェは、直線、ジリジリと伸びたが、5着まで。
 5-2-9番人気の決着で3連単は8万6430円。

 中山マイルの牝馬のハンデ戦、ターコイズSはマメコの逃げで始まった。2番手にイフェイオン、3番手はビヨンドザヴァレー。ペースは1000通過58秒1のMペース。

 4コーナーではマメコ、イフェイオン、ビヨンドザヴァレー、ドゥアイズが横一列に並んで直線に向く。その4頭の先行馬たちを追って、外からアルジーヌが詰め寄り、激しい叩き合いになった。ゴール手前、坂を上がったところで長く続いた叩き合いから抜け出したのがアルジーヌ。重賞初制覇を果たした。1馬身差の2着はビヨンドザヴァレー、3着はドゥアイズ。上位3頭はともに4歳馬たち。アルジーヌとドゥアイズはトップハンデ馬で、好指数で3勝クラスを勝ちあがってきたビヨンドザヴァレーが2着に好走。
 2-6-3番人気の決着で、3連単は2万5450円。

 今週末はいよいよ有馬記念。バシッときめて、良い夢をみたい。

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2024年12月12日 (木)

第2053回 クラシックを目指す

 朝日杯フューチュリティSは、今年は京都での開催になった。
 阪神で行われた過去10年のデータでは、1番人気が(5221)と、安定した成績を残している。
 2歳戦だけに指数上は前走指数上位馬が中心だが、指数は低くても、スローペースで差し脚鋭い馬たちに要注意だ。

(朝日杯)  1着    2着    3着
14年    D a   -     CY
15年    -     BZ    -
16年    -     A b   BYa
17年    A a   BX    DZa
18年    -     C a   B b
19年    A a   CY    -
20年    D d   -     AXa
21年    -     CX    -
22年    -     B     -
23年    B d   -     -
(スローペース調整-20/-10)

 今年は、アルテヴェローチェ、パンジャタワー、タイセイカレント、アルレッキーノ、ミュージアムマイル、エルムラントなどが指数の上位馬たちだ。

 前走指数は2戦2勝のアルテヴェローチェが最上位だ。7月下旬、札幌の新馬戦は好位から脚を伸ばし、直線の叩き合いを制して快勝。続く東京のマイル重賞サウジアラビアRCは好スタートも控えて後方から。直線はただ1頭、離れた大外を駆け上がって鮮やかな差し切りを決めた。2着は後方一気のタイセイカレント。圧倒的な人気を集めたアルレッキーノは4番手で先行も、差し脚に切れがなく5着まで。7頭立てと、少頭数のレースではあったが、出走メンバーのレベルも高く、このレースを好指数で制したアルテヴェローチェの素質と能力に不足はないはず。来春のクラシック戦線でも勝負になるだろう。

 相手は同じくサウジアラビアRC2着馬タイセイカレントを一番手に挙げたい。新馬戦勝ちの後、2戦目にサウジアラビアRCに参戦。勝ち馬をしのぐ最速の上りタイムで1馬身差にまで迫った差し脚は評価が高い。稍重の馬場が合わなかったのか、サウジアラビアRCで5着のアルレッキーノの巻き返しもあるかもしれない。

 他では目下連勝中のトータルクラリティ、ミュージアムマイルの差し脚に要注意だ。トータルクラリティの前走、マイルの新潟2歳Sは、直線、早め先頭も差されて2着に落ちたが、そこから差し返す力技で快勝しており、素質は高いだろう。ミュージアムマイルは新馬戦で3着も、未勝利、1勝クラスを連勝。指数のレベルも高く、ここでも勝ち負けになるレベルにある。

 ターコイズSは15年から重賞に格上げされた牝馬限定のハンデ戦。

 過去9年、1番人気は(3015)と低調。勝ち馬は3歳馬が4勝。4歳馬2勝、5歳馬3勝。わずかながら3歳馬の成績が良い。

 2017年以降は指数の上位馬も不振。牝馬のハンデ戦は、全カテゴリーの中でも最も難しい。

(ターコイズS)
       1着    2着    3着
15年    B     -     -
16年    BXa   BY    -
17年    -       a     b
18年    -     -       b
19年    -     -     -
20年    -      Ya    Xa
21年    -     BYa   -
22年     Xa   -     -
23年      c   C     A

 今年の指数上位馬は、ビヨンドザヴァレー、アルジーヌ、ワイドラトゥール、ペイシャフラワー、ドゥアイズ、ミアネーロ、セントカメリアなど。

 近走、好調を感じさせるのは3勝クラスを勝ちあがったばかりの4歳馬ビヨンドザヴァレー。前走は3勝クラスの清水Sを2番手で先行。直線の叩き合いを制して快勝した。スローペースで先行馬に向く流れになったことが有利に働いたとは思うが、近走の指数は高く安定しており、展開の利だけで勝ったわけではないだろう。ここは53キロの恵ハンデを生かした先行差しに懸けたい。

 順当なら、マイルの実績はないものの、久々にルメール騎手の騎乗で人気になりそうな3歳馬ミアネーロ。前走の秋華賞は後方から。直線、内に突っ込んで一瞬もしやの場面もあったが、外の馬たちに交わされて6着。ただ内容は上々で、よく頑張ったレースだっただろう。2走前、紫苑S(10F)2着の内容の良さなら、ここでも十分に勝負になるのではないか。

 他に差し脚があるセントカメリア、ドゥアイズ、アドマイヤベル、コナコースト、フィールシンパシー、ペイシャフラワーなど伏兵も多く、今年は波乱の様相が強い。

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2024年12月10日 (火)

第2052回 念願のG1制覇

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 今年は京都での開催になった阪神ジュベナイルフィリーズ。
 勝ったのは岩田望騎手の5番人気馬アルマヴェローチェだった。アルマヴェローチェは好スタートも中団に控え、直線、大外から鋭い差し脚で内の馬たちを飲み込むように先頭に立つと、ゴール前ビップデイジーとの叩き合いを制して快勝した。上りタイムは最速の34秒3で、2着ビップデイジーに1馬身4分の1の差をつけた。3着はテリオスララ。5-8-7番人気順の決着で、3連単は22万7500円の高配当になった。人気のブラウンラチェットは中団後方のまま、末脚を生かす場面もなく、16着に大敗した。

 アルマヴェローチェは前走1800メートルの札幌2歳Sを2着に好走。その指数はわずかな差ながらも出走馬のトップにあった。ただ、3カ月の休み明けに加え、マイルのスピードに対応できるか、他にも課題もあったはずだが、終わってみれば現2歳牝馬のトップレベルの指数での圧勝劇で、春のクラシック戦線でも大いに期待されるだろう。
 アルマヴェローチェの手綱を取った岩田望来騎手は、デビュー6年目で念願のG1初制覇となった。

 中山ダート1200の重賞カペラSはハイペースになった。直線、先行馬たちの脚が止まるなか、3歳牝馬ガビーズシスターが中団から鋭い末脚を発揮。ゴール前の混戦からクビ差抜け出し、1番人気の支持に応えた。これでダートは5連勝。とりわけ中山のダートでは5戦4勝、2着1回と、ダート、コース、距離適性は断然だ。スピード指数にも不足はなく、次走も期待できるだろう。1-7-9人気順で、3連単は5万2750円。

 中日新聞杯は5歳馬デシエルトが前走同様、平均ペースで逃げ切り勝ちを収め、重賞初制覇を果たした。2馬身差の2着はロードデルレイ、3着はマテンロウレオ。3-1-6番人気の決着で、3連単は2万6990円。
 大敗したとはいえ、デルシエロは3歳時、皐月賞、ダービーに出走していた期待馬。その後はダートに戦いの場を移したが、十分な結果が残せず、再び芝戦に戻って2戦2勝。指数も高レベルで、ようやく本領を発揮するにふさわしい舞台を見つけたのではないか。


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2024年12月 5日 (木)

第2051回 スローペースの差し脚

 春のクラシックを目指す2歳馬の戦いが本格化する12月。今週は牝馬のG1阪神ジュベナイルFが注目レースだ。
 指数上は、前走指数上位馬が連軸の中心を担うが、スローペースで楽勝してきたランク外の馬たちや、上り指数の高い馬たちには注意が必要だ。
 1番人気は過去10年で5勝。勝ち馬はすべて5番人気までの馬たちが占める。
(阪神ジュベナイルF)
       1着    2着    3着
14年    D     D c   D
15年    A     DZ    DXb
16年    -      Yb   AXc
17年    B     -     -
18年    AY    -       a
19年    A a    X    C
20年     Ya   -      Ya
21年    D     CY    A a
22年    -     -     A c
23年    -     -     A
(スローペース調整-20/-10)

 今年の指数上位馬は、アルマヴェローチェ、ダンツエラン、モズナナスター、カワキタマナレア、スリールミニョン、リリーフィールドなど。

 スローペース必至で、マイル戦で鋭い差し脚を使ってきたブラウンラチェットが中心になりそうだ。ブラウンラチェットはルメール騎手が手綱を取って2戦2勝。9月中旬の中山の新馬戦を勝った後、東京マイルのG3アルテミスSに参戦。好スタートから内ラチの3番手につけた。直線、進路をふさがれ、追い出しが遅れる場面もあったが、前が開くと素早い反応をみせ、後続を引き離して快勝。2着馬に1馬身4分の1差をつける余力十分の重賞制覇だった。上りは11秒台のラップを踏んで33秒3。素軽い瞬発力があり、京都のマイルも向くのではないか。

 相手には前走指数上位のアルマヴェローチェ、ダンツエランなどを取ったが、他にマイルの差し脚が鋭いジャルディニエ、ショウナンザナドゥ、ミストレス、コートアリシアンなども上位進出のチャンスがあるだろう。


 中山ダート1200の重賞カペラSは、過去10年、1番人気が(1216)と不振の様相。指数上は前走指数上位馬が連軸向きだが、過去の指数上位馬と平均指数上位馬も健闘している。
 今年は、テイエムトッキュウ、ガビーズシスター、インユアパレス、インビンシブルパパ、サンライズアムール、ジレトール、クロジシジョー、ナムラフランクなどが指数の上位馬たち。

 注目は3歳馬たち。
 重賞実績からは3歳馬チカッパが浮上。3月、昇竜Sを勝って、園田2着、門別1着、大井1着、佐賀2着と、公営を舞台に交流重賞を2勝、2着2回と好走。秋初戦、大井の東京盃を制して、前走、佐賀のJBCスプリントはハナ差の惜しい2着だった。ここまでダート1200は5戦4勝、2着1回、重賞も2勝しており、距離の適性は高い。

 近走、好調子のインユアパレスにもチャンスはある。ダートは(4101)の好成績で、目下2、3勝クラスを連勝中。前走、京都の貴船Sは先行集団のすぐ後ろから。直線、外に持ち出されると、水の浮く不良馬場をものともせず、グングン差を広げて完勝。指数は成長を感じさせる好レベルだった。

 インビシブルパパも(4110)の成績で連勝中。前走指数も好レベルにあり、先手を取って逃げるとしぶとい。

 古馬陣では、指数上位のテイエムトッキュウ、サンライズアムールなどにもチャンスがあるだろう。
(カペラS) 1着    2着    3着
14年    -     地     -
15年    BZc    Y    A a
16年     Zc   B d   -
17年    A     -     AZc
18年    B     -     -
19年     X    BZa   -   
20年     Xd   AY     Za
21年    AYb    Xa   A c
22年      d    Xa    Y
23年      d   -     -
(公営、海外の成績は減戦して集計)


 中日新聞杯は芝2000メートルのハンデ戦。17年から12月の開催に変わった。
 指数上位は、アドマイヤハレー、マイネルメモリー、マコトヴェリーキー、キングズパレス、コスモキュランダ、ドクタードリトル、クルゼイロドスル、ジェイパームス、デシエルトなど。

 スタミナに優れた馬たちがそろって混戦だが、ここは4歳馬マコトヴェリーキーに注目したい。マコトヴェリーキーはここまで(4314)の成績。10F戦は3戦2勝の得意距離だ。前走、中京の3勝クラス高山Sは中団から徐々に上がっていって、4コーナーでは4番手に進出。直線もジリジリと脚を使って差し切り勝ちを決めた。瞬発力には欠けるかもしれないが、スタミナを感じさせ、容易にばてない差し脚に期待したい。

 他ではマイネルメモリー、ドクタードリトル、アドマイヤハレーのなどの切れのある差し脚に注目したい。
(中日新聞杯)1着    2着    3着
17年     Xa    Yb   -
18年    -      Za    Xa
19年    -      Xa   BZb
20年    A     -      Zb
21年    -     D     -
22年     Zb   -     -
23年    CY     Xa   A

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2024年12月 3日 (火)

第2050回 6戦6勝

202412010711
202411300611
202411300811
 今年のチャンピオンズCはこのレースで引退するレモンポップの最後のレース。レモンポップは昨年のこのレースでも逃げ切って勝っており、国内のダートG1は負けなしの5戦5勝。6勝目を懸けて望むレースだった。

 ミトノオーを制してレモンポップがハナに立ち主導権を握った。ミトノオーの後ろにクラウンプライド、ペプチドナイルが4番手で続く。速いペースにはならず、先行集団に動きはない。3コーナーを過ぎると、後方待機の馬たちが一斉に動き出し、4コーナーでは馬群が凝縮、一団となって直線に向いた。直線半ば、レモンポップの先頭は変わらず、後続をやや引き離して直線の坂を駆けあがっていく。馬群から抜け出したペプチドナイルが2番手に上がり、レモンポップの後を追う。しかし、中団からものすごい脚をみせたのがウィルソンテソーロ。ペプチドナイルを楽々と交わし、逃げるレモンポップをもとらえる勢いでグングン差を詰めてきた。ゴールには2頭が全く並んで飛び込んだが、わずかにハナ差、レモンポップがしのぎ切って、有終の美を飾った。
 2着はウィルソンテソーロ、3着はドゥラエレーデ。1-2-9番人気の決着で、3連単は1万8050円。

 チャンピオンズCの連覇で、レモンポップは国内戦は16戦13勝、2着3回。現役ダート最強馬の称号のまま、舞台を去る。

 中山の名物レース芝3600メートルのステイヤーズSは、アイアンバローズが先手を取って逃げ、スローペースになった。道中は好位の4番手で流れに乗り、直線、早々と先頭に立ったシュヴァリエローズが激しい叩き合いを制して勝利を手にした。中団の外から鋭い脚を使ったシルブロンがハナ差の2着、3着はダンディズム。2-12-6番人気順の入線で、3連単は25万2340円の高配当になった。長距離のせいもあり、ペースが遅く、指数上は低調なレースだったが、落ち着いたレース運びで勝利したシュヴァリエローズの長距離適性は高く評価したい。

 京都のチャレンジCは中団待機策の3番人気ラヴェルが、直線、早めに先頭に立つとそのまま押し切って快勝。後方から鋭い差し脚を見せたディープモンスター、エアファンディタが2、3着。3-6-13番人気の決着で、3連単は29万0420円。
 
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