2020年7月 9日 (木)

第1602回 波乱の七夕賞

 福島のメインは波乱の多いハンデ戦、七夕賞。
 1番人気馬は過去10年で2勝、2着1回、3着2回。10番人気以下の馬が上位に浮上することが多く、3連単は高配当になりがちだ。
 ハンデ戦だけに、指数上もランク外の馬の活躍が目に付く。指数上位馬なら、平均指数や過去の指数が高い馬たちが中心だろう。

(七夕賞)  1着        2着        3着
10年    -     -     CZb・Cd同着
11年(中山)-     AYa   -
12年    B c    Yb   -
13年    C c    Xc   -
14年    -     -     CYa
15年     Xa   -     A
16年    -      Xa   -
17年    B a    Y    -
18年    -     B     -
19年     Xa   D c   -

 今年の指数上位は、ジナンボー、マイネルサーパス、ヴァンケドミンゴ、ウインイクシード、レッドローゼス、クレッシェンドラヴ、ソールインパクト、ノーブルマーズなど。

 梅雨時だけに馬場状態が気になるが、スローペースはなさそうなメンバー構成で、有力なのは中団からの差し馬だろう。

 注目は4歳馬ヒンドゥタイムズ。ここは昇級戦になるが、ハンデは55キロとそこそこ高く評価された。これまでデビューからすべて芝2000メートル戦を使って、(4221)の好成績を残してきた。前走の下鴨S(3勝クラス)はトップハンデの57キロを背負って、中団から差し切り勝ちを決め、1番人気にこたえた。スローペースだったから結果としてスピード指数は高くはないが、直線半ばから2着馬に1馬身以上の差をつけた差し脚は見どころ十分だった。福島コースは初めてだが、中団から差し脚を伸ばす脚質なら問題はないだろう。

 馬場が悪化して、よりスタミナが問われるレースなら、4歳馬オセアグレイト(55キロ)の浮上があるかもしれない。ここまで2400以上の距離で好成績を上げており、福島では昨年の夏に2600メートルの信夫山特別を勝っている。

 他では、56.5キロのハンデは気になるものの、福島コースは(2100)と大得意な4歳馬マイネルサーパスにもチャンスはあるだろう。

 ダートの重賞プロキオンSは、昨年まで中京競馬場で行われてきたが、今年は阪神での開催になった。中京で行われてきた過去8年、1番人気は(2222)と比較的安定した成績を残している。ダート重賞だけに、前走指数上位馬の連対率が高い。

 今年の指数上位は、スマートアヴァロン、ミッキーワイルド、ワンダーリーデル、サクセスエナジー、ヤマニンアンプリメ、サンライズノヴァ、レッドルゼルなど。

 ダート短距離戦といっても、極端なハイペースはないメンバー構成で、先行馬が中心になるだろう。

 重賞の実績では盛岡のダートG1南部杯、G3武蔵野S、G3ユニコーンS勝ちのあるサンライズノヴァが最上位だが、59キロの負担重量は厳しいだろう。

 連軸の中心は4歳馬レッドルゼルとした。レッドルゼルは芝の新馬戦3着のあと、ダートに戦いの場を移して(5401)と、高いダート適性を示している。距離も1200、1400メートルの短距離に絞った戦いに好感が持てる。

 マイペースで逃げるサクセスエナジーや、後方一気の差し脚が鋭い8歳馬スマートアヴァロン、カフジテイクに、7歳馬ワンダーリーデルなど、高齢馬たちの鋭い瞬発力に要注意だ。

(プロキオンS)
       1着        2着        3着
12年    -     D b   B
13年    -     B     C c
14年    A c   A     -
15年     Zc   B     -
16年    D     BZ    -
17年    B b   AXa    Yc
18年    D     AXa     B
19年    A a   B     C
(海外、地方競馬を減戦して計算)

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2020年7月 7日 (火)

第1601回 逃げ馬に凱歌

202007050311
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 先週の重賞戦はラジオNIKKEI賞もCBC賞も、内枠から逃げた人気薄の馬が逃げ切り勝ちを収め、波乱の結果になった。

 逃げ馬が多く揃った福島のラジオNIKKEI賞は、最内の1番枠からバビットがスタートを決め、そのまま逃げる体制に持ち込んだ。4コーナーは2番手にパンサラッサ、ルリアン、グレイトオーサーが並ぶ中からパンサラッサが抜け出し、逃げるバビットを追ったが、逃げ馬との差は広がる一方だった。

 結局、バビットが逃げ切って勝ったが、2着パンサラッサに5馬身もの差をつける圧勝だった。中団から差し脚を伸ばし、パンサラッサにハナ差にまで迫ったディープキングが3着だった。

 逃げ切ったバビットの上りタイムがメンバー最速の35秒8では、後続馬たちはなす術がなかっただろう。1番人気のパラスアテナは4着、2番人気のグレイトオーサーは10着に負けた。

 勝ったバビットは8番人気、2着のパンサラッサは7番人気、3着のディープキングは5番人気。3連単は17万を超す高配当になった。

 阪神競馬場のCBC賞は、3番ゲートから飛び出した13番人気のラブカンプーが大逃げを打った。後続に大きな差をつけたまま、直線も危なげなく、2着のアンヴァル(11番人気)に1馬身4分の3の差をつけて、逃げ切り勝ちを決めた。51キロの軽ハンデを生かし切った2年目斎藤新騎手の大金星といえそう。3着は3番人気レッドアンシェル。3連単は244万円を超す高配当だった。

 ラブカンプーが逃げたのは18年9月のセントウルS以来で、その時も2着に好走していたが、これでデビューからの3勝すべてが逃げ切り勝ちとなった。逃げたレースは(3402)と安定しており、逃げて3着以下に負けたのは2度だけ。今後も、逃げられれば好レースが期待できるかもしれない。

 1番人気に推されたのは、高松宮記念で1着入線を果たしながら、走路妨害で4着に降着となったクリノガウディー。ただ、前走のような積極的な先行策が取れず、終始、中団のまっただ中でもまれるレースになった。直線では前が詰まる場面もあったとはいえ、差し脚も不発で、着順を上げることもできず12着に大敗した。やはり58キロのトップハンデが厳しかったのかもしれない。

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2020年7月 2日 (木)

第1600回 最強の1勝馬

 今週から函館、阪神に加え、福島競馬も始まる。
 福島の開幕週は3歳限定のハンデ戦・ラジオNIKKEI賞が注目のレースだ。
 指数上は、前走指数上位馬や平均指数上位馬、過去の指数上位馬たちが中心になっているものの、ハンデ戦だけに傾向はつかみにくい。
 1番人気は、過去10年で2勝、2着3回、3着1回と連対率は50パーセント。2番人気も(4105)と、50パーセントの連対率だが、勝利数では1番人気を上回る成績をあげている。

(ラジオNIKKEI賞)
       1着    2着    3着
10年    C     -     AYb
11年(中山)A b    Yc    Xa
12年    -      Yc   -
13年    -     A d   -
14年    DZ    DXa   C d
15年    DY     Xa   -
16年    C     B     -
17年    -     -     -
18年    BXa   B     -
19年     Xa   BYb   -
 今年は、サクラトゥジュール、パンサラッサ、アルサトワ、ディープキング、コンドゥクシオン、ベレヌスなどが指数の上位馬たちだ。

 トップハンデが54キロで、軽ハンデでも51キロまで。ハンデ差はあまり気にしなくてよいだろう。 
 ハイペースは考えにくいメンバー構成で、流れは落ち着きそう。更に小回りの福島コースだけに、中心になるのは先行馬だろう。

 先行馬で差し脚もしっかりとしているのは、アルサトワ、アールクインダム、グレイトオーサー、バビット、パラスアテナ、ルリアンなど。ただ、梅雨時のレースだけに、素軽いスピードだけでは苦しいのではないか。過去の勝ち馬は1800や2000メートル以上の距離で好走してきた馬たちで、ある程度スタミナの土台がある馬を中心にとりたい。

 注目はルリアン。指数上はランク外になったが、ここまで3戦2勝、2着1回と好成績を残している。新馬戦2着の後、骨折のため8カ月以上休養したが、3月の復帰初戦を勝って、前走は阪神の2000メートル戦も快勝。大きく離れた2番手から、直線、楽に差し切ったが、先行して長くいい脚を使えるので、福島コースも合うだろう。

 スタミナもありそうな逃げ馬アルサトワ、バビット、パンサラッサたちにも上位のチャンスがありそうだ。
 先行差し馬ではハビットにも要注意。差し脚も鋭い2戦2勝のクレイトオーサーは梅雨時の馬場が合うかどうか。スタミナの点から少し評価を下げた。

 CBC賞は、従来は中京競馬場で行われてきたが、今年は京都競馬場の改修に伴なうスケジュールの変更で、阪神競馬場での開催になった。  今年の指数上位は、クリノガウディー、ディメンシオン、タイセイアベニール、ノーワン、ショウナンアンセム、グランドロワ、アウィルアウェイ。レッドアンシェル、ロケットなど。

 注目は、前走、高松宮記念で1着入線を果たしながら、走路妨害で4着に降着となったクリノガウディー。まだ新馬戦を勝っただけの1勝馬の身だが、新馬勝ちの後はすべて重賞戦に出走し、朝日杯2着、中京記念2着、東京新聞杯3着など、好成績も収めている。

 前走、重馬場の高松宮記念は4コーナー3番手から、直線、鋭い差し脚を使って、ゴール手前100メートル地点で逃げるモズスーパーフレアをとらえ、ゴールまで続いた激しい叩き合いを制した。残念ながら1着入線も降着という裁定だったが、内容も指数も自己ベストのパフォーマンスだった。

 高松宮記念は初の1200メートル戦だったが、距離適性を示せたのは大きな収穫だっただろう。阪神の内回り1200メートルは、比較的先行力が生きるコース。先行力が身上のクリノガウディーには阪神コースも味方しそうだ。課題は58キロのハンデだろう。1勝馬とは思えない重ハンデになったが、高松宮記念の結果からは当然克服しなければならないハンデだろう。

 他では先行できるレッドアンシェル、ロケット、ディメンシオンなどに加え、差し脚鋭いアウィルアウェイ、タイセイアベニール、エイシンデネブ、ジョイフルなどに注目したい。

(CBC賞) 1着    2着    3着
12年    A c   C     A b
13年    CXa   A       d
14年    -      Yc   D
15年    A a    X     Yd
16年    -     -     DXc
17年    B c    Zd   -
18年    -     D      Xb
19年      a    Xd   C b

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2020年6月30日 (火)

第1599回 圧巻の大勝

202006280911
 阪神の芝コースは、午前中は稍重だったが、午後には良にまで回復した。ところが10レースの前から急に降り出した激しい雨のため、宝塚記念の馬場は一変した。雨はレースのスタート時には上がったものの、レース後の騎手のコメントによれば、脚を取られるようなぬかるんだ馬場状態だったようだ。含水量から馬場状態は稍重の発表だったが、評価以上に馬場は悪かったのだろう。  その馬場を味方につけたのが、勝ったクロノジェネシス、2着のキセキだった。

 クロノジェネシスは中団から。3コーナー過ぎ、まくるように上がっていくと4コーナーでは早くも先頭に立った。直線、先行した各馬が後退する中、1頭だけ全く違う脚色をみせて、圧巻の大勝だった。

 2着にはキセキが浮上した。キセキは中団後方から、3コーナー過ぎにクロノジェネシスが動くとそれに合わせるように、大外から脚を伸ばした。しかし、直線はクロノジェネシスの勢いには及ばず、6馬身もの大差をつけられてしまった。3着は中団後方、クロノジェネシスを見ながら、直線、脚を伸ばしたモズベッロだった。
 2-6-12番人気の決着で、3連単は18万円を超す高配当になった。 

 1番人気のサートゥルナーリアは中団から。3コーナー過ぎ、クロノジェネシス、キセキが一気に動いていく場面で、サートゥルナーリアは仕掛けられず、後方に置かれそうになった。それでも直線に向くと、必死に差し脚を伸ばして4着まで上がってきた。ただ、上りの脚には余裕がなく、いかにも馬場と距離に苦しめられたというレースだった。

 3番人気のラッキーライラックは5番手で先行。3コーナー過ぎ、クロノジェネシスに合わせて上がっていったものの、直線で脚が止まった。

 今年はクロノジェネシスの強さばかりが目についた宝塚記念だったが、負けた多くの馬たちは馬場が合わず、馬場の巧拙が勝敗を分けた部分も大きかったはず。早計に力負けと評価する必要はないだろう。今後の巻き返しに期待しよう。

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2020年6月25日 (木)

第1598回 スタミナ勝負なら

 春のG1の掉尾を飾る宝塚記念が今週の注目のレース。
 過去10年、1番人気は2勝、2着4回、3着1回。連対率は60パーセント。一方、5番人気以下の馬たちが5勝しており、伏兵にも注意がいる。世代別では4歳馬3勝、5歳馬6勝、6歳馬1勝。勝ち馬は4、5歳が中心だ。
 指数上は、過去10年のうち8年で連対する平均指数の上位馬が中心。ただ、前走、スローペースの長距離を使った馬も多く、指数上位馬だけで決着するわけではない。指数のランク外で勝った3頭は、牝馬が1頭、4歳馬が1頭、6歳馬が1頭。牝馬や4歳以外では、指数上のランク馬であることが勝利の要件といえそう。

(宝塚記念) 1着    2着    3着
10年    -      Yb   -
11年    -     A      Xa
12年     Zb   -     -
13年    CXa   -     -
14年     Zd   -     C
15年     Yb   -       d
16年    -     A     B a
17年     Z    C c   -
18年    B d   外     -
19年    C      Xa   BYa
(海外、公営の成績は減戦して集計)

 今年の指数上位馬は、ラッキーライラック、クロノジェネシス、カデナ、ワグネリアン、キセキ、グローリーヴェイズ、ブラストワンピース、サートゥルナーリアなど。

 梅雨時、直線の短い阪神の内回りコースで行われるのが宝塚記念。加えてペースの上がるG1戦だけに、スローペースで上りだけ、あるいは素軽いスピード比べだけのレースにはならない。過去の連対馬たちの多くは、2200メートル以上の距離で好走していた馬たちであり、スタミナのベースがなければ、苦しい戦いになるだろう。

 今年の出走メンバーのなかで、2200メートル以上の距離で好指数を示しているのはワグネリアン、キセキ、サートゥルナーリア、ブラストワンピース、モズベッロ、ダンビュライトなどだ。

 人気面からはサートゥルナーリアが上位に評価されるだろう。4歳馬サートゥルナーリアは皐月賞を勝ち、ダービーは1番人気に推されたが4着まで。アーモンドアイの勝った天皇賞秋は6着、有馬記念は2着に好走した。有馬記念は良馬場とはいえ比較的力のいる馬場状態だった。勝ったリスグラシューには5馬身の差をつけられたものの、後方から2着に押し上げたスタミナのある差し脚は見どころ十分だった。スローペースになった前走のG2金鯱賞は、58キロの負担重量を克服して2馬身差で快勝。格の違いを見せつけており、成長過程の4歳馬なら、ここでも中心になるべき1頭だろう。

 5歳馬ワグネリアンは一昨年前のダービー馬。4歳になって大阪杯、札幌記念、天皇賞秋、ジャパンCと戦ってきたが、いずれも5着以内に好走するものの、勝利を手にすることはかなわなかった。今年は大阪杯から始動して5着だったが、指数のレベルは上々。古馬になってスピード指数は大きく上昇、高く安定しており、いまもなお着実な成長を感じさせる。鋭い差し脚がないので、先行策が好走の条件になるが、ジャパンCでみせたように、ハイペースの対応力もあり、逃げるキセキのペースに戸惑うこともないだろう。宝塚記念は比較的、先行力が生きるレースだけに、神戸新聞杯以来の勝利を期待したい。

 逃げる6歳馬キセキにもチャンスはある。近走は長距離の阪神大賞典7着、天皇賞春6着と、長距離戦を使って粘り切れなかったが、これまで2200から2400メートル戦は(0311)と好成績。昨年の宝塚記念も1番人気に推され2着に粘っており、勝てないまでも、2、3着はあるかもしれない。

 他では、負担重量で楽な5歳牝馬のラッキーライラック、4歳牝馬のクロノジェネシスの差し脚に要注意だ。前走の大阪杯はともに3番手で並んで先行、直線抜け出す堂々のレースで、牡馬陣を抑え込んで1、2着に好走した。鋭い差し脚はここでも上位にあり、直線での浮上に注目したい。

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2020年6月23日 (火)

第1597回 ダートの新星

202006210511
202006210211
 3歳ダートの重賞・ユニコーンSを勝ったのはカフェファラオだった。
 カフェファラオは2戦2勝でユニコーンSに臨み、1番人気に支持された。
 大外枠のカフェファラオは好スタートを決め、3コーナー手前で2番手につけた。直線半ば、ゴール前300メートル地点で逃げるレッチェバロックをとらえると、あとは後続馬たちをぐんぐん引き離す一方で、後方から追いこんできた2着のデュードヴァン(3番人気)に5馬身の差をつける大勝だった。3着は中団から伸びた11番人気のケンシンコウ。

 逃げたレッチェバロックのペースは1000メートル通過が58秒4というハイペース。それを追走して、直線、楽々突き抜けるのだから、カフェファラオの圧倒的なパフォーマンスには驚くしかない。カフェファラオのスピード指数は、世代トップに立つ高指数だったというだけでなく、過去10年の勝ち馬たちと比べても、断然の最高指数で、古馬相手の重賞でも勝ち負けできるレベルにある。父アメリカンファラオは2015年の米国3冠馬。まさに名実ともに、ダート界の新星の誕生を感じさせるレースだった。

 函館スプリントSは、58キロを背負ったダイアトニックが1番人気の支持にこたえて快勝した。

 大外からダイメイフジが逃げ、ダイアトニックは内ラチの2番手におさまった。直線、逃げ粘るダイメイフジを早々に交わすと、後続に2馬身差をつける快勝劇だった。

 ダイアトニックの指数は高く安定しており、前走は高松宮記念で3着に好走、重賞実績も最上位だった。負担重量が課題と思ったが、馬場状態もよく、想像したほどにはハイペースにはならず、先行馬の負担は少なかったようだ。

 2着は粘った10番人気のダイメイフジ、3着は4番手で先行していた3番人気のジョーマンデリンと、上位馬は先行馬が占める結果になった。後方から差し脚を伸ばしたのは5着に入ったシヴァージだけだった。

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2020年6月18日 (木)

第1596回 青竜S組が有力

 東京のメインは3歳のユニコーンS。梅雨時の開催は雨と馬場状態が気になる。
 ユニコーンSはダートの重賞だけに、過去10年、指数上位馬が強い傾向がはっきりしている。前走指数の上位馬、平均指数の上位馬はともに10年連続で連対中だ。1番人気馬も(3304)と比較的安定した成績を残している。勝ち馬は全て3番人気までの馬たちで、順当な結果が多いようだ。

(ユニコーンS)
       1着    2着    3着
10年     Yb   C     -
11年    D d   BZc   BY
12年    D       d   C b
13年    -     B b   D・-3着同着
14年    DZb   A     -
15年    A     D d   BYc
16年    C b   A     CXa
17年    DXc   -     B b
18年    C      Xd   C
19年    -     AXa   D b
(スローペース調整-15/-5)
(海外、公営戦は減戦して集計)

 今年の指数上位は、レッチェバロック、デュードヴァン、タガノビューティー、サンライズホープ、キタノオクトパス、アポロアベリアなどだ。
 なかでも前走、重賞を勝った指数上位の3勝馬デュードヴァンが人気を集めそうだ。

 デュードヴァンはデビュー以来4戦3勝だが、ダートに限れば3戦3勝。しかもその3勝はすべて東京ダート1600であげたものだ。前走の青竜Sは中団から。直線、外から脚を伸ばした2着馬(ダノンファスト)に交わされる場面もあったが、ゴール前、左右から攻められて狭くなったスペースをものともせず、差し返す根性を見せて、勝利をものにした。

 2着馬とはクビ差だったが、厳しい叩き合いを制して勝ち切るのは力の証だろう。ユニコーンSは近年、青竜S組の活躍が目立ち、その点からもデュードヴァンは有力馬の中心になる馬だ。

 青竜S組からは、3着のタガノビューティーも参戦している。タガノビューティーはここまで(2112)の成績。朝日杯フューチュリティSで4着、シンザン記念6着と、芝でも好走してきたが、近走はダートに戦線を移して、ヒヤシンスS2着、青竜S3着とダート適性を見せてきた。

 前走の青竜Sは終始、外々を回って勝ち馬を上回る上りタイムで追い上げて3着。後方一気の戦法で、勝ちきれないもどかしさはあるものの、ダートの差し脚の鋭さでは最上位だ。とくに雨でスピードの出やすい重馬場になるようなら、後方一気の差し切り勝ちもあるのではないか。

 他では3勝馬サトノラファール、2戦2勝のレッチェバロック、カフェファラオも有力馬の一角を占める馬たちだろう。

 函館スプリントSは、平均指数や前走指数などの上位馬が連軸の中心になっている。1番人気は(1225)とやや不振気味だ。特に近7年、1番人気は3着2回のみで、波乱の傾向が見える。
 今年は、ダイアトニック、シヴァージ、ジョーマンデリン、グランドボヌール、フィアーノロマーノ、ティーハーフなどが指数の上位馬たちだ。

 指数上位で重賞の実績(1122)も豊富なダイアトニックが中心になるのだろうか。ダイアトニックは、2走前の阪急杯を斜行で2着から3着に降着。続く高松宮記念ではゴール前、進路をふさがれる不利を受けて4着から3着に繰り上げになった。2戦続けて降着に絡むことになったが、指数のレベルは高く維持されており、調子は安定している。

 1200メートル戦は前走の高松宮記念が初挑戦だったが、距離適性に問題はなそうだ。気になる点は58キロの負担重量。直線の短い函館コースだけに、直線、一瞬のスピード比べになって、後れを取ることもあるかもしれない。

 逆転候補として注目したいのはシヴァージ。昨年末にダートから芝に戦いの場を移して以降4戦1勝。スピード指数は重賞レベルにあり、2走前にはハイペースになった小倉の北九州短距離Sを後方一気の差し脚で快勝している。前走の高松宮記念は12番人気ながら、後方から最速の上りの脚を使って5着に好走した。

 今回、ダイアトニックとの3キロの負担重量差は有利にはたらくはずで、逆転も可能だろう。小回りコースは先行馬有利が基本とはいえ、シヴァージの差し脚の鋭さなら十分通用すると期待している。

(函館スプリントS)
       1着    2着    3着
10年    CZd    Xa   -
11年    B b   A     C
12年     Zc   AYa   -
13年     Xc   -     -
14年     Xb   B     -
15年      d   C     -
16年    -     B     -
17年    B     B c   DXa
18年    DXb    Z    A b
19年    D d   A     BXa

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2020年6月16日 (火)

第1595回 波乱の重賞

202006140511
202006140911
 梅雨入り早々、前日からの雨で不良馬場となった今年のエプソムCを勝ったのは、2番手から差し脚を伸ばした9番人気のダイワキャグニーだった。直線半ば、逃げ馬をとらえると1頭だけ抜けだして、1馬身半の差をつけ完勝。念願の重賞初制覇を果たした。全8勝をあげる得意な東京コースで、万全のレースぶりだった。2着は4番手追走から熾烈な2着争いをハナ差で制した5番人気ソーグリッタリング、3着には18番人気のトーラスジェミニがよく逃げ粘った。

 不良馬場が影響したのだろう。上位は先行した馬たちが占め、中団より後ろからの追い込みに懸けた馬たちは差し脚を伸ばせず、苦しいレースになってしまった。レース後の騎手のコメントには「ペースが速かったのに、前が止まらなかった」というものもあったが、勝ち馬の上りは36秒1で、最速の上りは35秒6。それほど差はない。前が止まらなかったのではなく、前も後ろも関係なく、差し脚を使える馬場ではなかったということではないか。勝敗を分けたのは位置取りだけというレースだったようにも思える。

 結果は、9-5-18番人気の決着で、3連単はエプソムCでの最高配当の421万9320円になった。これは重賞史上でも9番目の高配当にあたるとか。たまたま、スピード指数上は(Xc-AYa-Z)の組み合わせだったので、何人かは的中した人がいるだろう。何はともあれ、おめでとうございます。私はルメール騎手のレイエンダから入ったが、いいところなく負けた。

 マーメイドSは波乱の多い牝馬限定のハンデ戦。
勝ったのは格上挑戦の4歳馬で、ハンデも50キロと軽量だったサマーセント。ナルハヤの逃げを2番手で追走して、直線、楽に逃げ馬をとらえて快勝し、重賞初制覇を果たした。2着は中団後方から最速の上りで駆け上がってきたトップハンデのセンテリュオ。3着は6番手で先行したリュヌルージュだった。7-2-3番人気の決着で、3連単は12万5270円。今年も波乱の決着になった。

 緊急事態宣言解除の後、街に人が戻ってきて、通勤電車も混んできた。まだ、自粛の影響が大きく残って、苦労されている方たちも多いだろう。無観客とはいえ、いよいよ野球やサッカーも始まるが、かつてのような熱気と賑わいに戻るにはどれほどの時間がかかるのだろう。

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2020年6月11日 (木)

第1594回 レイエンダの連覇は


 無観客での春のG1シリーズが終わって、今週のメインはエプソムカップ。
 1番人気は過去10年で4勝、2着2回。3着1回と、まずまずの連対率だろう。世代別では4歳馬が8勝をあげており4歳馬が強い傾向だ。5歳馬は2勝、6歳以上の勝利はない。
 指数上は、前走指数上位のABC馬や平均指数の上位馬が連軸の中心になっている。

(エプソムC)1着    2着    3着
10年    CYc    Y    -
11年    A a   -     B a
12年    -     A d   C
13年    C a    Xa   A
14年    A     CYa    X
15年    A d   C a   B d
16年    B d   AXa   D d
17年    -     -     -
18年    C     -     -
19年    -      Zc   B a

 今年の指数上位は、アイスストーム、ソーグリッタリング、レイエンダ、サトノアーサー、ダイワキャグニー、トーラスジェミニなど。

 梅雨入りした東京コースで、スタミナも求められそうだ。ここは渋った馬場でも対応できるルメール騎手のレイエンダに注目したい。

 レイエンダは昨年のエプソムCをルメール騎手の手綱で勝ち、初の重賞タイトルを手にした。雨で稍重のスローペースを2馬手で先行。直線は各馬、内をあけて追うところ、馬場の真ん中から力強く抜け出した。その後はマイルを中心に戦ってきたが、勝利からは遠のいている。ただ、前走、ダービー卿CT(芝1600メートル)はハイペース気味のペースを中団から、直線で内に入れ、馬群を割って2着とハナ差の3着に好走した。スピード指数も自己ベストの高指数で、復調を感じさせる内容だった。ここまで1800メートル戦は3戦2勝と、未勝利のマイルより距離は合う。

 他では中団からの差し脚が持ち味のサトノアーサーも有力馬の一角を占める。2年前のエプソムCの勝ち馬で、近走はオープン(L)を中心に戦っているが、近走は成績も指数も高く安定しており、勝利に近い1頭だろう。

 マーメイドSは波乱の多い牝馬限定のハンデ戦。3連単は10年の内7年で10万を超える高配当になっている。1番人気馬は2勝、2着1回、3着1回と不振で、トップハンデ馬も1勝、2着1回、3着1回と信頼は薄い。指数上は前走指数上位馬が連軸の中心のようだ。

 今年の指数上位は、ミスマンマミーア、リープフラウミルヒ、レッドアネモス、フィリアプーラ、リュヌルージュ、エアジーン、サトノワルキューレ、センテリュオ、リンディーホップ、ナルハヤなど。

 トップハンデは55キロのセンテリュオだが、他の馬たちは50キロ前後の軽ハンデ馬が多く、今年も波乱の気配が漂う。

 牝馬限定戦だけに、スローペースは必至で、長く使える差し脚は必須条件。とりわけスローペースの差し脚が問われそうだ。

 スローペースの差し脚は、サマーセント、リンディーホップ、エアジーン、バルクデラモール、ナルハヤなどが上位だろう。

 中心には4歳のサマーセントを取った。まだ3勝クラスの身で、ここは格上挑戦になるが、50キロの軽ハンデは魅力だし、先行脚質ながら、安定した差し脚があり、スローペースには強い。牡馬相手の前走も2番手で先行して、直線早めに先頭に立ち、そのまま押し切るかに思えたほど。結果は、外から伸びた2頭に交わされて3着だったが、牝馬のハンデ戦なら勝ち負けになるのではないか。

 他では5歳のリンディーホップも気になるところ。差し脚が安定しており、50キロの軽ハンデを生かせれば上位も狙えるだろう。

(マーメイドS)
       1着    2着    3着
10年    A     -     -
11年     Y    B a   C
12年    -     -     -
13年    BX     Z    AY
14年    A     -      Xa
15年    -     -     -
16年    DZa   A       c
17年    -     A a    Xb
18年    -     DYd    Y
19年    D     -     -

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2020年6月 9日 (火)

第1593回 アーモンドアイの敗因

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 今年の安田記念を勝ったのは4歳牝馬グランアレグリアだった。グランアレグリアは中団の外で流れに乗った。直線、馬場の中央から一気に差し脚を伸ばし、直線半ばで早くも先頭にたって、そのままゴールに突き進んだ。追ってきたアーモンドアイに2馬身半の決定的な差をつけて、全く危なげない勝利だった。史上初の8冠を目指したアーモンドアイはインディチャンプをとらえるのが精一杯だった。

 圧倒的な1番人気のアーモンドアイが2着に負けて、その敗因を語るコメントや論評を多く見かけた。敗因としてあがっていたのは、中2週で疲れが残っていた、稍重の馬場が合わなかった、スタートで出遅れたなどなどだ。それがすべてかどうかは分からないが、いずれも何らかの影響を与えたことは確かだろう。

 ナビグラフで見ると、近走で一番上りが良かったのが、勝ったグランアレグリアで、上りの脚だけならアーモンドアイの上り指数を上回っていた。

 アーモンドアイはジャパンカップのようなハイペースの高速馬場が得意なのだろう。国内の古馬との戦いで勝ったレース(ジャパンカップ、天皇賞秋、ヴィクトリアマイル)はすべて馬場指数が-18より速く、しかもスローペースではなかった。アーモンドアイの上りの脚が注目されてきたが、良馬場の平均ペースで、絶対的なスピードが求められるレースでこそ、力を発揮できるのではないか。その点から考えれば、確かに稍重の馬場は合わなかったのかもしれない。

 また、上りの脚でアーモンドアイを上回るグランアレグリアを追走しなければならなかっただけに、スタートで出遅れたのも痛かった。すぐに挽回して中団後方につけたが、本来ならグランアレグリアよりも前でレースをしたかったのではないか。

 グランアレグリアは2走前までルメール騎手が手綱を取っていた馬で、差し脚の鋭さはルメール騎手自身が一番わかっていただろう。稍重の馬場が合わなかったとしても、せめてグランアレグリアより前、先行集団でレースができていれば、結果は違ったのかもしれない。
 8冠は次の機会にと、期待しよう。

 鳴尾記念はゴールではきわどいハナ差になったが、休み明けの8歳馬パフォーマプロミスがラヴズオンリーユーを抑え込んで、久々重賞のタイトルを手にした。出遅れたレッドジェニアルが馬群をさばいて3着にあがってきた。

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