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1999年12月 6日 (月)

第2回 それぞれに強い

 ジャパンカップでは凱旋門賞馬のモンジューにスペシャルウィークが勝った。 エルコンドルパサーは凱旋門賞でモンジューに負けた。同じように凱旋門賞で負けたデイラミがアメリカのブリーダーズカップを勝った。どの馬が本当に強いのかと問われたら、「みんなそれぞれに強い」というだろう。

 スタミナを要する馬場ではモンジューが強いし、軽いタイムの出やすい芝ではスペシャルウィークが上位だろう。その中間的な馬場状態ならデイラミやエルコンドルパサーが強いのではないか。全ての距離で、あるいはどんな馬場状態でも絶対的に強いといえる馬はいない。モンジューが強いのはフランスの重い芝で、モンジューが軽い日本の芝で負けたからといって、評価が下がるわけではない。もし、フランスでジャパンカップが行われたら、間違いなくモンジューが勝っていたのではないか。それは個性と適性の違いによってもたらされる結果だ。個性と適性は遺伝的にもたらされる筋肉、速筋と遅筋の比率の差が大きく関与する。 馬場状態を常に意識して、競馬と向かい合っていると、そのこと「個性と適性の重要性」がよくわかる。

 「強い馬はどんな状況下でも強い」という信念がモンジューを来日させたのかもしれないが、もしそうだとしたら、それは少し甘すぎないだろうか。フランスと日本の馬場は全く違うことを意識してはいなかったのだろうか。4着ならむしろよく頑張ったと思えるくらいで、さすがに能力の高い馬だと思う。ただ、本当に勝つ気なら、エルコンドルパサーがそうしたように、もっと早く来日して日本の馬場にあったスピード系の筋肉を鍛えるべきであった。(ということは、凱旋門賞は出走できなかったとは思うけど)。

 競馬は否応なしに国際化への道を歩む。日本だけ例外的に鎖国的な島国競馬をしていくことはできない。まして、日本は競馬の賞金も高いし、馬券の売り上げもすごい。世界の競馬関係者にしてみればオイシイ市場なのだ。アメリカの馬もヨーロッパの馬も、オセアニアの馬も日本で稼ぎたいし、日本馬は日本馬で名誉を求めて世界を走りまわりたい。競馬に国境がなくなり、世界を舞台に自由に走り回るワールドカップ方式の競馬新時代はそんなに遠いことではないだろう。

 とすると、個々の馬の適性を十分に見極めた上で、その馬にあったコースとレースをシビアに選択しなければ勝てない時代に向かう。これからは、はじめからジャパンカップを勝つために仕上げられる馬が現れるだろうし、凱旋門賞を勝つために調教される日本馬が出てくるはずである。国際化するレースの中で、馬券もまた、個々の馬の適性を見極める必要があるのではないか、と思っている。
 

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