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2000年3月 1日 (水)

第16回 牧場のオッサンが2人きました

 先週はお客さんが多かった。おかげで新宿、高田馬場あたりを毎晩、飲み歩くことになった。そんなに酒が飲める方ではないが、気のあった連中と飲んでいるのは楽しいから、誘われればつい、深夜まで遊んでしまう。
 
 土曜日の競馬の後、北海道・三石の牧場主が二人やってきた。二人ともまだ四十代半ばで、地元の農協の中心メンバーでもある。これまでも何度か一緒に飲んでいるし、ブリーダーズカップにも一緒にいったから、気心も知れている。どういう訳か、最初に盛り上がった話はハゲ薬の効用についてだった。  

 ま、それはおいて、「牧場経営はますます厳しく、苦しい」らしい。  
 確かにバブル崩壊の後、馬の値段はずいぶん下がった。しかし、安くなったとはいえ、それでも買い手がつかないのが現状らしい。一方で外国馬を輸入する際にかかる関税も安くなってきて、外国馬に市場を奪われることも多くなった。JRAも外国産馬が出走できるレースをクラシックも含めて大幅に緩和する計画だから、その流れは止めようがない。  
 国内の牧場を取り巻く環境は、明るいきざしさえ見えず、冷え切った状態のまま今年も雪に埋もれているらしい。  

 「遅まきながら、インターネットを利用して、何ができるか」。農協としてようやく検討が始まったところらしいが、熱っぽく未来を語る彼らに暗さはみじんもない。  

 食事の後、飲みに行った先のキャバクラではオヤジギャグの連発で、大うけ、おおはしゃぎ。よく飲む、よく騒ぐ。元気がいい、オヤジそのもの。  

 とはいうものの、いつの間にか女の子と翌日の食事の約束まで取り付ける手際の良さもあったりして。楽しかったね。  

 出産シーズンを迎えるこれからが牧場の一番忙しい時期。ぜひぜひいい子が産まれてほしいと願うのは、当の彼らだけではない。国内に走る馬がいっぱいいれば何も、外国の馬を持ってこなくてもいいのだ。競争成績だけがものをいう世界だけに、外国馬と比べても安くてよく走る馬を作る以外に牧場の未来はない。  

 いまどんなに苦しくとも、彼らの底抜けの明るさに接していると、いつかそんな時代がくるかもしれないと胸が躍る。そんな時代がきてほしい。

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