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2000年10月25日 (水)

第35回 オペラオーの評価 天皇賞・秋

 今年の秋の天皇賞はテイエムオペラオーで堅いらしい。G�T3勝、重賞7勝。目下5連勝、さらに2000メートル戦は3戦3勝とくれば、反対もしにくい。

 しかし、私にはテイエムオペラオーのその強さが見えない。見えないどころか、これで今までよく勝ててきたと思わざるを得ない。まず、ペースの対応力だ。オペラオーはこれまで16戦こなしてきたが、一度もプラスのペース指数で走ったことがない。ということは、実は一度もG�Tのペースを経験 していないということを表している。昨年の覇者・スペシャルウィークは17戦のうちマイナスのペースで走ったのは3、4歳戦を含めて7戦だけ。他 の10戦はすべてプラスのペースで戦い、勝利を手にしてきた。スペシャルウィークだけではない。これまでの天皇馬・オフサイドトラップ、牝馬のエアグルーヴでさえ、4歳で天皇賞馬になったバブルガムフェローでさえ、ナリタブライアンを倒したサクラチトセオーも、すべてプラスのペース度でレースを積み重ねてきた。その積み重ねの中で、能力と実力を開花させてきたのだと私は思っている。

 もちろん、オペラオーのペース度がマイナスのレースばかりということは、スローペースになりやすい長距離ばかりを使ってきたからだ、という言い方もできるが、そこにもオペラオーの落とし穴が待っている。オペラオーは4歳の皐月賞以来2000メートル以上のレースばかりを使って、ステイヤーとしての能力を作り上げてきたはずの馬だ。今年の天皇賞が超スローペースで推移するなら別だが、それは現実的にあり得ない。過去、秋の天皇賞はスピード上位のレースだったはずで、マイラーでも秋の天皇賞馬の栄誉を手にできたのだ。オペラオーが今、久々に戦う2000メートルのスピードについていけるかどうか。私はテイエムオペラオーの過去のペース度の履歴に大きな不安と不満を感じる。

 それでもオペラオーは勝ってきた。しかし、倒してきた相手はナリタトップロード、ステイゴールド、メイショウドトウ、ラスカルスズカといったいつものメンバー。層の薄い中・長距離戦で変わりばえのしないメンバーの戦いでは仕方がない。そのカテゴリーでは力関係がはっきりしたということだ。現在、長距離戦ではオペラオーがチャンピオンであることは疑いない。

 しかし、先に述べたように、東京の秋の天皇賞は2000メートルとはいえ、スピード勝負のレースである。長距離戦と違ってレベルの高いメンバーも揃ってる。相手の弱い中長距離戦とは違う。

 結論を急ごう。中心はスピードに光るものを持った馬だ。脚質は問わない。 先行して粘るのも良いし、後方から追い込んでも勝負になる。でも、基本は 2000を乗り切るスタミナとスピードになければならない。メイショウドトウ、トゥナンテ、イーグルカフェを候補にあげたい。

 前走、オールカマーを勝ったメイショウドトウは、どちらかというとスタミナ系の馬に見えるが、ペースが厳しくなっても持ちこたえられる底力はあるはずで、スローペースにならない秋の天皇賞なら、勝機もあるのではないか。

 トゥナンテは前走、毎日王冠の勝ち馬。スローペースで先行馬有利の流れを後方から差しきった脚は見所十分だった。軽いスピード馬の印象が残る馬だが、スローペースのレースが多く、ペースが上がったときに対応できるか どうか。6歳という年齢からこれ以上の上積みがあるかどうか。

 イーグルカフェも同じようにスローペースが多い。ただ、まだ4歳だけに、1戦ごとに力を付けてくるはずで、不気味な存在だ。

◎メイショウドトウ、○トゥナンテ、×イーグルカフェ、▲テイエムオペラオー、△ロサード、ナリタトップロード、ユーセイトップラン、ダイワテキサス、ミッキーダンス(西田)
 

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2000年10月20日 (金)

第34回 波乱含みの菊花賞

 先週、10月12日に株式会社ニシダと有限会社アイケーが合併して、社名も新たにライトニックス株式会社としてスタートすることになった。それまで10人だったスタッフも17名に増え、にぎやかな、明るい事務所になった。

 さて、今週の菊花賞。ちまたの評判ではアグネスフライトとエアシャカールの2強の対決という構図が圧倒的のようだ。しかし、ダービーで1、2着を占めた両雄というにふさわしい戦いになるのかどうか。

 本来、ステイヤーの資質をはかるレースが菊花賞のはずだが、最近の菊花賞はほとんどが超スローペースで流れ、直線だけの叩き合いになることが多い。どの馬も距離に不安を残しているだけに、無理に行ってしまえば道中で息が上がってしまうのが見えているからだろう。結果的に、菊花賞は2000メートルのレースを戦うのと変わるところがないように思える。

 今年はさらにレベルの低さが気になる。98年、セイウンスカイが制した年は平均で93のスピード指数があった。他の年も今年はレベルが低いといいつつも、87から89の平均値は維持していた。それが今年は78の平均スピード指数しかない。これでは900万条件どころか、500万条件の特別戦と何ら変わるところがない。今年のメンバーに菊花賞にふさわしいペースや、戦いを期待するのは無理というものだ。

 当然というか、今年のペースは例年以上に超スローペースになってしまうはず。そうなってしまえば、スタミナを基本とした距離適性や、資質などは問題にならなくなってしまう。上がりだけの勝負、直線の切れだけを競うレースなら、アグネスフライトとエアシャカールが圧倒的に強い。しかし、2頭とも中段より後ろに位置する馬だ。2頭揃って後方一気の差しきりがあるだろうか。わたしは、ないと思っている。彼らより前で戦う馬が粘って、残るはずだ。アグネスフライトとエアシャカールの1点の馬券はない。

 ではアグネスフライトとエアシャカールのどちらがより勝利に近いか。

 過去、何年かの菊花賞のデータを見ていると、馬場状態の良いときに高い指数で走った実績があっても、菊花賞では好走できないことが多いことがわ かる。逆に馬場状態が比較的力のいる状態で、なお、2000メートル以上 のレースで連対していることのほうが重要な要素になっている。これは過去5年、すべての連対馬の条件だ。ということは、超スローペースで、上がりだけの勝負の結果、距離適性やステイヤー資質が問われないとはいえ、最後の最後、スタミナが他の馬より少しでも優れているかどうかが、着順を決定 する要因になっていると考えることができる。

 アグネスフライトとエアシャカールを比べた場合、アグネスフライトの戦ってきた馬場状態は、ほとんどが軽くスピードのでやすい状態である。弥生賞と皐月賞の馬場状態からエアシャカールのほうがアグネスフライトより多少力のいる馬場状態でレースをして実績を上げている。アグネスフライトは連対できない、とまでは言わないが、両頭を比べた場合、わたしはエアシャカールの方が菊花賞馬にふさわしいと思っている。

 少しでもスタミナの要素で他の馬たちよりも優れているかどうか。そういう視点で他の馬たちを見ていくとエアシャカールの他、トーホウシデン、フ ェリシタル、ロイスジュニアなどがピックアップできる。トーホウシデンは多少人気になるかもしれないが、フェリシタル、ロイスジュニアは無視された存在。今年の菊花賞は荒れるかもしれない。
◎エアシャカール、○トーホウシデン、×フェリシタル、▲アグネスフライト、△ロイスジュニア、エリモブライアン、ジョウテンブレーヴ、カリスマシルバー、ケイジージェット。(西田)
 

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2000年10月11日 (水)

第33回 秋華賞

 今年の秋華賞も荒れるのだろうか。スピード指数の出馬表を眺めながら、まず、そんな印象にとらわれる。秋華賞として実施された過去4年のうち、3回が万馬券では固く考えるなどできない。もともと牝馬のレースは難しいものだし、成長途上にある4歳限定のレースなら、荒れても不思議ではない。

 例年同様、秋華賞は今年も難解なレースだ。今年は芝の最高指数が77と いうメンバー構成で、今年の4歳牝馬世代は相当レベルが低い。

 人気上位はオークス馬シルクプリマドンナ、桜花賞馬チアズグレイス、ロ ーズSの勝ち馬ニホンピロスワンなど。

 京都の内回り2000メートルは先行馬有利というのが定説だが、それは スローペースが前提でのこと。これまでの4年間、秋華賞当日の馬場指数と ラップタイムを比較してみると、4年とも明らかにハイペースだったことが 分かる。過去にその厳しいペースを先行して連対したのはファビラスラフイン、キョウエイマーチだけだったが、両頭のその後の活躍を裏付けるデータ であるともいえる。結果的に毎年、後方からの一気の追い込みが鮮やかに決まってしまうというのが秋華賞の展開である。今年のメンバーの平均先行指数とレベル、馬場状態を合わせて考えると、今年もハイペースの傾向は変わらないのではないかと思える。

 とすると、どんな馬が有力になるのだろう。まず何よりも直線での瞬発力がある馬でなければならないはずだ。近走の上がり指数上位はティコティコ タックの13、シルクプリマドンナ、グランパドドゥの12、チアズグレイスの11などだが、どれもスローぺーのものだけに信頼はできない。スローペースでないレース(ペース指数−10)での上がり指数上位はニホンピロスワンの5、トーワトレジャー、マターラミツル、ポンデローザの1などだ。

 過去4年、勝ち馬のすべてが近3走内に、スローペースでないレースでプラスの上がり指数をもっていたことを考えると、今年の有力馬も同じ条件をクリアできるニホンピロスワン、トーワトレジャー、マターラミツル、ポンデローザに絞り込めるのではないか。

 合わせて、ハイペースという展開上、中段から後ろに位置できる馬で能力のある馬を探すとすると、ニホンピロスワンがもっとも有力馬として浮上してくる。

 ニホンピロスワンはハイペースで持ち味の直線での切れが生きそうな馬。この夏、古馬との対戦を経て、ここにきてようやく本格化してきた印象がある。距離も平均ペース以上なら2000メートル前後が合うのではないか。前走、ローズステークスはシルクプリマドンナやチアズグレイスなどクラシック組が休み明けで本調子になかったとはいえ、最後方からの追い込みは見事だった。京都の軽いスピードに対応できる切れはシルクプリマドンナやチアズグレイスよりも上なのではないかと思っている。

 ◎ニホンピロスワン、○ジェミードレス、×トーワトレジャー、▲マターラミツル、△シルクプリマドンナ、ポンテローザ、マルターズスパーブ、 チアズグレイス。(西田)

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