« 2000年10月 | トップページ | 2000年12月 »

2000年11月22日 (水)

第39回 スピードならタシロスプリング

 先週のジャパンカップはJC史上最悪のスローペースに泣いた。テイエムオペラオーのスピード指数は85。上がり指数はプラス10。スピード指数そのものは900万の特別レースの内容。上がり指数にわずかにオープン馬らしさが見えるが、スローペース症候群の最後の防波堤ジャパンカップでさえ、スローペースの波に飲み込まれてしまった。騎手も調教師も馬主も勝つことを目指してのみ仕事をしているのだから、このことについて何もいうことはない。素直に騎手、調教師、馬主の方たちに拍手を贈りたい。ただ、競馬のファンはレースの内容を含めて感動を持ちたいと願っており、結果だけを求めているのではないことを知ってもらいたい。

 今週は阪神3歳牝馬ステークスが行われる。阪神の開幕週のレースだけに、馬場状態が気にかかるが、どういうわけか今年の阪神の芝は夏以降、異常に速いタイムが出るようになってきた。秋口の開催時にはマイナス25でスタートしている。今開催もそのくらいの速い馬場と認識した方がよいだろう。昨年までは、軽くて速い京都の芝から、重くてタイムのかかる阪神芝へのギヤチェンジは適性を見極める重要なポイントになってきたが、今年は京都の速さが阪神でもそのまま生きることになりそうである。

 さて29頭の登録で絞り込みも難しいが、指数の上位65以上を取っていくと、テイエムオーシャン、タシロスプリング、リワードアンセル、ネームヴァリュー、オイスターチケット、ハクバノテンシがピックアップできる。その他では新潟3歳の勝ち馬ダイワルージュ、小倉3歳の勝ち馬リキセレナードなどもピックアップしておく必要があるだろう。

 阪神の開幕週で、逃げ馬には比較的楽な展開が予想されるが、今年の3歳 牝馬のレベルはそれほど低くないし、ペースも3歳牝馬のレースとしてはかなり厳しいものになりそうで、1600メートル戦といっても逃げ切るのは難しいだろう。展開的には中段で脚をためられる馬たちが、直線スピードを生かして差しきるというイメージが浮かぶ。

 とすると、中心はタシロスプリングだろう。札幌のすずらん賞は重い馬場に持ち前のスピードを生かせず3着に負けたが、スピードの出る京都のファンタジーSでは72の指数で圧勝。すでに9戦を消化、大きな指数の上積みはないかもしれないが、レース経験の豊富さが今回も確実に70以上の指数で走る信頼につながるのではないか。

 他ではハクバノテンシ。前走はタシロスプリングに負けたが、軽いスピードはなかなかのものがある。テイエムオーシャンは逃げなくてもレースはできるが、今のところスピードよりもスタミナの色が濃く、先行した方がよいはず。

 この時期の3歳牝馬は安定感もなく、一気の成長もあるので、毎年、難しい予想になってしまう。あまり自信はないので、馬券はほどほどに。

◎タシロスプリング、○ハクバノテンシ、×テイエムオーシャン、▲リワードアンセル、△オイスターチケット、ネームヴァリュー、コウエイマーベラス、ノブレスオブリッジ、ローレルプリンセス、タカラサイレンス。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2000年11月21日 (火)

第38回 ジャパンカップ2000

 ジャパンカップは、最近8年連続日本馬が連対を果たしている。東京の固いスピードの出やすい芝の適性、地元の利もあっての結果なのだろう。しかもスピード指数のデータが揃っているレガシーワールドが制した93年以降、ファビラスラフィン(D馬)が2着に連対したことを除くとすべてが直前指数の一番高いA馬である。

 ジャパンカップは外国馬たちのスピード指数がないから日本馬と外国馬の比較が難しいのは確かだが、日本馬を中心に考えると比較的簡単なレースになってしまう。

 今年の日本馬のA馬は目下6連勝中、日本馬に敵なしの快進撃を続けるテイエムオペラオー。データから考えて、日本馬から狙うならこの馬以外にない。

 「しかし、何かが違う」。私の中で、つぶやくものがある。

 ジャパンカップは例年、非常に厳しいペースで行われてきた。日本馬の連対したこの8年間の平均上がりタイムが36秒0前後にあることを見ても、そのペースの厳しさを認識できる。過去の日本馬の連対馬たちはその厳しいペースに耐え、最後の直線に残り少ないエネルギーのすべてをぶつけてきたのだ。事実、過去7年の日本の連対馬はすべて、前走にプラス10以上の先行指数を持っていた。(最高値レガシーワールド44、最低値ヒシアマゾン12)。もう少し厳密に見ていくと、上がりタイムに比例して先行指数が変化する傾向があり、上がりタイムが速い年より、遅い年の方が先行指数を必要とする。だからこそ、ジャパンカップのペースに対応できたはずである。

 今年、日本馬の中心になるべきテイエムオペラオーにはそれがない。オペラオーはジャパンカップのペースに対応できるか。私の疑問もそこにある。

 上がりタイムが34秒台ならテイエムオペラオーで良い。しかし、そういうペースはないはずだ。とするとオペラオーは危ない。無敵のオペラオーが不安であれば他の日本馬も推して知るべし。今年はなぜか、外国馬たちの事前評価が低いようだが、名より実のある馬が揃ったと私は思っている。ジャパンカップは外国馬どおしの決着になる。私の結論はそうならざるをえない。

 中心には前走ブリーダーズカップで5着、ファンタスティックライトを取る。前走は勝ち馬のカラニシとあわせて伸びてきたものの、前が詰まっての5着。日本の速い馬場に対応できるスピードもある。ブリーダーズカップからのローテーションは厳しいものがあるが、スローペースと前が詰まっての結果から見てまだ十分に余力を残しているはずだ。同じレースで3着のジョンズコールも10歳馬とはいえ、堅実さが光るし、スピードも日本向き。他ではゴールデンスネイク、レーヴドスカー、ティンボロアなども東京のスピード適性は高い。

 日本馬でジャパンカップのペースに対応できそうなのはエアシャカールとアグネスフライト。ともに4歳馬だけに大きな成長を期待したい。

 ◎ファンタスティックライト、○ジョンズコール、×エアシャカール、▲アグネスフライト、△テイエムオペラオー、ゴールデンスネイク、ティンボロア、レーヴドスカー、メイショウドトウ。

 ジャパンカップダートは、外国馬たちが経験してきたタイムの速いダートとは本質的に違う「サンド」競馬で、圧倒的に日本馬が有利。

 ◎ウイングアロー、○ファストフレンド、×シンコウスプレンダ、▲サンフォードシチー、△タマモストロング、ワールドクリーク、ゴールドティアラ、レギュラーメンバー、ユーカー。

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2000年11月15日 (水)

第37回 遅咲きダイワカーリアン

 エアジハードやタイキシャトル、トロットサンダーにノースフライト。毎年、マイラーとして傑出した馬が勝利を収めてきたが今週のG�Tマイルチャンピオンシップだ。短距離で素晴らしい能力を持っていても勝てないし、中・長距離よりも圧倒的なスピードを必要とするのがマイル戦である。マイル戦で勝利をおさめたことがあるという条件が過去の連対馬のほとんどの馬に当てはまるのもうなづけるし、また、マイル戦の連対率がそれぞれ50パーセントを超えていたというデータも納得がいく。マイルはマイラーという特殊なカテゴリーのレースであり、マイルチャンピオンシップはその名の通り、マイル王の決定戦なのだ。

 今年のメンバーの中から、マイラーとしての実績(マイル戦での勝ち鞍と連対率50パーセント以上)で手広くピックアップしてみると、アドマイヤコジーン(2001)、エイシンプレストン(4100)、キングヘイロー(2111)、ゲイリーイグリット(2001)、シンボリインディ(5102)、ダイタクリーヴァ(2110)、ダイワカーリアン(5525)、ブラックホーク(5222)、マサラッキ(1102)、ヤマカツスズラン(1000)と10頭にのぼる。

 スピード指数で過去の連対馬をみると、近5走、マイル以上の距離で90以上のスピード指数を示していることも条件(4歳馬除く)だ。4歳エイシンプレストン、ヤマカツスズラン、ダイタクリーヴァを別にすると、古馬ではキングヘイロー、ダイワカーリアンの2頭になってしまう。

 ダイワカーリアンは8歳馬。本来なら成長も止まっているはずだし、もう引退している歳。しかし、今年、安田記念で17着に大敗した後、あっという間の4戦3勝。この夏の充実ぶりには目を見張るものがある。過去のスピード指数の最高は2000年の1月に東京1600メートルで示した95だったが、前走も95の指数で富士ステークスを勝ち、8歳のいまが最も充実期、目下絶好調にある遅咲きの馬だ。

 キングヘイローは安田記念で3着に入ったレースのスピード指数が94だったが、6歳とはいえ、過去の実績、スピード指数を考えると多少の衰えを感じる。

 4歳馬のエイシンプレストン、ヤマカツスズラン、ダイタクリーヴァの中ではやはりエイシンプレストンが断然だろう。7戦4勝、2着1回の全成績だが、3着以下に負けたのは1400メートルと1800メートル戦だけ。マイル戦は(4100)とマイルの適性はかなり高い。ただ、甘い4歳のペースしか経験がないので、前走スワンステークスで後方におかれたように、古馬G�Tのペースについていけるかが心配。

 京都の芝の状態は相変わらず速いようで、今週もマイナス15前後の馬場指数のはず。過去、この時期の京都の馬場指数はほとんどがプラスだったことを考えると、今年は軽いスピードだけでもレースになるのではないかと見ている。そういう点で、ダイタクヤマト、シンボリインディ、マサラッキなどのスワンステークス組にも注意がいるだろう。

 また、考えられるペースは平均ペースだけに、過去、逃げ馬には分が悪いレースとはいえ馬場状態の良さを生かして先行馬が行ききってしまう可能性も高いのではないかとみている。

 結論を急ごう。馬場は良好。平均ペースで、スピード比べのマイル戦。先行馬でマイル実績のある馬を探す。

 中心は、遅咲きの花・ダイワカーリアン。過去の成績を分析すると馬場状態がプラスで多少力のいる馬場状態のときに負けるケースが多く、馬場状態の良いときの敗北は距離が1800とか2000メートルで微妙に距離が長かったのではないか。本質的にはスピード上位の馬のはずで、マイルが最も得意な距離だと見ている。馬場状態もスピードが生かせるいい状態だし、先行力も問題ないはずだ。

 相手は、4歳馬のエイシンプレストンを取りたい。

◎ダイワカーリアン、○エイシンプレストン、×ダイタクヤマト、▲エイシンルバーン、△トロットスター、ブラックホーク、キングヘイロー、シンボリインディ、マサラッキ

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2000年11月 8日 (水)

第36回 エリザベス女王杯は2強の戦い

 京都競馬場の芝は、速さと軽さが特徴だ。今週はエリザベス女王杯が行われるが、先週のDコースから2週ほど間を開けたAコースに変わる。馬場がどの程度回復しているか気にかかるが、中間に降雨がなければ、先週よりは速い馬場状態になるだろう。

 エリザベス女王杯の距離は2200メートル。本質的にはスタミナを必要とする距離だが、どの馬が逃げたとしてもスローペースは必至だし、いまの京都の馬場の軽さを考えると、スタミナよりはスピード能力のほうが必要とされるはずだ。ということは距離の適性もあまり問題にならない。2200メートルといっても、おそらく1800をこなせるスタミナがあればよいはずで、むしろ距離が長いと敬遠される馬の方が合うのではないか。

 そんなことを想像しながら、出走予定馬の指数を眺めてきた。

 有力馬はフサイチエアデール、トゥザヴィクトリー、エイダイクイン、ウメノファイバーの4頭。他ではファレノプシス、ヒシピナクル、メジロサンドラなど。85以上のスピード指数を持った馬たちだ。

 スローペースを除くレースでどの程度の指数を示してきたかということが、その馬の基礎能力を知る上で重要な評価になるが、近5走で見ていくと、95のフサイチエアデール、94のファレノプシス、90のトゥザヴィクトリー、89のエイダイクインの順になる。それぞれが示した指数のレースを分析してみよう。

 フサイチエアデールは中山の1600と阪神の2000で95のスピード指数を示して勝っている。ともに馬場が良い時のもので、大敗した読売マイラーズカップ、安田記念が力のいる馬場だったことを考えると、やはりスピード上位の馬だ。昨年4歳馬ながらメジロドーベルに詰め寄り、2着を確保しており、距離はこなせるようにみえるが、馬場状態は良馬場とはいえ力のいる状態、同馬が後方から差し切れたのはハイペースに助けられてのものと考えた方がよいだろう。当然、2200の距離はマイナス材料だが、スローペースと京都の馬場状態からみて、こなせる範囲に思える。先行して抜け出すというレースも安定感につながっており、スタミナ勝負のハイペースにならない限り有力だ。

 フサイチエアデールと同じ5歳世代のトゥザヴィクトリーは半年以上の休養の後、今年の夏に復活。特に3走前、マイペースで逃げるようになってからの進境は著しく、スピード指数も82、88、90と伸ばし、同馬が大きく成長したことを示している。この3戦、2勝2着1回と連対をはずしていないし、前走もスローペースに落として逃げ、直線で更に差を広げる圧勝劇を演じている。1800から2000メートルを中心に使ってきたが、2400のオークスで2着したように、スタミナに不安はなく、距離はもう少し伸びた方がよい馬だ。

 エイダイクインは6歳だけに、指数の伸びは期待できないし、追い込み一手、直線だけのレースが多く、ペースに左右されやすい弱点がある。フサイチエアデール、トゥザヴィクトリーが万全で、しかもスピード指数が高くなるような平均ペースだと苦しい。スローペースになればなったでトゥザヴィクトリーに逃げ切られる公算が高く、先行馬がすべてつぶれてしまうような極端なハイペースにならない限り、勝機はうすい。ただ、スタミナには問題はないようで、距離は合うだろう。

 ウメノファイバーは使われてきた距離もバラバラなら、レース内容もムラが多く、当てにしにくい。ただ素質がないわけではないから、ペリエ騎手に手替わりすることで変わり身に期待したいところ。

 今年はフサイチエアデール、トゥザヴィクトリーが2強の座を確保。他の馬たちとは多少能力差があるように思えるが、ファレノプシスとヒシピナクルには注意が必要。

◎フサイチエアデール、○トゥザヴィクトリー、×ファレノプシス、▲ヒシピナクル、△エイダイクイン、ウメノファイバー、メジロサンドラ、キクノスカーレット、ナリタルナパーク。

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2000年10月 | トップページ | 2000年12月 »