« 2002年7月 | トップページ | 2004年6月 »

2004年5月27日 (木)

第165回ダービーにふさわしいペースを

 NHKマイルカップのその日は、後楽園ウインズにいた。中継画面を見上げながら、直線だけで5馬身の差をつけて圧勝したキングカメハメハの強さに少し驚かされた。とくにその直線の瞬発力は素晴らしい切れだった。
 しかし、いま改めてダービーの出馬表を見ていると、キングカメハメハの直線の脚は切れすぎるのではないかと思えてくる。過去、ダービー上位馬たちの瞬発力はESで見ると50前後がふつう。キングカメカメハの前走75の瞬発力は明らかにマイルのものなのではないか。
 今年のダービーはペースがカギを握る。昨年同様、スローペースになれば、距離が長すぎると思われている馬でも、直線の瞬発力だけで勝負になるかもしれない。後方一気は届かず、先行馬に有利になるはずだ。超スローペースならNHKマイルカップでみせたキングカメカメハの切れが生きるかもしれない。相手も瞬発力のあるコスモサンビーム、コスモバルク、ダイワメジャー、ハイアーゲーム、マイネルデュプレなどだろう。
 しかし、マイネルマクロスがすんなり先手を取って逃げることになれば、厳しいペースとまでは言わないが、超スローペースはないはずだ。半分くらいは、スローペースにはならないで欲しいという願いもあるが、このところ逃げ馬が主役を務めるG�Tの印象も強いはずで、スローペースとみて、競り懸けていく馬も表れるかもしれない。とすると超スローペースはない。2400の距離適性が求められるダービーになるのではないか、と思う。
 もし、平均ペースで進むなら、前半のスタミナのある馬で、差し脚もあるダイワメジャーやキョウワスプレンダ、マイネルブルック、フォーカルポイント、マイネルマクロスなどにチャンスが生まれるだろう。
 本命はダイワメジャー。対抗はコスモバルク。皐月賞の1、2着馬を中心に取りたいと思っている。前哨戦となったいくつかのステップレースで比較的ペースがしっかりして、内容が良かったのは皐月賞であり、皐月賞の上位馬の能力を素直に評価してもよいのではないか。
 ダイワメジャーは東京に実績がないし、芝での勝ち鞍は皐月賞だけだが、明から芝向きのはずで、スタミナをベースにした差し脚は上位にあるとおもっている。コスモバルクも皐月賞はダービー出走の権利取りが目標だったはず。慎重に乗って2着を確保した内容は上出来ではないか。
 いずれにしても、超スローペースのダービーにならないことを願っている。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2004年5月26日 (水)

第164回Tちゃん、絶好調

 競馬が終わって、翌日の月曜日は馬場指数を計算する。これも20年近く、毎週の変わらぬ仕事。しかし、仕事だといいながら、馬場指数を計算するのは本当はすごく楽しい。たぶん私の一番好きな仕事の時間だ。馬場指数を計算しながら「ああ、この馬は強いな」とか、「ひどいスローペースだった」とか、土日に自分が買った馬たちのレース内容に思いをはせながら、結果に納得していく。馬場指数を計算しながら、もう一度レースを楽しむことができる。
 そういえば、オークスを逃げ切ったダイワエルシエーロの指数は65になった。当然の超スローペースで、勝つためには逃げるしかないというイメージを事前に描いていたという福永騎手の好騎乗だった。
 しかし、馬券を買う側は、そういう想像力を持てなかった。オークスは3年連続、またまた万馬券の決着になってしまった。
 とはいえ「スピード指数では、ZーDXーZの組み合わせですからね。4着もAYだからXYZのボックス馬券なら」と嘆いても後の祭り。

「今週はどうでしたか」
 ほぼ毎週月曜日夕方。きまってかかってくる電話はTちゃんからだ。年齢も私より上だから、「ちゃん」づけでは失礼だが、競馬歴は40年、私の競馬の師匠ともいうべき大先輩である。出版社を定年退職し、いまは原稿を書きながらの年金生活。T氏が現役の編集者だった頃からお世話になって、仕事だけでなく、競馬も教えてもらった。競馬場にもよく連れていってもらった。アイネスフウジンの勝ったダービーの日も一緒に「中野コール」の渦の中にいた。
「今週はダメでした。ダンスインザムードが強いと思いこんでいたから、そこから1着流しを買っただけで、押さえも取らなかった」
 私は力なく答えるしかない。
 Tちゃんは、
「土曜日の目黒記念の3連複をね、2000円もっていまして、またまた大口でした」
「それはすごい。目黒記念は確か、5万いくらでしたよね」
「オークスもダイワエルシエーロから馬単、3連複を買っていましてね。金額を抑えてしまったので、大口には少し足らなかったけど」
「けど、2日で200万越す勝利なら、それはすごいですよ。それにしても、よくダイワエルシエーロを軸に買えましたね」
「逃げるかもしれないと思ったんだ。天皇賞もそうだけど、長距離の逃げ馬は穴馬の条件みたいなものでしょう」
「はい、そうですね」私は素直にうなずくしかない。
 Tちゃんは最近、絶好調なのだ。天皇賞では逃げ切ったイングランディーレの単勝、馬単、3連複をことごとく当てて、300万くらい稼いだ。Tちゃんはもともと超穴党で、多点数を買うタイプだ。確かに当てるのはうまいが、これまでは少額しか賭けなかったので、当たっても貯められるほどは儲からない。それが競馬歴40年にして初の大口払い戻しの連続。私の知る限り、Tちゃん生涯最高とも思える絶好調はまだ続いている。
今週はダービー、Tちゃん、何から買うのか聞いてみたいが、まだ連絡がない。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2004年5月20日 (木)

第163回ダンスインザムードの2冠は

 1600メートルの桜花賞と2400メートルのオークスは、距離適性からは全く違うカテゴリーに属するレース。桜花賞が厳しいレースであればあるだけ、マイラーの素質が勝利をものにする条件になるだろ。オークスもまた、スタミナをベースに最後の直線の脚を生かせる長距離適性をもった馬が勝つに違いない。この距離の差を克服して2冠を手にした馬は、最近では93年のベガ、昨年のスティルインラブの2頭しかいないという結果を見ても、距離適性を克服して、2冠を達成することの難しさを示している。今年はダンスインザムードがこの難関に挑戦する。
 2400はどの馬にとっても初の距離。スローペースにならざるを得ないし、余力をもって上がりの脚をつかえる馬に有利に働く。過去の連対馬を見ても、オークスの2400メートルに必要な、最も重要な能力は直線の脚だ。
 上がりの脚ならダンスインザムードやヤマニンアラバスタ、スイープトウショウ、アズマサンダースが良い。ただし、あくまで1800メートルまでのレースでのこと。スローペースの忘れな草賞を勝ってオークスに臨むドルチェリモーネ、フローラSのメイショウオスカルも2000メートルの上がりとしては評価して良い内容だろう。
 ダンスインザムードは先行して直線抜け出す競馬で4連勝してきたが、レース中に行きたがる素振りは見えず、桜花賞も流れにのって中団に位置取り、余力を持って上がりの脚を使ったという印象が強い。オークスを意識した乗り方で圧勝してしまったわけで、桜花賞で2着以降の馬たち付けた差は着差以上に大きいのではないか。
 ダンスインザムード2冠の可能性は高い。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2004年5月18日 (火)

第162回30万馬券もかすむ155万馬券

 ずいぶん長い間、休んでいましたが、今週から「馬場日記」を再開することになりました。競馬を考えるうえで、すこしでも役に立てればと思います。不定期な連載になってしまうかもしれませんが、週1くらいでは更新していくつもりです。お暇なときにでも、のぞいてみてください。今後ともよろしくお願いいたします。(西田和彦)

 毎週土曜日は、事務所でグリーンチャンネルを見ながら、電話投票で馬券を買い、「スポニチ」の予想にとりかかっている。もう十数年、そうやって変わらぬ土曜日を過ごしている。
「おおおおっ。そのままー」
 テレビの中継画面に向かって、小さな声で、独り言のようにつぶやいているのはN君。京都の7レース、直線の叩き合いだった。4、5頭が一塊りになってゴールをめざすなか、2頭が半馬身ほど抜け出しをはかる。しかし、鼻面を並べてゴールを駆け抜けようとするその外から、覆い被さるように脚を伸ばす馬を画面がとらえる。
「差すなー、差すなー。ああ、ああああ、ああああああ、ううっ、差さ、れ、た」
「はぁ」
 N君のため息が聞こえる。
「ダメだったの」
「イヤ、安目になっちゃったんですよ。ワシントンスワンが突っ込んでなければ、馬単で1500倍くらいだったんです」
 外から差し切ったのは5番人気のワシントンスワン。2、3着は11番人気のスリーアパッシュと8番人気のワイルドソングだったが、もともとが大穴狙いのN君のこと、当たれば大きいとは思ったが、安目での決着でも馬単8万6810円、3連複はなんと31万6030円という大爆裂配当。これを馬単、3連複ともに的中なら文句はないはず。
「人気になっていた馬たちの信頼はいまいち。それに比べて7枠の2頭、スリーアパッシュはD馬、ワイルドソングはZ馬なのに単勝90倍、45倍と全く人気がなかったんです。その2頭がからんで高配当決着になって取り損なうと嫌だったんです」
 馬単は人気薄の2、3着馬から7点ずつの裏表流し。3連複はボックスだったという。
「すっごーい。いくらになったの。ねえ、おいしいもの、ご馳走してね」
 毎週土曜日に手伝いに来てくれているK女史が、さとう珠緒モードで攻めるが、あまりにも似合っていないせいか、「100円単位ですから」と軽くかわされた。でも、30万馬券だからね。私もおごって欲しい。
 この日、N君は絶好調。5レース買って4レース的中。新潟の最終レースも人気薄のA馬から流して、馬単1万8570円、3連複1万6140円を的中。
「きょうは、どういうわけか、つきまくってますね」と自ら言うほどの大勝利だったらしいが、唯一外したレースが新潟のメインレース・邁進特別。
 4番、16番、14番人気の決着で、3連複155万5450円はJRAの最高配当だ。さすがにスピード指数でも買いにくい馬券には違いないが、もしも、3連単だったらどのくらいの配当になるのだろう。
 N君の30万馬券もかすむ高配当、もし取ったらどうしよう。取らぬ狸の皮算用だけど想像するだけでも少し幸せな気分になれる。
 日が延びて明るさのなかの東京の夕暮れ、自分の電話投票残高がゼロだったことを思い出した。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2002年7月 | トップページ | 2004年6月 »