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2004年12月29日 (水)

第196回ゼンノロブロイを信じて

 出がけに「私も有馬記念、買いたい」とカミさんが1万円札を出す。カミさんが馬券を買いたいというのは、ずいぶん久しぶりだったので少し驚いた。
 私は「珍しいね」といいながら、手元のスーパーパドック出馬表を渡した。しばらく出馬表を見つめていた彼女は、ゼンノロブロイ、コスモバルク、タップダンスシチー、ツルマルボーイ、アドマイヤドンの5頭をピックアップしてきた。理由を聞くと「素直に指数の高い馬を選んだだけ」だという。「だったらゼンノロブロイは強いから、ロブロイ流しにしたら」と言ってみたが、ここは「ボックスで」というカミさんの意志を尊重することにした。
 中山競馬場には12時半頃に着いた。
 「込むだろうな」とは思っていたが、コース沿いの石畳はすでに端から端まで、人であふれかえっている。そのうちに身動きがとれず、レースが見えないどころか、馬券も買えなくなるだろう。そう思って内馬場に移動して、有馬記念の馬券だけ、先に買った。
 わたしは、ゼンノロブロイの1着付けの3連単馬券を1000円通し。連下は8頭のボックスを組んだので56点になった。あわせてゼンノロブロイの2着付けと、アドマイヤドンの1着付けの3連単を、それぞれ500円通しで押さえた。
 内馬場はどうしても子供たちの声をうるさく感じるが、できるだけ気持ちを落ち着けながら、3場の3連単馬券を買い続けた。しかし、結果はいつも何かひとつ違う。結局、ひとつも勝てないまま、有馬記念の発走を迎えることになってしまった。
 内馬場からスタンド側を見ると、一面に隙間なく人の顔が連なって、ざわめく黒い波のようだ。ファンファーレとともに、一斉に拍手が沸き上がり、やがてスタートとともに「うおー」という地響きのような歓声にかわる。レース実況も聞き取りにくいほどの歓声は、2分30秒足らずのドラマの間中、止むことはなかった。
 有馬記念の結果は今さら書くまでもない。
 ゼンノロブロイは逃げるタップダンスシチーの2番手を進み、直線鮮やかに差し切って優勝した。2着は粘ったタップダンスシチー、3着は先行集団から抜け出してきたシルクフェイマスだった。
 カミさんの馬連は1240円、私の3連単は2万4760円もついて、それまでの負けを一気に取り戻し、収支もプラスになった。
 そのあとは、中京12レースの3万馬券を取り、阪神の最後の最後、最終レースの4200円を当てて、今年のわたしの馬券は終わった。有馬が取れて、最後も締めくくれてプラスなら上出来だろう。
 いま振り返っても、有馬記念の馬券は割とうまくまとめられたと思っている。ゼンノロブロイを信じられたこと、その日負け続けていても、気持ちが高ぶることもなく、自然体であったことも良かった気がする。さらに人気のあったコスモバルクやヒシミラクル、デルタブルースなどの馬は全く買わなかったが、それでいて気持ちに迷いがなかったのは、我ながら不思議だった。
 今年の競馬は終わったが、また、すぐに新しい年に向けての戦いが始まる。できるだけ冷静に、穏やかな気持ちで、声援を送りたいと思っている。

 いろいろあった1年間。ご迷惑をかけたこともあっただろうと思います。ほんとうにお世話になりました。どうか良いお年をお迎えください。そして、来年もよろしくお願いします。

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