« 第217回母の3回忌 | トップページ | 第219回少しだけプラス »

2005年6月16日 (木)

第218回再び100万馬券

「先生ですか」
 日曜日、東京競馬場のいつものスタンドの、いつもの位置に立って出馬表をながめていたら、 そう声をかけられた。隣りに立っていたのは、年の頃は30前後の青いシャツを着た青年だった。しかし、その言葉が自分にむけられたものなのかどうか、すぐにはわからなかった。これまで競馬場で声をかけられることはあまりなかったし、まして「センセイ」と声をかけられたこともなかった。便宜上「センセイ」と呼ぶのは事務所のスタッフくらいだ。たぶん、どこかの学校の先生と間違えたのではないか。一瞬のうちにそんなことを想像してみたが、青年の手にスーパーパドックでプリントアウトされた見慣れた出馬表があるのを目にして、それが自分にかけられた言葉だとわかった。
「はあ、そうです」
 わたしは間の抜けた返事しかできなかったが、青年は少し微笑みながら、
「きのうの東京12レース、取りました」という。
「あの、117万馬券を、ですか」
「はい」
「それは良かった。すごいね。おめでとう。わたしも取ったんですよ」
 ふたりとも少し興奮気味に、力を込めた握手をして喜びあった。

 土曜日、東京の最終レース江の島特別は1000万条件の芝1800メートル戦。松岡騎手のA馬ウルヴズグレンが後方から伸びて鮮やかな指し切り勝ちをしたレースだった。ウルヴズグレンは11番人気で単勝は2740円ついた。2着には3番人気のロケットパンチ、3着に16番人気のマリウスが入って、3連単は117万1980円の払い戻しになった。
 私はウルヴズグレンの1、2着付けで連下を9頭取って流した。いつもなら相手は無理にでも7頭に絞るところだが、絞りきれなかった。しかしそれが幸いした。無理に7頭に絞るとしたらスポニチ予想のようにマリウスを外すことになっただろう。
「あのレースはマリウスが買えたかどうかですね」とわたしが聞くと、
「でも、マリウスのこの2走はスローペースで指数を下げただけですから。その前の指数は上位ですからね。長くスピード指数をやっていれば、わかりますよね」
 青年はそういって、さらにスピード指数を公表した当時からのユーザーだと言い加えた。
 話を聞きながらわたしは、この青年がスピード指数のことを非常に良く理解していることに感心した。これだけ理解しているなら、きっと大きく負けることはないだろう。しばらく立ち話を続け、お互いの健闘をたたえながらレースに戻った。
 この日曜日、わたしは中京の9レースの3連単7万280円、東京のメイン・エプソムカップの14万1330円、中京の12レース・1万2740円を取って、そこそこプラスになった。

|

« 第217回母の3回忌 | トップページ | 第219回少しだけプラス »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/182685/10735335

この記事へのトラックバック一覧です: 第218回再び100万馬券:

« 第217回母の3回忌 | トップページ | 第219回少しだけプラス »