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2016年5月31日 (火)

第1188回盛り上がったダービー

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 朝から東京競馬場の雰囲気が違っていた。第1レースがスタートして、馬群が直線に向くと、空一面を覆うように分厚い大歓声が湧き上がり、レースの実況放送が全く聞きとれなくなった。1レースからこんなに盛り上がることは久しくなかった。その熱気は最終レースまで続いた。

 今年のダービー当日は昨年と比べて1万人ほど入場者が増え、最終的には13万9000人以上の入場者だったとか。先週のオークスの日曜日は9時半ごろでもまだ指定席が空いている状態で、少し競馬人気に不安とかげりを感じたばかりだったが、さすがにダービーは押し寄せるファンのエネルギーの熱さと大きさが違う。

 それにしても、何よりもまず、競馬は馬が主役。オグリキャップ、ナリタブライアン、ディープインパクト、ウオッカ、オルフェーブルなど、その時代、時代のスターホースが我々の心を引き付けてきた。今年は、力の差がない皐月賞の上位馬たちがそろって元気に出走して、人気を分け合っていたのもよかったのだろう。

 今年のダービーは、中団の後ろに控えていたマカヒキとサトノダイヤモンドが、直線、ゴール手前200メートルから馬体を合わせて脚を伸ばし、ゴールまでデッドヒートを繰り広げた。写真判定の結果、数センチの差でマカヒキが第83代のダービー馬の栄冠を手にした。直線、2頭に少し遅れてディーマジェスティが激しく追ってきたが、マカヒキとサトノダイヤモンドには半馬身及ばず、3着だった。川田騎手がダービージョッキーになって、史上8人目になる5大クラシック完全制覇を果たした。残念ながら、蛯名騎手は今年もダービージョッキーにはなれなかった。「運がなかった」という蛯名騎手のつぶやきが、心に残った。

 勝ったマカヒキは皐月賞の2着馬、2着のサトノダイヤモンドは皐月賞3着馬、皐月賞馬のディーマジェスティが3着。4着のエアスピネル、5着のリオンディーズも皐月賞の上位馬たちで、今年のダービーは皐月賞の上位馬が、若干の着順の違いはあったものの、上位を独占。とくに、皐月賞、ダービーともに上位に活躍したマカヒキ、サトノダイヤモンド、ディーマジェスティの3頭は間違いなく世代トップの3強といえそうで、これからの競馬人気をリードするヒーロー候補だろう。

 目黒記念は、直線の叩き合いを制した3番人気の4歳馬クリプトグラムが3連勝で重賞初制覇を果たした。クビ差の2着に1番人気のマリアライト、3着は8番人気のヒットザターゲットだった。

 いつものことだが、ダービーが終わると、1年間の疲れがどっとでてくるが、気持ちの休まる間もなく、今週末の開催からは新馬戦もスタート。また、新しいダービー馬、ヒーロー探しが始まる。

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2016年5月26日 (木)

第1187回皐月賞組が上位

 今週は競馬の祭典、第83回の日本ダービー。前哨戦を戦ってきた有力馬たちも準備万端、満を持して出走してくる。
 過去のダービーの勝ち馬は、2001年以降の15年間、全てスピード指数の上位馬が占めてきた。なかでも前走指数の上位馬は過去15年間で12勝をあげており、ダービー馬に最も近い存在といえそう。他では、過去の指数が最も高いX馬が3勝をあげているだけで、指数上で見る限り、ランク外の馬たちにチャンスは少ない。スピード指数が公表された1992年以降、過去24年間で、指数のランク外の馬がダービーを勝ったのは1996年のフサイチコンコルドと、2000年のアグネスフライトの2頭だけだ。ちなみにその時の2着馬はともに前走指数の上位馬たちだった。ダービーはスピード指数の上位馬が圧倒的に強いレースといえるだろう。ダービーの連軸候補は、まず、前走指数の上位馬か、過去の指数が高いX馬を中心にとるのがセオリーだ。

(ダービー) 1着    2着    3着
01年    BYb   A d   -
02年     Xa   -     -
03年    A     D     -
04年    BZb   -     D
05年    A a   C b   B
06年    A      X    B a
07年    DXc    Z    DZb
08年    AXa   -     BYb
09年     X    -      Z
10年    C     C     B a
11年    AYa   -       d
12年    DYc   -      B
13年     X    B a   -
14年    CZa   A a   -
15年    AZb     d   DXd
(スローペース調整-15/-5)

 今年は、ディーマジェスティ、マカヒキ、サトノダイヤモンド、リオンディーズ、エアスピネルなどが前走指数の上位馬たちで、皐月賞組が占めている。過去の指数では、ロードクエスト、マウントロブソン、マイネルハニーなどもあがってくる。

 今年の皐月賞はペースが上がって、リオンディーズがかかり気味に3コーナー手前で先頭に立ち、そのまま押し切りをはかったが、さすがに直線では余力がなく、よれて4着入線(5着降着)に終わった。皐月賞の1番人気サトノダイヤモンドは中団から差し脚を伸ばして、4コーナーで先行集団に取り付くものの、直線半ば、リオンディーズと接触する不利もあったせいか、差し脚に鋭さが見られないまま、後方から追い込んできたディーマジェスティ、マカヒキの差し脚に屈して3着だった。勝ったのは8番人気のディーマジェスティ、勝ち馬と一緒に伸びてきたマカヒキは最速の上がりタイムをみせたものの、2着までだった。

 道中のペースから、後方に位置していたディーマジェスティ、マカヒキに展開が向いたとする意見もあるが、かかったといわれるリオンディーズが4着入線(降着5着)、5、6番手で先行していたエアスピネルも4着(5着入線)、道中2番手のマウントロブソンも6着に頑張っており、かならずしも展開に恵まれただけとはいえないだろう。
 逆に、今年の皐月賞は、スタミナが問われたレースだったと考えれば、むしろ2400のダービーに直結するレースになるはず。そこで素晴らしい差し脚を使って1、2着に上がってきたディーマジェスティ、マカヒキは、ダービーでも中心になるべき馬だといえる。軸馬にはディーマジェスティ、マカヒキのどちらかを取るのがベストだろう。

 皐月賞を勝ったディーマジェスティは、勝ち上がるのに3戦を要したが、そのあとは共同通信杯、皐月賞を連勝。ともに後方から差し脚を使って完勝している。全成績は(3200)。東京コースは2戦2勝で、長く使える良い差し脚がある同馬には向いたコースだ。共同通信杯、皐月賞での勝ち方を見る限り、どこからでも動ける自在性もあり、スタミナにも不安はなさそうだ。ダービーを勝つ条件はそろっているのではないか。鞍上の蛯名騎手はまだダービーを勝ってはいないが、今年はチャンス到来。ぜひ、このチャンスを生かして勝ってほしい。

 皐月賞2着のマカヒキは(3100)と、唯一の2着が皐月賞だった。東京コースは初めてだが、デビューから4戦連続で上がりタイムは最速を記録しており、直線の長い東京コースが合わないわけがない。皐月賞では、ディーマジェスティの仕掛けに一瞬たち遅れたぶん届かなかったが、力の差はないだろう。スローペースの上がり勝負にも強く、逆転は十分に可能だろう。ただ、スピード上位で、鋭い差し脚が身上だけに、スタミナの点からはディーマジェスティに、わずかに分があるかもしれない。

 皐月賞で1番人気に推されたものの3着に終わったサトノダイヤモンドは、ここまで4戦3勝。皐月賞では直線の叩き合いを抜け出すのに随分手間取っており、切れる脚はみえなかった。ここは先行して瞬発力を生かすレースのほうが勝機は広がるのではないか。

 スタミナと先行力の点からは、皐月賞で早め先頭に立ち、最後までよく粘っていたリオンディーズに好感を持つ。もう少し抑えが効くレースができれば、中団からでも十分に差し脚は届くだろう。

 ディーマジェスティ、マカヒキ、サトノダイヤモンド、リオンディーズの4頭が今年のダービーの最有力馬と思っているが、他に、スマートオーディン、ロードクエスト、エアスピネル、ヴァンキッシュラン、マウントロブソンなどにも、チャンスは残されているだろう。

 目黒記念は、近8年、トップハンデ馬は連対どころか3着もなく、苦戦続きだ。1番人気は過去10年で2勝、2着3回、3着1回。
 指数上は、過去10年のうち8年で連対する前走指数上位馬や平均指数上位馬が連軸の中心を担う。今年はスーパームーン、サイモントルナーレ、デウスウルト、ショウナンバッハなどが前走指数の上位馬。他に、ヒットザターゲット、タッチングスピーチ、タマモベストプレイ、クリールカイザー、マイネルラクリマなどが平均指数の上位馬だ。

 2500メートルという距離を考えれば、ペースは落ち着くはず。直線、長くいい脚を使える恵ハンデ馬を連軸の中心に取りたい。距離の適性があり、加えて長く使える差し脚があるのは4歳馬クリプトグラムだろう。前走オープン戦を勝ったばかりで、ハンデは54キロ。そのハンデなら差し脚に不安はない。芝2400メートルは(3101)と安定しており、スローペース気味に流れる2500メートルなら、距離も全く問題はないはずだ。
 他に、タッチングスピーチ、デウスウルト、マドリードカフェ、ショウナンバッハ、レコンダイトなどの差し脚が気になるところ。

(目黒記念) 1着    2着    3着
06年    D     B a   -
07年      d   D     -
08年    AZd   C b   -
09年     Z    A a   -
10年    C     -     A
11年    -     B c   C
12年     Yd   C      C d
13年    -      Yc   -
14年    AZa   CYb   -
15年     Y    -     D d

全国のコンビニエンスストアで、スピード指数の入った出馬表が購入・プリントができるようになりました。詳しくはこちらをご覧ください。

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2016年5月24日 (火)

第1186回シンハライトの底力

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 初夏らしい季節になった。この時期の東京競馬場は、視界いっぱいに広がるターフが緑の輝きに満ちて、一番美しい。

 オークスは桜花賞2着のシンハライトが1番人気だった。
 内枠をひいたので、悪くても中団からのレースになるのだろうと想像していたが、シンハライトは後方からになってしまった。シンハライトは後方の内のまま、じっと動かず、手綱を取った池添騎手は直線に懸けているようだった。

 直線に向いてもシンハライトは外には出さず、馬群に突っ込んでいってスペースを探すが、ごちゃついて前が開かず、どこにも出しどころがなかった。直線なかば、外に振って開いたスペースをついたが、馬体を合わせて伸びようとしたデンコウアンジュとぶつかり、外にはじき飛ばしてしまう。(この騎乗で池添騎手は次週2日間の騎乗停止)

 しかし、そこからがシンハライトの真骨頂だった。ひるむ気配もみせず、最後の100メートルの脚色は1頭だけ断然の鋭さで、あっという間に馬群を突き抜けてきた。内で早々と先頭に立っていたビッシュをとらえると、外から伸びてきたチェッキーノも抑え込んで、輝く77代目のオークス馬となった。

 2着のチェッキーノとはクビの差だったが、スムースさを欠いた直線にもかかわらず、最後100メートルで突き抜けた差し脚は、着差以上の強さで、シンハライトの底力を感じさせるに十分なものだった。

 レースは後方からの鋭い差し脚を使ったシンハライト、チェッキーノが1、2着だったわけだが、3着のビッシュは比較的前々でレースを進めていた1頭だった。直線、早め先頭から差のない3着に粘ったのは、同馬の手綱を取った名手M・デムーロ騎手の腕もさることながら、ビッシュ自身のスタミナと資質は高く評価できるだろう。

 平安Sは、58キロを背負って果敢に逃げ、直線はさらに差を広げた1番人気のアスカノロマンが大勝した。2着に3番人気のクリノスターオー、3着に4番人気のクリソライトが入ったが、ともに先行していた馬たちで、力のある馬たちが先行して、そのまま押し切るレースだった。後方から追い込んできたのは4着のサンマルデュークだけ。後続馬たちには全く出番がなかった。

 今週は、いよいよダービー。晴れるといいな。

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2016年5月19日 (木)

第1185回シンハライトが有力

 今週は、牝馬クラシックの第2弾、オークスがメインレース。
 過去10年の連対馬をみると、前走指数上位馬が中心勢力を構成しており、なかでもA馬は3勝、3着2回、B馬は2勝、2着3回、3着1回と、前走指数の高い馬A、B馬が有力にみえる。他に、平均指数の上位馬や過去の指数上位馬もそこそこ好走しているが、オークスはスローペースが基本で、指数は低くても上がりの脚がある馬には要注意だ。
 1番人気馬は過去10年で、2勝、2着3回、3着1回。連対率は50パーセント。

(オークス) 1着    2着    3着
06年    -     -     D
07年    BY    -      Y
08年     Zb   B     A d
09年    A c   B a   C
10年   (AZa)(c)1着同着  Z
11年    -     D     B d
12年    AYa   B b   -
13年    -     -     -
14年      c   DY    AX
15年    BX    -     C
(スローペース調整-20/-10)

 今年の前走指数上位馬は、シンハライト、チェッキーノ、アットザシーサイド、アドマイヤリード、ダイワドレッサーなど。他に、過去の指数などで、デンコウアンジュ、レッドアヴァンセ、ロッテンマイヤーなども上がってくる。

 前走、桜花賞組がオークスでも好走しており、桜花賞組は過去10年で7勝を上げている。他の路線からは忘れな草賞組が2勝、スイートピー組が1勝をあげているが、別路線組は3頭とも、そのレースを勝利してきた馬たちだ。
 桜花賞の1600メートルに比べると、オークスの2400メートルは本来、カテゴリーの違う距離のはず。距離を考えると、マイルの成績がそのまま当てはまるわけではないとは思うが、成長過程の3歳牝馬のクラシック戦であるなら、どの馬も経験のない距離の適性をあれこれ考えるより、基礎能力や素質の高さを素直に評価した方が良いのだろう。

 今年の桜花賞は、中団から脚を使って、直線半ばで先頭に立ったシンハライトに、後方から鋭い差し脚を伸ばしたジュエラーが並びかけて、ゴールまで2頭の激しい叩き合いが続き、ハナ差でジュエラーが勝利を手にした。しかし、桜花賞馬ジュエラーはすぐ後に骨折が判明、オークスへの出走がかなわなかった。また、桜花賞4着の2歳女王メジャーエンブレムはオークスを回避し、牡馬相手のNHKマイルCに参戦して、強い勝ち方をみせた。今年の桜花賞は同世代トップの戦いだったことに間違いはないはずであり、桜花賞2着馬シンハライトがオークスでも中心になることに、まったく異論はない。

 シンハライトはここまで3勝、2着1回。2走前のチューリップ賞では、後の桜花賞馬ジュエラーと馬体を合わて上がってきて、激しい叩き合いの末、ゴールではハナ差でシンハライトが勝っている。その2頭が続く桜花賞でもハナ差の叩き合いを演じたわけで、この2頭に全く力の差はないだろう。今年のオークスの出走馬の中でも、中団からの上がりの脚はシンハライトが最上位だ。スローペースになるであろうオークスに最もふさわしい差し脚といえそうで、チューリップ賞、桜花賞と、戦ってきた相手のレベルを考えても、シンハライトの中心は揺るがないだろう。
 別路線組では、前走2000メートルのフローラSを勝ってきたチェッキーノが指数も高く、相手の1番手にとりたい。

 平安Sは開催時期が1月から5月に、距離も1800から1900メートルに変更になってから4年目を迎える。
 今年は、アスカノロマン、クリソライト、ロワジャルダン、ドコフクカゼ、サンマルデューク、クリノスターオーなどが指数の上位馬だ。

 逃げるのはショウナンアポロンだが、それほど厳しいペースにはならないはず。先行できる指数上位馬アスカノロマン、クリソライト、ロワジャルダンに展開も向きそうだが、なかでも、指数の高さと安定感で、アスカノロマンが一歩抜け出している。58キロを背負うが、そのまま押し切れるのではないか。
 直線、先行馬たちの脚が止まるようなら、ドコフクカゼ、ラインルーフ、トラキチシャチョウ、サンマルデュークなどの差し脚が生きてくるが--。

(平安S)  1着    2着    3着
13年    AXa   B      Yc
14年    -       c   B
15年    -     BZc    Xa

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2016年5月17日 (火)

第1184回7歳牝馬の勝利

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 牝馬限定戦は、若さがものをいう。だから、今年のヴィクトリアマイルでは、昨年の女王で、昨年秋には牡馬相手にG1スプリンターズSも勝ち、過去の指数が高く、2走前の上がり指数も上位2番手にあったとしても、7歳になったストレイトガールの勝利はないだろうと、決め込んでいた。それが、実にあっさりと突き抜けて完勝してしまった。

 ストレイトガールは、向こう正面では人気のミッキークイーン、ショウナンパンドラと前後して、後方集団でレースを進めていた。直線に向くと、池添騎手のショウナンパンドラは外に、戸崎騎手のストレイトガールは内に進路を取った。レース後「今日の馬場であまり外を回すのは嫌だった」と戸崎騎手はコメントしていたが、あらかじめ決めていた作戦だったようだ。しかし、内には入れたものの、前が壁なって簡単には抜け出せないように見えた。ところが、直線の半ば、すぐ前で壁になっていたマジックタイムが外に持ち出したために、ストレイトガールの前がぽっかりと開いた。それがゴールの手前300メートルあたり。あとは一気に追い出すだけだった。上手くいく時は、全てがうまくいく。

 遅れて内をついたミッキークイーンが2着、外から鋭い差し脚を伸ばしたショウナンパンドラが3着。上位3頭の上がりタイムは33秒4、33秒6、33秒5。この日の馬場状態の良さを反映した速い上がりタイムだった。先行馬で唯1頭、上位に残ったのは4着のスマートレイアーだけで、平均ペースで流れ、先行馬の脚が止まって、差し脚勝負になったのも、上位馬には幸運だったのだろう。

 以前に比べると、牝馬も競走馬として長く使われる傾向にあるとはいえ、7歳牝馬がG1を勝つとは驚き。熟女の頑張りに拍手。

 京王杯スプリングCは、サトノアラジンが32秒4の上がりタイムで、後方から一気の差し切り勝ちをみせた。サンライズメジャーも後方から同タイムの上がりで2着を確保、先行して粘ったロサギガンティアが3着だった。1、2着馬はヴィクトリアマイルの勝ち馬よりも1秒も早い驚異的な上がりタイムだ。スローペース気味の流れに加え、東京の芝はAコースからBコースに変わったばかりで、馬場状態の良さがもたらした上がりタイムなのだろう。それにしても、32秒4は、驚くほどに速い。

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2016年5月12日 (木)

第1183回底力上位のパンドラ

 今年で11年目になるヴィクトリアマイル。昨年は3連単で2000万円を超す超高配当になったが、07年も200万円を超す高配当がでており、波乱の多い牝馬のG1戦だ。
 牝馬戦らしく、前哨戦などにスローペースが多いこともあり、ランク外の馬たちが上位をにぎわしている。指数上は、前走指数上位馬の6連対が最高で、指数上位馬が圧倒する状況ではない。

(ヴィクトリアマイル)
       1着    2着    3着
06年     X    B b   -
07年    -     -     -
08年    -     B      Za
09年    CXa   -     -
10年     Xb   -     C c
11年    BYc   DXa   -
12年    A     -       Zc
13年    -     -     A d
14年      d    d     Xb
15年    -     A     -
(スローペース調整値-10/0)

 今年の前走指数上位は、クイーンズリング、ショウナンパンドラ、マジックタイム、ミッキークイーン、ストレイトガール、シュンドルボンなどが指数の上位馬だ。

 重賞での実績では、近走、宝塚記念3着、オールカマー1着、天皇賞秋4着、ジャパンカップ1着、大阪杯2着など、第一線の牡馬を相手に堂々とした戦いをしてきたショウナンパンドラが断然の最上位だ。いずれもペースが上がって、中団から差し脚を伸ばすレースで好走している。オールカマーの指数は現役牝馬の最高指数だったし、オールカマー、天皇賞秋、大阪杯では、いずれもメンバー最速の上がりタイムを記録している。距離は2000メートル以上に適性があるようで、マイルは少し短いと思うが、過去の連対馬はマイル以上の距離で好走歴がある馬が中心になっており、現役最強牝馬ショウナンパンドラなら底力の違いで克服は可能だろう。

 問題は距離よりもペースではないか。牝馬限定の重賞は秋華賞を勝っているが、ペースは比較的厳しかった。一方、スローペースで上がり勝負になったエリザベス女王杯では6着、昨年のヴィクトリアマイルは8着に負けていることからすると、スローペースの上がり勝負は少し苦手なのかもしれない。ショウナンパンドラにとって、ペースの上がる牡馬相手のレースの方がレースはしやすいのだろう。とすると、今年のヴィクトリアマイルがショウナンパンドラの望むようなペースになるかどうか。どちらかといえば、スローペースのほうに寄りそうで、その点は気にかかるところ。それでも、ここはショウナンパンドラの底力を信頼したいと思っている。

 もし、超スローペースで、差し脚比べになってショウナンパンドラが馬券にならなかったとしたら、差し脚上位のミッキークイーン、ストレイトガール、シュンドルボン、ルージュバック、シャルール、クイーンズリング、スマートレイアーなどが浮上してくるのだろう。
 スローペースの前残りならマジックタイム、クイーンズリング、ストレイトガールが有力。差し脚からは、ミッキークイーン、シャルールが連軸向きだ。

 京王杯スプリングCは、1番人気が過去10年で1勝、3着1回と苦戦、波乱になりがちなレースだ。指数上は過去10年で9回連対している平均指数上位馬が中心だが、ランク外の馬も5勝をあげており、指数上も難解なレースだろう。

 今年は、ロサギガンティア、サトノアラジン、エイシンスパルタン、オメガヴェンデッタ、ブラヴィッシモ、クラリティスカイなどが指数の上位馬たちだ。

 長くいい脚を使えて東京コースに向いているのは、サトノアラジン、サクラゴスペル、ロサギガンティア、ダッシングブレイズ、ダイワリベラルなどだろう。先行力ではクラリティスカイが上位だ。なかでも安定した指数の高さがあり、堅実な差し脚でも評価が高いサトノアラジンが中心になりそう。1400メートル戦は初距離だが、マイル戦の富士S、マイルCSで見せた鋭い差し脚なら、1400のスピードにも不安はないはずだ。
 1400メートル戦の瞬発力で上位のエポワス、エイシンスパルタン、アイライン、サンライズメジャー、ヒルノデイバローなどの一発には注意がいる。

(京王杯スプリングC)
       1着    2着    3着
06年    C c    Xb   BYa
07年     Zb   -     -
08年    BYb   -     AXa
09年    -     AYa   C
10年    -     BYc   A
11年    -     BYb    Zd
12年      a   -      C
13年    -     -     -
14年    -     A c   -
15年     Xb   -     -

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2016年5月10日 (火)

第1182回自分のペースなら

201605080511
201605070811
201605080411

 NHKマイルC。
 メジャーエンブレムは好スタートからハナに立つと、そのままペースを上げて逃げた。直線なかば、それまでくらいついていた先行馬たちはペースについていけず後退。坂を上がるとメジャーエンブレムはさらに差を広げにかかる。ゴールまで残り100メートル、先行馬に代わって、後方にいたロードクエストが脚を伸ばして迫ってきたが、メジャーエンブレムをとらえることはできなかった。メジャーエンブレムはそのまま押し切ってNHKマイルCの勝利を手にした。2着に上がりタイム最速のロードクエスト、3着にレインボーラインが入った。

 自分のスタイルでレースができれば、やっぱりメジャーエンブレムは強かったし、逃げられずに4着におわった桜花賞の雪辱を晴らしたレースにもなった。ルメール騎手もほっとしたことだろう。

 メジャーエンブレムのNHKマイルCのラップ(上段)と、クイーンCのラップ(下段)を比べてみた。
12秒3-10秒7-11秒3-11秒7-11秒7-11秒3-11秒5-12秒3
12秒3-10秒8-11秒3-11秒7-11秒7-11秒2-11秒6-11秒9

 東京と阪神では直線の長さや、直線の坂の違いはあるものの、最後の1ハロンのタイムにコンマ4秒の差があるのが目立つだけで、あとはほぼ同じラップを踏んでいる。いま使っている30版の基準タイムは、阪神の1600と東京の1600の基準タイムは同じタイムで、さらにクイーンCの当日と、NHKマイルCの日の馬場指数も偶然に同じだったから、タイム差がそのまま指数差を表し、実に比較しやすい。この点から、メジャーエンブレムは、ほぼ自分のペースで走り切ったといえる。ただ、クイーンCの方が最後の1ハロンのラップが良く、その分少し指数が高くでる。NHKマイルCは余力残しとまではいわないまでも、まだ、指数の伸びがあっても不思議ではなかった。

 スローペースになった京都新聞杯は、直線、差し脚上位のスマートオーディンが後方から一気に浮上し、先行していたアグネスフォルテをとらえて快勝した。3着はロイカバード。スローペースもあり、レースとしては平凡な内容で、このままダービーにつながるとは思えない。

 新潟大賞典は8歳の古豪パッションダンスが勝った。2着にフルーキー、3着にシャイニープリンス。スローペースになって、先行馬たちに向く展開で、パッションダンスも3番手から伸び、2着のフルーキーは中団から、3着のシャイニープリンスは4、5番手で先行していた馬たちだった。10番人気、1番人気、8番人気の入線順で、指数上は(Yc-AX-C)の決着だった。

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2016年5月 5日 (木)

第1181回マイルの適性を評価

 今週のNHKマイルCは荒れる傾向が強い。1番人気馬は過去10年で5勝、2着1回とそこそこだが、2番人気は苦戦続きで、2着1回、3着1回だけ。例年、10番人気以下の馬たちの台頭もあって、3連単の配当が10万円以下だったのは3度だけだ。
 指数上は前走指数上位馬や、過去の指数上位馬が連軸の中心になっている。

(NHKマイルC)
       1着    2着    3着
06年    -     D a   -
07年    -     AXc   -
08年    A a   B     -
09年    -     -     -
10年    -     C     A a
11年     X    -     -
12年    D      Zc   -
13年     Y    -     -
14年    DYc   B     CZ
15年    AZb   -     -
(スローペース調整-10/0)

 今年は、ロードクエスト、イモータル、ダンツプリウス、ストーミーシー、エクラミレネール、メジャーエンブレム、トウショウドラフタなどが指数の上位馬たちだ。

 過去の連対馬の前走は、マイルのニュージーランドT組が5勝、2着2回と最上位。距離適性は重要なポイントだろう。
 近走、マイル戦で高指数を示しているのはメジャーエンブレム、ダンツプリウス、ストーミーシー、レインボーラインなど。 なかでも牝馬のメジャーエンブレムの指数が最も高い。

 メジャーエンブレムはマイルの阪神JFを2番手から差し切り勝ち。続くマイルのクイーンCでも高指数で逃げ切って勝ったように、ペースを上げて逃げるか、2番手から早めに差し切るレースがこの馬の好走パターンだ。前走の桜花賞では、いつものようにハナに立てず、内に入ったままスローペースを中団から追走する形になってしまった。直線、馬群を割って伸びてきたが、外から一気の差し脚を見せた馬たちとの、上がりの脚の勢いの差は明らかで、結果は4着どまりだった。

 もともと鋭い差し脚がある馬ではないから、スローペースの追い比べでは分が悪かったはず。 このNHKマイルカップでも、速いペースで逃げるか、悪くても2、3番手からのレースができるかどうかにかかっているが、陣営も「自分の競馬をするだけ」とコメントしているように、戦法に迷いはないはず。距離適性最上位のメジャーエンブレムを連軸の中心にとりたいと考えている。

 相手の筆頭は、皐月賞8着ながら、長くいい脚を使えるロードクエスト。マイルの新潟2歳Sを快勝しており、マイル方が距離の適性が高いかもしれない。
 他では、マイルのニュージーランドTの勝ち馬ダンツプリウス。毎日杯2着のアーバンキッドなどを、メジャーエンブレムの相手の上位に取りたい。

 3歳戦の京都新聞杯は、前走指数上位馬や平均指数の上位馬が中心。
 今年の指数上位馬は、ロイカバード、ブラックスピネル、ゼンノタヂカラオ、スマートオーディン、アグネスフォルテなどだ。
 スローペース必至で、直線、差し脚上位のスマートオーディン、ブラックスピネルが浮上してきそうだ。底力のある、きさらぎ賞3着のロイカバードの逆転も。

(京都新聞杯)1着    2着    3着
06年     Yd    Xa   A c
07年    BYb   B c   -
08年    -     A b   -
09年    AXb   D       d
10年    AYc   CZb   B a
11年    -     AYa   B
12年    D     AXa     c
13年    BXa   -     -
14年    -       d   -
15年    -     -     C
(スローペース調整-15/-5)

 新潟大賞典はハンデ戦とはいえ、前走指数の上位馬の連対率が高い。
 今年は、フルーキー、サトノギャラント、シャイニープリンス、ダコールなどが、連軸向きの前走指数の上位馬馬たち。他にサトノラーゼン、パッションダンス、ダービーフィズ、ベルーフなども指数上のランク馬だ。

 トップハンデ馬は58キロのダコール、次いで57.5キロのフルーキーと続く。昨年は57キロのトップハンデを背負ったダコールが勝ったが、さすがに今年の58キロのハンデは厳しいだろう。底力のあるフルーキーもハンデからは手を出しにくい。

 素質が高いのは4歳馬サトノラーゼンだろう。ここは休み明けになるが、京都新聞杯を勝って、ダービーで2着に好走、菊花賞では5着だった馬だ。57キロのハンデは見込まれた気がするが、素質から一発があっても不思議ではない。

 ハンデが比較的楽で、差し脚が生かせそうなのが55キロを背負うショウナンバッハだろうか。近走は14着、11着と大敗続きだが、4勝の内3勝をあげている得意な2000メートルなら、巻き返しもあるかもしれない。
 他にも、ダービーフィズ、ベルーフの大駆けもありそうな気がする。いずれにしても難しいハンデ戦だ。

(新潟大賞典)1着    2着    3着
06年    -     CYb   -
07年      c   -     -
08年    -     C     -
09年    D     -     B c
10年    A b    Zd     a
11年    -     -     CXb
12年    B     -       b
13年    C     A     -
14年    -     A d   B a
15年    BZ     Z     Z

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2016年5月 3日 (火)

第1180回遅すぎず、速すぎず

201605010811
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 今年の天皇賞(春)はキタサンブラックが逃げ切って勝った。ゴール前、カレンミロティックがキタサンブラックを交してクビほど前に出たが、そこからまたキタサンブラックが盛り返し、クビの上げ下げの勝負に持ち込んで、わずかにハナ差で勝利をつかんだ。負けん気、勝負根性はなかなか。何よりも、武豊騎手の手綱さばきが光った勝利だった。惜しくも2着のカレンミロティックは、終始3番手の内で控えていた先行馬。2頭から離れた3着に中団から伸びたシュヴァルグランが上がってきた。指数上は(C-d-A)の決着で、3連単は24万円超えの高配当だった。

 逃げたキタサンブラックのペースを見ると、2週目の向こう正面で少しペースが落ちたが、その前後は遅すぎず、速すぎずの流れ。馬場指数を計算して、キタサンブラックの上がり指数をみると+5。上がり最速だった4着馬タンタアレグリアの上がり指数が+9だったから、後続馬も楽ではなかったようで、単にスローペースというわけではない。後続にも脚を使わせ、自身も直線で脚が残せる絶妙のペースだったといえそうで、そのペース配分は実にお見事というほかはない。

 もともと一瞬の切れはないキタサンブラックにとって、どんなレースでも逃げ、先行策が基本だが、逃げる場合はどんなペースで逃げるかが最も重要なテーマだろう。前走の大阪杯では、かなりスローペースに落として逃げ、上がり指数も+20をしめしたものの、2番手待機のアンビシャスに差し切られた。その前の有馬記念も、スローペースの逃げで3着に落ちた。ただ、逃げ切れずに負けたとしても、2、3着を確保しているのは素晴らしい能力の証だろう。

 1番人気のゴールドアクターは先行して4コーナーでは2番手、キタサンブラックを脅かすかと思われたが、直線に伸びはなく、後方に下がっていった。入れ込みなどを敗因にあげる向きもあるが、距離が少し長かったのが要因ではないか。

 個人的にはフェイムゲームに期待していたが、スタートで前がふさがれ、後方からのレースになってしまった。直線は大外から一瞬鋭い脚を見せたが、先行馬有利な流れに抗することはできなかった。スタミナのある馬だけに、もう少し前でレースができていればと思うが--。如何ともしがたい。

 青葉賞は、5番手から長くいい脚を使ったヴァンキッシュランが完勝。2着のレッドエルディストとともに、ダービーの優先出走権を手にした。
 ヴァンキッシャランにとっては3戦連続の2400メートル戦だったが、3走前は1着に入線しながらも2着に降着したもの。実質的に2400メートル戦は3連勝だ。皐月賞組は指数も高く強いのは間違いないが、距離適性はヴァンキッシュランが最上位になりそうで、ダービーでも頑張れるかもしれない。

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