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2017年10月31日 (火)

第1332回極悪馬場の内と外

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 前日から激しい雨が続き、天皇賞(秋)は、不良馬場になった。

 雨中の熱戦を制したのは1番人気のキタサンブラック。直線、キタサンブラックを追い続けた2番人気のサトノクラウンが2着。3着は13番人気のレインボーラインだった。3連単は5万5320円。

 スタートで出遅れた1番人気のキタサンブラックは、開いた内ラチを進んで徐々に前に位置をあげていく。サトノクラウンも中団の内から進出して、3コーナーでは2番手に取り付いた。

 4コーナー。不良馬場のため、多くの馬たちが外に進路を取って、コースの内は大きく開いた。4コーナーで2番手につけたキタサンブラックは馬なりのまま、最内から脚を伸ばすと、早々と先頭に立った。武騎手はキタサンブラックを少しづつ外へ外へと誘導しながら、必死に追い続ける。直線で一瞬、仕掛けが遅れたサトノクラウンも、M・デムーロ騎手が鞭をふるってキタサンブラックに激しく迫ったが、ゴールまでクビ差が詰めきれなかった。3着のレインボーラインも道中はキタサンブラックのすぐ後ろにつけ、4コーナーでは最内から外に持ち出している。

 不良馬場のため、4コーナーで荒れた内を避ける馬が多かったが、結果的には、最内をついて伸びた馬たちが上位を占めたわけで、あそこまで極悪馬場になると、コースの内外の差はあまりなかったのかもしれない。そうだとすれば、コースロスの少ない内を通った馬たちが有利になるはずだろう。

 キタサンブラックの現役最強馬の証明と、完全復活だけでなく、スタートでの出遅れのアクシデントを騎手の判断でカバーして、見事に勝利をつかんだ武騎手の「神騎乗」への称賛も止むことがない。

 京都のスワンSは、雨で重馬場になった。ゴールまで続いたサングレーザー、ヒルノデイバローの叩き合いは、アタマ差で2番人気のサングレーザーが勝利をつかんだ。12番人気のヒルノデイバローが2着、3着は1番人気のレッツゴードンキだった。

 2歳牝馬の重賞アルテミスS。サヤカチャンがしぶとく逃げ粘る中、ゴールまで残り200を切った地点で先行していたラッキーライラックがサヤカチャンをとらえて差し切り勝ち。2着は単勝万馬券のA馬13番人気のサヤカチャンが残った。3着も2、3番手で先行したラテュロス。3連単は30万円を超す高配当になった。

 10月に入って、週末に雨が多い。秋の東京開催は9日間で、芝の良馬場は3日しかなかなく、ダートでは終日良馬場だったのは1度もない。京都も同様で、芝での終日良馬場は2日だけ。ダートは1日しかなかった。 しかも、季節外れの台風の影響で、2週続けて史上最悪の馬場状態になった。今後、不良馬場で力を出しきれなかった馬たちの取捨がより難しくなりそうだ。

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2017年10月26日 (木)

第1331回馬場悪化を想定

 過去10年、秋の天皇賞は前走指数と平均指数の上位馬たちが7勝をあげている。ランク外の馬は3頭が勝っているが、いずれも、前走、重賞戦で1、2着だった馬たちだ。
 1番人気は5勝、2着2回、3着2回、連対率は70%と比較的信頼性が高い。逆に2、3番人気馬は、この10年間、全く勝てず、2、3着まで。
 10年間で合わせて9勝をあげている4、5歳馬が馬券の中心になっている。

(天皇賞・秋)1着    2着    3着
07年    AXa   -     -
08年    B b   C     -
09年    C     CZ    C
10年    BYb   -       c
11年    -      Zb   -
12年      d   B     A c
13年    -     B      Zb
14年    D      Zc   AZ
15年    -     -     -
16年     Xa    Z     Zd
(海外レースは減戦して集計)

 今年は、サトノクラウン、ミッキーロケット、サクラアンプルール、シャケトラ、キタサンブラック、ワンアンドオンリー、グレーターロンドン、ステファノスなどが指数の上位馬たちだ。

 秋の天皇賞は過去10年、前走、毎日王冠組が5勝、2着4回。宝塚記念組が2勝、2着3回と、他路線組を圧倒する中心勢力となっている。

 今年の毎日王冠はスローペースの差し脚比べになって、中団から32秒台の鋭い差し脚を見せたリアルスティールが勝った。32秒6と、上がり最速のサトノアラジン、グレーターロンドンが2、3着に浮上した。ただ、過去10年の天皇賞(秋)では、カンパニーが勝った上がり32秒9が最速で、おおむね34秒台の上がりが標準的であり、極端なスローペースにはなりにくい。鋭い差し脚は武器になるとはいえ、それ以上にペースの対応力が求められるのではないか。

 ペースの厳しさという点では宝塚記念組の評価が高い。今年は中団から伸びたサトノクラウンが勝って、2着ゴールドアクター、3着ミッキークイーン、4着にシャケトラが入った。圧倒的な人気を集めたキタサンブラックは3番手で先行したが、直線、脚が止まって9着に負けた。

 当然1番人気になりそうなキタサンブラックの巻き返しもありそうだが、ここは直線、危なげなく抜け出し、宝塚記念を完勝したサトノクラウンを中心に取りたい。M・デムーロ騎手の手綱で4戦3勝と相性も抜群。ダービーは3着、昨年12月のG1香港ヴァーズを勝って、前走の宝塚記念が2つ目のG1勝ちだった。

 G1実績ではキタサンブラックが断然とはいえ、サトノクラウンも勢いと底力に不足はないはずだ。サトノクラウンに特徴的なのは、35秒から36秒台の上がりタイムでの勝ち星が多いことだろう。もちろん33秒台の脚も使えるが、ペースが厳しい、あるいは馬場が重くても、差し切るスタミナが豊富なこと。キタサンブラックは逆に、33秒6から35秒0までの上がりが多く、良馬場のスローペースに強いように思える。今週末の東京は雨予報もあり、馬場の悪化が進めばキタサンブラックよりサトノクラウンに向くのではないか。

 京都の重賞は芝1400メートル戦のスワンS。
 今年の指数上位馬は、ダノンメジャー、ジューヌエコール、レッツゴードンキ、ミスエルテ、ティーハーフ、キャンベルジュニア、セイウンコウセイ、トーセンデューク、ビップライブリーなど。

 短距離の上がりの脚はレッツゴードンキが鋭い。前走はスプリンターズSで、高松宮記念に続き1200のG1で2着に好走してきた。5歳牝馬で54キロで乗れるのは有利だろう。ただ、上がりに懸ける馬だけに、馬場が悪くなると厳しいかもしれない。

 馬場が悪くなるようなら、前走、小倉日経オープンを先行して、早めに先頭に立ち、そのまま押し切る強い勝ち方をしたダノンメジャーが有力だろう。距離は1800を中心に使われて、1400は初距離だが、スタミナは十分のはず。京都は(2200)と得意なコースで、改めて注目したい。

(スワンS) 1着    2着    3着
07年    -       c   -
08年    BY    A d   -
09年      b   -      Zd
10年     X      c   -
11年      d    Y    -
12年    DXa   -     -
13年    -     D      Xc
14年    -       d   BXa
15年    D     AXa   - 
16年     Y    B     DZc

 今年で6年目のアルテミスSは2歳牝馬の重賞。
 指数上位は、サヤカチャン、ダノングレース、スカーレットカラー、ミスマンマミーア、シスターフラッグ、ラテュロスなど。

 スローペース必至で、長くいい脚を使えるかどうかが問われる。スローペースの差し脚ではウラヌスチャーム、ラッキーライラック、トーセンブレスなどが上位で、スローペースの新馬戦を後方から32秒0の上がりで差し切ったウラヌスチャームに注目したい。

 雨の馬場に強そうなミスマンマミーア、ダノングレース、スカーレットカラー、先行馬の前残りならシンデレラメイクにも要注意。

(アルテミスS)
       1着    2着    3着
12年    -     -     -
13年    BZb   -     B
14年    -     Db    AZb
15年    -     -       d 
16年    A a   -     -

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2017年10月24日 (火)

第1330回不良馬場をものともせず

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 雨でぬかるんだ不良馬場の菊花賞を制したのは、M・デムーロ騎乗のキセキだった。

 キセキはゆっくりとスタートして後方から。前走、神戸新聞杯は最速の上がりタイムで2着に上がってきており、戦法に迷いはなかった。2周目の3コーナー過ぎ、満を持して動き出し、最後の4コーナーでは大外の7番手にまで押し上げた。内ラチを開けた馬場の中央、ダンビュライト、クリンチャー、ポポカテペトル、ミッキースワロー、アルアインなどが、必死に叩き合い、しのぎを削る。直線半ば、ゴール前200メートル地点で、先に抜け出した馬たちをキセキがとらえると、後はゴールまで一気呵成に引き離していく。ゴールでは後続馬たちに2馬身の差をつけた。

 2着は10番人気のクリンチャー、3着は13番人気のポポカテペトル。1番人気のキセキが勝ったものの、2、3着は人気薄。3連単は55万円を超す高配当の決着になった。

 菊花賞はスローペースだったが、キセキの上がり指数は+25と、スローペースを補って余りある差し脚を見せ、まさに完勝といってよいパフォーマンスだった。2011年、名馬オルフェーヴルが不良馬場のダービーで驚異的な+30の上がり指数を示し、その後に世界でも活躍を見せたが、キセキの底力もオルフェーヴルに近いものがあるのかもしれない

 キセキの勝ちタイムは3分18秒9、上がりタイムは39秒6だった。2000年以降の菊花賞の勝ちタイムで最速だったのは、2014年トーホウジャッカルの示した3分01秒0で、最も遅かったのは2001年のマンハッタンカフェの3分07秒2だ。(ちなみに勝ちタイムの平均は3分04秒17)。キセキの勝ちタイム3分18秒9と比べると最大17秒9の差があり、平均値と比べても14秒73の開きがある。

 この差はひとえに土曜日から降り続いた強い雨に、京都の馬場が不良にまで悪化したことによる。計算の結果、菊花賞当日の馬場指数は50を超す数値になったが、これまで、不良馬場といってもここまで悪くなることはなかった。最近の異常気象の一端が垣間見えるような馬場指数だった。

 当然、不良馬場で力を出せなかった馬もいるはず。私は先行するだろうと思ってサトノアーサーから馬券を勝ったが、後方からのレースで、全く当て外れ。直線も全く伸びなかった。

 土曜日、東京の富士Sも雨で馬場状態は不良。先行して直線、早めに先頭に立ったエアスピネルが2馬身差で1番人気の支持にこたえた。2着は4番人気のイスラボニータ、3着は11番人気クルーガー。3連単は5万980円。

 東京の日曜日は強い雨が続き、土曜日の不良馬場以上に馬場が悪くなった。
 自然には逆らいようがないが、さわやかな好天の秋競馬はいつ戻ってくるのだろうか。

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2017年10月19日 (木)

第1329回スタミナのある先行馬は

 3歳馬最後のG1菊花賞が今週のメイン。
 今年はダービー馬レイデオロ、2着スワーヴリチャード、3着馬アドミラルが不在。波乱も感じさせるレースになった。
 過去10年、1番人気は5勝、2着1回、3着2回。まずまずの結果だろう。
 指数上は、前走指数の上位ABC馬と、過去の指数で最上位のX馬のいずれかが毎年連対しており、連軸の有力候補には、A、B、C、X馬があがってくる。指数ランク外の馬が勝ったのは09年のスリーロールス1頭だけで、勝ち馬は指数上位馬からとるのが常道だろう。

(菊花賞)  1着    2着    3着
07年    B     -     C d
08年    A     -     -
09年    -     C      Zc
10年      d    X    -
11年     X    -     B a
12年    CX    A a   -
13年    AXa   C     -
14年    A a   A     -
15年     Z    BXa   A 
16年    AYb   -      Zc
(スローペース調整値-5/5)

 今年はキセキ、サトノアーサー、ダンビュライト、ベストアプローチ、マイスタイル、アルアイン、クリンチャー、プラチナヴォイスなどが指数の上位馬たちだ。

 過去の菊花賞の勝ち馬の多くは、前走、2400メートルの神戸新聞杯で3着内に好走した馬たちで、該当馬は10年で8勝をあげている。神戸新聞杯組以外では、セントライト記念の勝ち馬と1000万条件の勝ち馬が、それぞれ1勝をあげている。同世代トップ馬たちの戦いで、上位の実績馬は当然、評価が高い。

 今年の神戸新聞杯ばダービー馬レイデオロが先行差し切りで完勝したが、そのレイデオロが不在。ここは2着のキセキ、3着サトノアーサー、4着ダンビュライトなどが中心になりそう。

 キセキは前走指数最上位。神戸新聞杯では、直線、中団の後方から鋭い差し脚をつかって2着に浮上してきた。上がりは最速。差し脚に懸ける馬だけに、ペースに左右されるこもとあるかもしれない。2000メートルでの瞬発力の鋭さを見る限り、3000が適距離とは思えない。

 サトノアーサーは後方からになったダービーで10着に大敗。神戸新聞杯は一転、積極的に先行して、レイデオロの後ろにつけ流れに乗った。直線、レイデオロには後れを取ったものの、じりじりと差し脚を伸ばして3位に食い込んだ。先行馬の内容としては上々だったし、3000メートルの菊花賞では、切れる差し脚より、スタミナのある先行力の方が武器になるはず。連軸の最有力候補としてピックアップしたい。

 他路線組ではセントライト記念を勝ったミッキースワロー。セントライト記念では2着に負けたが、皐月賞馬アルアインなども連軸の有力候補だろう。

 富士Sの1番人気馬は過去10年で2勝、2着1回のみ。
 今年の指数上位馬は、ガリバルディ、グランシルク、イスラボニータ、レッドアンシェル、ペルシアンナイト、クラリティシチーなど。

 マイルの指数の高さで、エアスピネル、イスラボニータ、グランシルクが中心になりそうだ。馬場が悪化するようなら58キロを背負うイスラボニータは苦しい。ここは力のいる馬場を先行するスタミナのあるエアスピネルに期待したい。

(富士S)  1着    2着    3着
07年    -     -       d
08年      c   -     -
09年     Yd   -     -
10年    -     -     -
11年    -     D     C
12年    -     -     -
13年    BXa    Yb   -
14年    AXa    X    -
15年    D     B c   C a 
16年    AYc    Zb   C 

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2017年10月17日 (火)

第1328回スタミナ比べ

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 今年は雨のなかの秋華賞になった。1番人気のアエロリットは最内枠から2番手で先行した。逃げるカワキタエンカのつくる流れに乗って、4コーナーに差し掛かる。直線に向き、そこから一気に差し脚を伸ばすと期待されたが、外から勢いよく差し脚を伸ばす馬たちとは、明らかに脚色が違った。抗することもなく交わされ、内ラチでもがきながら馬群に飲まれていった。

 馬場の真ん中から鋭く差し脚を伸ばしたのは3番人気のディアドラだった。ディアドラは最後方からのレースになったが、3コーナー手前で最内に入れて徐々に進出。直線、馬群を割るように長くいい脚を使って、前を行く馬たちを一蹴。3歳牝馬最後の1冠を手にした。2着は4番人気のリスグラシュー、3着は5番人気のモズカッチャンだった。
 3連単は1万4760円。

 ディアドラはオークス4着の後、札幌の2000メートルHTB杯を勝ち、前走は中山の2000メートル紫苑Sも勝って、2000メートルの距離の経験値と実績では最上位といえた。秋華賞がカワキタエンカの逃げで、スローペースにならなかったこと、加えて雨でパワーを必要とする重馬場になったことも味方したのではないか。

 片や、ペースと重馬場に力を発揮できなかったのが1番人気で7着になったアエロリットだろう。もともと1800メートルまでしか経験がなく、良馬場が得意な素軽いスピードタイプの馬だけに、2000メートルの距離で、スタミナの問われる重馬場では少し分が悪かったのではないか。「もしも良馬場だったら」と思わないでもないが、やっぱり距離には限界があるのかもしれない。

 府中牝馬Sは、超スローペースで逃げた5番人気のクロコスミアが、ゴールまで逃げ粘って、重賞初制覇を果たした。中団から脚を伸ばした1番人気のヴィブロスが2着、3着は後方から32秒9の最速の上がりで駆け上がってきた2番人気のアドマイヤリード。

 単騎マイペースで逃げられたのがクロコスミアの勝因だが、自身の上がりタイムも33秒7にまとめ、直線では後続との差を広げる好騎乗が光った。
 3連単は1万9390円。

 最近読んだ本でおススメは、早見和真著「イノセント・デイズ」。新潮文庫
 途中でやめられなくなり、ラストまで一気呵成に引き込まれる。
 もどかしいほど悲しい。

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2017年10月12日 (木)

第1327回名牝への道

 秋競馬もいよいよ本番。3歳牝馬に残された最後の1冠、秋華賞が今週のメインだ。
 指数上は、過去10年のうち9年で連対している過去指数上位のXYZ馬や、平均指数上位abcd馬が連軸の中心になっている。勝ち馬に限れば、過去10年間で、ランク外の馬が勝ったのは1度だけで、全体としても指数上位馬の活躍が目立つ。
 1番人気は3勝、2着1回、3着3回と微妙な成績だが、2、3番人気馬も含めると、上位人気馬が過去10年で9勝をあげており、連軸は指数上位の人気馬から取るのがセオリーのようだ。

(秋華賞)  1着    2着    3着
07年    BXa   -     BYb
08年     Y    A a   -
09年    AYa   A a    Xc
10年     Yc   -     -
11年    C d    Y     Yb
12年     Xa    Yc   -
13年    DXd     d   -
14年    -     CZ    D
15年    BYb     d   -
16年      c     d   B
(スローペース調整値-15/-5)

 今年はアエロリット、ラビットラン、カワキタエンカ、リスグラシュー、ミリッサ、ファンディーナ、モズカッチャン、レーヌミノル、ディアドラなどが指数の上位馬たちだ。

 前走、ローズS組が過去10年で7勝をあげ、中心勢力を構成している。ローズS15着から巻き返して勝った馬もいるが、7勝の内の6勝はローズS4着内の馬たちで、同世代の戦いで大きく負けた馬たちは苦しい。他に、紫苑S組が2勝、クイーンS組が1勝をあげているが、いずれも1、2着馬に限られている。

 中心にはアエロリットを取りたい。桜花賞5着後、牡馬相手のNHKマイルC、古馬相手のクイーンSを好指数で連勝、その指数のレベルは、3歳牝馬世代のトップにある。出足がつかず後方からのレースになった桜花賞を除けば、NHKマイルCは2番手からの直線抜け出し、クイーンSは果敢に逃げて快勝しているように、かつての名牝ダイワスカーレットを彷彿とさせる先行力は、何よりも魅力的に見える。

 2000メートルは初距離になるが、1600や1800より、むしろ先行力を生かせる距離のはず。前走のクイーンSでは4コーナーで差を詰められたが、直線半ばで、再び後続との差を広げる脚を使って見せたことからも、直線でバタッと脚が止まる馬ではなく、距離の問題はないだろう。

 秋華賞の中心勢力であるローズS組からは、勝ったラビットラン、2着のカワキタエンカ、3着リスグラシューなどが有力。紫苑Sの勝ち馬ディアドラや、オークス2着のモズカッチャン、デビューから3連勝中のリカビトスなどにも要注意だ。

 府中牝馬Sは、前走指数上位馬が過去10年で8連対。ただし、勝ち馬はランク外が多い。1番人気は0勝、2着4回、3着2回と、信頼はイマイチだ。

 今年の指数上位は、トーセンビクトリー、クロコスミア、クインズミラーグロ、ハッピーユニバンス、アスカビレン、ゲッカコウ、アドマイヤリードなど。

 G1を2勝しているヴィブロス(秋華賞、ドバイターフ)、エリザベス女王杯の勝ち馬クイーンズリング、ヴィクトリアマイルのアドマイヤリードなどが成績上位の馬たちだ。ただ、指数上は抜けた存在ではない。それでも長くいい脚を使えるヴィブロス、アドマイヤリードに期待したい気もするが、人気馬の苦戦続きを考えると、手を出しにくい。

 差し脚に懸ける有力馬が多い分、先行馬に妙味がありそうで、逃げるクロコスミア、ゲッカコウ、先行できるトーセンビクトリー、ハッピーユニバンスなどからの手もあるのではないか。

(府中牝馬S)1着    2着    3着
07年    C     A     CYa
08年    -     AXa   -
09年    -     -     -
10年    -     B     -
11年      d   CZc   -
12年      d   B     AZb
13年     Z      d   B
14年    D c   B d    X
15年    -     D      Z
16年    CXa   AZb   C c

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2017年10月11日 (水)

第1326回驚きの7歳牝馬

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201710090811
201710070511

 今年の毎日王冠を制したのは、5歳馬リアルスティールだった。
 レースは、最内枠からソウルスターリングがハナを主張、スローペースに落として逃げた。ソウルスターリングは直線の半ばまで主導権を握っていたが、直線、坂を上がったところで失速していく。馬場の中央から押し寄せるように上がってきたのが、中団にいたリアルスティール、サトノアラジン、グレーターロンドンで、ともに32秒台の上がりタイムで駆け上がってきて、上位を占めた。

 3、5、4番人気の順で、3連単は2万7280円。
 昨年のダービー馬マカヒキは6着、人気を集めた3歳牝馬ソウルスターリングは8着に負けた。休み明けで本調子にはなかったのかもしれないが、2400メートル戦で世代のトップに立ったスタミナに特徴がある馬たちで、1800メートルの超スローペースに対応する絶対的なスピードには欠けるところがあったのではないか。

 勝ったリアルスティールは、G1ドバイターフを含め1800メートル戦は4勝目。自身の勝ち星は全て1800戦のもので、1800戦は(4111)になった。国内での勝利は全てスローペースのレースであげており、スローペースでの上がりの脚の鋭さには今後も要注意だろう。

 今年の京都大賞典を制したのは、4番人気の7歳牝馬スマートレイアーだった。いつもなら積極的に先行する馬が、この日は馬なりで後方に控えるレースになった。直線に向くと、1、2頭分開いた最内をつき、鋭く切れる脚を繰り出して、前を行くトーセンバジルをとらえ、外から襲い掛かるシュヴァルグランをも抑え込んで、ほぼ1年半ぶりの勝利をつかんだ。
 2着は6番人気のトーセンバジル、3着は1番人気のシュヴァルグラン。

 負担重量に恩恵があるとはいえ、牡馬の1線級に混じって牝馬が勝つのはむつかしい。1997年以降、京都大賞典で牝馬が勝ったのはスイープトウショウ、メイショウベルーガ、スマートレイアーの3頭だけで、スマートレイアー以外は5歳牝馬だった。7歳牝馬ともなると、ピークは過ぎているはず。まさに常識をくつがえす驚きに値するスマートレイアーの勝利だった。

 スマートレイアーはこれまで、1800メートルまでの距離でしか勝っていない。今回の2400メートルは初挑戦の距離だったが、案外、差し脚を生かせる2400の距離が合っていたのかもしれない。

 2歳重賞サウジアラビアロイヤルCは2番人気のダノンプレミアムが圧勝。2着に1番人気ステルヴィオ、3着は6番人気カーボナード。

 ダノンプレミアムは6月の新馬戦勝ち以来のレースだったが、好スタートから2番手に控え、直線、無理なく抜け出す強い勝ち方で完勝だった。後方から追い込んできた1番人気のステルヴィオだったが、勝負のついた後ではいかんともしがたい。

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2017年10月 5日 (木)

第1325回牝馬ソウルスターリングに注目

 今週から東京、京都に舞台が移り、秋競馬も本番を迎える。
 東京の毎日王冠は、天皇賞秋の前哨戦。秋競馬の主役を目指すダービー馬マカヒキ、オークス馬ソウルスターリングもここから始動する。

 過去10年で、1番人気馬は4勝、2着2回、3着1回。6連対ならまずまずだろう。指数上は、前走指数や平均指数の上位馬たちの連対率が高く、ランク外の馬が勝ったのは2頭だけで、2、3着も比較的ランク馬が多い。
 休み明けの馬が多いだけに、調子の見極めがポイントになりそう。

(毎日王冠) 1着    2着    3着
07年    -     B      Yc
08年     Zc   A      Xa
09年    B       d   -
10年      d   D     CXc
11年     Xc   C     D
12年    -     -     D
13年     Xa   -     -
14年    A a   -     C
15年    DZ    CZ      c
16年    D      X    -

 今年は、グレーターロンドン、サトノアラジン、ソウルスターリング、マカヒキ、アストラエンブレム、ワンアンドオンリー、ヒストリカルなどが指数の上位馬たちだ。

 注目は、ダービー馬マカヒキ、オークス馬ソウルスターリング、安田記念馬サトノアラジンなど、近走でG1戦を勝っている馬たちだ。

 マカヒキは皐月賞2着のあと、ハナ差でダービーを勝ち、世代のトップに立った。3歳秋にフランスに渡り、ニエル賞を勝って凱旋門賞に臨んだが、14着に大敗した。帰国後は京都記念3着、大阪杯4着と、期待に応えられず、結局、宝塚記念は回避して秋に備えることになった。順調さを欠いた印象はぬぐいきれず、半年の休養明けのレースで巻き返せるかどうか。

 オークス馬ソウルスターリングは3歳牝馬。(5010)の成績が示す通り、桜花賞3着を除けば、ほぼパーフェクトな成績だ。一線級の牡馬たちを相手にするのは初めてで、そのペースについていけるかどうか、少し気になるところ。3歳牝馬が毎日王冠を勝つのは楽ではないが、負担重量53キロは他の牡馬と比べると断然恵量だし、先行力を生かしたい同馬にとって、開幕週の馬場もおあつらえ向きだろう。

 前走、安田記念を勝ったのがサトノアラジン。後方一気の差し脚を使って、内ラチで逃げ粘るロゴタイプを、クビ差とらえての差し切り勝ちだった。ただ、重賞勝ちは1400メートル2勝と1600メートル1勝だけ。1800が適距離とは思えない。

 逃げ馬不在で、ペースは落ち着くはず。馬場状態も良く、先行馬に向く展開になりそうで、上記3頭の中では牝馬ソウルスターリングが魅力的に映る。

 他には、グレーターロンドン、アストラエンブレム、ウインブライト、ヤングマンパワー、リアルスティールなども要注意だろう。

 京都大賞典は、過去10年、1番人気は3勝、2着2回、3着1回。平均指数の上位馬は10年連続で連対している。
 今年は、サウンズオブアース、トーセンバジル、ミッキーロケット、シュヴァルグラン、マキシマムドパリ、カレンミロティック、レコンダイトなどが指数の上位馬だ。

 過去10年の勝ち馬は全て、4、5歳馬が占めており、指数上位馬のなかで、トーセンバジル、ミッキーロケット、シュヴァルグラン、マキシマムドパリなどが浮上してくる。

 今回、福永騎手からデムーロ騎手に乗り替わるが、5歳馬シュヴァルグランを中心に取りたい。昨年秋以降、ジャパンカップ3着、有馬記念6着、阪神大賞典2着、天皇賞春2着、宝塚記念8着と、トップクラスの強豪たちと戦って、常に上位に好走してきた。勝ち星はないものの、その安定感はここで最上位だ。芝2400メートル戦は(3110)と距離適性も高く、底力に期待したい。

(京都大賞典)1着    2着    3着
07年     Z    B b   -
08年    -     B b   DYa
09年    -     A c   -
10年    B     AXa   -
11年    AXa   C      Zb
12年      a    Z    B a
13年      b   -      Yc
14年    BZc     a    X
15年    CZc   AXa    Yc
16年    CXb   AZc   DZa

 2歳重賞サウジアラビアロイヤルCの指数上位馬は、ステルヴィオ、シュバルツボンバー、テンクウ、ハクサンフエロ、コスモインザハート、ダブルシャープ、メイショウドウドウ、マイネルサイルーンなど。

 力のいる重馬場の札幌コスモス賞を制したステルヴィオの前走指数が最上位だ。東京の土曜日は雨予報で、馬場が悪化するようなら、中心に取りたい。ただ、スローペース必至のメンバー構成だけに、良馬場で素軽い差し脚が問われるようなら、テンクウ、エングローサー、ルッジェーロ、ソイルトゥザソウルなどが有力馬に上がってくる。前走、新潟2歳Sで、最速の上がりで3着に好走したテンクウに注目したい。

(サウジアラビアRC)
       1着    2着    3着
14年    A c   -     CYa
15年    B a   -     -
16年     Z    -     B

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2017年10月 3日 (火)

第1324回差し脚は別次元

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 秋のG1第一弾、スプリンターズS。
 4コーナー、レッドファルクスはまだ中団の後方だった。直線に向いて追い出しをかけるところで、一瞬、前がふさがりそうになる場面もあったが、前が開いて視界が広がると一気にスパートをかけた。それでもまだ、先頭集団ははるか先。この位置からとらえられるかどうか。

 しかし、直線の急坂を駆け上がってから、レッドファルクスのスピードは1頭だけ別次元だった。逃げるワンスインナムーンを内からとらえたレッツゴードンキを、ゴール前、計ったようにとらえ、クビ差で勝利をもぎ取って、スプリンターズS連覇を達成した。

 5歳牝馬のレッツゴードンキが2着、3着は4歳牝馬のワンスインナムーン。1、5、7番人気の入線順で3連単は3万1850円。

 レッドファルクスの手綱を取ったデムーロ騎手でさえ、4コーナーで「後ろ過ぎる。大丈夫かなと」と思ったという。騎手の不安を一気に払拭した豪脚に、ここは脱帽するしかない。

 G1スプリンターズSでの2勝を含め、レッドファルクスの国内での1200メートル戦は(4010)となった。唯一の3着が今年の高松宮記念だったが、その時、先着を許したセイウンコウセイ、レッツゴードンキにも雪辱を果たし、今年の短距離王のタイトルもぐっと近づいてきたといえそう。

 ハンデ戦のシリウスSは荒れた。
 勝ったのは11番人気のメイショウスミトモ。2着が5番人気のドラゴンバローズ、3着が3番人気のピオネロ。指数上は(Bd-B-Yb)ながら、馬単は7万2370円。3連単も46万円を超す高配当になった。

 スタートからしばらくはペースが上がったが、すぐに流れが落ち着いて、1コーナーを過ぎるとスローペース気味。直線に向くと、終始2番手で機をうかがっていたドラゴンバローズが抜け出してトップに立ち、3番手のピオネロもすかさず後に続く。

 そのまま2頭で決まる様子だったが、ゴール前、中団から一気に駆け上がってきたメイショウスミトモが両者の叩き合いを尻目に、ゴールを先頭で突き抜けて行った。メイショウスミトモのスピード指数は自己ベストに迫る高レベルで、6歳馬ながら、まだまだ頑張れそう。

 中山競馬の後、今年、東京での最後の中日×ヤクルト戦を観に神宮球場へ向かう。9回に松井祐の逆転3ランで勝利。バンザーイ。今年も東京ドーム、神宮に足を運んで、それなりに楽しませてもらったが、圧倒的な強さを誇る広島と比べ、一人一人の選手のレベルの違いを感じさせられたシーズンだった。来年? どうかな?

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