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2018年10月16日 (火)

第1430回 アーモンドアイの輝き

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 アーモンドアイのまぶしいほどの圧倒的な差し脚にひきつけられた秋華賞だった。
 単勝1.3倍という断然の人気馬とはいえ、競馬に絶対などない。アーモンドアイに騎乗したルメール騎手も一抹の不安はあっただろう。休み明けでいきなりのG1戦。馬場入りでは気の悪さを見せ、スタートも出負け気味。中団後方からのレースになって、仕掛けどころの4コーナーではバランスを崩す場面もあったとか。4コーナーで先頭を行くミッキーチャームとは10馬身以上の差があった。

 しかし、直線に向くと、差し脚は他の馬たちと比べ、別次元の鋭さを発揮。大外から馬場の中央を風のように駆け抜けていく。他の馬たちが止まって見えるという表現がぴったりとする速さだ。ゴールの手前100メートル地点で、逃げ粘っていたミッキーチャームを一気に抜き去ると、ゴールでは1馬身半の差をつけていた。

 どんな状況であってもファンの期待に応え、懸命に走って結果を残せる馬はまれにしかいない。だからこそ、真の強さに感動を呼び起こされる。ときおり、こんな名馬が現れるから、競馬は面白い。そして人生すら楽しくさせてくれる。

 国枝調教師によると「仕上がりはまだ八分程度だ」という。まだ強くなるなら、もう国内の牝馬に敵はないだろう。牡馬相手のG1か、はたまた悲願の凱旋門賞か。期待はさらに大きくふくらむ。

 府中牝馬Sは1番人気のディアドラの末脚が光った。
 カワキタエンカが大逃げを打ったが、直線、坂上で後続馬につかまった。差し脚を伸ばしたのはリスグラシュー、フロンテアクイーンなど。ゴール前、リスグラシューが押し切るかと思われたが、直線の坂上から一気に上がってきたのが、後方待機のディアドラだった。結果、クビ差でディアドラが勝ち、2着にリスグラシュー、3着はフロンテアクイーンだった。

 ディアドラの上りタイムは32秒3。スローペースの短距離戦ならいざ知らず、1800メートルの上りタイムとしては破格の速さだ。指数も牝馬のトップレベルに並ぶ高指数で、本格化をうかがわせる好レースだった。

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2018年10月11日 (木)

第1429回 アーモンドアイ3冠へ

 JBCも含めて、今週から年末まで12週連続G1が続く。競馬は本番シーズンだ。今週は3歳牝馬に残された最後の1冠、秋華賞がメイン。 

 指数上は、過去10年のうち9年で連対する平均指数の上位馬が連軸の中心。勝ち馬に限れば、過去10年間で、ランク外の馬が勝ったのは1度だけで、全体としても指数上位馬の活躍が目立つ。
 1番人気は3勝、2着1回、3着2回と微妙な成績だが、2、3番人気馬も含めると、上位人気馬が過去10年で9勝をあげて、連軸は指数上位の人気馬から取るのがセオリーのようだ。

(秋華賞)  1着    2着    3着
08年     Y    A a   -
09年    AYa   A a    Xc
10年     Yc   -     -
11年    C d    Y     Yb
12年     Xa    Yc   -
13年    DXd     d   -
14年    -     CZ    D
15年    BYb     d   -
16年      c     d   B
17年      d   D d    Zb
(スローペース調整値-15/-5)

 今年は、アーモンドアイ、ラッキーライラック、ミッキーチャーム、プリモシーン、パイオニアバイオ、トーセンブレス、スカーレットカラーなどが指数の上位馬たちだ。

 不動の中心馬は、桜花賞、オークスを勝った2冠馬アーモンドアイだ。桜花賞は後方2番手から直線一気の差し切り勝ち。圧倒的な1番人気に推されたオークスでは中団6番手から、直線半ばで先頭に立つと、危なげなく押し切って2冠を達成した。

 桜花賞、オークスとも、その時点での世代トップの高指数を記録。10月の現時点でも、オークスでの指数が世代の最高指数にランクされ、同世代牝馬との戦いでは敵なしといってよい。

 アーモンドアイの持ち味は鋭い差し脚。デビューから桜花賞、オークスまでの5戦すべてで最速の上りを示している。

 課題があるとしたら、オークスからの休み明けになるローテーションだが、馬なりで坂路の1番時計をたたき出しているようで、調教の動きも抜群によく、とくに課題とするまでもないだろう。
 ここは史上5頭目の3冠牝馬の誕生を祝福する舞台になるだろう。

 相手は阪神JFの勝ち馬で、桜花賞2着、オークス3着のラッキーライラックを筆頭に、前走関屋記念を勝ったプリモシーン、前走1000万条件戦を好指数で勝ち上がってきた3連勝中のミッキーチャーム、紫苑Sを逃げて3着に粘ったランドネなどを上位に取りたい。

 府中牝馬Sは、過去10年、1番人気は0勝、2着4回、3着2回と、信頼はイマイチだ。指数上は、過去10年で8連対している前走指数上位馬が連軸向き。
 今年の指数上位は、ティアドラ、ソウルスターリング、フロンテアクイーン、リスグラシュー、カワキタエンカなど。

 なかでも、前走、好指数でクイーンSを勝ったディアドラに注目したい。
 4歳馬のティアドラは、桜花賞、オークスでは6着、4着だったが、昨年の秋華賞では後方待機昨から、直線、内にいれ、馬群を縫うように差し脚を伸ばし最後の1冠を手に入れた。

 前走のクイーンSも後方一気の差し切り勝ち。3歳秋以降、着実に力をつけてきたのがわかる。1800メートルは2戦2勝。ルメール騎手騎乗も2戦2勝と好相性だ。

 逆転候補は、阪神JF、チューリップ賞、オークスの勝ち馬ソウルスターリング。オークス後は勝ち星から見放されているが、前走、クイーンSではティアドラに差し切られたとはいえ、復調を感じさせる3着だった。

 素軽いスピードがあり、差し脚鋭いリスグラシューにもチャンスがあるだろう。

(府中牝馬S)1着    2着    3着
08年    -     AXa   -
09年    -     -     -
10年    -     B     -
11年      d   CZc   -
12年      d   B     AZb
13年     Z      d   B
14年    D c   B d    X
15年    -     D      Z
16年    CXa   AZb   C b
17年    BXb   -       b

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2018年10月10日 (水)

第1428回 強い牝馬2頭

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 毎日王冠は、1番人気の4歳牝馬アエロリットの逃げ切り勝ち。
 アエロリットはモレイラ騎手を背に好スタートを決め、そのまま逃げる形になった。前半の1000メートル通過タイムは59秒0だから、それほどスローペースではない。それでいてアエロリットは上りを33秒8にまとめており、これは相当に優秀な上がりだろう。

 逃げ馬に33秒台の脚を使われたのでは、後方から差し脚に懸ける馬たちには苦しい展開だったのではないか。アエロリットは目下、現役最強牝馬といえそうだ。

 2着は中団から33秒2の最速の上りタイムをみせた3歳馬のステルヴィオ。3着は2番手先行のキセキだったが、キセキは1頭だけ58キロを背負っての好走。またステファノスも3番手で先行して、4着に踏ん張っており、この3、4着馬は今後、要注意だろう。

 京都大賞典は、2番人気のサトノダイヤモンドが中団からの差し切り勝ちを収めた。
 3歳時に菊花賞、有馬記念を連勝しており、凱旋門賞15着は別にしても、近走、大阪杯7着、宝塚記念6着の成績は物足りなさもあった。

 レースはウインテンダネスの大逃げで始まったが、後続馬たちはスローの流れ。サトノダイヤモンドは中団後方待機策。3コーナーの坂下から1番人気のシュヴァルグランを追うように上がっていき、4コーナーでシュヴァルグランを交わすと、直線半ばで先頭に立った。ゴール手前、後続馬のなかから牝馬レッドジェノヴァが迫ってきたが、難なく振り切って、実に1年半ぶりの復活をアピールする勝利をつかんだ。

 これで京都コースは5戦4勝、3着1回と相性の良さは断然。この後、ジャパンC、有馬記念に向かうようだが、主役の座を奪い返すことができるだろうか。

 サウジアラビアロイヤルCは1番人気の牝馬グランアレグリアが完勝した。
 スタートで出負けしたものの、すぐに2番手に取りつき、直線では1頭だけ違う脚色で抜け出すと、他馬を大きく引き離し、能力の違いを見せつけたレースだった。直線ではムチ2発だけで、ほぼ持ったまま。追えばもっと指数は上がったと思うが、それでも2歳牝馬世代のトップに立つ好指数だった。

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2018年10月 4日 (木)

第1427回 牝馬に期待

 今週から東京、京都に舞台が移り、秋競馬も本番を迎える。
 東京のメインはG2毎日王冠。過去10年、1番人気馬は4勝、2着2回。6連対ならまずまずだろう。指数上は前走指数や平均指数の上位馬たちの連対率が高い。
 休み明けの馬が多いだけに、調子の見極めもポイントになりそう。

(毎日王冠) 1着    2着    3着
08年     Zc   A      Xa
09年    B       d   -
10年      d   D     CXc
11年     Xc   C     D
12年    -     -     D
13年     Xa   -     -
14年    A c   -     C
15年    DZ    CZ      c
16年    D      X    -
17年    -     B d   A a

 今年はアエロリット、ステファノス、サウンズオブアース、キセキ、サンマルティン、ダイワキャグニーなどが指数の上位馬たちだ。

 注目は、4歳牝馬のアエロリット。昨年、牡馬相手のNHKマイルCを、直線、2番から堂々の差し切り勝ちで、G1タイトルホルダーとなった。その後クイーンSも逃げ切って快勝。今年に入って、中山記念2着、ヴィクトリアマイル4着、安田記念2着と好走。牝馬、牡馬の一線級の馬たちと戦って、安定した成績をあげている。

 とりわけ、前走の安田記念は3番手からゴール手前200メートル地点で先頭に立ち、押し切る勢いを見せていたが、ゴール直前、後方一気の脚を使ったモズアスコットにクビ差差し切られ、惜しい2着だった。

 陣営によると、ヴィクトリアマイルも安田記も落鉄して走ったとのこと。それでいて、勝ち負けを争えたわけで、成長と能力の高さを感じさせるレースだった。安定した先行力があり、ペースに左右されない差し脚も魅力だ。

 他ではサトノアーサー、キセキ、ステファノス、ダイワキャグニー、サンマルティンなどにもチャンスはありそう。皐月賞、ダービーは苦杯をなめたが、1800メートルで2戦2勝の3歳馬ステルヴィオからの手もある。

 京都大賞典は、過去10年、1番人気は3勝、2着1回、3着2回。
 指数上は平均指数の上位馬が10年連続で連対している。
 今年は、サトノダイヤモンド、シュヴァルグラン、スマートレイアー、パフォーマプロミス、アルバート、ウインテンダネスなどが指数の上位馬だ。

 順当なら、実績上位で昨年のジャパンカップ馬、シュヴァルグランが中心になるところだ。2400は(4120)とベストの距離で、前走、天皇賞の3200よりはるかに合う。差し脚に素軽いスビートもあり、京都の開幕週は絶好の舞台だろう。ただ、スローペースの差し脚比べになると、少し分が悪いかもしれない。

 差し脚上位はサトノダイヤモンド、ケントオー、プレスジャーニー、レッドジェノヴァ、スマートレイアーなどだが、先行して長く良い脚を使えるレッドジェノヴァにもチャンスはありそうだ。

 レッドジェノヴァは1000万、1600万条件戦を連勝中。ここは重賞初挑戦で、敷居が高いが、牝馬の軽量を生かして流れに乗れば、直線の粘り込みもあるのではないか。

 ハイペース気味の流れなら、アルバートのスタミナが生きるだろう。

(京都大賞典)1着    2着    3着
08年    -     B b   DYa
09年    -     A c   -
10年    B     AXa   -
11年    AXa   C      Zb
12年      a    Z    B a
13年      b   -      Yc
14年    BZc     a    X
15年    CZc   AXa    Yc
16年    CXb   AZc   DZa
17年    -     BYa   DXb

 2歳重賞サウジアラビアロイヤルCの前走指数上位馬は、グランアレグリア、ドラウプニル、ドゴール、シャドウエンペラーなど。

 ここは、1戦1勝、前走指数最上位の牝馬グランアレグリアが断然の中心になりそう。6月上旬の新馬戦は東京のマイル戦だったが、先行して直線早めに先頭に立ち、そのまま押し切る強い内容で快勝。直線では鋭い瞬発力もみせた。

 新馬戦のスピード指数は、同世代の牡馬も含めて、6月デビュー組の最高となる64の好指数。ここは新馬戦から4か月ぶりのゆったりとしたローテーションで、成長余力も大きいはず。将来性も高い牝馬だろう。

(サウジアラビアRC)
       1着    2着    3着
14年    A c   -     CYa
15年    B a   -     -
16年     Z    -     B
17年    -     A     -

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2018年10月 3日 (水)

第1426回 新短距離王

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 日曜日、台風の影響で阪神競馬が中止になった。代替開催の月曜日も馬の輸送ができないとかで中止になり、代替の代替で、きょう火曜日にやっと開催された。すべてが予定通りに行くなんてことはないとわかっていても、バタバタすることはある。今週末は3日間開催もあり、このあとのスケジュールを考えると、少しきつくなりそう。そんなわけで、この馬場日記もアップが遅れることになりました。

 秋のG1第一弾中山のスプリンターズSは、中団からファインニードルの鋭い差し脚が勝負を決めた。春の高松宮記念に続いて、スプリントG1を連勝。ゆるぎない新短距離王の座をつかんだ。

 レースはワンスインナムーンの逃げて始まり、2番手にラブカンプー、3番手にナックビーナス、ラインスピリットがつけた。

 ファインニードルは中段から。直線なかば、逃げ馬をとらえたラブカンプーが先頭に立ち、他の先行馬たちも必死に粘りこみをはかるところ、馬場の真ん中から、一頭だけ違う脚色出かけ上がってきたのがファインニードル。勢いのまま、ゴールを駆け抜け、勝利を手にした。クビ差の2着にラブカンプー、3着は狭い内から伸びたラインスピリット。1番人気、11番人気、13番人気という入着順で3連単は20万円超す好配当になった。

 人気薄の2、3着馬はともに先行馬たち。前日の雨に加え、直前に降り出した強い雨で馬場は渋り気味。先行馬向きの馬場状態で、差し馬には苦しい馬場状態だっただろう。それを軽快な脚で差し切ったわけで、2着との差はクビ差とはいえ、ファインニードルの強さが際立ったレースだった。

 阪神のダートのハンデ戦シリウスSは、2番人気の3歳馬オメガパフュームが中団後方から差し切り勝ちを決めた。2着も後方から鋭い差し脚を使った7番人気のウェスタールンド、3着は2番手で先行、4コーナーで先頭に立って押し切りを図った3番人気のサンライズソア。阪神ダートは水の浮く不良馬場で、軽ハンデの差し馬に馬場が味方したのかもしれない。

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