« 2018年10月 | トップページ | 2018年12月 »

2018年11月29日 (木)

第1443回 JBC組から

 ジャパンCダートからチャンピオンズCに名称をかえ、中京競馬場の開催になってから今年で5年目になるが、ダート中距離のG1戦だけに、前走指数や平均指数の上位馬たちが強いという傾向に大きな変化はない。

(JCD)  1着    2着    3着
08年阪神   Z    C     AX
09年阪神  B c   C     -
10年阪神  BYc   -      Yc
11年阪神  AZb   D d   AXa
12年阪神  B     -     -
13年阪神  -     DZd   A
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 
(チャンピオンズC)
       1着    2着    3着
14年中京  CYd     d   AZa
15年中京  -     B b   -
16年中京  A d   B c    Z
17年中京  A     CYc   -
(公営、海外のレースを減戦して集計)

 今年は、ケイティブレイブ、サンライズノヴァ、ノンコノユメ、オメガパフューム、サンライズソア、アポロケンタッキー、インカンテーションなどが指数の上位馬だ。

 例年、JBCクラシック組が好成績を残しており、その点からは、今年のJBCクラシックの勝ち馬ケイティブレイブが最有力馬にあがってくるだろう。前走のJBCクラシックは中団から。3コーナー過ぎから徐々に進出して、直線に向くと3番手。直線半ばで逃げ粘るサンライズソアを交わしてトップに立ち、そのまま押し切って勝った。オメガパフュームが追ってきたが、余裕の4分の3馬身差での快勝だった。

 これまでは逃げるか、2、3番手で先行するレースが多かったが、ハイペースとみるや、馬群の真ん中に落ち着かせ、差し脚にかけた福永騎手の好騎乗が光ったレースでもあった。

 5歳のケイティブレイブはこれまでダートで11勝。重賞は公営でのものを含み(9425)、前走のJBCクラシックを勝ってG1戦は(3314)になった。1800メートルは(3331)で、唯一の4着が昨年のチャンピオンズCでのこと。距離は合うはずだし、引き続き好調なら、ここでも中心になる馬だろう。

 指数上位馬以外で注目されるのが、3歳馬ルヴァンスレーヴだ。2歳時に川崎の全日本2歳優駿を勝ち、伏竜Sは2着だったが、続くユニコーンS、大井のジャパンダートダービーも勝った。前走、ゴールドドリームなどトップクラスの古馬相手に盛岡の南部杯も快勝して、一躍、ダート界のトップホースに躍り出た。

 ここまで7戦6勝、2着1回とほぼパーフェクトな成績を誇る。M・デムーロ騎手とは6戦6勝の好相性だ。ユニコーンS勝ちの指数からすると、ここでも優に勝ち負けできるレベルにあると想像できるが、スタミナを問われるダート戦では、強い3歳世代とはいえ、まだ、古馬に一日の長があるのではないかと想像している。

 中山のマラソンレース・芝3600メートルのステイヤーズSは、指数上位馬が勝ち続けており、前走指数や平均指数の上位馬たちが有力だ。
 今年の指数上位馬は、マイネルミラノ、メドウラーク、モンドインテロ、リッジマン、アルバート、ララエクレテール、トウシンモンステラなど。

 注目はこのレースを目下3連勝中のアルバートだ。今年は4連覇をかけての戦いになるが、3400以上の距離は4戦4勝と距離適性は断然。前走のアルゼンチン共和国杯は10着に大敗したが、後方から差し脚にかける馬だけに、58.5キロのトップハンデは苦しかったに違いない。それでも、上がり指数は上々のレベルを示しており、調子落ちはないだろう。

 アルバート以外に3000メートルを超す距離で、実績らしい実績を残している馬はリッジマンとモンドイテロくらい。順当ならアルバートの4連覇が濃厚に思える。

(ステイヤーズS)
       1着    2着    3着
08年      d   A      Yb
09年    A     -       d
10年    D     BYc   AXa
11年     Ya   A     -
12年    D a   -     -
13年    BYa   -      Zd
14年    C     B     A b
15年    BZ    -     C b
16年     Xa    Xb     c
17年    AXa   B b   CZd

 1昨年まで1800メートルのハンデ戦で行われていたチャレンジCは、昨年から2000メートルの別定戦になった。
 今年の指数上位馬は、ダンビュライト、マルターズアポジー、レイエンダ、マイネルフロスト、トリコロールブルー、ロードヴァンドール、ステイフーリッシュ、マウントゴールドなど。

 安定した指数の高さではダンビュライトが最上位だ。前走の天皇賞(秋)は除外になったが、それまで1線級を相手に、宝塚記念5着、オールカマーは3着に好走している。先行力もあり、内回りの2000メートルは合うのではないか。ただ、鋭く切れる脚には欠け、ペースによっては、差し脚が鋭いエアウィンザー、ロードヴァドール、レイエンダなどの直線一気の浮上もありそうだ。

 (チャレンジC)
       1着    2着    3着
17年    -     A b   -

【お知らせ】12月3日より、「2019年版、新基準タイム33版」の販売を開始します。今年も抽選で有馬記念グッズのプレゼントもあります。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年11月27日 (火)

第1442回 最強アーモンドアイ

201811250511
201811250812
201811240811

 ジャパンカップの枠順が発表されたとき、真っ先にルメール騎手が1枠1番をどうこなすのか、気になった。いつも中団以降で脚をため、鋭い差し脚を使ってきたアーモンドアイだけに、外からかぶされ、内に閉じ込められる可能性のある1番枠は、嫌なのではないか。案外乗り方がむつかしい枠になったと思った。

 キセキの逃げでペースは上がった。バックストレッチに入ると、終始11秒台のラップが続いた。アーモンドアイはあおり気味のスタートながら、臆することなくキセキを追って先行。2コーナー過ぎには2番手で落ち着いた。

 直線に向いても依然としてキセキのハイラップは変わらず、11秒台のラップが続く。直線に入るとすぐにアーモンドアイがキセキのすぐ後ろに詰め寄り、機をうかがう。直線半ば、ゴールまで残り200メートル。ついにルメール騎手のゴーサインが出されると、一気にキセキの前へでて、ぐんぐん差を広げていく。そのスピードはまさに圧巻。すでにアーモンドアイ、キセキの2頭が他馬たちを大きく引き離しており、誰も追ってもこないし、追いつくはずもない。直線半ば、キセキを交わしたところで勝負は決まった。

 スローペースならいざ知らず、ハイペースもかまわず、アーモンドアイを2番手から勝利に導いたルメール騎手の自由自在な能力と判断力を、改めて思い知らされた。もし、1番枠から後方に下げていたら、結果はどうだったか。それでも、後方一気の追い込みが決まっていたかもしれないが、もっとも安全で勝利に近い乗り方が、1番枠からコースロスのない先行策だという判断だったのではないか。もちろんハイペースにも耐えるスタミナが十分あることを承知していたからこそ取れる戦法だ。

 東京の芝の状態が非常に良かったこともあって、2分20秒6というレコードタイムになった。とはいえ、ハイペースを2番手で楽に追走して上りタイムも34秒1。後方から最速の上りを示したミッキースワローのそれは33秒9だから、後ろから追い詰めることもできなかった他の馬たちは、完全にお手上げだった。アーモンドアイの勝因は誰よりも能力が高く、強かったから、としか言いようがない。

 最も強かったのはアーモンドアイだが、最もいいレースをしたのは川田騎手のキセキだった。スローペースが多い中、能力をいっぱいに出し切るハイペースに挑んだ川田騎手の勇気ある騎乗で、今年のジャパンカップはまれにみるいいレースになった。アーモンドアイがいなければ、勝利をつかんだのは間違いなくキセキだっただろう。

 芝1200メートルの京阪杯は、前走G1スプリンターズSを果敢に逃げて6着に粘っていた5歳牝馬のワンスインナムーンが直線失速。1番人気のダノンスマッシュが中団から内を突いて抜け出して快勝した。

 スローペースになったラジオNIKKEI杯京都2歳Sは、中団から33秒8の上りの脚を決めた1番人気のクラージュゲリエが勝った。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年11月22日 (木)

第1441回 アーモンドアイ中心

 ジャパンカップは12年連続、日本馬が勝ち続けている。近年、参戦する外国馬のレベルが高いとは思えないが、それでも日本馬は地の利だけでなく、世界に通用する実力を示しているのだろう。

 1番人気馬は(3322)と安定している。10年で5勝をあげている牝馬は、特に要注意だ。
 スピード指数上は、前走指数や平均指数の上位馬たちが連軸の中心で、なかでも、前走指数上位馬は連軸の最有力候補になる。古馬の場合、指数上位であることが上位進出の条件だといえそう。

(ジャパンカップ)
       1着    2着    3着
08年    -     A c   A
09年    A     C     -(3歳)
10年    -(3歳) A b   -(3歳)
11年    CZ    A c   -
12年    -(3歳) A a   DYb
13年    A c   -(3歳) -
14年     Ya   CXa   D
15年    D      Z    B
16年     Ya   -      Zc
17年    AYa   A(3歳) CXd

 今年は、アーモンドアイ、キセキ、サトノクラウン、サトノダイヤモンド、スワーヴリチャード、ノーブルマーズ、シュヴァルグランなどが指数の上位馬だ。

 近年、ジャパンカップは、かつてのようなハイペースにはならない。スローペース気味のペースで、直線の差し脚比べが多い。当然、鋭い差し脚は必須条件だ。

 鋭い差し脚ではアーモンドアイが抜けた存在だ。
 この秋、牝馬3冠を達成して、目下5連勝中。新馬戦こそ2着に負けたが、そのデビュー戦からすべて、メンバー最速の上り指数を示してきた。前走の秋華賞では、「その位置から届くのか」と、少し不安に思うような後方から、難なく1馬身半の差をつけて快勝した。直線、アーモンドアイの差し脚はいつも圧倒的な力差を見せつけるものだった。

 アーモンドアイのオークスでのスピード指数は、同距離のダービーの勝ち馬ワグネリアンを大きく上回っている。また秋華賞の指数は、牡馬を含んだ現3歳世代の最高指数でもある。

 ジャパンカップは初の古馬相手のレースになるが、前走指数も最上位にランクされ、指数上でも最も勝利に近いだろう。また、3歳牝馬は53キロの負担重量で乗れる。差し脚に懸けるアーモンドアイだけに、古馬との4キロの負担重量差は断然有利に思える。ここは初の古馬相手でも、不動の中心と評価したい。

 先の話になるが、ウォッカ、ブエナビスタ、ジェンティルドンナ、ダイワスカーレットなどに並ぶ、あるいはそれを上回る実績をあげ、アーモンドアイも歴史に残る名牝の道を歩むことになるのではないか。

 アーモンドアイの相手は、キセキ、サトノダイヤモンド、シュヴァルグランなど、先行各馬の前残りが有力だ。

 芝1200メートルの京阪杯。
 今年の指数上位は、エスティタート、カルヴァリオ、ワンスインナムーン、ベステンダンク、ダノンスマッシュ、アレスバローズ、ビップライブリーなど。

 逃げるのは前走G1スプリンターズSを果敢に逃げて6着に粘っていた5歳牝馬のワンスインナムーン。そのペースを考えればスローペースはないはず。

 ワンスインナムーンの逃げるペースを追走して、直線でも、脚を残せそうな馬はベステンダンク、ダノンスマッシュ、ビップライブリーなどだが、案外、スタミナ上位のワンスインナムーンが、そのまま楽に逃げきってしまうのではないか。

 前が止まって、鋭い差し脚が生きるとすると、アレスバローズ、カルヴァリオ、アサクサゲンキ、ナガラフラワーなどが有力馬に浮上しそうだ。

(京阪杯)  1着    2着    3着
08年    D     A b   A c
09年     Y    -     D
10年    A d   -     B c
11年    B     -     B
12年    -     D       d
13年    C     -     B b
14年    B     -      Z
15年    C     AXa   B
16年    B c    Xa   -
17年    -     CZb   D

 今年で5年目のラジオNIKKEI杯京都2歳S。
 指数上位は、クラージュゲリエ、ワールドプレミア、ミッキーブラック、スズカカナロア、セイカヤマノなど。

 極端なスローペースはないとすると、スタミナ上位で札幌2歳S3着のクラージュゲリエが中心になりそう。相手はワールドプレミアだろう。

 ただ、逃げ馬不在でスローペースになれば、ペルソナデザイン、ブレイキングドーン、ミッキーブラックなどの鋭い差し脚が、勝負の決め手になるかもしれない。

(京都2歳S)1着    2着    3着
14年    DZ    -       a
15年    -     -     D
16年    -     -     C
17年    -     A a   CX

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年11月20日 (火)

第1440回 低調な内容

201811180811
201811170511

 マイルチャンピオンSはアエロリットが逃げて、スローペース気味の流れになった。2番手にアルアイン、ロジクライがつける。直線、アエロリットを交わして早めに先頭に立ったアルアインは、外によれ気味で、結果、内側がぽっかりと開いた。そこに突っ込んできたのがステルヴィオとペルシアンナイトだった。

 勝ったのは5番人気の3歳馬ステルヴィオ。2着に3番人気ペルシアンナイト、3着が4番人気のアルアインだった。

 勝ったステルヴィオはビュイック騎手の勧めもあって、それまでの後方一気の追い込みから、先行する戦術に変更。そのチャレンジに応えるように、1番枠から好スタートを決め、内ラチの5番手でレースを進めた。直線、内がぽっかりと開くと、あとはスペースめがけて果敢に追うだけだ。先に先頭に立ったアルアインをとらえ、連れて上がってきたペルシアンナイトとの叩きあいも制して、初のG1タイトルをつかんだ。

 ペースは1000万条件戦のレベルだったから、先行馬に向く流れだったのだろう。内枠を生かして先行した3頭が1、2、3着を占めたが、ただ、ペースが遅かったにもかかわらず、上位陣の上りの脚の鋭さはさほどでもなかった。もう少しペースが上がっていたら、結果は違っていたのではないか。

 指数は低く、せいぜい1000万条件なみ。全体として見ても、G1としては低調な内容のレースだったように思える。

 東京スポーツ杯2歳Sは、スローペースにはならず、平均より厳しい流れになった。
 スローペースの新馬、オープンを連勝してきたカテドラルは、先行して直線も一旦は先頭に立つ場面もあったが、直線半ばの坂下で失速。中団から差し脚を伸ばしてきた馬たちに交わされて11着に大敗した。1番人気のルヴォルグも後方のまま9着。

 中団から脚を伸ばしたのはニシノデイジー、アガラス、ヴァンドギャルドだった。厳しいペースの経験の差が出たレースだったようで、勝ったのは、前走、厳しいペースの札幌2歳Sを勝ってきたニシノデイジーだった。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年11月15日 (木)

第1439回 大混戦

 マイルチャンピオンシップは、過去10年、過去に高い指数のある馬や、平均指数、前走指数の高い馬たちの連対率が高く、連軸の中心は指数上位馬から取りたい。
 1番人気馬は、過去10年で1勝、2着3回、3着2回。信頼が高いとはいえない。

(マイルCS)1着    2着    3着
08年    -     CZc   CXa
09年    AXa   -     外
10年      c   -     -
11年    -     -     A a
12年    A d   DX    -
13年    CXd   D      Zd
14年     Yc   -      X
15年    A b    Xa   B
16年    AZc   -     D d
17年    -     AZ    -

 今年の指数上位は、ペルシアンナイト、アエロリット、ロジクライ、アルアイン、モズアスコット、エアスピネル、ヒーズインラブなど。ランク上位馬の前走指数は、ほとんど差がなく、大混戦だろう。

 マイル戦に加え、有力馬に先行馬が多いだけに、ペースが緩むことはないはず。先行して、直線でもエネルギーが残っているかどうかが勝敗を分けるのだろうか。
 スタミナで評価できるのはアエロリット、アルアインの2頭だろう。

 アエロリットは4歳牝馬。休み明けだった前走、牡馬相手に毎日王冠を鮮やかに逃げ切り勝ち。上りを33秒8にまとめ、直線でも後続馬たちの追撃を許さなかった。33秒2の最速の上りの脚を使ったステルヴィオが2着に上がってきたが、着差は1馬身4分の1の差。完勝だったといえるだろう。

 マイル戦は(1402)と1勝どまりだが、安田記念2着時に見せたしぶとい差し脚なら、マイルにも十分に対応ができるだろう。

 4歳のアルアインは皐月賞馬。皐月賞の後は勝ち星をあげられないでいるが、大阪杯3着、香港QEⅡカップ5着、天皇賞(秋)4着と、レベルの高いG1戦で、しっかりとしたレースができている。

 前走の天皇賞(秋)は2番手から。直線、坂上からの決め手比べに後れをとって4着だったが、内容は悪くなかった。今回は久々のマイル戦になるが、2、3歳時に3戦2勝を上げている距離で、大きな変わり身を見せるかもしれない。

 マイルの素軽いスピードがあるのはモズアスコット、ペルシアンナイト、ジュールポレール、エアスピネル、ロジクライなど。
 なかでも、春のマイルG1安田記念を勝ったモズアスコットの差し脚の鋭さに注目したい。マイル戦は(3100)と距離適性が高く、中団からの差し脚では最上位だ。

 先行力があって差し脚も鋭いのはエアスピネルやロジクライなど。

 軸馬にどの馬をとるか。まだ、迷い続けている。じり脚ながら、期待も込めて、アルアインからの手も考えられる。

 東京スポーツ杯2歳S。
 指数上位は、ニシノデイジー、ナイママ、トーラスジェミニ、アガラス、トーセンギムレットなど。

 中心には、前走、札幌2歳Sを高指数で勝ったニシノデイジーを取りたいところだが、スローペース必至の芝1800メートル戦で、長く使える差し脚は必須条件だとすると、指数上位馬たちも苦しいかもしれない。

 スローペースの差し脚はカテドラル、アドマイヤスコール、ダノンラスター、ハクサンタイヨウなどが上位で、ここは2戦2勝のカテドラルが有力だろう。

(東スポ杯2歳S)
       1着    2着    3着
08年    -     C     -
09年    -     B       c
10年    A a   -     -
11年    D     -     -
12年    B b   -     -
13年     Y    -     -
14年    -     A     -
15年    C     A     -
16年    A     -     D
17年    D     B      Xd
(スローペース調整-20/-10)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年11月13日 (火)

第1438回 ペースを判断する能力

201811110811
201811100511
201811110311
201811100811

 直線、大外から、矢のように伸びてきたのはモレイラ騎手のリスグラシューだった。ゴールまで残り100メートル地点で、逃げ粘るクロコスミアをとらえると、そのまま突き抜けて快勝。初のG1のタイトルをつかんだ。

 今年のエリザベス女王杯はクロコスミアの逃げで、ペースは落ち着いた。勝ったリスグラシューの上りタイムは33秒8。逃げ粘って2着のクロコスミアは34秒7。上位の2頭からは3馬身の差をつけられた3着のモズカッチャンの上りは34秒7。

 自身も脚を残しつつ、後続馬にも脚を使わせるという、クロコスミアの逃げは絶妙なペースだった。それだけに、ただ1頭、33秒台の上りタイムを使ったリスグラシューの差し脚の鋭さには、驚くしかない。

 リスグラシューは近走、1600、1800メートルの距離で素軽いスピードのある瞬発力を発揮していた。だからこそ、2200の距離は少し長いのではないかと、想像していたが、スローペースなら距離適性は問題ではなかった。

 エリザベス女王杯がスローペースになることで、むしろ、その絶対的な上りのスピードが生きたのだろう。もちろんペースを判断して動く場面を的確に判断するモレイラ騎手の腕が助けになったのも確かだろう。この日モレイラ騎手は10戦して5勝の固め打ち。

 ダートのマイル戦・武蔵野Sは、サンライズノヴァの後方一気の差し脚が鮮やかに決まった。ハイペース気味の流れで、展開が向いた印象はあるものの、今後もマイルまでの距離なら、その決め手は大きな武器になるだろう。後方からサンライズノヴァを追ったクインズサターンが2着。2番手で先行していたナムラミラクルが3着だった。

 福島記念は、直線3番手から伸びたスティッフェリオが快勝。2番手にいたマイスタイルが2着。3着は4番手から脚を伸ばしたエアアンセム。ハイペースの流れになったが、早かったのは逃げたマルターズアポジーと、2番手のマイスタイルだけ。大きく離れた3番手のスティッフェリオは、脚をためられる余裕のペースだったようで、結果は先行馬たちの決着になった。

 デイリー杯2歳Sは、好スタートを切ったアドマイヤマーズがハナに立ち、2番手にメイショウショウブがつけた。スローペースになって、直線では2頭が大きく抜け出し、叩きあうマッチレース。ゴール前、抜け出したのは圧倒的な人気を集めていたアドマイヤマーズだった。これで3戦3勝。スローペースで指数の高さには欠けるが、勝負強さは一級品だろう。

 日曜日の京都は、外国人騎手があわせて11勝。日本人騎手は12レースで藤岡佑騎手が勝っただけ。先週からは短期免許で来日する騎手も増え、日本人騎手はもう、どうにも太刀打ちできない。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年11月 8日 (木)

第1437回 指数上位の3、4歳馬から

 エリザベス女王杯は、過去10年で3歳馬が4勝、4歳馬も4勝をあげて、合わせて8勝。それに続く5歳馬が2勝している。勝ち馬には若さが求められるようで、6歳馬以上の勝利はない。外国馬を除けば、勝った3歳馬は全て前走指数上位のランク馬だった。

 1番人気は過去10年で1勝、2着4回、3着2回。2番人気馬は1勝、2着2回、3着2回。1、2番人気が合わせて2勝どまりは物足りない。指数上は、前走指数の上位馬の連対率が高い。

(エリザベス女王杯)
       1着    2着    3着
08年    B d    Xa   -
09年    -     -     B
10年    外国馬   CXb   A a
11年    D外    A      Xa
12年    -     -     C
13年    A     -     -
14年    -     A b   -
15年    D     C a   BYb
16年     Zc   -     BXa
17年    B      Z    BXb
(スローペースは-10/0)

 今年は、カンタービレ、ノームコア、リスグラシュー、フロンテアクイーン、コルコバード、スマートレイアー、クロコスミアなどが指数の上位馬たちだ。モズカッチャンも指数上位馬たちと、ほとんど差がない有力馬だ。

 エリザベス女王杯は京都の芝2200メートル戦で、スローペースが基本。長く使える差し脚が問われるレースだ。上りの脚で上位は、リスグラシュー、アドマイヤリード、カンタービレ、フロンテアクイーン、ノームコアなどだが、勝ち馬の多くは4コーナーで6、7番手以内につけていた馬たちが多く、後方一気の差し脚だけでは苦しい。
 中団より前々でレースができ、直線も脚が使える指数上位の3、4歳馬というのが、勝ち馬のイメージだ。

 その勝ち馬の条件を満たすのは、カンタービレ、ノームコア、リスグラシューなどだろう。くしくも3頭とも、外国人騎手たちの騎乗馬になったが、過去10年で、外国人騎手が5勝あげており、ここでもプラス材料になりそうだ。

 3歳馬カンタービレはオークスでは13着に大敗したが、この秋ローズSを勝って、前走の秋華賞は3着に好走した。中団後方から直線、勝ったアーモンドアイを追うように鋭い差し脚を伸ばし、上りタイムはアーモンドアイに0.3秒差に迫る速さだった。強い3歳牝馬世代を代表する1頭だろう。

 ノームコアも3歳馬。前走、スローペース気味の紫苑Sを5番手から差し切って勝ったが、レースレコードを1秒7も塗り替えたうえ、後続に3馬身差をつける完勝だった。秋華賞は見送ったが、秋華賞上位馬とも指数上の差はない。余力も十分で、距離が伸びても対応できるだろう。

 4歳馬リスグラシューはスローペースにも対応でき、安定した差し脚が光る。近走はヴィクトリアマイル2着、安田記念8着、前走、府中牝馬Sも2着と、強敵相手に好走を続けている。2200の距離は少し長い気がするが、底力は最上位だろう。

 負担重量が楽で、前走指数上位の3歳馬2騎、カンタービレ、ノームコアのどちらかが中心になりそうだが、前走の鋭い差し脚が魅力的で、距離も合いそうなノームコアに期待したい。

 武蔵野Sはダートのマイル戦。
 今年はメイショウウタゲ、サンライズノヴァ、グレンツェント、インカンテーション、ウェスタールンド、モルトベーネ、ナムラミラクルなどが指数の上位馬たち。

 ハイペース気味のダート戦で、展開からは、指数上位でダートの差し脚が断然に鋭いサンライズノヴァが中心になるだろう。
 他に、ウェスタールンド、イーグルフェザー、クルーガーなども上りの脚がしっかりとしている。

 前々で粘れるユラノトが面白い存在にみえる。差し脚にかける馬たちが、追っても届かない場面で、前にいるのはユラノトではないか。

(武蔵野S) 1着    2着    3着
08年    D      Xa   -
09年    -      Z    BXa
10年     Y    D c   -
11年     Y    AZb   -
12年    -     D      Za
13年    -     A b   -
14年    B     A      Zc
15年    -      Zb   B c
16年     Yc   -     -
17年    -     -     -
(公営競馬の成績は減戦して集計)

 福島記念は芝2000メートルのハンデ戦。1番人気馬は過去10年で2勝、2着3回、3着1回。連対率は50%。トップハンデ馬は1勝、2着2回のみ。

 今年の指数上位は、エアアンセム、メドウラーク、マイスタイル、マイネルハニー、マルターズアポジー、レトロロック、トミケンスラーヴァ、スティッフェリオなど。

 トップハンデは57.5キロのマルターズアポジー、次いで57キロのエアアンセム、マイネルハニーと続く。

 マルターズアポジー、マイスタイル、マイネルミラノなど逃げ馬がそろって、平均ペースの流れになりそう。中団からの差し脚は必須条件だ。鋭い瞬発力があるレトロロック、マサハヤドリーム、スティッフェリオ、メドウラーク、マイネルハニーなどにチャンスかありそう。

(福島記念) 1着    2着    3着
08年    -     C      Zc
09年    C     -     D
10年    -     A     BXa
11年(新) A a    Ya   -
12年    B b   -     -
13年     Z    AXa     d
14年    -       a    Xa
15年     Zc   BXa   -
16年    B     B     -
17年     Yb     d     a

 デイリー杯2歳Sの前走指数上位馬は、ハッピーアワー、ドナウデルタ、アドマイヤマーズ、ヤマニンマヒア、スズカカナロアなど。

 差し脚は、新馬、オープンを2戦2勝のアドマイヤマーズが最上位だ。7月下旬以来、3か月半ぶりのレースになるが、その分成長も期待できるだろう。

(デイリー杯2歳S)
       1着    2着    3着
08年    B a   CXc   -
09年    A a    Yb   -
10年    -     -      Xb
11年      d   DX    -
12年    -     A c   A b
13年    AXa   -     CYc
14年    DY    C b   BX
15年    A     CYb   BZa
16年     Y    B a   -
17年    -      D     -
(スローペース調整値-20/-10)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年11月 6日 (火)

第1436回 騎手の意地

201811040810
201811040811
201811040812
201811040511
201811030511
201811030811

 JBCスプリントで、またまたルメール騎手が勝ち、史上初となる4週連続G1勝利を達成した。同時に年間G1勝利数も7に伸ばし、こちらの記録も史上初とのこと。

 勝ったグレイスフルリープは8歳の古豪ながら初のG1挑戦だった。4番人気のグレイスフルリープは逃げるマテラスカイをマークしながら最内の4番手に控えた。直線、マテラスカイとグレイスフルリープの2頭が他馬を大きく引き離して抜け出し、激しい叩きあいが続いたが、ゴールではクビ差でグレイスフルリープが先着。初のG1のタイトルをつかんだ。

 続くJBCクラシックで、ルメール騎手は1番人気のサンライズソアに騎乗。好スタートから果敢に逃げる戦法を取った。直線もよく頑張っていたが、中団から鋭い差し脚を伸ばしたケイティブレイブ、オメガパフュームに交わされて3着。

 ルメール騎手は、3コーナーで競られる形になってペースを上げざるを得なかったのが、直線の粘りを欠いた要因とコメントしていた。ルメール騎手の快進撃を止めたのはケイティブレイブの福永騎手だったが、福永騎手の意地を感じたレースだった。

 最終レースのJBCレディスクラシック。ルメール騎手は2番人気のクイーンマンボで参戦。中団から脚を伸ばしたものの4着まで。勝ったのは6番人気横山典騎手のアンジュデジールだった。M・デムーロ騎手の1番人気馬ラビットランは、中団からアンジュデジールと馬体を合わせて上がっていき、直線は2頭のマッチレースになった。一旦はラビットランが先頭に立ったが、ゴール前、アンジュデジールに差し返されて、結果は悔しい2着だった。

 JBCの3レースともに、平均ペースでの見ごたえのある好レースだった。とりわけ直線の攻防、叩きあいは、騎手の能力が反映された熱戦だったといえそう。それにしても1日にG1戦が3レースもあると、馬券を買う側もなんだか、いつもより気合が入って、すごく楽しかったなぁ。1年に1度くらい、こんな日があってもいいと思った。

 東京のアルゼンチン共和国杯は3番人気のパフォーマプロミスに騎乗のオドノヒュー騎手がJRAの重賞初勝利をあげた。超スローペースになって、最速の上りの脚を使った1番人気のムイトオブリガードが2着。

 スローペースで差し脚比べの京王杯2歳S。先行3番手から直線、内から差し脚を伸ばして早め先頭に立った武豊騎手のファンタジストが、32秒台の上りの脚で追いすがる1番人気のアウィルアウェイ(M・デムーロ騎手)をハナ差抑え込んで勝利をつかんだ。

 2歳牝馬のファンタジーSは、1番人気川田騎手のダノンファンタジーが快勝。直線、中団6番手からの鋭い差し脚が光った。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年11月 1日 (木)

第1435回 豪華6重賞

 今年は京都でJBCの3レースが行われることになり、今週は重賞が6レースとにぎやかな開催になった。
 東京のアルゼンチン共和国杯は、1番人気馬が過去10年で3勝をあげ、2番人気馬も3勝、3番人気馬は2勝をあげており、比較的堅実な結果に結びついている。トップハンデ馬は10年間で3勝、2着2回とまずまずだろう。
 指数上は過去の指数が高いXYZ馬や、平均指数上位馬が連軸の中心になっている。

(アルゼンチン共和国杯)
       1着    2着    3着
08年    -     -      Xc
09年    -     B     A
10年      a   C c   A
11年     Yd    Yb   -
12年    -     -     C
13年     Za    Yd     a
14年     Zc    Yb   B
15年     Ya   B     C
16年     Xb   A a     c
17年      b   -     -

 今年の指数の上位は、ノーブルマーズ、パフォーマプロミス、ガンコ、エンジニア、アルバート、ルックトゥワイス、ムイトオブリガード、トウシンモンステラなど。

 例年、天皇賞(春)、阪神大賞典、菊花賞など、長距離で好走してきた馬たちの活躍が多く、スタミナは必須条件だ。

 長距離戦での実績ならアルバートが最上位だ。一昨年のアルゼンチン共和国杯は2着、昨年は4着、ステイヤーズSは3連覇中だ。今年の阪神大賞典では4着、天皇賞(春)は8着だった。休み明けの前走、たたき台の京都大賞典でも3着に好走しており、ステップに不安もないだろう。

 今年は相手も手薄で恵まれたようだし、順当ならアルバートを中心にと思うところだ。しかし、中団より後ろから差し脚に懸ける馬だけに、58.5キロのハンデはどうしても気にかかる。2000年以降、勝ち馬のハンデは58キロが最高で、58.5キロを背負って勝った馬はいない。

 アルバートの重ハンデを嫌うとすると、他では日経賞を勝ったガンコ、宝塚記念3着のノーブルマーズ、2400で3連勝中のムイトオブリガードなどが注目馬として上がってきそうだ。

 ハンデか楽なのは55キロのムイトオブリガードだろう。前走、1600万条件を勝ったばかりの4歳馬だが、4走前には500万勝ちの後、いきなり阪神大賞典に挑戦、先行して8着も、指数は高レベルだった。その内容がその後、2400での3連勝の快進撃につながるわけで、素質は高いはず。早くから長距離の適性を見定めて、チャレンジしてきた陣営の意気をも良しとしたい。

 スローペースで差し脚比べになりがちな京王杯2歳S。
 今年の前走指数上位は、アスターペガサス、カルリーノ、メイショウオニテ、アウィルアウェイなど。

 スローペース気味の1400メートル戦だけに、鋭い差し脚は必須だ。鋭い差し脚ではアウィルアウェイ、ココフィーユの2頭が抜けた存在だが、前走、新潟のダリア賞を快勝して2戦2勝のアウィルアウェイを中心にとった。

(京王杯2歳S)
       1着    2着    3着
08年    -     A a   CY
09年    BXa   C c   -
10年    D b   -     -
11年    CY     Xd   -
12年    -     -     -
13年    -     -     A a
14年    -      Y    BXb
15年    -     -       c
16年      C b   A a    Yc
17年    AZa   AYc   CXb
(スローペースは-20/-10)

 2歳牝馬のファンタジーS。
 今年の前走指数上位は、ジュランビル、ラブミーファイン、レッドベレーザ、ベルスールなど。他に過去の指数で上位のダノンファンタジー、ヴァニラアイスなども有力馬の一角を占める。

 差し脚上位はダノンファンタジーで、ここでは中心になる馬だろう。その鋭い瞬発力からすると、距離が1600から1400に短くなるのは好材料のはず。

(ファンタジーS)
       1着    2着    3着
08年     Z    B c   A a
09年    -      Y    C
10年    A a   -     -
11年     Zd   -     DXc
12年     Xc   -     -
13年    B b    Z    -
14年    -     -     B a
15年    B a   DXc   AYb
16年    -      Yd   CY
17年    -     DZ    A
(スローペース調整値-20/-10)

 JBCクラシックはスタミナの問われるダート中距離戦。サンライズソア、クリソライトに注目したい。

 JBCスプリントは快速馬マテラスカイから。2走前の指数は過去1年、ダート界でナンバー2の高指数だった。

 JBCレティスクラシックは、近走好調なラビットラン、プリンシアコメータなどが有力だろう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2018年10月 | トップページ | 2018年12月 »