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2019年7月30日 (火)

第1509回 低調なレベル

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 ライオンボスがアイビスサマーダッシュを勝って、新潟直線1000メートルで3連勝を飾った。ライオンボスの手綱を取った田辺騎手は、好スタートから外に外にと持ち出して、早々に外ラチにつけ単騎で逃げる形を作り、そのまま危なげなく逃げ切って人気にこたえた。

 2着は内枠から先行したカッパツハッチ、外枠から先行したオールポッシブルが3着に入った。上位は先行馬が占め、後方から最速の上りタイムのトウショウピストか4着に上がってきた。

 ただ、スピード指数は少し物足りないレベルだった。スタートして200メートルまでペースが上がらなかったことと、向かい風が吹いていた結果だろうと思うが、土曜日、同距離の1勝クラスの勝ちタイムと比べて0.5秒も遅く、自身の前走、同距離の勝ちタイムからは1秒2も遅い。土曜日の1勝クラスの上りタイムは31秒7を示しており、アイビスサマーダッシュの最速の上りタイムだったトウショウピストが32秒5、ライオンボス自身の上りタイム33秒0では、指数の低レベルを補って余りある内容だったとはいえないのではないか。

 ライオンボスはスター不在の短距離界に突然現れた新星と評価されるのだろうが、直線1000メートル戦だけでなく、1200メートルにも対応できるか、個人的には少し疑問に思うレースだった。

 札幌のクイーンSは、1番人気のミッキーチャームが完勝した。
 終始外の4番手で先行、直線も楽に先頭に立つと、ゴール前、スカーレットカラーの追撃も難なく抑え込んでの勝利だった。さすが、秋華賞でアーモンドアイの2着につけた実力馬のレースだった。これで洋芝の函館、札幌は4戦4勝になった。
 2着はスカーレットカラー、3着はカリビアンゴールド。

 今朝、ディープインパクト死亡のニュースがあった。頸椎骨折が判明して、予後不良になったとか。無敗の3冠馬で、G1最多に並ぶ7勝をあげ、生涯成績は14戦12勝。競馬に関心のない人たちでさえ、ディープインパクトの名前は知っている、そんな時代を自ら切り開いた名馬だった。

 種牡馬としてもダービー馬キズナ、ロジャーバローズなど、数々の名馬を輩出。2012年から7年連続でリーディングサイヤーに輝き、本年も断然のトップに位置している。まさに日本競馬の象徴と誇りともいうべき輝かしい馬だった。

 ディープインパクトは競馬ファンにとっても特別な馬だ。わたしにとってもそうだし、きっと涙しているファンもいるだろう。
 競馬の楽しい記憶を残してくれて、ありがとう。安らかに眠ってください。

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2019年7月25日 (木)

第1508回 直線1000の申し子

 関東の梅雨明けはまだのようだが、今週から真夏の新潟競馬が始まる。開幕週のメインは新潟名物、直線1000メートルのアイビスサマーダッシュだ。

 1番人気は過去10年で6勝、2着1回。最近の6年間に限れば、1番人気馬は5勝、2着1回と好成績を残している。また、過去10年で6勝をあげている牝馬の活躍も目立ち、牝馬が連対しなかったのは10年間で1度だけだ。
 指数上は、前走指数上位や、過去の指数が高い馬たちの連対率が高く、全体としても指数上位馬たちが活躍するレースといえそう。

(アイビスサマーダッシュ)
       1着    2着    3着
09年     Ya     c   AZd
10年    -     CXb   -
11年    A     B a   -
12年     Xa     b   DZc
13年    AXd   -     B
14年    BYa   -     CYd
15年    -     A c   D
16年    AYb   BXa   C
17年     Z    A     B
18年    CZ    D     -

 今年は、カッパツハッチ、ライオンボス、カイザーメランジェ、フェルトベルク、レジーナフォルテ、アルマエルナト、ビップライブリーなどが指数の上位馬だ。

 開幕週で、野芝の良好な馬場なら、素軽いスピードが求められるだろう。素軽いスピードでは、前走。韋駄天組が上位だ。

 新潟の直線1000メートルハンデ戦、韋駄天Sを勝利したのは格上挑戦ながら1番人気に推された4歳馬ライオンボスだった。スタートで立ち遅れたものの、すぐにスピードに乗って先頭に立ち、そのまま外ラチ沿いに逃げ切り勝ちを決めた。53秒9の勝ちタイムは馬場状態を考慮しても優秀で、過去1年の直線1000メートル戦での最高指数だ。逃げて上りタイムも3番目の速さにまとめており、直線1000メートル戦に求められるスピードと適性は高い。ここも勝ってしまえば、直線1000メートル戦の申し子といえるかもしれない。

 勝ったライオンボスから4分の3馬身差の2着馬カッパツハッチ、最速の上りタイムで3着のミキノドラマー、4着のアルマエルナトなどが相手の中心だろう。また、韋駄天Sは6着だったが、前走、函館SSを逃げて快勝したカイザーメランジェの巻き返しもありそうだ。

 他に、マイペースで逃げるとしぶといレジーナフォルテ、大敗続きだが距離が合いそうなナインテイルズなどにも要注意だろう。

 札幌競馬の開幕週は、牝馬の重賞クイーンSがメイン。
 1番人気馬は過去10年で(4312)と、安定した成績を残している。指数上は過去10年の内8年で連対する前走指数上位馬たちが連軸向きだろう。

 今年は、ミッキーチャーム、エイシンティンクル、ウラヌスチャーム、シャンティローザ、フロンテアクイーン、リンディーホップなどが指数の上位馬たち。
 上りのしっかりとした馬たちかそろって、直線の差し脚比べになりそう。

 先行して差し脚もしっかりとしているのはフロンテアクイーンだろう。前走G1ヴィクトリアマイルは15着に大敗したが、もともとマイルは(0516)と勝ち星もなく、距離が合わなかった。片やクイーンSの1800メートルはすべての勝ち星をあげている最も得意な距離で、(3411)と連対率は77パーセント。昨年のこのクイーンSでは2着に好走しており、力を出せれば勝ち負けに食い込めるはず。

 昨年の夏、函館、札幌の1800メートル戦を3連勝した4歳馬ミッキーチャームが強敵。前走、ヴィクトリアマイルは8着だったが、昨秋、秋華賞2着の指数はレベルが高く、今春、阪神牝馬Sを勝って重賞ウイナーの仲間入りを果たした力は本物だろう。

 他では長くいい脚を使えるウラヌスチャームからの手もあるだろう。

(クイーンS)1着    2着    3着
09年    -     A a   D
10年    -     B b   -
11年    B     D      Yb
12年    A     -     -
13年(函館)AYa     d   CYb
14年    A a    X    CZb
15年     Zc   AXa     d
16年    -      X    -
17年    AZ      c    Yb
18年     Xa   -     CZb

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2019年7月23日 (火)

第1507回 3歳の成長

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 7月もあと1週ほどというのに、まだ夏は遠い。

中京記念は、3歳馬グルーヴィットとクリノガウディーが、直線、鮮やかな差し脚を見せ、ワン、ツー、フィニッシュを決めた。勝利を手にしたのは芝戦初勝利、重賞も初制覇のグルーヴィットだった。

 グルーヴィットは好スタートを切ったが、控えて中団から。クリノガウディーもすぐ後ろにつけて流れに乗った。直線半ば、1番人気の牝馬プリモシーンが早めに仕掛けて抜け出しを図る。グルーヴィットがその後を追い、更にクリノガウディーが続いた。

 ゴール手前100メートルでプリモシーンが先頭に立ったが、すかさずグルーヴィットが外から差し脚を伸ばしてプリモシーンを交わし、そのまま押し切って勝利をつかんだ。クリノガウディーが勢いよくグルーヴィットに迫ったが、惜しくも届かずハナ差の2着だった。グルーヴィットもクリノガウディーもともにハンデは52キロ。その軽量ハンデが最後の最後、決め手比べで生きたのだろう。

 とはいえ3歳馬の本格的な成長のピークはこれから。今年も世代交代が進む夏になるだろう。

 令和最初の2歳重賞となった函館2歳S。
 人気を集めたレッドヴェイパーがスタートで大きく立ち遅れて最後方から。最内枠のビアンフェも出遅れたが、開いた内をするすると上がっていって、200メートルほどで先頭に立つと、そのままペースを緩めることなく、堂々の逃げ切り勝ち。2歳世代重賞勝ち一番乗りとなった。

 圧勝したビアンフェは4番人気。2着は後方から追い上げた2番人気のタイセイビジョン、3着は先行した11番人気プリンスリターンだった。

 出遅れた1番人気のレッドヴェイパーは、徐々に位置取りを上げ、直線でも差し脚を伸ばして5着だったが、差し脚の鋭さは見えなかった。ここはスムースに先行できなかったことで、苦しい戦いになってしまったのだろう。

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2019年7月18日 (木)

第1506回 中団からの差し馬に期待

 中京記念は波乱のハンデ戦。中京競馬場が新しくなった2012年以降、7年間で1番人気馬が勝ったのは昨年のみで、他には3着が1度あるだけだ。指数上は平均指数上位の連対率が高いものの、ハンデ戦らしくランク外の馬も多く浮上しており、一筋縄ではいかない。

(中京記念) 1着    2着    3着
12年     Yb   -      Xa
13年      d   -     -
14年    -     B      Zd
15年      d     d   C
16年    -     -     A a
17年    D       c   DZ
18年    CXa   CYc   A

 今年の指数上位は、プリモシーン、ミエノサクシード、レインボーフラッグ、カテドラル、ロードクエスト、ヒーズインラブなど。

 トップハンデは57キロのロードクエスト。過去7年、勝ち馬のハンデは57キロ以上の馬たちが5勝、そのうちトップハンデ馬も2勝しており、特に重ハンデを苦にする必要はないようだ。

 近走、指数の高さと安定感で4歳牝馬のプリモシーンが最上位だ。3月のダービー卿CTは2着。前走のG1ヴィクトリアマイルも2着に好走したが、前走は後方から33秒0の最速の上りタイムだった。後方一気の素軽い瞬発力が持ち味で、マイルは(3303)と距離適性も高い。マイルの指数も最上位で、素直に「連軸の中心に」と思うが、前走は前が止まるペースに恵まれた部分もあったかもしれない。また、梅雨時の馬場状態を考えると高速馬場は望むべくもなく、素軽い瞬発力を発揮するプリモシーンには、馬場が向かないかもしれない。

 このメンバーならペースは落ち着くはずで、後方一気の馬たちと比べて、中団より前々でレースができる馬に流れが向くのではないか。

 中団からの差し脚は、前走、準オープンを勝ったばかりだが、レインボーフラッグが上位だろう。この2年ほどは1400、1200メートル戦を使われており、マイル戦は久々になるが、マイルは8戦して(2114)と、苦手にしているわけでもない。差し脚は安定しており、54キロのハンデなら上位に食い込むことも可能だ。

 3歳馬カテドラルも差し脚が鋭い。前走のNHKマイルカップは直線、中団後方から馬群を割って突き抜け、残り300メートルからのスピードは際立っていた。勝ち馬とは差のない0.1秒差、惜しい3着だった。マイルは(0110)だが、前走指数も高レベルで、53キロの軽ハンデだけに、古馬陣とも互角に戦えるだろう。3歳馬の成長余力を考えると、ここはカテドラルからの組み立てが良いかもしれない。

 令和最初の2歳重賞戦は函館2歳S。

 今年は、レッドヴェイパー、ビアンフェ、マンバー、プリンスリターン、メイショウナパワンなどが指数の上位馬たち。

 2歳の重賞戦だけに、スローペースの問題がなければ、前走指数上位馬が中心になるレースだ。

 前走指数最上位は新馬戦勝ちの牝馬レッドヴェイパー。新馬戦はハイペースを2番手で先行、2着馬とはきわどいハナ差だったが、3着馬には5馬身の差をつけた。新馬戦の指数は現2歳世代トップの高指数だった。レッドヴェイパーと同指数の2着馬ケープコッドは次走5馬身差で大勝しており、指数のレベル通りの強さだったとみてよいだろう。

(函館2歳S)1着    2着    3着
09年(札幌)B     AZc   -
10年    -     AX    C
11年    B b   C c    Y
12年    A a   D     -
13年    A a    X    -
14年    C c   DXd   -
15年    B a   -     -
16年    -     B       c
17年    AYd   -     D c
18年        -     -     AYa
(スローペース調整値-20/-10)

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2019年7月16日 (火)

第1505回 先行馬が押し切る

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 1番人気馬が勝てず、波乱の多い函館記念。  好スタートから果敢に逃げたのは1番人気のマイスタイルだった。向こう正面にむくと後続をぐんぐん離していく。大きく離れた2番手にマイネルファンロン、さらに離れた3番手にドレッドノータス、4番手にステイフーリッシュがつけた。

 1000メートル通過は59秒8。
 直線にはいると、さすがにマイスタイルの脚も上がり気味。2番手にいたマイネルファンロンが馬体を合わせて迫り、直線半ば、満を持してマイネルファンロンが逃げるマイスタイルをとらえて先頭に立った。しかし、交わされてからがマイスタイルタイルの真骨頂というべきで、内ラチで粘って粘って差し返し、クビ差をつけて栄光のゴールを決めた。重賞挑戦14戦目で、ついに初の重賞タイトルを手にした。

 1番人気の勝利は2006年のエリモハリアー以来13年ぶり。勝利騎手となった田中勝春騎手の重賞勝ちも4年ぶりとか。勝春騎手がデビューしたばかりのころから、彼がらみでおいしい馬券をいくつか取った記憶もあり、大好きな騎手のひとりだった。重賞50勝、おめでとう。

 2着は9番人気のマイネルファンロン。2頭からは2馬身近く離されたが、3着は4番手で先行した57.5キロの重ハンデ馬ステイフーリッシュ(3番人気)だった。

 重賞としては平均ペースで、前半59秒8、後半も59秒8とイーブンペース。先行馬がギリギリ残るペースだったようで、その先行馬に35秒台の上りを使われては、後続馬は苦しかっただろう。

 海の日も過ぎたのに、東京は日差しのない、くずついた空模様が続く。早々に半袖のシャツを買ったものの、まだ着る機会もない。

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2019年7月11日 (木)

第1504回 先行馬に期待

 今週の注目のレースは函館記念。重賞はこの1レースだけだ。
 函館記念はハンデ戦。前走指数の高いABC馬が、10年の内7年で連軸の中心になっているが、ランク外の馬たちの活躍も多い。
 1番人気は2着が1度あるだけで、トップハンデ馬も1勝、2着2回のみ。どちらも不振続きだ。加えて、人気薄の馬たちの台頭もあって、3連単は高配当になりがちだ。ただ、勝ち馬はすべて5番人気以内の馬たちであり、人気馬の取捨がポイントになるだろう。

(函館記念) 1着    2着    3着
09年(札幌)C d   -     -
10年    AYb   C     -
11年    A      Y    DXb
12年    -     B     -
13年    -     -      Z
14年      d   C     A
15年    -      Zb   -
16年    -     A     D
17年    CZ    AXa   A
18年    -      Xa   -

 今年は、ゴールドギア、スズカデヴィアス、ナイトオブナイツ、レッドローゼス、マイスタイル、エアスピネル、メートルダールなどが指数の上位馬だ。

 トップハンデは58キロのエアスピネル。2016年の皐月賞、ダービーで4着に好走して、菊花賞も3着。その後マイルの重賞を2勝、2017年のG1マイルCSでも連対を果たしている。ただ、重賞実績で上位とはいえ、マイルが主戦場で、2000メートルの距離はどうだろうか。また、休み明けの上、トップハンデを背負うのも少し苦しいのではないか。

 出走馬の多くは前走、函館の巴賞を使ってきた馬たちで、そのレースを勝ったのが13番人気だったスズカデヴィアス。後方から直線、大外一気の差し脚で見事な勝利をつかんだ。ペースが上がって、前が止まる展開も味方したと思うが、別定戦で59キロを背負いながらの鋭い差し脚には驚かされた。そのレースの再現がなれば、ここでも中心になるはずと期待したいが、函館記念は2000メートル戦。1800メートルの巴賞のようなペースになるとは思いにくい。もっとゆったりとしたペースになるとしたら、追って届かずもあるだろう。

 巴賞組から逆転候補は2着のナイトオブナイツが筆頭。負担重量を考えれば、スズカデヴィアスとの差はわずかだ。ただ、ナイトオブナイツも後方からの差し馬で、ここは先行力のある別路線組の台頭が気になるところ。

 別路線組では、前走、新潟大賞典9着のメートルダールに注目したい。
 メートルダールは先行して好成績を残しており、4コーナー6番手以内なら(3130)と安定している。近走は13着、9着と着順はさえないが、ハイペースはない流れなら、先行力を生かして上位もあるだろう。2000メートルは(4125)と距離適性も高く、差し脚も堅実で安定している。

 差し脚の最上位は52キロのハンデに恵まれた4歳馬ゴールドギアだが、その差し脚が決まるようなら波乱は必至。

 函館記念の3連単は4年連続10万馬券越えの高配当で、波乱が続いているが、今年も一筋縄とはいきそうもない。難解なレースだ。

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2019年7月 9日 (火)

第1503回 ハイペースの戦い

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 7月7日の七夕賞。枠連の「77」がずいぶん売れたようだが、結果はあいにく。天の川も重い雲の向こうに隠れたままだった。

 福島の馬場は渋り気味。マルターズアポジーが逃げ、2番手にタニノフランケル、3番手にロードヴァンドールがつけた。息つく間もない厳しいペースになり、前を行く馬たちは4コーナーまで持ちこたえるのがやっとの様子だ。

 3コーナー、中団後方待機のミッキースワローが早めに動き出して、4コーナーでは早くも先頭をうかがう4番手の位置に進出した。少し遅れてクレッシェンドラヴも大外からミッキースワローを追った。馬場の真ん中、ミッキースワローが突き抜けて堂々の先頭にたつ。クレッシェンドラヴも切れる差し脚を見せて迫ったが、4分の3馬身差を詰め切れず、ミッキースワローが完勝した。

 ミッキースワローは57.5キロのトップハンデを背負っての勝利で、ハンデ差を考えれば、圧勝というべき強い内容のレースだった。また、4年目の若手騎手、菊沢一樹騎手は嬉しい重賞初制覇を果たしたが、強気なレース運びが功を奏したといえそう。

 クレッシェンドラヴは最速の上りタイムも、悔しい2着。これで福島は3戦とも2着という結果になったが、やっぱり福島は走る。

 直線、先行馬たちの脚が上がるなか、3番手で先行したロードヴァンドールが最内で粘り込んでの3着。先行馬で唯一頭、上位に残ったスタミナは評価が高い。

 中京のダート重賞、プロキオンSをハイペースで逃げたのは1番人気のマテラスカイ。好スタートから軽快に逃げているようだったが、直線、ゴール前の100メートル地点で、4番手から差し脚を伸ばしてきたアルクトス、その外から伸びたミッキーワイルドに交わされると、もう差し返す勢いは残っていなかった。先行したヴェンジェンス、後方から追い込んだサンライズノヴァにも後れを取って5着に沈んだ。

 本来、スピードが出やすい脚抜きの良いダートが得意で、渇き始めて「重」から「稍重」にまで回復したダートが合わなかったのだろうか。

 勝ったアルクトス、2着のミッキーワイルド、3着のヴェンジェンスともに、ハイペースを先行した馬たちだったが、ダート重賞ではハイペースを耐えるスタミナが問われるのだろう。

 七夕賞もプロキオンSも、まれにみるハイペースになったが、後方から差し脚のある馬たちが差し切った七夕賞、先行馬が頑張ったプロキオンSと、芝とダートの違いがくっきりと現われた結果になった。

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2019年7月 4日 (木)

第1502回 波乱の多い七夕賞

 福島のメインはハンデ戦の七夕賞。
 1番人気馬は過去10年で3勝、2着1回、3着2回。10番人気以下の馬が3着までに浮上することが多く、3連単は高配当になりがち。トップハンデ馬も勝ち星がなく、2着2回、3着2回と不振だ。
 指数上もランク外の馬の活躍が目に付く。指数上位なら、平均指数や過去の指数が高い馬たちが中心。

(七夕賞)  1着    2着    3着
09年    BYa   -      Z
10年    -     -     CZb・Cd同着
11年(中山)-     AYa   -
12年    B c    Yb   -
13年    C c    Xc   -
14年    -     -     CYa
15年     Xa   -     A
16年    -      Xa   -
17年    B a    Y    -
18年    -     B     -
 今年の指数上位は、ソールインパクト、ウインテンダネス、ゴールドサーベラス、クレッシェンドラヴ、ミッキースワロー、ストロングタイタン、ブラックスピネルなどだ。

 梅雨時だけに雨は気になるが、出走馬たちの経験してきたペースを考えると、スローペースはないだろう。小回りで直線の短い福島とはいえ、ペースに対応できるスタミナと長く使える差し脚が問われるレースになるのではないか。

 スタミナがあり、差し脚も使えるのは、ウインテンダネス、ソールインパクト、ブラックスピネル、ロードヴァンドール、カフェブリッツ、クレッシェンドラヴ、エンジニアなどが上がってくる。

 注目は、前走、目黒記念で上々の成績を上げてきたソールインパクトとウインテンダネス。

 ソールインパクトは目黒記念で3着に好走。54キロのハンデも楽だったとはいえ、横一線のゴール前の叩き合いから抜け出しての3着は優秀。中団からレースができるので、福島コースも合うだろう。ここも目黒記念と同じハンデで乗れ、7歳馬で上積みはないにせよ、ハンデ戦なら勝機はあるはず。

 ウインテンダネスは今年の目黒記念は6着だったが、前年の目黒記念の勝ち馬。上位3頭からは離されたが、休み明けにくわえ、ハンデを考えればよく頑張っていたといえる指数のレベルだ。休み明けには実績がないが、ここはひと叩きされ、大きな変わり身に注目したい。

 連軸向きなのは平均ペースで差し脚がしっかりとしているクレッシェンドラヴ。近走の2000メートル戦は3戦して1着2回、2着1回と安定しており、距離適性を示している。ハイペースになりがちな小回りコースが得意で、福島コースは2着2回。前走は福島民報杯で後方から長くいい差し脚をみせて、一旦は先頭に立つ場面もあったが、結果は惜しくも2着だった。近走は指数も安定しており、連軸の中心になるだろう。

 逃げたいブラックスピネルにも要注意だ。マルターズアポジー、タニノフランケルとのハナ争いが熾烈になりそうで、思い通りにはいかないかもしれないが、マイペースでいければ粘るスタミナはあるだろう。

 人気になりそうなロシュフォールは、素軽いスピードが身上だけに、馬場状態次第か。

 ダート1400メートルの重賞プロキオンS。

 2012年から中京競馬場での開催になったが、過去6年、1番人気は(2211)と比較的安定した成績を残している。指数上は、前走指数上位馬の連対率が高い。

 今年の指数上位はアルクトス、ミッキーワイルド、ヴェンジェンス、キングズガード、マテラスカイ、サクセスエナジー、サンライズノヴァなど。

 注目は、昨年の当レースを果敢に逃げてレコードタイムで後続に4馬身差を差つけて圧勝したマテラスカイだ。その後、JBCスプリント2着、前走はドバイのG1戦でも2着に好走。いまやダート短距離界のエースになりつつある。絶対的なスピードに優り、脚抜きが良くスピードの出やすいダートが得意で、梅雨時のダートは大得意だろう。ただ、取りこぼしもあり、過信は禁物。

 逆転候補は目下連勝中の4歳馬アルクトス。前走、欅Sを勝って、オープン戦を連勝。指数のレベルもすでに重賞級だ。

 同じく連勝中の4歳馬ミッキーワイルドも指数のレベルは遜色がない。

(プロキオンS)
       1着    2着    3着
12年    -     D b   B
13年    -     B     C c
14年    A c   A     -
15年     Zc   B     -
16年    D     BZ    -
17年    B b   AXa    Yc
18年    D     AXa   B
(海外、地方競馬を減戦して計算)

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2019年7月 2日 (火)

第1501回 不良馬場の巧拙

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 テレビはCBC賞のスタートを映し出しているが、雨のために、中継の画面は白くかすんでいる。梅雨時だけに雨は仕方ないが、不良にまで馬場が悪化すると、馬場の巧拙が勝敗を大きく分ける。

 CBC賞は、好スタートを切ったセイウンコウセイが先頭に立ち、2番手にラインスピリット、3番手にビップライブリーが続いた。直線、必死に粘り込みをはかるのは58キロのトップハンデを背負うセイウンコウセイ。中団から最内を突いたアレスバローズがするすると差を詰めて、内からセイウンコウセイをとらえて先頭に立った。しかし、中団にいた1番人気のレッドアンシェルが外から鋭く差し脚を伸ばして、アレスバローズを交わしたところがゴール。昨年の覇者アレスバローズは惜しくもクビ差の2着。セイウンコウセイは3着に粘り込んだ。

 不良馬場を考えれば、58キロのハンデで3着に粘ったセイウンコウセイ、57.5キロで2着のアレスバローズは、不良馬場も苦にすることなく、実力馬の底力を見せつけたレースで、上々の内容だった。

 1番人気に推されて快勝したレッドアンシェルもまた、不良馬場は問題なかった。これまで長めの距離で実績を積み、スタミナを鍛えてきたのも、結果として良かったのかもしれない。それにしても、前走、初の1200メートル戦を完勝して、ここでも1200メートルのCBC賞を快勝。1200メートルに高い適性があったのだろう。

 福島のラジオNIKKEI賞も不良馬場だった。
 軽快に逃げたのはダディーズマインド、2番手にディキシーナイト、3番手がマイネルサーパス。

 3コーナー過ぎ、中団から一気に差し脚を伸ばしたブレイキングドーンが4コーナーで先頭に立って、馬場の中央を駆け抜け、初の重賞制覇を果たした。ダディーズマインドは唯一の1勝馬だったが、1線級が集まる3歳重賞戦でも一定の成績を上げていた力は本物だったということだろう。

 逃げたダディーズマインドが粘るところ、3番手から差し脚を使ったマイネルサーパスが2着に浮上。後方一気、最速の上りを使ったゴータイミングが3着に上がった。
 逃げたダディーズマインドは4着。2番手追走のディキシーナイは、直線脚が止まって11着に大敗した。ディキシーナイの石橋騎手は「馬場悪化が応えた」とコメント。

 今週末も雨模様の予報だが--。

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