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2019年12月26日 (木)

第1551回 完成度の高いコントレイル

 令和元年、今年、最後の重賞は2歳G1のホープフルS。
 以前はラジオNIKKEI杯2歳Sとして阪神競馬場で行われていたが、2014年から名称を改めて中山での開催になり、2017年からG1に格上げされた。
 中山開催になった2014年以降、1番人気は(3101)と安定しており、最近の3年間は3戦3勝、勝率100パーセントだ。

(ホープフルS)
       1着    2着    3着
09年(阪神)-     A a   -
10年(阪神)D d   A a    Xb
11年(阪神)-     D     AXb
12年(阪神)C     AXa   C
13年(阪神)AXb   C     AZa
----------------------
14年(中山)-      Xa   -
15年(中山)-     B     A a
16年(中山)A a    Y    -
17年(中山)AXb   -     -
18年(中山)-     B b   CXc
(スローペース調整値-20/-10)

 今年の指数上位は、コントレイル、ディアセオリー、ラインベック、ブラックホール、ブルーミングスカイ、クリノブレーヴなど。
 2歳重賞だけに、前走指数上位馬と、スローペースで長くいい脚を使ってきた馬たちが中心になる。

 今年の指数上位馬の中で、とりわけ目立つのがコントレイルの前走指数の高さだ。東スポ杯2歳Sで示したものだが、現2歳世代の最高指数で、過去10年、ホープフルSに出走した馬たち(ラジオNIKKEI杯2歳Sを含む)の中でも最も高指数だ。

 コントレイルの前走、東スポ杯2歳Sは平均ペースの流れを中団5番手で流れに乗り、直線ゴーサインが出ると反応鋭く先行馬たちを交わし、2着馬に5馬身差、3着馬には9馬身の差をつけて完勝している。

 その週の土日の芝戦では、コントレイルの指数が古馬を含めても最高レベルであり、能力の高さは疑いようもない。新馬戦のように道中のペースが遅くても、あるいは東スポ杯2歳Sのようにペースが上がっても、中団でじっと我慢ができ、折り合いにも心配がない。加えて直線の差し脚も圧倒的なスピードがあり、まるで古馬の一流馬のような完成度の高さを感じさせる。

 ホープフルSでは断然の人気馬になるだろうが、コントレイルに逆らってもいいことはなさそうで、ここは相手探しに徹したほうがいいだろう。

 相手は上りの脚がしっかりとした馬たちを上位に取りたい。その候補はヴェルトライゼンデ、ワーケア、オーソリティなど。いずれも指数のランク上位馬ではないが、上りの脚は見どころが十分で、将来性もありそうな馬たちだ。

 先行馬の前残りなら、ラインベック、ディアセオリー、ブラックホールなどに注意が必要だろう。

 「高田馬場日記」の年内の更新は今回が最後になります。
 今年1年、ご愛顧いただき、ありがとうございました。
 年明けの更新は1月9日の予定です。金杯の予想はありません。あしからず。
 基準タイム34版の「有馬記念グッズプレゼント」は抽選のうえ、1月8日には発送する予定です。
 それでは皆さん、お元気で、良いお年を!!

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2019年12月24日 (火)

第1550回 レーン騎手の強運

201912220611
201912210911
 アーモンドアイの参戦で盛り上がった今年の有馬記念。G1馬が11頭も出走するという豪華なメンバーがそろった。圧倒的な人気を集めたアーモンドアイが直線で失速、9着に敗退する結果に、大きなため息が日本中をおおった。

 レースはアエロリットがハイペースで飛ばした。後続は大きく離されたが、2周目の3コーナーから各馬が動き出して4コーナーではほぼ一団。先に抜け出しを図るアーモンドアイの差し脚に勢いがなく、外から各馬がかぶさるように襲いかかってアーモンドアイを飲み込んでいく。直線半ば、大外から1頭だけ全く違う脚色で飛んできたのがレーン騎手のリスグラシューだった。

 2番人気のリスグラシューはスタートから中団後方の内ラチ沿いに位置して、そのままじっと動かなかった。3コーナー過ぎに内ラチを離れ、最後の4コーナーを過ぎて直線に向くと、一気に大外にまで持ち出して追い出しにかかる。そこからのスピードは1頭だけ全く次元が違った。どの馬も食い下がることすらできず、2着のサートゥルナーリアに5馬身差をつける圧倒的な勝利だった。

 直線に向いてまだ内にいたら、ふつうはそのまま内を突き抜けようとするだろう。外に持ち出すためには十分なスペースがなければならない。勝負を懸けた馬たちが最後のしのぎあいを演じる厳しい場面だ。無理に外に持ち出せば接触したり、他馬の進路を妨害したり、閉じ込められたり、そのために、スピードを落とすしかなかったり、外に出し切れなかったりするものだ。結局、そのまま馬群をさばきながら内を行くか、一旦後方に下げ、改めて大外から追い出すしかない。それが普通だろう。

 ところが幸運にも、直線、リスグラシューの左斜め前に十分なスペースと、光り輝く栄光の進路が開かれていた。レーン騎手は迷うことなく大外に持ち出して、何の不利もなく突き抜けることができた。もし内のままだったら、どうだっただろう。どこかで前が詰まって、ブレーキを踏みながら進路を探っていたかも知れない。

 リスグラシューはオーストラリアのレーン騎手で宝塚記念、コックスプレートとG1を連勝している。有馬記念での騎乗は特例で認められたが、有馬記念を勝つためには馬の力だけでなく騎手の運も必要だ。G1を3連勝するのは並大抵ではないと思っていたが、レーン騎手の強運と判断力、騎乗技術は並ではなかった。レーン騎手の騎乗に改めて賛辞を贈りたい。おかげでリスグラシューから買った馬券は大当たり、感謝、感謝。

 中山の芝コースは4週目で、内側はかなり痛みが出でいた。加えてペースも上がったため、スタミナが問われる厳しいレースになったのだろう。2着のサートゥルナーリアは中山の皐月賞を高指数で勝っており、3着の3歳馬ワールドプレミアは菊花賞の勝ち馬。スタミナで評価の高い馬たちだった。逆に、高速馬場を得意にしていたアーモンドアイは直線で失速して9着に敗れた。結果的にだが、スタミナが問われたことも、敗因のことつだったのではないか。ルメール騎手は「これも競馬」とコメントしていたが、名手といわれるルメール騎手にとってさえ、思い描いた通りにはならないのが競馬だ。


 阪神カップは3歳馬グランアレグリアが人気にこたえ、5馬身差で圧勝した。この春マイルの桜花賞を好指数で勝っており、ここは1400メートルに距離が短かくなったが、スピードの違いを見せ、短距離での適性の高さを示した。2着にフィアーノロマーノ、3着はメイショウショウブ。

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2019年12月19日 (木)

第1549回 アーモンドアイをめぐる戦い

 まだ、年末の気分にはないが、今週はいよいよ、有馬記念。
 1994年以降、過去25年間、前走指数上位馬が16勝を、平均指数の上位馬が15勝をあげており、有馬記念は比較的指数上位馬が強いレースだ。指数のランク外で勝った馬は6頭いるが、そのうちの4頭は3歳馬であり、古馬が勝ったのは、14年の牝馬ジェンティルドンナと、07年のマツリダゴッホだけ。古馬、とりわけ牡馬の場合は指数上位でなければ勝利は難しい。
 最近の10年に限ると、1番人気馬が(5311)と安定して強い。世代別では、3歳馬が5勝、4歳馬が1勝、5歳馬が4勝。2000年までさかのぼっても、6歳馬以上の勝利はない。牝馬は(1306)。

(有馬記念) 1着    2着    3着
94年    A b   B     D
95年    A       d   BYa
96年    DXa   -     -
97年    C     BXb   A
98年    -3歳   -      Xb
99年    A b   AXc   D d
00年     Ya    Xd     b
01年    -3歳   -     -
02年    B     C     A
03年    DXc   B     -3歳
04年    CXa   AXc    Zb
05年    A b    Y    B d
06年     Xa   -     BYc
07年    -     D     AY
08年    A      Z    B a
09年    BYa   -3歳   A b
10年    -3歳    Y    -3歳
11年    A b    Za    Y
12年    A b   -      Ya
13年    AXa    Zd    Yb
14年    -      Z    BZc
15年     Yb   D b   -3歳
16年    AYb   BXa    Y
17年    CXb   -     AYa
18年    -3歳   C a   B c

 今年は、アーモンドアイ、スワーヴリチャード、アエロリット、リスグラシュー、キセキ、シュヴァルグラン、ヴェロックス、フィエールマンなどが指数の上位馬たちだ。

 何といっても注目はアーモンドアイだ。当初、香港カップに参戦の予定だったが、微熱のため出走を見合わせた。幸い大したことではなかったようで、有馬記念に出走することになった。ファン投票1位のアーモンドアイの出走で有馬記念は大いに盛り上がることになるだろう。

 アーモンドアイはここまで(8110)の成績。G1も6勝をあげている。昨年は桜花賞、オークス、秋華賞を制して牝馬3冠を達成。続くジャパンCも並みいる牡馬たちを押さえて驚異のレコードタイムで圧勝。昨年の年度代表馬にも選ばれた。今年はドバイターフを制覇。スタートで大きな不利のあった安田記念こそ3着だったが、秋の天皇賞は5番手から最内を突いて後続に3馬身差をつける完勝劇だった。

 ジャパンCは2番手から逃げ馬をとらえたが、基本的に道中は中団に控え、直線、鋭い差し脚を発揮するレースが多い。差し脚の鋭さはこのメンバーでも最上位にあり、名手ルメール騎手なら、ペースや、展開、位置取りに翻弄されることもないだろう。

 重賞実績でもレース内容でも、非の打ち所がないアーモンドアイにも課題がないわけではない。アーモンドアイの特徴はジャパンCでのレコード勝ちが示す通り、絶対的なスピードに優れていることだ。これまで良馬場での東京や京都でのレース経験が多く、素軽いスピードが生きる馬場での強さは申し分がないが、(稍重のシンザン記念でも圧勝してはいるが、相手が楽だったことも確かで、)比較的力のいる直線の短い中山で、(日曜日は雨の予報もあり、)馬場が渋ったら、これまでのようにはいかないかもしれない。

 馬場状態やスタミナ以外にも、初の中山、初の2500戦と、アーモンドアイに不確定な要素がないわけではない。もちろん名手ルメール騎手ならペースや馬場状態をみて、位置取りも自在に変えてくるだろう。ジャパンCのように2番手で先行するかもしれない。ただ、そうなれば自慢の鋭い差し脚は消される。新馬戦を除けば、これまで上がり指数は常に+10から21の高レベルにあったが、ジャパンCの上がり指数は+5のレベルに下がっている。ジャパンC時は牡馬と4キロ差の53キロで乗れたから、2番手からでも押し切れたが、牡馬と2キロ差の55キロで同じようにいくだろうか。スローペースはないメンバー構成だけに、結果、中団以降に位置するのがベストポジションに思えるが、そうなればアーモンドアイより前々でレースができる馬たちにも勝利のチャンスが生まれてくる。

 アーモンドアイの実績にかなう馬はいないにしても、有馬記念でアーモンドアイに真向勝負できる馬はいるのか。

 候補として上がってくるのは、前走、G1を勝っているスワーヴリチャード、リスグラシューに、3歳馬ワールドプレミア、ヴェロックス、サートゥルナーリアなど。いずれも先行力のある馬たちだ。

 スワーヴリチャードは前走、ジャパンCを勝った5歳馬。ここまで(6345)の成績で、そのうち5勝が重賞でのもの。G1は2勝(大阪杯、ジャパンC)している。前走のジャパンCは内ラチの5番手から、手ごたえよく差し脚を伸ばして100の高指数で快勝した。平均ペースを先行して、堂々の差し切り勝ちは地力の証だ。有馬記念は例年、先行馬が活躍しており、平均ペースでも直線、しっかりとした差し脚がなければ勝負にならないことを示している。その点からスワーヴリチャードにも勝利のチャンスはあるのではないか。

 同じように、先行して差し切る地力が魅力の5歳牝馬リスグラシューも有力候補の1頭だ。リスグラシューはオーストラリアの天才レーン騎手を背に宝塚記念、オーストラリアのコックスプレートと目下G1を連勝中。有馬記念もレーン騎手が乗れることになった。ここまで2000メートル以上のG1を3勝しており、実績に不足はない。先行して差し脚を伸ばす王道のレースぶりで、渋った馬場も苦にしない。この有馬記念が引退レースになるが、引退が惜しいほどの絶好調で、牝馬ながらその力強さに期待したいところだ。

 また、有馬記念は負担重量で楽な3歳馬が過去10年で5勝をあげ、その世代の活躍が目立つレースで、とりわけ菊花賞の上位馬には注意が必要だ。

 今年、菊花賞を勝ったのはワールドプレミア。3着がヴェロックス。

 ワールドプレミアは6番手あたりで先行、直線早々と抜け出して初の重賞タイトル・菊花賞を勝った。スタミナはありそうで、有馬記念の距離に不安もない。

 一方、菊花賞で1番人気に推されたヴェロックスは、直線の勝負所で少しもたつき、先に抜け出しだワールドプレミアをとらえられず、さらに2着のサトノルークスにも置かれてしまった。距離が長かったのかもしれないが、2500メートルなら巻き返しも可能だろう。

 3歳馬サートゥルナーリアはホープフルS、皐月賞とG1を2勝。ダービーは1番人気に推され、後方から最速の上りで追ったが届かずの4着だった。この秋シーズンは神戸新聞杯を勝って、天皇賞に臨んだが、先行して直線伸びきれず6着。2500の距離は微妙に長い気がするものの、中山は2戦2勝と得意なコースで、有馬の大舞台で再び輝きを取り戻せるかもしれない。

 現役最強馬アーモンドアイからの手が本筋だろうとは思いつつ、思い切った狙いも立つような気もする。アーモンドアイ以外で勝利のチャンスがありそうな馬の中でも、ここは5歳牝馬のリスグラシューのスタミナと好調さに夢を懸けたいと思っている。

 阪神カップは1400メートルの短距離戦。過去10年、1番人気馬は1着1回、3着1回と、苦戦が続いている。指数上は前走指数上位馬の活躍が目に付く。

 今年は、マイスタイル、レッツゴードンキ、メイショウショウブ、グァンチャーレ、フィアーノロマーノ、ロジクライ、ストーミーシーなどが指数の上位馬だ。

 平均ペースの短距離戦になりそうで、基本的に先行馬に向く流れだ。先行して差し脚を使えるのはマイスタイル、グァンチャーレだろう。

 重賞での安定した成績ではマイスタイルが上位。近走も2000メートルの函館記念1着、1400メートルのスワンS3着、前走のマイルCSは10番人気ながら4着に好走しており、引き続き好調。距離適性の幅も広い。阪神には実績がないが、力のいる洋芝や渋った馬場が得意で、オーバーシードの阪神コースならこなせるだろう。

(阪神C)
       1着    2着    3着
09年    C d  (Aa、-)2着同着
10年    B a     a   -
11年    C     -     -
12年    B a    Y    D d
13年    -      Z    -
14年    -      Xa   BYc
15年    D     D     AXc
16年    D     A c   C
17年    CXa    Y    A c
18年    -     -     D

 みなさまのご健闘、ご幸運を、心よりお祈り申し上げます。
 GOOD LUCK!!!

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2019年12月17日 (火)

第1548回 春の主役へ

201912150911
201912140611

 朝日杯フューチュリティSは、レースレコードの1分33秒0のタイムで圧倒的1番人気に推されたサリオスが無敗で3連勝を決めた。

 ハイペースでレースを引っ張ったのはビアンフェ。サリオスは3番手で先行。ペースが上がって、直線、先行馬たちの脚が止まるなか、サリオスだけはムーア騎手のゴーサインに応え、一躍先頭に躍り出て、後続馬をぐんぐん引き離していった。まさにここではレベルが違うといわんばかりの圧勝劇だった。

 中団から追った2番人気のタイセイビジョンの差し脚も、サリオスの影を踏むことはできず、2馬身半の差をつけられて完敗の2着だった。最後方にいた14番人気のグランレイが最速の上りの脚を使って3着にあがって、3連単馬券は9万円を超す好配当になった。

 新馬戦はスローペース、サウジアラビアRCは平均ペース、そして朝日杯はハイペースと、それぞれ違うペースをいずれも楽々と先行して、堂々の差し切り勝ちをおさめる余裕十分のレースぶりは、2歳馬にしてすでに横綱相撲のよう。年末のホープフルSに回ったコントレイルともども、疑いなく春の主役を務めることになるだろう。

 牝馬限定のハンデ戦・ターコイズSは、マイペースで逃げたコントラチェックがそのまま逃げ切り勝ち。2着に2番手で先行したエスポワール、離された3着も先行したシゲルピングダイヤがギリギリ粘り込んだ。

 上位3着まで3歳馬たちが独占する結果だったが、牝馬戦は若さがものをいうことが多い。10代が活躍する女子のフィギアスケートの世界に似ている。

 今年もあとわずか。週末には有馬記念が迫っている。香港での出走を見合わせたアーモンドアイも参戦することになって、一段と面白くなった。アーモンドアイの相手探しか、アーモンドアイを正面から倒しにいって勝負になる馬はいるのか、今からあれこれ想いが巡る。有馬記念前のこの1週間が、こころが躍るようで一番楽しい。


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2019年12月12日 (木)

第1547回 サリオスVSレッドベルジュール

 朝日杯フューチュリティSは、阪神競馬場での開催になって6年目を迎える。1番人気馬は(4213)と比較的安定した成績を残している。
 指数上は、前走指数上位馬が中心だが、指数は低くても、スローペースで差し脚の鋭い馬たちに要注意だ。

(朝日杯)  1着    2着    3着
09年(中山)-     AYa     b
10年(中山)D     -     AYb
11年(中山)-      Xa   C
12年(中山)-     AXb   -
13年(中山)-     -     B
----------------------
14年(阪神)D a   -     CY
15年(阪神)-     BZ    -
16年(阪神)-     A b   BYa
17年(阪神)A a   BX    DZa
18年(阪神)-     C d   B b
(スローペース調整-20/-10)

 今年は、サリオス、ラウダシオン、タイセイビジョン、レッドベルジュール、メイショウチタンなどが前走指数の上位馬たちで、過去の指数ではビアンフェ、プリンスリターンなどもピックアップできる。

 過去10年の勝ち馬はすべて前走を勝った馬たちで、同世代の戦いで後れを取った馬たちは厳しい。また、前走の距離は芝1600メートル以上の距離であることも条件になりそうで、前走1400メートルを使って勝ったのは1頭だけだ。

 上記の勝ち馬の条件で今年のメンバーをふるいにかけると、条件に合うのはサリオスとレッドベルジュールだけになってしまう。ともにマイル以上の距離でデビューから2戦2勝。重賞を勝ち上がってきた馬たちで、勝利に最も近い馬だといえるだろう。

 サリオスは、新馬戦勝利の後、サウジアラビアRCに出走。3番手で先行して、ゴール手前100メートルで先頭に立つと、そのまま楽々と押し切り、2着馬に1馬身4分の1の差をつけて勝った。新馬戦と同じ上りは33秒1の好タイムだった。先行できて上りの脚もシッカリとしており、スピード指数も最上位にある。素質の高さだけでなく、今の時点での完成度の高さも感じさせる。

 レッドベルジュールは、1800メートルの新馬戦を勝ち、前走は1600メートルのデイリー杯2歳Sに参戦。スタートで遅れて後方からのレースになったが、直線に向くと狭い内ラチから差し脚を伸ばし、2着馬に1馬身半の差をつけて快勝した。上りは33秒8でまとめており、内容に不足はない。

 サリオスとレッドベルジュールの2頭に大きな差はないと思うが、わずかにサリオスの差し脚を上位に評価したい。

 他ではタイセイビジョン、ウイングレイテスト、ラウダシオン、ジュンライトボルト、ペールエールなども上位に食い込む力はあるだろう。

 ターコイズSは15年から重賞に格上げされた牝馬限定のハンデ戦。以前は同名でオープンのハンデ戦として実施されており、参考までに以前の傾向もあげておいた。

(ターコイズS)
       1着    2着    3着
09年    -     -      Z
10年     Yd   D d   B
11年    B     -     A
12年    -     -     C
13年    -     Cd      a
14年    -     -      Y
----------------------
15年(重賞)B     -     -
16年(重賞)BXa   BY    -
17年(重賞)-       a     b
18年(重賞)-     -       b

 今年の指数上位馬は、トロワゼトワル、オールフォーラヴ、ディメンシオン、ダノングレース、フロンテアクイーン、リバティハイツなど。

 トップハンデは56キロのフロンテアクイーン、デンコウアンジュ。トップハンデ馬は過去10年で1勝、2着2回。また、1番人気馬も(2107)とやや不振気味だ。勝ち馬は3歳馬が3勝、4歳馬が4勝、5歳馬が3勝。

 近走、好調が続いているのは4歳馬トロワゼトワルだ。今年の春から4戦3勝、2着1回。前走は京成杯オータムHを逃げ切って、初の重賞勝ちを決めた。前走指数はレベルが高く、牝馬では上位に評価される指数だ。横山典騎手とも相性が良く、3戦2勝、2着1回。ターコイズSも前走と同じ中山のマイル戦で、横山典騎手が手綱を取る。ここも楽に先手が取れそうで、逃げ切りを決めた前走の再現があるのではないか。

 逃げ馬をとらえる差し脚の上位はシゲルピングダイヤとエスポワールの3歳馬の2頭。
 実績はシゲルピングダイヤが上位だ。前走、秋華賞は後方から追い上げて3着に好走。3歳牝馬世代で上位の能力を示してきた。素軽いスピードが身上で、桜花賞の2着好走が示す通り、距離が短くなるのは間違いなく好材料だ。

 先行差しのグループからはフロンテアクイーン、オールフォーラヴ、ディメンシオンなども有力馬に浮上するだろう。なかでもマイル戦で2勝して距離適性が高いオールフォーラヴに注目したい。

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2019年12月10日 (火)

第1546回 圧倒的な勝利

201912080911
201912080611
201912070711
2歳女王を決定するG1ジュベナイルF。  好スタートを切ったレシステンシアが、そのまま先頭に立って逃げた。前半の3ハロンを33秒7、1000メートル通過は57秒5。馬場状態の良さを考慮してもレシステンシアのペースは速かったが、後続の2、3番手の馬たちも差なく追走している。

 驚きだったのは、直線に入ってからのパフォーマンスだ。レシステンシアは軽快に飛ばして後続馬たちを一気に引き離し、その差はどんどん広がっていっていった。追いすがる馬たちをしり目に、見事な差し脚も使ってゴールでは5馬身差の圧勝だ。上りタイムはメンバー最速の35秒2。ハイペースで逃げて、上りの脚も最速で決められては、他の馬たちはなす術もない。ウオッカが06年に記録した走破タイムを上回る2歳コースレコードだった。

 2着は3番手先行のマルターズディオサ、中団から脚を伸ばしたクラヴァシュドールが3着。4番手先行のウーマンズハートが4着。後方から追い込んだ1番人気のリアアメリアは6着に沈んだ。2着に5馬身以上の差をつけ勝ったレシステンシアの圧倒的な強さは見事というしかないが、厳しいペースを先行して2着のマルターズディオサ、4着のウーマンズハートの頑張りも評価に値するのではないか。

 ダート重賞カペラSは、4番手から、直線でも楽に抜け出したコパノキッキングが、2着のテーオージーニアスに2馬身半の差をつけて勝った。3着はシュウジ。コパノキッキングは58キロの重量を克服しての勝利で、先週のG1チャンピオンズカップの上位馬たちと比べてもそん色ない好レースだった。

 コパノキッキングの手綱を取った藤田菜七子騎手は、日本人女性としては初めてJRAの重賞を勝つ快挙をなしとげた。これまでの努力は並大抵のものではなかっただろうと思う。おめでとう。素晴らしい勝利だった。

 中日新聞杯は芝2000メートルのハンデ戦。スローペース気味の流れで、直線も先行馬が粘り込みを図るところ、ゴール前300メートルの位置にある急坂を登り切ると、様相が一変。後方から大外に回した馬たちが、先行馬たちを飲み込み込んでいく。一団となった馬場の真ん中、馬群のなかから抜け出したのがサトノガーネットだった。上りは33秒3。軽ハンデを生かして、鋭い差し脚が生きたレースだった。アタマ差の2着はラストドラフト、3着はアイスストーム。いずれも後方に位置していた馬たちだった。

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2019年12月 5日 (木)

第1545回 差し脚上位馬から

 春のクラシックを目指す2歳たちの戦いが本格化する。今週は牝馬のG1阪神ジュベナイルFがメインだ。
 指数上位馬たちが毎年連対しており、連軸の中心は指数上位馬から取るのがセオリーだが、スローペースで楽勝してきたランク外の馬たちや、上がり指数の高い馬たちには注意が必要だ。
 1番人気は過去10年で4勝、連対率は50%。勝ち馬はすべて5番人気までの馬たちが占めている。

(阪神ジュベナイルF)
       1着    2着    3着
09年    -     A b   D b
10年    A a   -     DYd
11年    -     B     -
12年    B a   -     -
13年      d   C     B
14年    D     D c   D
15年    A     DZ    DXb
16年    -      Yb   AXc
17年    B     -     -
18年    AY    -       a
(スローペース調整-20/-10)

 今年は、レシステンシア、ヤマカツマーメイド、クラヴァシュドール、ロータスランド、マルターズディオサ、ジェラペッシュなどが指数の上位馬たちだ。

 2歳の牝馬戦で、加えて直線の長い阪神の外回りのマイル戦なら、スローペースは必至だ。当然、長く使える上がりの脚が問われることになるだろう。

 スローペースでの差し脚では、ウーマンズハートが抜けた存在にみえる。ウーマンズハートはここまで2戦2勝。新馬戦の上りは32秒0。そのレースで上りタイムの2番手だったマルターズディオサが33秒3で、上りだけで実に1秒3もの差をつけた。前走の新潟2歳Sでも中団から32秒8の最速の上りで快勝しており、スローペースの鋭い差し脚なら断然上位だといえる。ここは3か月以上間が空いて、久々のレースになったが、素質の高さが魅力でもあり、連軸の中心に推したい。

 前走ファンタジーSを現2歳牝馬の最高指数で勝った2戦2勝馬レシステンシアが強敵。新馬戦は3番手から、ファンタジーSは2番手からと、いずれも先行して直線、楽に抜け出す完勝劇だった。スタートが良く楽に先手が取れるので、ペースに左右されにくい強さが持ち味だろう。

 他では、マイル戦を2戦2勝のリアアメリアに、差し脚の鋭いクラヴァシュドール、クリスティ、マルターズディオサなどの浮上もあるだろう。

 中山のダート重賞カペラSは、08年に創設されてから11年間で、1番人気馬が勝ったのは昨年の一度だけ。他の上位人気馬も不振が目に付く。指数上は平均指数上位馬や前走指数上位馬が健闘している。

 今年は、ゴールドクイーン、テーオージーニアス、レッドアネラ、オウケンビリーヴ、コパノキッキング、ヒロシゲゴールド、オールドベイリーなどが指数の上位馬たち。

 どうしても逃げたいのは牝馬のゴールドクイーンだろう。前走JBCレディスクラシック(ダート1400)も果敢に逃げたが、直線差されて2着。3着馬には6馬身差をつけており、底力は見せられたはず。2走前、ながつきSを100を超す高指数で圧勝したレースができれば、ここでも逃げ切れるだろう。

 同じく逃げるか先行したいのがコパノキッキングだ。前走JBCスプリント(ダート1400)は藤田菜七子騎手を背に、3コーナーで先頭に立ちそのまま押切りを図ったが、惜しいクビ差の2着だった。ここまでダート重賞は(3211)と、3勝をあげており、実績は最上位だ。

 先行馬たちのペースが上がるようなら、後方から一気に浮上してきそうなのがテーオージーニアスだ。前走オータムリーフSは勝った逃げ馬には届かず2着だったが、上りの脚は上々。素軽いスピードがあり、脚抜きの良いダートになればより勝機が上がるのではないか。

(カペラS) 1着    2着    3着
09年     Zd   D d   -
10年    A a   -     B b
11年    -      Zc   -
12年     Za   B c   -
13年    D d   D d   D
14年    -     -     -
15年    BZc    Y    A a
16年     Zc   B d   -
17年    A     -     AZc
18年    B     -     -
(公営、海外の成績は減戦して集計)

 中日新聞杯は芝2000メートルのハンデ戦。1昨年前から12月の開催に変わった。

 指数上位は、ロードヴァンドール、アイスストーム、ランドネ、カヴァル、ラストドラフト、アドマイヤジャスタ、ショウナンバッハ、マイネルサーパス、パリンジェネシスなど。

 トップハンデ馬は5頭いるが、55キロなら大きな負担にはならないだろう。

 中京コースは馬場も良好で、注目はあるていど先行できて、差し脚もある馬たちで、カヴァル、サトノソルタス、マイネルサーパス、ロードヴァンドールなどが浮上してくる。なかでも人気はなさそうだが、差し脚上位のカヴァル、サトノソルタスに期待したいと思っている。

(中日新聞杯)1着    2着    3着
17年     Xa    Yb   -
18年    -      Za    Xa

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2019年12月 3日 (火)

第1544回 ベストレース

201912010711
201911300611
201911300911
 混戦のチャンピオンズカップは、インティが逃げ、能力の高い馬たちが果敢に先行、直線での激しい叩きあいになった。消耗戦を制したのは3歳馬クリソベリルだった。

 クリソベリルはインティのすぐ後ろ、3、4番手で先行して流れに乗った。直線では内ラチ沿いに粘るインティ、外から差し脚を伸ばすゴールドドリームの間に馬体を入れ、3頭合わせの叩きあいになったが、クリソベリルがググっと抜け出したところがゴールだった。これで6戦6勝。G1戦はジャパンダートダービーに続いて2勝目だ。わずかにクビ差とはいえ、着差以上に強い勝ち方で、一躍ダート界のトップに躍り出た。

 2着はゴールドドリーム、3着はインティ。前の馬たちとは道中の位置取りが少し後ろになったものの鋭い差し脚で迫ったチュウワウィザードが4着だった。

 それにしても見ごたえのある叩きあいだった。インティのペースはダート重賞としては平均ペース。そのペースで先行しても、直線、しっかりとした差し脚を使えるのが一流の証だろう。上位のみならず、10着のロンドンタウンまでが100の指数をクリアする力のこもったレースで、今年のダートのベストレースといえるだろう。

 中山のマラソンレース・芝3600メートルのステイヤーズSは、2周目正面、後方から一気に先頭に立ったエイシンクリックがペースを握る。最後の直線、エイシンクリックにオジュウチョウサンが迫るところ、3番手の内でじっと勝機をうかがっていたモンドインテロが鋭い反応を示して一気に先頭に立ち、そのまま押し切り、初の重賞タイトルをつかんだ。4分の3馬身差の2着に後方から追い込んだアルバート、エイシンクリックが3着に粘り込んだ。

 チャレンジCは、4連勝中だった3歳馬ロードマイウェイが直線、後方から鋭い差し脚を伸ばして快勝。5連勝へとさらに連勝を伸ばした。2着は逃げたトリオンフ。3着は後方から開いた内に入れて差し脚を伸ばしたプレステイキング。

 これまでの4連勝は先行して差し切るレースだったが、ここはスローペースで前残りの展開をものともせず、後方からしっかりと差し脚を伸ばしての勝利で、ロードマイウェイの成長を感じさせるレースだった。

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