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2019年12月19日 (木)

第1549回 アーモンドアイをめぐる戦い

 まだ、年末の気分にはないが、今週はいよいよ、有馬記念。
 1994年以降、過去25年間、前走指数上位馬が16勝を、平均指数の上位馬が15勝をあげており、有馬記念は比較的指数上位馬が強いレースだ。指数のランク外で勝った馬は6頭いるが、そのうちの4頭は3歳馬であり、古馬が勝ったのは、14年の牝馬ジェンティルドンナと、07年のマツリダゴッホだけ。古馬、とりわけ牡馬の場合は指数上位でなければ勝利は難しい。
 最近の10年に限ると、1番人気馬が(5311)と安定して強い。世代別では、3歳馬が5勝、4歳馬が1勝、5歳馬が4勝。2000年までさかのぼっても、6歳馬以上の勝利はない。牝馬は(1306)。

(有馬記念) 1着    2着    3着
94年    A b   B     D
95年    A       d   BYa
96年    DXa   -     -
97年    C     BXb   A
98年    -3歳   -      Xb
99年    A b   AXc   D d
00年     Ya    Xd     b
01年    -3歳   -     -
02年    B     C     A
03年    DXc   B     -3歳
04年    CXa   AXc    Zb
05年    A b    Y    B d
06年     Xa   -     BYc
07年    -     D     AY
08年    A      Z    B a
09年    BYa   -3歳   A b
10年    -3歳    Y    -3歳
11年    A b    Za    Y
12年    A b   -      Ya
13年    AXa    Zd    Yb
14年    -      Z    BZc
15年     Yb   D b   -3歳
16年    AYb   BXa    Y
17年    CXb   -     AYa
18年    -3歳   C a   B c

 今年は、アーモンドアイ、スワーヴリチャード、アエロリット、リスグラシュー、キセキ、シュヴァルグラン、ヴェロックス、フィエールマンなどが指数の上位馬たちだ。

 何といっても注目はアーモンドアイだ。当初、香港カップに参戦の予定だったが、微熱のため出走を見合わせた。幸い大したことではなかったようで、有馬記念に出走することになった。ファン投票1位のアーモンドアイの出走で有馬記念は大いに盛り上がることになるだろう。

 アーモンドアイはここまで(8110)の成績。G1も6勝をあげている。昨年は桜花賞、オークス、秋華賞を制して牝馬3冠を達成。続くジャパンCも並みいる牡馬たちを押さえて驚異のレコードタイムで圧勝。昨年の年度代表馬にも選ばれた。今年はドバイターフを制覇。スタートで大きな不利のあった安田記念こそ3着だったが、秋の天皇賞は5番手から最内を突いて後続に3馬身差をつける完勝劇だった。

 ジャパンCは2番手から逃げ馬をとらえたが、基本的に道中は中団に控え、直線、鋭い差し脚を発揮するレースが多い。差し脚の鋭さはこのメンバーでも最上位にあり、名手ルメール騎手なら、ペースや、展開、位置取りに翻弄されることもないだろう。

 重賞実績でもレース内容でも、非の打ち所がないアーモンドアイにも課題がないわけではない。アーモンドアイの特徴はジャパンCでのレコード勝ちが示す通り、絶対的なスピードに優れていることだ。これまで良馬場での東京や京都でのレース経験が多く、素軽いスピードが生きる馬場での強さは申し分がないが、(稍重のシンザン記念でも圧勝してはいるが、相手が楽だったことも確かで、)比較的力のいる直線の短い中山で、(日曜日は雨の予報もあり、)馬場が渋ったら、これまでのようにはいかないかもしれない。

 馬場状態やスタミナ以外にも、初の中山、初の2500戦と、アーモンドアイに不確定な要素がないわけではない。もちろん名手ルメール騎手ならペースや馬場状態をみて、位置取りも自在に変えてくるだろう。ジャパンCのように2番手で先行するかもしれない。ただ、そうなれば自慢の鋭い差し脚は消される。新馬戦を除けば、これまで上がり指数は常に+10から21の高レベルにあったが、ジャパンCの上がり指数は+5のレベルに下がっている。ジャパンC時は牡馬と4キロ差の53キロで乗れたから、2番手からでも押し切れたが、牡馬と2キロ差の55キロで同じようにいくだろうか。スローペースはないメンバー構成だけに、結果、中団以降に位置するのがベストポジションに思えるが、そうなればアーモンドアイより前々でレースができる馬たちにも勝利のチャンスが生まれてくる。

 アーモンドアイの実績にかなう馬はいないにしても、有馬記念でアーモンドアイに真向勝負できる馬はいるのか。

 候補として上がってくるのは、前走、G1を勝っているスワーヴリチャード、リスグラシューに、3歳馬ワールドプレミア、ヴェロックス、サートゥルナーリアなど。いずれも先行力のある馬たちだ。

 スワーヴリチャードは前走、ジャパンCを勝った5歳馬。ここまで(6345)の成績で、そのうち5勝が重賞でのもの。G1は2勝(大阪杯、ジャパンC)している。前走のジャパンCは内ラチの5番手から、手ごたえよく差し脚を伸ばして100の高指数で快勝した。平均ペースを先行して、堂々の差し切り勝ちは地力の証だ。有馬記念は例年、先行馬が活躍しており、平均ペースでも直線、しっかりとした差し脚がなければ勝負にならないことを示している。その点からスワーヴリチャードにも勝利のチャンスはあるのではないか。

 同じように、先行して差し切る地力が魅力の5歳牝馬リスグラシューも有力候補の1頭だ。リスグラシューはオーストラリアの天才レーン騎手を背に宝塚記念、オーストラリアのコックスプレートと目下G1を連勝中。有馬記念もレーン騎手が乗れることになった。ここまで2000メートル以上のG1を3勝しており、実績に不足はない。先行して差し脚を伸ばす王道のレースぶりで、渋った馬場も苦にしない。この有馬記念が引退レースになるが、引退が惜しいほどの絶好調で、牝馬ながらその力強さに期待したいところだ。

 また、有馬記念は負担重量で楽な3歳馬が過去10年で5勝をあげ、その世代の活躍が目立つレースで、とりわけ菊花賞の上位馬には注意が必要だ。

 今年、菊花賞を勝ったのはワールドプレミア。3着がヴェロックス。

 ワールドプレミアは6番手あたりで先行、直線早々と抜け出して初の重賞タイトル・菊花賞を勝った。スタミナはありそうで、有馬記念の距離に不安もない。

 一方、菊花賞で1番人気に推されたヴェロックスは、直線の勝負所で少しもたつき、先に抜け出しだワールドプレミアをとらえられず、さらに2着のサトノルークスにも置かれてしまった。距離が長かったのかもしれないが、2500メートルなら巻き返しも可能だろう。

 3歳馬サートゥルナーリアはホープフルS、皐月賞とG1を2勝。ダービーは1番人気に推され、後方から最速の上りで追ったが届かずの4着だった。この秋シーズンは神戸新聞杯を勝って、天皇賞に臨んだが、先行して直線伸びきれず6着。2500の距離は微妙に長い気がするものの、中山は2戦2勝と得意なコースで、有馬の大舞台で再び輝きを取り戻せるかもしれない。

 現役最強馬アーモンドアイからの手が本筋だろうとは思いつつ、思い切った狙いも立つような気もする。アーモンドアイ以外で勝利のチャンスがありそうな馬の中でも、ここは5歳牝馬のリスグラシューのスタミナと好調さに夢を懸けたいと思っている。

 阪神カップは1400メートルの短距離戦。過去10年、1番人気馬は1着1回、3着1回と、苦戦が続いている。指数上は前走指数上位馬の活躍が目に付く。

 今年は、マイスタイル、レッツゴードンキ、メイショウショウブ、グァンチャーレ、フィアーノロマーノ、ロジクライ、ストーミーシーなどが指数の上位馬だ。

 平均ペースの短距離戦になりそうで、基本的に先行馬に向く流れだ。先行して差し脚を使えるのはマイスタイル、グァンチャーレだろう。

 重賞での安定した成績ではマイスタイルが上位。近走も2000メートルの函館記念1着、1400メートルのスワンS3着、前走のマイルCSは10番人気ながら4着に好走しており、引き続き好調。距離適性の幅も広い。阪神には実績がないが、力のいる洋芝や渋った馬場が得意で、オーバーシードの阪神コースならこなせるだろう。

(阪神C)
       1着    2着    3着
09年    C d  (Aa、-)2着同着
10年    B a     a   -
11年    C     -     -
12年    B a    Y    D d
13年    -      Z    -
14年    -      Xa   BYc
15年    D     D     AXc
16年    D     A c   C
17年    CXa    Y    A c
18年    -     -     D

 みなさまのご健闘、ご幸運を、心よりお祈り申し上げます。
 GOOD LUCK!!!

【お知らせ】「2020年版、新基準タイム34版」の販売を開始しました。今年も抽選で有馬記念グッズのプレゼントもあります。お申し込みはこちらから。

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