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2019年12月24日 (火)

第1550回 レーン騎手の強運

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 アーモンドアイの参戦で盛り上がった今年の有馬記念。G1馬が11頭も出走するという豪華なメンバーがそろった。圧倒的な人気を集めたアーモンドアイが直線で失速、9着に敗退する結果に、大きなため息が日本中をおおった。

 レースはアエロリットがハイペースで飛ばした。後続は大きく離されたが、2周目の3コーナーから各馬が動き出して4コーナーではほぼ一団。先に抜け出しを図るアーモンドアイの差し脚に勢いがなく、外から各馬がかぶさるように襲いかかってアーモンドアイを飲み込んでいく。直線半ば、大外から1頭だけ全く違う脚色で飛んできたのがレーン騎手のリスグラシューだった。

 2番人気のリスグラシューはスタートから中団後方の内ラチ沿いに位置して、そのままじっと動かなかった。3コーナー過ぎに内ラチを離れ、最後の4コーナーを過ぎて直線に向くと、一気に大外にまで持ち出して追い出しにかかる。そこからのスピードは1頭だけ全く次元が違った。どの馬も食い下がることすらできず、2着のサートゥルナーリアに5馬身差をつける圧倒的な勝利だった。

 直線に向いてまだ内にいたら、ふつうはそのまま内を突き抜けようとするだろう。外に持ち出すためには十分なスペースがなければならない。勝負を懸けた馬たちが最後のしのぎあいを演じる厳しい場面だ。無理に外に持ち出せば接触したり、他馬の進路を妨害したり、閉じ込められたり、そのために、スピードを落とすしかなかったり、外に出し切れなかったりするものだ。結局、そのまま馬群をさばきながら内を行くか、一旦後方に下げ、改めて大外から追い出すしかない。それが普通だろう。

 ところが幸運にも、直線、リスグラシューの左斜め前に十分なスペースと、光り輝く栄光の進路が開かれていた。レーン騎手は迷うことなく大外に持ち出して、何の不利もなく突き抜けることができた。もし内のままだったら、どうだっただろう。どこかで前が詰まって、ブレーキを踏みながら進路を探っていたかも知れない。

 リスグラシューはオーストラリアのレーン騎手で宝塚記念、コックスプレートとG1を連勝している。有馬記念での騎乗は特例で認められたが、有馬記念を勝つためには馬の力だけでなく騎手の運も必要だ。G1を3連勝するのは並大抵ではないと思っていたが、レーン騎手の強運と判断力、騎乗技術は並ではなかった。レーン騎手の騎乗に改めて賛辞を贈りたい。おかげでリスグラシューから買った馬券は大当たり、感謝、感謝。

 中山の芝コースは4週目で、内側はかなり痛みが出でいた。加えてペースも上がったため、スタミナが問われる厳しいレースになったのだろう。2着のサートゥルナーリアは中山の皐月賞を高指数で勝っており、3着の3歳馬ワールドプレミアは菊花賞の勝ち馬。スタミナで評価の高い馬たちだった。逆に、高速馬場を得意にしていたアーモンドアイは直線で失速して9着に敗れた。結果的にだが、スタミナが問われたことも、敗因のことつだったのではないか。ルメール騎手は「これも競馬」とコメントしていたが、名手といわれるルメール騎手にとってさえ、思い描いた通りにはならないのが競馬だ。


 阪神カップは3歳馬グランアレグリアが人気にこたえ、5馬身差で圧勝した。この春マイルの桜花賞を好指数で勝っており、ここは1400メートルに距離が短かくなったが、スピードの違いを見せ、短距離での適性の高さを示した。2着にフィアーノロマーノ、3着はメイショウショウブ。

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