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2020年3月26日 (木)

第1573回 モズアスコットに期待

 新型コロナウイルスのために、競馬も盛り上がりに欠けるが、いよいよ春のG1戦が始まる。第1弾は高松宮記念。

 2012年のコース改造後、1番人気は(2033)。連対率は物足りない。
 指数上は全体として指数上位馬が強いという傾向が続いている。4歳馬、外国馬を除けば、勝ち馬はすべてランク馬で、5歳馬以上はランク馬でないと勝利は厳しいようだ。
(高松宮記念)1着    2着    3着
10年    CZb    Y    D d
11年(阪神)CYc   B a   -
----------------------
12年    A c    Xc   B
13年    BXc   BZa   -
14年    A     -     B
15年    -(外)   Z    A
16年     Xa   AZb   -
17年    C      X    BX
18年    AYc   -     -
19年    -(4歳)  Z    -
 今年の指数の上位馬は、グランアレグリア、ダノンスマッシュ、ナックビーナス、ノームコア、タワーオブロンドン、モズアスコット、ステルヴィオ、ダイアトニックなど。

 昨年の秋、G1スプリンターズSを制しているのがタワーオブロンドン。1200の重賞戦は(2120)と、距離適性の高さを示している。持ち味は素軽い瞬発力にあり、後方一気の脚に特徴がある。阪神のセントウルSの上り上り33秒2、中山のスプリンターズSの上り33秒5は、高速馬場を得意とするタワーオブロンドンらしい。ただ、この春の中京の芝コースがそこまで高速かというと、「ノー」というしかない。さらに中京コースは元来、先行馬向きのコースであり、後方一気の差し脚だけでは苦しいかもしれない。

 オーストラリア遠征を取りやめ、急遽、高松宮記念に参戦してきたこともあり、評価がむつかしくなったが、期待はモズアスコットとした。芝のG1馬がダートに転戦して2戦2勝。前走、フェブラリーSは中団の内からじりじり脚を伸ばし、坂をかけ上がると一気に加速、2着馬に2馬身半の差をつけて完勝。芝、ダートのG1戦を制覇するという偉業を成し遂げた。ダートを使って一変した印象を受けるが、調子そのものが上がっていたからだろう。

 芝の1200戦は初出走になるが、4走前、芝1400スワンSの93という指数に加え、芝1400は(2401)と安定。芝向きの差し脚の鋭さも持ち合わせており、1200メートルも問題なくこなせるのではないか。少し力のいる中京の芝も合うだろう。

 他では、前走オーシャンSを勝ったダノンスマッシュ、前走阪急杯で2着から3着に降着になったダイアトニック、指数上位で負担重量が楽な4歳馬グランアレグリアなども連軸候補になる馬たちだろう。

 日経賞も指数上位馬が中心のレースだ。
 今年は、エタリオウ、ソウルスターリング、ウインイクシード、レッドレオン、サトノクロニクル、ミッキースワローなどが指数の上位馬たち。

 過去の勝ち馬は近走、2400メートル以上の距離で好指数と好成績を残している馬が多い。2400メートル以上の距離で結果を残している指数上位馬はエタリオウ、サンアップルトンなどだ。

 重賞の実績からはエタリオウが中心になりそうだ。エタリオウはダービー4着、神戸新聞杯2着、菊花賞2着の後、昨年の日経賞でも2着に好走している。その後は天皇賞春、宝塚記念、京都大賞典、ジャパンカップ、有馬記念に参戦したが、好指数で4、5着はあるものの、なかなか勝てない戦いが続いている。

 不思議だが、収得賞金は6350万円ながら、ここまで勝ったのは未勝利戦での1勝のみ。もちろん、強い相手との戦いの結果であり、指数のレベルは重賞クラスであることは間違いなく、素質の高さは明らか。差し脚の鋭さも持ち合わせており、次の1勝をここで是非勝ち取ってもらいたい。

 逆転候補は4歳馬サンアップルトン。2400以上の距離は(2111)。
(日経賞)  1着    2着    3着
10年    DYc   AXa   B d
11年(阪神)D      X    A a
12年    -      X    C b
13年     Xa   -     C c
14年    AZc   -     B d
15年    B      Y     Y
16年      a   CZc   D
17年    C d   B     CYc
18年    BZc   -     CYb
19年    C     A      Yd
 マーチSはダートのハンデ戦。ハンデ戦とはいえ指数上位馬が頑張っている。1番人気は0勝、2着1回、3着1回と不振。

 今年の指数上位馬は、クリンチャー、スワーヴアラミス、タイムフライヤー、コマビショウ、リアンヴェリテ、ルールソヴァールなど。  トップハンデは57.5キロを背負うクリンチャーとリアンヴェリテの2頭。

 ペースは先行馬に向く平均的な流れで、スワーヴアラミス、アシャカトブ、ワイルドカードなどに向くだろう。

 中心にはスワーヴアラミスを取りたい。先行して安定した指数の高さを示しており、ダートは(5420)と、すべ3着内に好走。重賞は初挑戦になるが、前走指数も上位にあり、最有力馬だろう。

 相手の筆頭は差し脚の鋭いタイムフライヤー。2歳時にG1ホープフルSを制したが、皐月賞10着、ダービー11着、菊花賞は13着と大敗。芝では結果は残せず、昨年の夏以降、ダート路線に切り替えた。近走は武蔵野S2着、チャンピオンズC8着、フェブラリーSは5着。強いメンバー相手にまだ勝利はないが、鋭い差し脚を見せており、十分に通用するのではないか。

(マーチS) 1着    2着    3着
10年     Yb   -       d
11年(阪神) Xa   -      Z
12年    B b   -      Yb
13年     Ya    Xb   C
14年      d   B     B
15年    B       c    Zb
16年    -     C a    Zb
17年    D c   A     D
18年    B b   C     -
19年    A     -     D
 3歳馬の毎日杯は前走指数上位馬が中心。
 今年は、ストーンリッジ、アルジャンナ、ダノンアレー、メイショウラツワンなどが指数の上位馬だ。

 阪神外回りの1800メートル戦で、スローペース必至。先行できて長くいい脚を使える馬たちに向く展開だ。先行馬で差し脚上位はアルジャンナ、ダノンアレー、ストーンリッジ、サトノインプレッサなど。

 ここは素軽いスピードがあり、安定した差し脚のあるアルジャンナに注目したい。新馬勝ちの後、東スポ杯2歳Sは世代トップクラスの指数でコントレイルに次ぐ2着に好走。前走きさらぎ賞は圧倒的な1番人気に推され、直線5番手から最速の上りタイムで追ったが、位置取りが後ろすぎたのか、前には届かず、2着馬ストーンリッジに半馬身差の3着に終わった。

 京都の直線には坂がなく、スローペースでは前が残りやすい。敗因が位置取りの問題だったのなら、課題はないに等しく、改めて真価を問いたい。

 きさらぎ賞でしぶとく2着に粘ったストーンリッジが相手の筆頭。
(毎日杯)  1着    2着    3着
10年    BX    DYa   -
11年    B     -     -
12年    B     -      Y
13年    A     -     BYa
14年    -     -     -
15年    BXa   -     A
16年    D a   AYb   AX
17年     Y    A a   B c
18年    D     D     -
19年     Xc   -      Y
(スローペース調整-15/-5)

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第1572回 性格では仕方ない

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202003200611
2020年3月24日更新

 阪神大賞典。大きく出遅れたキセキは、そのまま後方にとどまることもできず、折り合いを欠いたままグングン飛ばして、2コーナー過ぎに先頭に並びかけた。直線は先頭をうかがう場面もあったが、結局、大きく失速して7着に沈んだ。このところ同じようなスタートが続いており、発走調教再審査を課されることになったとか。

 勝ったユーキャンスマイルも2着のトーセンカンビーナもともに最後方から追いこんできた馬たちだ。ユーキャンスマイルは直線、内にわずかに空いたスペースをついて、鋭く差し脚を伸ばして勝った。トーセンカンビーナも出遅れてもあわてず、上りに懸けて2着に浮上している。キセキも後方のまま脚をため、差し脚に懸けることもできたのではないか。いうのはたやすいが、それができないからこの結果なのだろう。騎手もサラブレッドの性格まではコントロールできない。騎手も大変なのだと、お察します。

 スプリングSは4コーナーで横一線の叩きあいになったが、6番人気のガロアクリークが外から33秒台の上りの脚を使って決着をつけた。2着馬に1馬身4分の1の差での快勝だった。南アフリカの天才騎手といわれるヒューイットソン騎手が初のJRA重賞制覇を果たした。2着ヴェルトライゼンデ、3着サクセッション。

 フラワーCは、ナリノクリスティーが逃げ、2番手にアブレイズがつけた。アブレイズは直線に入ると先頭に立ち、そのまま押し切って勝った。2着にレッドルレーヴ、3着はシーズンズギフト。アブレイズは12番人気。ことしの3歳戦は牡馬も牝馬もむつかしいレースが続く。

 コロナウイルスの影響で、3月28日に無観客で行われる予定だったドバイ国際競争が中止になった。日本からはアーモンドアイをはじめ20頭が参戦の予定だったが、すみやかに帰国することになった。サラブレッドは検疫のため、しばらくは出走できないが、問題は騎手や厩務員などのスタッフだろう。厩務員だけでなく、すでにルメール騎手、古川騎手は現地に入っており、すぐに帰国することになるが、帰国後、2週間の自宅待機をJRAが要請するとのこと。騎手は2週間は騎乗できなくなるわけで、ルメール騎手は今週の高松宮記念にモズアスコット騎乗予定もキャンセルされるだろう。

 騎手はなんとかやりくりができたとして、厩舎スタッフが2週間の自宅待機になったら、厩舎が正常に回っていくのだろうか。他のスポーツ開催が軒並み中止になるなか、競馬は無観客だとしても開催できるだけありがたいと思ってきたが、競馬関係者に感染者がいなくても、じわじわとレース運営に支障が出て来ることになりそうで、今後も競馬ができるという保証は今はないに等しい。今週から春のG1戦が続くが、問題なく実施できるのだろうか。

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第1571回 古豪か、4歳馬の成長力か

2020年3月18日更新
 阪神大賞典が今週の注目レース。
 過去10年、1番人気は6勝、2着2回、3着2回と、すべての年で3着内に好走しており、また、勝ち馬もすべて5番人気までの馬たちだ。  指数上は、過去10年のうち9年で連対している過去の指数が高いXYZ馬や、平均指数上位馬たちが中心。ランク外で勝利した馬は2頭いるが、いずれも明け4歳馬で、5歳馬以上なら指数上位が勝ち馬の条件になる。

(阪神大賞典)
       1着    2着    3着
10年    CZc   -     A d
11年    A     D      Yd
12年    -     CXa   A
13年    AXa   D     C d
14年    BXa   -     DXc
15年     Ya     d    Yb
16年    -      Z    A
17年    BXa   A b   -
18年    C b    Y    C c
19年    C a    Yd    Y
(海外レースは減戦して集計)
 今年は、ユーキャンスマイル、キセキ、メイショウテンゲン、ムイトオブリガード、ドレッドノータスなどが指数の上位馬たちだ。

 過去のデータからは、3000メートル以上の距離で実績がある馬たちが中心になっており、今年は3000メートル以上の重賞で勝ち星があるキセキ、ユーキャンスマイルなどが連軸の中心になりそうだ。

 キセキは2017年、雨で不良馬場の菊花賞を1番人気にこたえて快勝した。スローペースの流れになったが、落ち着いて後方待機。2周目の向こう正面から徐々に進出して、直線は大外からじりじり差し脚を伸ばして2着馬に2馬身差をつけた。馬場状態やペースを考えたら、後方からの差し脚は圧倒的なパフォーマンスだったといえるだろう。

 その後は2000から2500の距離で国内外のG1戦に参戦して(0315)の成績を残してきた。ジャパンカップ2着、大阪杯2着、宝塚記念2着と、あと一歩のところまで迫ったが、勝利にまでは手が届いていない。前走の有馬記念は出遅れて後方から。すぐに挽回して中団後方につけ、直線の差し脚に懸けたが、勝ち馬には大きく離され5着だった。ただ、上りの脚はしっかりとしており、スピード指数は勝ち馬に次ぐレベル。内容は上々だっただろう。今回、久々の3000メートルに対応できるかどうか、課題はあるものの、手薄なメンバー相手のG2戦だけに、実績を考えたら負けられない一戦だろう。

 ユーキャンスマイルは昨年のダイヤモンドS(芝3400メートル)の勝ち馬で、2018年の菊花賞は3着。3000以上の距離は(1111)の実績がある。距離適性を重視するならユーキャンスマイルからという考え方もある。

 2頭以外で気になるのは4歳馬メイショウテンゲン。ダービーは10着、菊花賞は12着に大敗したが、その後はステイヤーズS4着、ダイヤモンドS2着と、近走、長距離戦線で頭角を現しつつある。ともに休み明けの前記の2頭と比べ、順調に使われてきた強みもあるだろう。後方からの差し脚に見どころがあり、差し脚を発揮するうえで55キロの負担重量も好材料に映る。4歳馬の成長力に期待するなら、思い切ってメイショウテンゲンから入る手もあるだろう。

 スプリングSは上位3頭に皐月賞の優先出走権が与えられる。
 過去10年、1番人気は(3421)と安定している。
 今年の指数上位馬は、サクセッション、ファルコニア、ガロアクリーク、ヴェルトライゼンデ、アオイクレアトール、シルバーエースなど。

 スローペース気味の流れで、長く良い脚を使える馬たちに向く展開だろう。
 注目は前走指数最上位のサクセッションだ。サクセッションはここまで1600メートルを4戦して3勝。前走はハイペースのジュニアCを中団から鮮やかに差し切り、2着馬に2馬身半の差をつける強い勝ち方だった。前走のスピード指数は世代トップのコントレイルに次ぐ高指数だ。1800は初距離になるが、先行力もあり、距離が課題になるとは思えない。

 相手は先行力のあるファルコニア、ココロノトウダイ、アオイクレアトール、シルバーエース、ヴェルトライゼンデなどを上位に取りたい。
(スプリングS)
       1着    2着    3着
10年    -     -     AZa
11年(阪神)CZ     Xa   -
12年    CYd   -      Yc
13年    A c    Yb    Zd
14年    -     A d    Xa
15年    D     A     BXa
16年    A a   BYb    X
17年    AX    B     CZa
18年    AX    C d   -
19年    D     D      Yc
(スローペース調整-15/-5)
 3歳牝馬のフラワーC。1番人気馬は過去10年で3勝、2着3回、3着1回と、比較的堅実。スローペース必至で、指数が低い馬にも要注意のレースだ。

 今年の指数上位は、シーズンズギフト、ポレンティア、ミアマンテ、レッドルレーヴ、ショウナンハレルヤ、クリスティ、チェスナットドレス、フラワリングナイトなど。

 牝馬の中距離戦でスローペースは必至だ。先行できて、スローペースの差し脚が鋭いのはシーズンズギフトだ。シーズンズギフトはここまで2戦2勝。前走の若竹賞はスローペースで先行馬向きの流れになったが、シーズンズギフトは中団から差し脚を伸ばして楽々の差し切り勝ち。スローペースのため、指数はさほど高くならなかったが、上がり指数は出色のレベルを示している。とはいえ前走指数はこのメンバーでは最上位にあり、ここも楽に乗り越えるだけの力はあるはずで、将来性もある1頭だろう。  同じく2戦2勝馬ミアマンテが、逆転候補の筆頭。

(フラワーC)1着    2着    3着
10年    BXa   C c   -
11年(阪神)-     B c   -
12年     Xa   -      Xc
13年    -     C     -
14年    A     BXa   -
15年    B b   -     -
16年    -     D     -
17年    -      Xc   -
18年     Xa   B     -
19年    A a   CYd   B b
(スローペース調整-20/-10)

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第1570回 圧倒的な強さ

2020年3月17日更新
202003150711
202003150911
202003140711
202003140611

 金鯱賞はG1馬サートゥルナーリアが2着のサトノソルタスに2馬身差をつけ、力の違いを見せた。サートゥルナーリアは昨年の最優秀3歳牡馬に輝き、4歳の初戦となった金鯱賞では断然の人気を背負った。

 レースはダイワキャグニーが逃げ、マイネルファンロン、サトノソルタスと続く。サートゥルナーリアは5番手に控えた。一気にペースが上がった直線の攻防。サートゥルナーリアは馬なりで前を行く馬たちをとらえると、アッという間に差を広げていく。

 1000メートル通過が63秒6というスローペースになって、58キロの負担重量が気になるところだったが、全くの杞憂だった。スローペースでスピード指数は低調だったが、上がり指数は、好調さと能力の高さを示すにふさわしい高いレベルだ。古馬戦線の主役を印象付けるレースになった。

 3着までに桜花賞の優先出走権が与えられるフィリーズレビューは、5番人気のエーポスに凱歌があがった。直線、先行馬たちが抜け出しを図るところ、中団の内から狭いスペースをさばいて、鮮やかな差し切り勝ちを決めた。桜花賞トライアルといっても、3勝馬が1頭、2勝馬が5頭、後は1勝馬たちというレースで、多少レベルが低く、1勝馬でも勝負になったというべきか。

 5番手で先行した2番人気のヤマカツマーメイドが1馬身4分の1の差で2着。12番人気ナイントゥファイブが2番手先行から逃げ粘る1番人気のカリオストロを競り落として3着に上がった。

 ファルコンSは牡馬相手に6番人気だった牝馬のシャインガーネットが快勝。4角5番手から馬場のど真ん中を突き抜けた。2着は1番人気のラウダシオン。3着は8番人気ウェスターヴァルト。

 中山牝馬Sはハンデ戦で波乱の多いレース。今年、勝利をつかんかだのは3番人気の4歳馬フェアリーポルカだったが、2番手で先行していた14番人気のリュヌルージュが2着に残って波乱を演出。1番人気のエスポワールは3着まで。3連単は35万円を超す高配当になった。

 コロナ感染を防ぐため、この春、予定されていたいくつもの行事が中止になった。夢を描いていた人たちにとっては、とても残念にことだろう。しかし、それまでの努力の積み重ねは決して無駄にはならない。がんばれ。明日は必ず来る。

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第1569回 3勝馬に注目

2020年3月12日更新
 フィリーズレビューは桜花賞のトライアル戦。3着馬までに桜花賞の優先出走権が与えられる。
 過去10年、1番人馬は(2305)と、3歳の重賞戦としてはやや物足りない勝率と連対率だ。指数上も、3歳の重賞なら前走指数の上位馬が中心になるはずだが、前走指数上位馬は3勝6連対とイマイチ。代わって浮上するのが、5勝7連対の平均指数上位馬たちだが、ランク外の馬の活躍も目立ち、スローペースで差し脚上位の馬には注意がいる。いずれも安定感を欠く牝馬ならではの特徴だろう。
(フィリーズレビュー)
       1着    2着    3着
10年    -     DZb   AXc
11年    -     B a   -
12年    AZb   DXa   -
13年     Ya    Zc   -
14年     Z    -     -
15年    -     -     AXc
16年     Yd   A a   B b
17年    C c   AXa   B d
18年      c   -     -
19年    -、BY(1着同着)    d
(スローペース調整は-20/-10)
 今年は、ケープコッド、カリオストロ、ヤマカツマーメイド、エーポス、ソーユーフォリア、アヌラーダプラなどが指数の上位馬たちだ。

 阪神の内回りコースの芝1400メートルなら、外回りコースと比べて極端なスローペースはない。ここは中団から差し脚を使える馬たちに流れが向くだろう。

 中心はケープコッド。ここまで(3101)と、3勝を上げており、3勝馬はケープコッドだけだ。前走クリスマスローズSは1番人気の支持に応え、中団から差し切り勝ち。2着馬とはわずかにハナ差だったが、馬群を割って伸びた差し脚は評価すべきだろう。

 他では、1400メートルの差し脚が鋭いアヌラーダプラ、カリオストロ、ソーユーフォリア、ヴァラークラウンなどに注目。

 2017年から春の開催になった金鯱賞は、G1大阪杯を目指す馬たちの戦い。2017以降、1番人気馬は(2010)と、安定した成績を示している。  今年の指数の上位馬は、サートゥルナーリア、サトノガーネット、ギベオン、ダイワキャグニー、ラストドラフトなど。

 中心は4歳馬サートゥルナーリアだろう。2歳時にホープフルSを勝ち、皐月賞も制したが、ダービーは1番人気に支持されたものの4着。秋初戦の神戸新聞杯を順当に勝利して、古馬との初対戦となった天皇賞は6着。続く有馬記念は女王リスグラシューに次ぐ2着だった。デビューから一貫して、高いレベルで安定したレースを続けており、その内容は、底力と能力の高さを十分に感じさせるものだ。もちろん今年の出走予定馬の中で、実績は抜けた存在だ。

 2000メートルの距離は(2001)。2勝はG1戦で、負けたのは秋の天皇賞6着のものであり、距離に問題はない。力のいる馬場だった有馬記念での2着から考えて、力のいる馬場も苦にしないはずだ。課題があるとしたら58キロの負担重量だけだが、ここは難なくこなしてもらいたい。

 相手はダイワキャグニー、ギベオン、ラストドラフト、ロードマイウェイなどを上位に取りたい。
(金鯱賞)  1着    2着    3着
17年    A     -     -
18年     Yc   D     AXa
19年    -     -     C
 中山牝馬Sはハンデ戦。1番人気馬は(1216)と苦戦を強いられている。牝馬戦だけに若さがものをいうようで7歳以上の馬たちの勝利はない。

 今年の指数上位馬は、ロフティフレーズ、コントラチェック、カリビアンゴールド、エスポワール、デンコウアンジュ、レッドランディーニ、ウラヌスチャーム、メイショウグロッケ、ウインシャトレーヌなど。

 ここは前走ターコイズSでの1、2着馬、コントラチェックとエスポワールが人気になりそうだ。前走、ターコイズSのコントラチェックは、スタートのスビートを生かしてハナに立つと、直線も差を保ったまま危なげなく逃げ切った。エスポワールは6番手で先行、早めに動いて4コーナー2番手から勝ち馬を追ったが、差を詰めることはできず2着だった。

 コントラチェックはここまでの4勝すべてが54キロの重量で逃げ切り勝ち。逃げればしぶといが、ここはトップハンデのデンコウアンジュと1キロ差の55キロのハンデだけに、楽ではないのかもしれない。

 牝馬のハンデ戦は人気馬が苦戦する傾向にあり、波乱になりがち。人気になるであろう4歳馬2騎から入るより、穴っぽい馬を探すのが良いかもしれない。  その点から注目したいのが、先行して差し脚を使えるカリビアンゴールド。パワーのいる馬場も苦にしない。今の中山の馬場も合うだろう。

 他に、ロフティフレーズ、メイショウグロッケ、ウラヌスチャームなども波乱を演出する連軸候補になる馬たちだ。
(中山牝馬S)
       1着    2着    3着
10年     Yb   -     -
11年(阪神)  b   -     -
12年    -     -     B
13年     Z     Y    c
14年    A b     d   -
15年     Z    A a   B
16年    D b   -     -
17年    B     AZc   D
18年     Y    -     BZ
19年    CXa   -     -
 3歳重賞のファルコンS。
 今年は、ラウダシオン、ヴェスターヴァルト、シャインガーネット、デンタルバルーンなどが前走指数の上位馬で、ゼンノジャスタ、テーオーマルクス、ペコリーノロマーノなどは過去の指数の上位馬にあたる。

 注目は、前走でクロッカス賞を逃げ切って勝ったラウダシオン。前走はスローペースで逃げ、直線は後続を突き放す強いレースだった。ここまで(3011)と3勝を上げており、指数のレベルも上々だ。1400メートルのオープン戦も好指数で2勝を上げているように、距離適性も高い。瞬発力も鋭く、逃げなくともレースはできるはず。

 クロッカス賞3着のゼンノジャスタが逆転候補。長く使える差し脚はここでも上位だ。
(ファルコンS)
       1着    2着    3着
12年      d    Xa   D
13年    -       b    Xb
14年    BXa   C a    Z
15年    -       d   -
16年    AXa   -      Yb
17年    -      Zb   A
18年   -     -       b
19年    BXc   -     -
(スローペース調整-20/-10)

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第1568回 将来性は

2020年3月10日更新
202003080611
202003070911
202003070611

 今年は重馬場の弥生賞になった。
 ウインカーネリアンが先手を取って平均ペースの逃げ。1番人気のワーケアは中団6番手から。2番人気のサトノフラッグは8番手、ワーケアを見る位置から流れに乗った。

 3コーナー手前、中団後方にいたサトノフラッグが動き出し、ワーケアを交わして4コーナーでは大外2番手にまで進出。直線、その勢いのまま先頭に立つと、後続馬たちを引き離して快勝した。

 ワーケアは直線、少し遅れてサトノフラッグを追う形になったが、脚色は同じになって、最後まで差は詰められず、1馬身4分の3の差の2着だった。3着は5番手で先行したオーソリティ。2、1、3番人気の入線で3連単は1510円という堅い結果になった。

 サトノフラッグの手綱を取った武豊騎手は「3角で馬が自分から上がっていった」とコメントしていたが、コメント通り、無理のないスムーズな仕掛けだった。サトノフラッグの良いところが目に付いたレースで、良馬場ならもっと切れる脚が使えそうだし、距離が伸びてもこなせるだろう。指数は同世代のトップ、コントレイルやサリオスと比べると高くはないものの、着実な成長過程を歩んでおり、将来性を十分に感じさせる好レースだったのではないか。

 3歳牝馬のチューリップ賞は、最優秀2歳牝馬の称号を手にする断然の人気馬レシステンシアが3着に沈んでしまった。勝ったのはマルターズディオサ、2着はクラヴァシュドール。前走、阪神JFの2、3、1着馬が上位を独占する結果だった。

 レシステンシアは好スタートから先頭に立ち、ペースを落として逃げた。しかし、直線は外からマルターズディオサに、内からはクラヴァシュドールに激しく迫られ、最後は脚が上がって、追い負けの結果だった。休養明けだったとはいえ、スローペースに落としても差し脚の鋭さには結びつかなかったわけで、今のところ差し脚比べでは分が悪い印象。後続馬に脚を使わせるようなペースで逃げたほうが良かったのかもしれない。

 オーシャンSは1番人気のダノンスマッシュが快勝を決めた。スタートで遅れたが、すぐに先行集団の後ろに取り付き、直線、先に抜け出していたナックビーナスとの追い比べを制して、堂々の勝利だった。出負けしたことを除けば、ほぼ完璧なレース内容で、指数の高さも自己ベストだ。また、過去1年間、芝1200メートル戦のベスト2に当たる高指数でもあり、高松宮記念の主役の座を自らつかむ勝利だった。

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2020年3月 5日 (木)

第1567回 いざクラシック戦線へ

 弥生賞は上位3着までに皐月賞の優先出走権が与えられる。2020年のクラシックを目指す戦いもいよいよ本格化していく。
 過去10年、弥生賞の連対馬は、過去の指数が高いXYZ馬や、前走指数の高いABCD馬などが中心になっている。ただし、スローペースで指数が低いものの、鋭い差し脚を使って勝ってきた馬たちも健闘しており、差し脚上位馬には要注意だ。
 1番人気は(5104)。

(弥生賞)  1着    2着    3着    
10年    B     AXb   C a
11年    CZb   CXc   A d
12年    -     DXd   A a
13年     Zc    Y    AXb
14年    C      Z    A a
15年    -     -       c
16年    -     A     CY
17年    -      Z    B c
18年    AXb   CZc   DYd
19年    -     -     D
(スローペース調整は-20/-10)

 今年は、パンサラッサ、サトノフラッグ、ワーケア、オーソリティ、ブラックホール、エンデュミオンなどが指数の上位馬たちだ。

 例年、スローペースが基本で、長く使える差し脚は必須条件になるが、今年もその傾向が続きそうだ。

 スローペースの差し脚上位は、ワーケア、オーソリティ、メイショウボサツ、ウインカーネリアン、サトノフラッグなど。なかでも前走、ホープフルSで3着に好走、前走指数も上位にランクされるワーケアの差し脚が最上位にある。

 ワーケアはルメール騎手を背にここまで3戦2勝、3着1回。前走のG1ホープフルSはスタートしてすぐ他馬に挟まれる不利があり、後方からのレースになった。直線は必死に追ったが、結果、勝ち馬コントレイルには3馬身半届かず3着だった。ただ上りの脚は勝ち馬に次ぐ35秒9の速さで見どころは十分。もともとは先行馬であり、アクシデントがなかったら2着はあったと思わせる内容だった。スローペース必至のここでも先行できれば、着実な差し脚に期待できるはずだ。

 差し脚上位ワーケアの逆転候補は、ワーケアより前でレースができる馬たちだ。その筆頭は目下連勝中のサトノフラッグだろう。デビューから2000メートル戦を使って3戦2勝。重賞は初挑戦になるが、指数は上位にランクされ、勝ち負けになるレベル。先行してしっかりとした差し脚を使えるのが強みだ。

 他では逃げるパンサラッサにも注目したい。ホープフルSは逃げて6着、前走も若駒Sを逃げて4着。勝ててはいないが、指数のレベルは高い。控えて差し脚が使えるわけではないから、ここも迷いなく逃げの一手。ペース次第では逃げ込みもあるのではないか。

 チューリップ賞は桜花賞のトライアル戦。1番人気は(5212)。指数上は前走指数や過去の指数で上位の馬たちが活躍している。

 今年は、レシステンシア、スマイルカナ、マルターズディオサ、クラヴァシュドールなが指数の上位馬だ。

 チューリップ賞は2歳G1阪神JFと同コース、同距離のレースで、阪神JFの上位馬たちが活躍する傾向が強い。

 今年は阪神JFを勝って3戦3勝、最優秀2歳牝馬に選出されたレシステンシアが不動の中心になるだろう。阪神JFは前半600メートルを33秒7のハイペースで逃げたにもかかわらず、直線では後続馬をグングン引き離す一方だった。上りは最速の35秒2、2着馬に5馬身の差をつけて完勝している。過去20年、歴代の阪神JFの勝ち馬と比べても、06年のウオッカに次ぐ高指数で、今後、語り継がれる名牝にもなる可能性を秘めている。

 他に逃げたいスマイルカナもいるが、ハナのスピードはレシステンシアが速いはず。スピードの違いで逃げてもいいし、仮に2、3番手に控えたとしても、差し脚の鋭さも最上位にあり、全く問題はないはず。展開に左右される馬ではない。

(チューリップ賞)
       1着    2着    3着
10年    -     B     -
11年     Xa    Zd   C
12年    -     CXc   A
13年    B     -      Yd
14年    BX    -     D
15年    DYc   A a   AXd
16年    B     D c   -
17年    A a   -     BXc
18年    AY    CXa   B
19年    AXa    Zc   DX
(スローペース調整は-20/-10)

 芝1200メートルのオーシャンSは、前走指数上位馬が連軸の中心。高松宮記念のトライアルになった14年以降、1番人気は(2112)。それ以前と比べると連対率は上がってきた。

 今年はダノンスマッシュ、タワーオブロンドン、ダイメイプリンセス、キングハート、ティーハーフ、ナックビーナスなどが指数の上位馬だ。

 安定した指数の高さ、重賞実績からタワーオブロンドン、ダノンスマッシュの2頭が中心になりそうだ。

 タワーオブロンドンは近走、セントウルS、スプリンターズSを連勝中。重賞は(5122)と、ここまで5勝しており、なかでも1200メートル戦は(2110)と3着以下がない。課題は58キロの負担重量だろう。これまで58キロで、洋芝の函館、札幌の1200メートルを2戦しているが、結果は3、2着だった。切れる差し脚が特徴の馬だけに、58キロでは持ち味を十分には生かしきれないかもしれない。

 片やダノンスマッシュはここまで重賞は(3116)。G1勝ちのあるタワーオブロンドンと比べると実績では少し見劣るが、スプリンターズSではともに57キロでタワーオブロンドンと半馬身程度の3着に好走しており、スピード指数のレベルに差はない。56キロの負担重量なら逆転もあるのではないか。

 他では差し脚のあるナックビーナス、キングハート、ダイメイプリンセス、ハウメア、ティーハーフなどが上位の一角を狙う。

(オーシャンS)
       1着    2着    3着
10年    BZc   -      Y  
11年    -     CXb   AYa
12年    C     -     -
13年    AYb   BXa   -
14年    D     -      Z
15年    A      Y      a
16年    -      X    AZa
17年    C     -      Y
18年     Yb   B     -
19年    B d   AXa     b
(海外、公営のレースは減戦して集計)

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2020年3月 3日 (火)

第1566回 スタミナよりスピード

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202003010911
 無観客の競馬とはいっても、グリーンチャンネルの映像はいつも通りの見慣れたもの。パドックから馬場入場、ファンファーレもレース実況も、いつもと同じ。ただ、同じ映像なのに画面からはエネルギーが伝わってこなかったし、臨場感もなかった。実況のアナウンサーが叫べば叫ぶほど、その声は空に吸い込まれていくだけで、余計に寂しく聞こえてしまう。競馬は実況の声が聞こえないほど、地鳴りのように湧き上がる観客の声援と熱気があってこそだ。競馬では、観客は単なるお客ではない。競馬を構成する重要な一員なのだ。

 中山記念は1番人気のダノンキングリーが3番手から差し切り勝ちを決めた。
 注文通りにマルターズアポジーが逃げ、ソウルスターリングが2番手。2頭が後続を引き離して先行したが、ペースは比較的スローだった。向こう正面で離れた3番手につけたのがダノンキングリーだ。

 直線に向くとマルターズアポジーの脚が止まってソウルスターリングが前に出たところ、3番手から一気に差を詰めてきたダノンキングリーが楽に2頭をとらえて先頭を奪う。4番手から追ったラッキーライラックが迫ってきたが、すでに勝負はついた後。ダノンキングリーが2馬身近くの差をつけて余力十分の勝利を収めた。2着は2番人気のラッキーライラック、3着は先行した6番人気ソウルスターリングが粘り込んだ。

 3番人気のウインブライトは好位置を占めたものの、行きっぷりが悪く後方に下がってしまって、直線も全く反応せず。7着に敗れた。

 この時期の中山の芝コースは力がいると思って、私はスタミナのあるウインブライトに期待したが、先週の中山の芝は素軽いスピードが問われる馬場状態だった。阪神も中京も同様に力のいる馬場にはなっておらず、芝コースはしばらくスタミナよりスピードが生きると考えた方が良いかもしれない。

 フルゲートで混戦気味の阪急杯は、6番人気のベストアクターが、中団から馬群をさばいて差し切り勝ちを決めた。直線、先に先頭に躍り出たのは1番人気のダイアトニックだったが、坂下からの差し脚の伸びはベストアクター1頭だけ違っており、ゴール前できっちりととらえきった。

 ダイアトニックは直線で3着入線の2番人気フィアーノロマーノの進路を妨害したとして審議になり、結果3着に降着。フィアーノロマーノが2着に浮上した。

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