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2020年5月28日 (木)

第1590回 コントレイルが中心

 今週、いよいよ日本ダービーを迎える。たとえ無観客であっても、競馬最大の祭典を楽しみたい。
 2001年以降、過去19年間で指数ランク馬が16勝をあげており、スピード指数の上位馬、とりわけ前走指数の上位馬たちが強いレースだ。
 昨年は12番人気の馬が勝ったが、過去19年間で、10番人気以降の馬が勝ったのはその1度だけだ。1番人気馬は10勝、2、3番人気馬があわせて6勝と、上位人気馬で16勝しており、指数上位の人気上位馬が中心のレースだろう。

(ダービー) 1着    2着    3着
01年    BYb   A d   -
02年     Xa   -     -
03年    A     D     -
04年    BZb   -     D
05年    A a   C b   B
06年    A      X    B a
07年    DXc    Z    DZb
08年    AXa   -     BYb
09年     X    -      Z
10年    C     C     B a
11年    AYa   -       d
12年    DYc   -      B
13年     X    B a   -
14年    CZa   A a   -
15年    AZb     d   DXd
16年    BYa   C d   A c
17年    -       a   DY
18年    -     CY    C
19年    -     A c   AZa
(スローペース調整-15/-5)

 今年は、コントレイル、サリオス、ガロアクリーク、ウインカーネリアン、ディープボンド、ヴァルコスなどが指数の上位馬たちだ。

 過去19年間、前走で皐月賞を使った馬たちが13勝、2着10回。他ではNHKマイルC組が3勝、2着1回。京都新聞杯組が2勝、2着3回で、桜花賞組が1勝をあげてきた。勝ち馬はないものの青葉賞組が2着5回と健闘している。連対馬に限れば、それがすべてで、その他路線組は苦しい。

 当然、中心勢力は皐月賞組だ。

 今年の皐月賞はコントレイルが4戦4勝、無敗で皐月賞馬に輝いた。戦前はコントレイル、サリオス、サトノフラッグの3強といわれたが、終わってみればコントレイル1強の結果だった。

 コントレイルは行き脚がつかず後方からのレースになったが、3コーナー手前から動いて4コーナーでは大外の7番手に進出。直線に向くとサトノフラッグの外に合わせ、難なく交わすと、馬群から抜け出してきたサリオスとの差し脚比べになった。2頭が後続を引き離していく。坂を上がるとコントレイルが加速、サリオスを置き去りにして、半馬身差で栄光のゴールを駆け抜けた。3着にはガロアクリークが上がってきたが、2着のサリオスとは3馬身半の大きな差がついていた。

 コントレイルの指数は世代トップの高指数だった。2着のサリオスとの指数差は1しかないものの、まだ余力があり、さらに伸びるように見えた。距離が伸びても十分に力を発揮できるだろうと想像させる。コントレイルに比べると、サリオスの脚色は一杯一杯にみえ、指数差以上に差を感じさせた。距離が伸びると、苦しいかもしれない。

 皐月賞を見る限り、すでに決着はついたと思える。そこにはコントレイルの能力を上回る馬はいなかったし、他路線組にもいないだろう。2020年の3歳世代はコントレイルの時代だ。

 相手の中心はサリオスだろう。距離に課題があるかもしれないが、中団からの差し脚はまずまずで、皐月賞での直線の再現で巻き返しを狙う。皐月賞は5着だったがサトノフラッグの底力は軽視できない。8番人気ながら3着に上がってきたガロアクリーク、4着のウインカーネリアン、9着のブラックホールなど、連下の相手には皐月賞組を上位に評価したい。

 他路線組では京都新聞杯を勝ったディープボンド、青葉賞2着のヴァルコスなども上位に食い込む力はありそうだ。

 ハンデ戦の目黒記念の1番人気は、過去10年で1勝、2着3回、3着2回。トップハンデ馬も1勝のみで、ともに苦戦続きだ。指数上は、過去10年のうち7年で連対する平均指数上位馬が有力だが、ハンデ戦らしく、ランク外の馬も活躍が目立つ。

 今年は、ゴールドギア、ボスジラ、バラックパリンカ、ノーブルマーズ、タイセイトレイル、サトノクロニクル、ミライヘノツバサ、ステイフーリッシュ、ニシノデイジーなどが指数の上位馬たちだ。

 トップハンデは57.5キロのステイフーリッシュだが、トップハンデ馬苦戦の傾向から、軸馬には取りにくい。

 スローペース気味の差し脚比べになりそうで、長く使える差し脚で上位の、ゴールドギア、キングオブコージ、バラックパリンカ、オセアグレイト、タイセイトレイルなどに流れが向くだろう。

 なかでも目下3連勝中の4歳馬キングオブコージに注目したい。3連勝中といっても前走3勝クラスを勝ち上がったばかりの格下馬だが、3連勝の中身は評価に値する。昨年は1800メートルまでの距離の芝戦で(1204)の成績だったが、年が明けた今年は、2000、2500、2200メートルに距離を伸ばして、確変を思わせるような3連勝。横山典騎手の手腕もあって、ともに先行して、直線で楽に差し切る安定した内容のレースだった。指数上はランク外だが、期待をこめて中心に推したい。

 他では、前述した差し脚上位馬ゴールドギア、バラックパリンカ、オセアグレイト、タイセイトレイルなどの決め手に注目したい。

(目黒記念) 1着    2着    3着
10年    C     -     A
11年    -     B c   C
12年     Yd   C      C d
13年    -      Yc   -
14年    AZa   CYb   -
15年     Y    -     D d
16年    -     -      Xa
17年    -       b   -
18年    C d   -     -
19年    CYa   -     A

 葵Sは、2018年から重賞に格上げされた3歳芝1200メートル戦。 

 指数上位は、トロワマルス、グリンデルヴァルト、ビップウインク、ケープコッド、ゼンノジャスタ、ビアンフェ、ワンスカイなど。

 先行馬に力のある馬たちがそろっており、中心は先行馬から取りたい。期待は、前走、不良馬場の1200メートルを逃げ切ったトロワマルス。ハイペースで逃げても持ちこたえるスタミナは十分で、力で押し切れれば勝機だ。ただ、素軽いスピードには欠けるかもしれず、ゼンノジャスタ、ワンスカイ、ケープコッド、ビップウインクなどに差し切られる場面もあるかもしれない。

(葵S)   1着    2着    3着
18年    -     -     BZ
19年    DX    -     A a
(スローペース調整-20/-10)

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2020年5月26日 (火)

第1589回 運もあったデアリングタクト

202005240511
202005230811
 まずまずのスタートに見えたデアリングタクトだったが、内枠があだになったのか、前が詰まったり、外からかぶされたりで、思い通りの位置が取れず、4コーナーでは後方から4、5番手あたりにまで下がっていた。

 直線でも不利の連続だった。外に持ち出そうとするもスペースがなく、やむなく内へと進路を変えたが、前が詰まってスピードを落とす。やっと狭いスペースができたのが直線の半ば過ぎで、すでにほかに選択肢はなく、そこに突っ込むしかなかった。ただ、抜け出してからのスビートが他の馬たちとは次元が違った。

 直線半ば、もたつくデアリングタクトを尻目に、2番手で追走していたウインマリリンが最内から、4コーナーで4番手に進出した。ウインマイティはその外から、早々と先頭に立って2頭がしのぎを削る戦いに見えた。しかし、馬群を抜けだしたデアリングタクトが一気に2頭に迫り、並ぶ間もなく交わし去っていった。

 デアリングタクトは4戦4勝で、歴史に名を遺す無敗のオークス馬になった。半馬身差の2着に7番人気のウインマリリン、クビ差の3着は13番人気のウインマイティが入って、3連単は4万2410円と、圧倒的人気だったデアリングタクトが勝ったにもかかわらず、思いのほか好配当になった。

 2、3着のウインマリリン、ウインマイティがそうであったように、スローペースで先行馬が有利な流れだった。そのペースなら、デアリングタクトの位置取りは後ろすぎたのではないか。さらに直線でも不利の連続では、苦しい戦いになるのが普通だろう。

 しかし素軽いスピード比べでは負けないのがデアリングタクトだ。デアリングタクトの上りタイムは最速の33秒1。直線もたついたことを考えれば32秒台の上りタイムも示せたかもしれない。ただ、その上りタイムはデアリングタクトにとっても限界値に近く、それ以上で走り抜かなければならないペースでは苦しかっただろう。

 勝敗は紙一重だったはずで、幸いというか、長い直線の東京だったから、ギリギリ間に合ったと思えてならない。デアリングタクトの手綱を取った松山騎手は「馬に助けてもらいました」とコメントしていたが、デアリングタクトも松山騎手も「運」を持ち合わせていたのだろう。

 ただ、レースの指数は1勝クラスのレベルでしかなく、低調そのものだ。デアリングタクトの勝利ばかりが話題になるが、今年の3歳牝馬世代はそれほど強くはないかもしれない。

 平安Sは3番人気のオメガパフュームが直線、外から差し脚を伸ばして快勝した。59キロの負担重量は楽ではなかったはずだが、さすが、ダートG1を3勝している底力を見せたレースだった。

 緊急事態宣言が解除されて、いろんなものが少しずつ動き出していく。あせらず、急がず、いくしかない。

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2020年5月21日 (木)

第1588回 2冠を目指すデアリングタクト

 今週は3歳牝馬クラシック第2弾オークスが注目のレースだ。
 1番人気馬は過去10年で、(5212)と、連対率は70パーセント。比較的安定した成績を残している。なかでも前走、桜花賞組が7勝をあげて中心を担う。他路線組では忘れな草賞の勝ち馬が3勝しているのが目を引く。2着馬ならフローラS組が5連対、スイートピーS勝ち馬が1連対している。
 指数上は前走指数上位馬が中心。なかでも前走指数の高い馬A、B馬が最有力だが、平均指数の上位馬や過去の指数上位馬も差なく好走している。

(オークス) 1着    2着    3着
10年   (AZa)(c)1着同着  Z
11年    -     D     B d
12年    AYa   B b   -
13年    -     -     -
14年      c   DY    AX
15年    BX    -     C
16年    AXa   B b   -
17年    BZa   -      Xb
18年    A a   C c   BZb
19年    -     -     A a
(スローペース調整-20/-10)
 今年の指数上位馬は、デアリングタクト、スマイルカナ、ウインマリリン、ホウオウピースフル、サンクテュエール、ミヤマザクラ、マジックキャッスル、アブレイズなど。

 昨年は桜花賞馬が不在で、忘れな草賞の勝ち馬が1着、スイートピーSの勝ち馬が2着になって、桜花賞組は上位に食い込めなかったが、オークスでの勝率、連対率で他路線組を圧倒する桜花賞出走馬たちを中心に取るのが常道だろう。

 雨で重馬場となった今年の桜花賞を制したのはデアリングタクトだった。
 桜花賞は内枠からスマイルカナが逃げ、外枠から2番手にレシステンシアがつけた。デアリングタクトは後方待機策。後続を引き離してレシステンシアとスマイルカナが並んで直線を行く。直線半ば、レシステンシアが先頭に立って押し切るかに見えたが、後方から大外一気に駆け上がってきたのがデアリングタクトだった。鋭い差し脚でレシステンシアをとらえ、ゴールでは1馬身半の差をつける完勝劇だった。もちろん上りタイムは最速。スピード指数も世代牝馬のトップに立つ高指数で、デアリングタクトの力強さが光ったレースだった。

 デアリングタクトはここまで3戦3勝。東京コースも、2400メートルも初体験になるが、重馬場の桜花賞の勝ち方を見る限り、距離が伸びても問題はないように思える。桜花賞は重馬場で上りは36秒6、2走前の良馬場のエルフィンSも34秒0の最速の上りで勝っており、新馬戦から3戦連続、最速の上りだった。
 安定した差し脚は信頼がおける。重馬場の適性は桜花賞で示した通りたが、良馬場の素軽いスピード比べでもパフォーマンスは落ちないだろう。

 今年のオークスにはデアリングタクトの他、桜花賞組は3着のスマイルカナ、4着のクラヴァシュドール、5着のミヤマザクラ、6着のサンクテュエールなどが出走してきたが、3着馬に3馬身以上の差をつけたデアリングタクトのパフォーマンスを見る限り、他の馬たちの逆転はむつかしそうに思える。もし、デアリングタクトが苦戦する場面があるとしたら、スローペースを後方から追って届かず、先行馬たちの前残りのケースだろう。

 デアリングタクトの相手の筆頭には、サンクテュエールを取りたい。桜花賞は重馬場がこたえたのか、中団のまま終わってしまったが、先行力もあり、良馬場なら巻き返しもあるだろう。桜花賞を逃げ粘ったスマイルカナも要注意。ここも楽に逃げられそうで、逃げれば想像以上にしぶとさを発揮する。

他路線組からは、忘れな草賞を勝ったウインマイティー、スローペースに強そうなスイートピーSの勝ち馬で2戦2勝のデゼル、フローラSを制したウインマリリン、フラワーCを勝って2戦2勝のアブレイズなどが注目されそうだ。

 平安Sは5月の開催になって今年で8年目。
 ダートの重賞だけに、前走指数上位馬が連軸の中心だ。
 今年の指数上位は、ゴールドドリーム、オメガパフューム、スワーヴアラミス、ダンツゴウユウ、ヴェンジェンス、スマハマなど。  なかでもオメガパフュームやゴールドドリーム、ヴェンジェンスなどの指数が高い。

 連軸の中心馬には、前走、大井の東京大賞典連覇を果たしたオメガパフュームを取りたい。5か月の休み明けで、59キロの負担重量は厳しいが、ダートの重賞実績ではオメガパフュームが最上位。昨年は、フェブラリーS10着、平安S3着の後、大井の帝王賞1着、JBCクラシック2着、チャンピオンズC6着、東京大賞典1着と、ダートの一線級のメンバーとしのぎを削って好成績を残してきた。ダート1900メートル以上の距離では(4310)と、すべて複勝圏内に好走しており、その堅実さを評価したい。ただ、なぜか中央のダート重賞は、18年9月のシリウスSを勝って以降、勝利がないのはどうしたことだろう。

 気になるのがロードレガリス。公営からの再転入馬で、公営時代から目下6連勝中。中央でも4連勝中だ。ここは重賞初挑戦になるが、前走、アルデバランSで2着に下したスワーヴアラミスが次走でマーチSを勝ったことからすれば、重賞でも力は足りるはず。

 先行できてスタミナもあるスワーヴアラミスとダンツゴウユウには要注意だ。

(平安S)  1着    2着    3着
13年    AXa   B      Yc
14年    -       c   B
15年    -     BZc    Xa
16年    AYc     d   B b
17年    B     D d   -
18年    -     -       d
19年    A a   -       c
(海外、公営のレースは減戦して集計)

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2020年5月19日 (火)

第1587回 感服

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202005160511
 単勝1.4倍。圧倒的人気を集めたアーモンドアイが、力の違いをまざまざと見せつけた今年のG1ヴィクトリアマイルだった。

 アーモンドアイは好スタートから楽に先行して、3コーナー過ぎには4番手につけた。直線、逃げるトロワゼトワル、2番手にコントラチェック、3番手にサウンドキアラが続く。アーモンドアイはサウンドキアラのすぐ後ろで、機をうかがう。直線半ば、待ちきれないとばかりにアーモンドアイが動いた。脚色の違いは明らかで、並ぶ間もなくコントラチェックとサウンドキアラを抜き去ると、逃げ粘っていたトロワゼトワルも楽々退けた。もがく後続馬を尻目に、みるみる差が開いていく。ルメール騎手は手綱を持ったまま、ゴールでは4馬身もの差になっていた。

 アーモンドアイの強さを、現場の大歓声の中、わが目で、生で確認したかったと思ったファンも多かったのではないか。観客がいないのは残念だったが、誰をも感服させ、まさに、これがアーモンドアイだという強い意思をも感じさせる勝利だった。サウンドキアラのすぐ後ろのベストポジションにつけた時点で、勝利を確信したはず。あとはいつ抜け出すかだけだっただろう。

 これで芝G1タイトルはトップタイの7勝目となって、伝説の名馬たちの仲間入りを果たした。今後も現役が続くわけで、日本競馬史上最多のG1ホルダーの位置に立つのは、ほぼ間違いないように思える。

 2着はサウンドキアラ、3着に中団から追ったノームコアが入った。重賞3連勝中だったサウンドキアラはその実績通り、好調さを示す好走だった。

 京王杯スプリングCは、これまで逃げたことかないダノンスマッシュが、大外枠からハナに立つと、そのまま逃げることになった。当初、逃げる作戦はなかったというが、内の馬たちが控えるのを見て、すかさずそんな作戦が取れるのは、レーン騎手のセンスの良さだろう。

 結局、ペースもスローに落ち着かせてダノンスマッシュが逃げ切り勝ち。2着は4番手先行のステルヴィオ。3着は2番手先行のグルーヴィット。いずれもダノンスマッシュを追って先行していた馬たちだ。ダノンスマッシュの上りタイムは33秒1という切れで、逃げ馬にその上りで走られては後続馬にチャンスはなかった。

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2020年5月14日 (木)

第1586回 アーモンドアイの取捨

 今週のメインは牝馬限定のG1ヴィクトリアマイル。
 過去10年、1番人気は(2305)の成績だが、その2勝は名牝として名高いブエナビスタ、ヴィルシーナのもの。圧倒的な能力上位でない限り、1番人気は疑ってかかった方がいいだろう。また1番人気が勝てなかった年の勝ち馬は、2、4、11、5、7、6、8、5番人気の馬たちで、2、3番人気馬もあてにならない。
 世代的には過去10年で6勝している4歳馬が中心。4歳馬が連対できなかったのは2015年の1度だけで、4歳馬が連軸向きといえそうだ。
 指数上は、前哨戦などにスローペースが多いこともあり、ランク外の馬たちが上位に浮上しており、指数上位馬が圧倒する状況ではない。

(ヴィクトリアマイル)
       1着    2着    3着
10年     Xb   -     C c
11年    BYc   DXa   -
12年    A     -       Zc
13年    -     -     A d
14年      d    d     Xb
15年    -     A     -
16年     Y    DZb   BYa
17年    -     -     -
18年    -      Xa   -
19年    B c   A a   -
(スローペース調整値-10/0)

 今年は、アーモンドアイ、プリモシーン、サウンドキアラ、スカーレットカラー、ノームコア、ラヴズオンリーユーなどが指数の上位馬たちだ。

 なんといっても注目はアーモンドアイだ。牝馬3冠達成の後、ジャパンC、ドバイターフ、天皇賞(秋)も制して、G1で6勝をあげ、その実績は牡馬を含めても断然の輝きを放っている。アーモンドアイの実績と指数は、ここでは抜きんでており、不動の中心馬になるだろう。

 ただ、前走の有馬記念は厳しいペースに直線失速、9着に負けた。また今年の春は連覇を目指してドバイに遠征したが、コロナ対策でレースが中止になった。有馬記念から5か月余、ここが復帰戦になるが、順調さを欠いた臨戦態勢になったのは少し気がかりだ。

 アーモンドアイが新馬戦以外で負けたのは、昨年の安田記念と、有馬記念だけ。安田記念はスタートしてすぐ、外からかぶされて大きな不利をうけたのが大きく、後方から最速の32秒4という驚異的な上りの脚を使ったが、3着に上がるのが精いっぱいだった。有馬記念は2500の距離が長かったこと、力のいる中山の馬場に加え、ハイペース気味の流れで折り合いを欠いては、さすがのアーモンドアイでも苦しかったようだ。

 ジャパンCでのレコード勝ち、安田記念で驚異の32秒台の上りの脚を見る限り、高速馬場は得意のはずで、とりわけ東京コースは5戦4勝と、最も合うコースだろう。

 すでに名牝の座にあるアーモンドアイだけに、牝馬相手なら死角はないように思える。

 それでも気になることがある。3歳時の牝馬限定戦は別にすると、アーモンドアイの指数の高さ、差し脚の鋭さは、牡馬の一線級を相手に、G1特有の厳しいペースでもたらされたものだ。牝馬は斤量も楽だし、アーモンドアイなら中団から鮮やかに差し切ることもできた。絶対的スピードが求められる高速馬場での鋭い差し脚こそがアーモンドアイの最大の武器だろう。ただし、ここは牝馬限定で、牡馬並みのペースはあり得ない。緩いペースになれば、先行馬に向く流れで、直線の叩きあいになるのが自然の理だ。当然、厳しいペースで作られた指数の高さは求められない。必要なのは先行力と、スローペースに対応できる差し脚だろう。牝馬限定戦だからこそ、アーモンドアイにも死角が生まれるのではないか。そう考えれば実績の差ほどの大きな差はないはずで、荒れる牝馬戦になるかもしれない。

 なんだかんだといっても、アーモンドアイがあっさり勝ってしまうかもしれないが、それを承知で、アーモンドアイに対抗できる有力馬候補として、サウンドキアラを取り上げたい。

 サウンドキアラはアーモンドアイと同世代の5歳馬。昨年までは目立たない存在だったが、今年になって京都金杯、京都牝馬S、阪神牝馬Sと、重賞を3連勝してきた。前走の阪神牝馬Sは5番手で先行、直線、馬群を割って抜け出し快勝を決めた。スムースに折り合って、中団から鋭い差し脚をくり出すのが近走の勝利のパターンだが、牝馬戦のペースがちょうど合うのだろう。これまで1400、1600メートルを中心に使われて、マイル戦は(5332)と実績も豊富。さらに松山騎手とは4戦4勝と相性は抜群だ。ヴィクトリアマイルは近年、阪神牝馬S組が活躍する傾向が顕著で、その点からも注目に値するだろう。

 他では、(3001)とマイルが得意な昨年の勝者ノームコア、切れる脚が特徴のスカーレットカラーなどにも期待したいが、連軸の中心になる4歳馬たちのなかで、とりわけビーチサンバ、ラヴズオンリーユー、ダノンファンタジーには要注意だろう。

 京王杯スプリングCは、1番人気馬が過去10年で2勝と苦戦中。指数上は過去10年で9度連対している平均指数上位馬が連軸向きだろう。

 今年は、ケイアイノーテック、ストーミーシー、グルーヴィット、ドーヴァー、タワーオブロンドン、ステルヴィオ、ダノンスマッシュなどが指数の上位馬たちだ。

 ペースは上がりそうで、そのペースに耐えられるスタミナがあり、差し脚の使える先行馬に向くだろう。

 注目はステルヴィオ、セイウンコウセイ、ダノンスマッシュ、タワーオブロンドンなど前走、高松宮記念を戦ってきたメンバーたち。今年の高松宮記念は重馬場で行われ、モズスーパーフレアが果敢に逃げ、1位入線馬の降着もあって、モズスーパーフレアが繰り上げで優勝した。セイウンコウセイは2番手で先行したが、直線半ばで前についていけず7着。ダノンスマッシュは4角4番手も伸びきれず10着。ステルヴィオは中団の7、8番手から9着、1番人気だったタワーオブロンドンも8、9番手からも差し脚は見せられないまま12着に後退と、いずれも結果にはつなげられなかった。その4頭のなかでも差し脚が一番良かったのがステルヴィオだ。もともと1600メートル以上のレースで実績を積んできた馬で、宮記念が初の1200メートル戦だったことを考えれば、結果は仕方ないところ。今回、距離が1400に伸び、1200よりはペースがゆるむはず。もう少し前でレースができるようなら、勝機も広がるのではないか。

 ただし、差し脚は4歳馬グルーヴィットが最上位。先行馬たちが脚をなくす展開になったら、グルーヴィットの後方一気が決まることもあるだろう。伸び悩む古馬より、若手からの手のほうがいいかもしれない。

(京王杯スプリングC)
       1着    2着    3着
10年    -     BYc   A
11年    -     BYb    Zd
12年      a   -      C
13年    -     -     -
14年    -     A c   -
15年     Xb   -     -
16年    BXa   -     A b
17年    DYc   -       b
18年    -     A c   -
19年    C c   D     -

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2020年5月12日 (火)

第1585回 納得の2着

202005100511
202005090811
202005100411
 NHKマイルCは、好スタートから注文通りレシステンシアが先頭にたった。差のない2番手にラウダシオンがつけ、3番手にタイセイビジョン、ストーンリッジなどが位置取り、ギルデッドミラーはそのすぐ後ろ。サトノインプレッサ、ルフトシュトロームは後方からのレースになった。

 1000メートル通過が58秒0と、ゆるみないペースになった。直線を向いても、レシステンシアが逃げ続ける。ゴール手前200メートル地点。2番手で脚をためていたラウダシオンにデムーロ騎手がゴーサインを出すと、レシステンシアに馬体を合わせる間もなく、一気に抜き去って先頭に立った。勢いと余力の差は明らかで、ラウダシオンがそのままゴールに飛び込んでいった。

 2着に粘ったレシステンシアには1馬身半の差をつけており、まさに快勝劇だった。3着はタイセイビジョンをハナ差でとらえたギルデッドミラー。9-1-6番人気順で3連単は15万2750円の好配当になった。 

 レシステンシアは「あれで負けたのなら仕方ない」というレース内容だっただろう。同馬から馬券を買った者としても納得のレースだった。

 京都新聞杯を勝ったのは4番人気のディープボンド。2着は3番人気のマンオブスピリット、3着は2番人気のファルコニアだった。

 世代トップクラスの指数を記録して圧倒的な人気を集めたアドマイヤビルゴは平凡な指数で4着に負けた。直線、一旦は先頭に立つ場面もあったが、そこからの差し脚の鋭さが見えず、外から、内からも交わされてしまった。勝ち馬に2馬身以上離されては、見どころがあったとは言いにくい。新馬、若葉Sを連勝、ダービーを視野に満を持して臨んだレースだったはずだが、ダービーは断念することになりそうだ。これまでスローペースしか経験がなかったことが影響したのかもしれない。

 波乱の多いハンデ戦、新潟大賞典は今年も荒れた。
 勝ったのは10番人気のトーセンスーリヤ。2着は7番人気のアトミックフォース、3着は14番人気のプレシャスブルーだった。3連単は56万円を超す高配当になった。

 手前味噌ながら、勝ったトーセンスーリヤはこの馬場日記でも中心馬として推奨した馬だ。私も馬券はトーセンスーリヤから買っていたから、直線、最内から逃げ馬をとらえて先頭に立つ姿に、思わずテレビに向かって叫ぶ声に力が入った。スポニチの予想も◎〇▲で当たって、翌日の紙面に大きな見出しになった。

 ナビグラフを見ている人なら、上位の3頭とも上がり指数で上位の馬だったことはご承知の通り。それが見事に決まったわけで、改めてナビグラフの面白さを感じたレースだった。

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2020年5月 7日 (木)

第1584回 先行力のレシステンシア

 NHKマイルCの1番人気は過去10年で5勝、2番人気馬が2勝している。1、2番人気がそろって連対できなかったのは2度だけだ。ただ、人気薄の台頭もあって、3連単は高配当も多い。
 指数上は前走指数上位馬や、過去の指数上位馬が連軸の中心になっている。勝ち馬に限れば過去指数上位のXYZ馬が8勝しており、目を引く。

(NHKマイルC)
       1着    2着    3着
10年    -     C     A a
11年     X    -     -
12年    D      Zc   -
13年     Y    -     -
14年    DYc   B     CZ
15年    AZb   -     -
16年     Xb   AYa   -
17年    CX    -      Yc
18年     Xa   D     -
19年    AZa   -     -
(スローペース調整-10/0)

 今年は、レシステンシア、ルフトシュトローム、タイセイビジョン、シャインガーネット、サクセッション、プリンスリターンなどが指数の上位馬たちだ。

 今年は前哨戦となった重賞戦の馬場状態が、稍重や重馬場が多く、良馬場で行われたのはスプリングC、ニュージーランドTなどでしかない。現在、東京の馬場はきわめて良好で、先週は高速馬場といえる状態だった。今週も素軽いスピードが求められる馬場状態だとすると、力のいる馬場で戦ってきた馬たちの評価は少し難しいかもしれない。

 とはいえ、力のいる馬場で好走してきた馬たちの先行力、スタミナを生かしたペースからみて、ここはスローペースは考えにくく、スタミナのある先行馬の差し脚比べを基本とした組み立てを取りたい。

 マイルの瞬発力が鋭いのは、ニュージーランドT勝ち馬のルフトシュトローム、同3着のウイングレイテストに加え、桜花賞2着のレシステンシア、ファルコンSの勝ち馬シャインガーネットなどだ。ニュージーランドT組のルフトシュトローム、ウイングレイテストは後方から一気の差し脚を見せたが、先行してマイルの差し脚も鋭いのがレシステンシアだ。

 牝馬のレシステンシアはデビューから3連勝で阪神JFを制して、最優秀2歳牝馬に選出された。年明け後はチューリップ賞3着、桜花賞2着の成績。ここ2戦とも1番人気にこたえられなかった。雨で重馬場になった前走の桜花賞は1000メートル通過が58秒0という厳しいペースを2番手で先行。直線で抜け出し、そのまま押し切るかに思えたが、後方から差し脚を伸ばしたデアリングタクトに差し切られてしまった。

 自身の上りは38秒2もかかっており、結果的にハイペースがたたったのだろう。しかしながら、直線、先行各馬が脚をなくす状況下で、2着に粘ったレシステンシアの底力は特筆ものではないか。牝馬は2キロ減の55キロで乗れる。その恵量を生かして、逃げ切りもあるかもしれない。

 一方、ニュージーランドTも1000メートル通過が57秒6というハイペースに飲み込まれ、先行馬は直線失速。後方から差し脚を伸ばしたルフトシュトロームが鮮やかな差し切り勝ちを決め、デビューから3戦3勝とした。こちらは展開がはまった感もあるが、マイル3連勝の距離適性と、差し脚の鋭さは最上位にあり、高速馬場にも対応できるのも強みだろう。

 前走は出遅れて後方からになったが、先行するのが本来のスタイルのはず。ただし、ペースが上がってスタミナ比べのレースを先行した経験がなく、その点が少し気がかりだ。

 他では3連勝中のサトノインプレッサ。前走1800メートルの毎日杯を勝っており、スタミナはあり、要注意だろう。

 京都新聞杯は、過去10年、1番人気は(2224)。2、3番人気も合わせて5勝している。指数上は平均指数の上位馬の連対率が高い。

 今年の指数上位馬はアドマイヤビルゴ、ディープボンド、イロゴトシ、シルヴェリオ、サペラヴィ、ファルコニア、キングオブドラゴンなど。

 ここは前走指数最上位馬で、目下2戦2勝のアドマイヤビルゴが抜けているようだ。前走、若葉Sの指数は、3月末までの指数としては世代の最高指数だった。現時点では皐月賞馬コントレイル、同2着馬サリオスに次ぐ高さだが、わずか2戦目で世代トップレベルの高指数をたたき出すのは驚き以外ない。

 前走を見る限り、平均ペースを先行しても差し脚はしっかりとしており、2200メートルの距離に不安もないだろう。今のところ欠点が見えず、ここも楽に通過するようなら、ダービーではコントレイルの強敵として立ちふさがる存在になるだろう。

(京都新聞杯)1着    2着    3着
10年    AYc   CZb   B a
11年    -     AYa   B
12年    D     AXa     c
13年    BXa   -     -
14年    -       d   -
15年    -     -     C
16年    DXb    Yd   AYa
17年     Zd   -     DY
18年      d   -     -
19年    -     -     -
(スローペース調整-15/-5)
 新潟大賞典はハンデ戦だが、前走指数の上位馬が健闘している。1番人気は過去10年で勝ち星がなく2着1回、3着3回のみ。最近は8年連続で、1、2番人気馬がともに勝てず、波乱のレースが続いている。

 今年の指数上位馬は、ドゥオーモ、カツジ、サラス、レッドガラン、ダイワキャグニー、ブラックスピネル、ギベオン、メートルダールなど。

 トップハンデは57.5キロのエアウィンザー、ギベオン、ダイワキャグニーの3頭だが、トップハンデは57キロまでが許容範囲。57.5キロは2着が1度あるだけで、微妙な重量だ。

 波乱気味のレースだけに、ここは思い切った狙いも立ちそうだ。その点からの注目馬にトーセンスーリヤをあげたい。前走3勝クラスを勝ったばかりで、オープン初挑戦の格下馬だが、近走は先行して長くいい脚を見せ、成績も安定してきた。4コーナーで3番手以内に取り付いていれば、これまで(3411)の好成績で、ここは前に行く馬が少なく、楽に先行できるはず。ここも積極的なレースを期待したい。

 他ではスローペースの差し脚が鋭い4歳馬アトミックフォースにプレシャスブルー。後方から脚を使うサラスなどからの手もありそうだ。

(新潟大賞典)1着    2着    3着
10年    A b    Zd     a
11年    -     -     CXb
12年    B     -       b
13年    C     A     -
14年    -     A d   B a
15年    BZ     Z     Z
16年     Yc   AX    C
17年    C      X    A a
18年     Z    -     -
19年    -     AXc   -

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2020年5月 5日 (火)

第1583回 フィエールマンの底力

202005030811
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 天皇賞(春)はスティッフェリオとフィエールマンが並んでゴールに入って写真判定になった。どちらが勝っていても不思議ではなかったが、わずかにハナ差でフィエールマンがしぶとく勝利をもぎ取り、天皇賞(春)連覇の偉業を達成した。

 フィエールマンの上りは34秒6という最速の上りタイムだったが、その上りタイムからコンマ5秒遅れた35秒1の上りが2番目の速さで、この点からは力が違ったと思わせる勝利でもあった。

 1番人気のフィエールマンが勝ったものの、2着に11番人気のスティッフェリオ、3着に4番人気のミッキースワローが入って、3連単はちょっとうれしい5万5200の好配当だった。

 レースの後、フィエールマンの手綱を取ったルメール騎手は「直線での反応も良かったから楽勝かと思ったが、前の馬が頑張っていたので、最後までファイトしなければならなかった」と、惜しくも2着だったスティッフェリオを賞賛しながら、フィエールマンの底力がG1戦3勝をもたらしたと語った。

 スティッフェリオの北村友騎手は「4角で抜けてきた時には手応えがありましたが、最後の100㍍で息が上がってしまいましたし、脚勢的には厳しいとは思いました」と、まるで完敗したかのようなコメントが印象的だった。ハナ差のきわどいゴールも、それぞれの騎手からすれば、自信を深める勝利であり、片や詰めることができないほどの大きなクビ差に思えたのだろう。

 青葉賞は、スローペースになって、直線、坂下から横一線の追い比べになった。最内から1番人気のフィリオアレグロが抜け出して先頭に立つものの、一線の真ん中からオーソリティ、ヴァルコスが差し脚を伸ばし、すかさず先頭に絡んでいく。少し遅れてブルーミングスカイも叩き合いに加わって、ゴール手前で4頭が一団になったが、結果はオーソリティが1着、クビ差の2着にヴァルコス、3着はフィリオアレグロだった。
 ダービーの優先出走権はオーソリティ、ヴァルコスがつかんだ。

 コロナ禍が続く。緊急事態宣言も5月末まで延長になって、未だ見通しがつかない。私の通っている病院でも院内感染が発生して、今後の診察がどうなるのか気になる。
 競馬はダービーまで無観客の開催になったが、その先もどうなることだろう。
 野球がみたいな。サッカーもみたいし、ゴルフもみたい。普通の日常が懐かしく思えてくる。

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