2017年5月23日 (火)

第1286回運も味方に

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 オークスは1番人気のソウルスターリングが快勝した。内枠から好スタートを決めて先行。2番手で直線に向くと、馬場の真ん中から堂々と先頭に立ち、全く不安も危なげもない勝利だった。4戦4勝で臨んだ桜花賞は外枠と渋った馬場が合わず、3着に負けたが、その雪辱を晴らすレースになった。

 ペースは想定通りのスローペース。内枠の先行馬にとっては流れも向いたはずで、2番枠のソウルスターリングはゆったりとした流れに乗って、道中でも、直線でも、何の不利もなく、能力全開のレースだった。それこそ、ルメール騎手の手綱さばきによるものなのだろう。

 2着は1番枠から先行した6番人気のモズカッチャン。3着に後方から追い込んだ2番人気のアドマイヤミヤビが上がってきたが、アドマイヤミヤビは16番という外枠と、スローペースがレースを厳しくしたようだった。
  クラシックを勝つには、能力と合わせて、運も味方にできなければならない。アドマイヤミヤビにはその運が足りなかったのだろう。
 3連単は2万130円の配当だった。

 平安Sは、1番人気の4歳馬グレイトパールが強かった。
 向こう正面、中団の後方から上がって行って、直線、早々と先頭に立っていたケイティブレイブを交わすと、ゴールでは後続に4馬身差をつけて圧勝。長く使える差し脚が光ったレースだった。
 ダート転向後は、負け知らずの5連勝になったが、いずれも1900から2000メートル戦での勝利で、スピード指数も99まで伸ばした。

 2着は後方一気の差し脚が決まった6番人気のクリソライト、3着は先行して粘った15番人気の8歳馬マイネルバイカ。3連単は23万を超す高配当だった。

 ダート戦線では、前走フェブラリーSを勝ったゴールドドリーム、短距離戦線で活躍しているコウエイエンブレムなど、すでに100を超すスピード指数を示している4歳馬もいるが、4歳馬のダート中長距離ではグレイトパールの指数が最上位だ。5、6、7歳馬の強豪たちもまだ頑張っているが、12月のG1チャンピオンズCに向けて、主役交代の立役者になるかもしれない。

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2017年5月16日 (火)

第1284回スローペースで

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 前日の強い雨の影響が残って、ヴィクトリアマイルは稍重の馬場状態になった。ソルヴェイグが好スタートを決めてハナに立ち、スローペースで逃げる。この週から東京コースはBコースに替わって、本来ならコースの内に入れてロスなく回ってくるところだが、コースの内ラチ沿いはすでに荒れた状態で、各馬ともに内を開けて進む。直線に向くとコースの内はがら空きになり、馬場の真ん中を使っての攻防になった。

 勝ったアドマイヤリードはルメール騎手を背に中団の後方から。直線はガラッと空いた内から先行集団に取り付くと、馬場の真ん中に馬体を寄せていく。残り200メートル、粘り込みを図るソルヴェイグ、スマートレイアーの間にわずかなスペースを見つけると、一気に突き抜けて快勝した。2着は外から鋭く伸びたデンコウアンジュ、3着は先行していたジュールポレール。上位の3頭はいずれも4歳馬だった。

 6、11、7番人気順の入線で、3連単は91万超の高配当。今年も波乱になった。
 圧倒的な人気を集めたミッキークイーンは中団後方から追ったが、鋭い差し脚は見られず、見せ場なく7着に負けた。

 先行していたスマートレイアーが4着、逃げたソルヴェイグが粘って5着に残ったわけで、先行馬に向くペースだったのだろう。最速の上がりタイムは33秒2のデンコウアンジュと8着のフロンテアクイーン。稍重の馬場状態での33秒2の上がりタイムはなかなかだと思うが、ペースとあわせて考えても、そこそこのレベルの上がりといえそう。ただ、スローペースのため、勝ち馬のスピード指数はヴィクトリアマイル史上最低のレベルになってしまったのは少し残念だった。

 京王杯スプリングCはM・デムーロ騎手の2番人気レッドファルクスが、中団後方から先行各馬をごぼう抜き、雨中の一戦を制した。スローペースで上がり勝負を、ただ1頭58キロを背負いながら、最速の上がりでの勝利は価値が高いだろう。

 昨年秋のスプリンターズS勝利の後、香港スプリントでは12着に大敗したが、前走の高松宮記念は底力を見せて3着に好走していた。M・デムーロ騎手とは、香港の12着を除けば、国内戦は(4010)と、パーフェクトに近い。

 先行した11番人気のクラレントが2着に上がり、3着は4番人気のグランシルクが入った。1番人気のサトノアラジンは9着まで。3連単は17万超の高配当だった。

 京王杯スプリングCを勝ったM・デムーロ騎手、ヴィクトリアマイルを勝ったルメール騎手は、目下騎手リーディングのトップ2に位置している。M・デムーロ騎手の連対率は39.1パーセント。ルメール騎手の連対率は34.1パーセント。指数のA馬ではともに50パーセント以上の連対率だ。2人の騎手を無視して馬券は組み立てられない。

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2017年5月 9日 (火)

第1282回マイルの経験値

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 昨年のメジャーエンブレムに続いて、今年も牝馬のアエロリットがNHKマイルCを勝った。アエロリットは好スタートから先行。4コーナーでは外から2、3番手に進出する。直線半ば、内ラチで逃げ粘るボンセルヴィーソをとらえて先頭に立つと、追ってくるリエノテソーロも相手にせず、更に差を広げてゴール。完勝といえるレース内容だった。

 勝ったアエロリットは2番人気、2着のリエノテソーロは13番人気、3着のボンセルヴィーソは6番人気で、今年も3連単は29万6160円の高配当になった。

 メジャーエンブレムもアエロリットも、桜花賞では苦杯をなめていたが、牡馬相手のNHKマイルCで見事な巻き返しを果たした。マイルの桜花賞の経験が、NHKマイルCで生かされたというべきだろう。騎手の知恵や工夫が、結果として生きたように思えた。

 2着にも牝馬のリエノテソーロが入ったが、同馬の前走は中山のマイル戦。同じマイル戦のニュージーランドT組ではボンセルヴィーソが3着に粘り込んだ。

 片や、2000メートルの皐月賞組はいいところなく大敗した。皐月賞組は過去10年で1勝しかしておらず、そのことから考えても、前走でのマイルの距離の経験は重要な意味を持つに違いない。

 京都新聞杯は、大外から一気の差し脚を見せた2番人気のプラチナムバレットが、内の各馬を交わしてアタマ差の勝利。2着は4番手から内をついて伸びた1番人気のサトノクロニクル。6番人気のダノンディスタンスが2番手から3着に粘った。

 ペースはスローペースで、上がりだけの勝負になったが、スローペースに見合う上がりの脚だったかどうか。未勝利、500万条件と、同じ土曜日に3レースあった他の3歳限定戦の指数と比べても、レベルはいかにも低調で、内容に乏しいレースだったように思える。

 新潟大賞典は直線、3番人気のサンデーウィザードと、11番人気のマイネルフロストが、馬体を合わせて激しい叩き合いになったが、わずかに前に出たのはサンデーウィザードだった。3着には1番人気のメートルダールが上がってきたが、前の2頭とは大きく離されては勝負に加われないままだった。

 例年、ゴールデンウィークだからといっても、どこかに出かけるわけでもないが、今年は妹夫婦が名古屋から上京してきて、一緒に築地と銀座に出かけた。新しくオープンした「GINZA SIX」にも行った。吹き抜けに広がる草間彌生先生の赤の水玉のオブジェがきれいだった。どこも人でいっぱい。それでも久しぶりによく歩いた。

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2017年5月 2日 (火)

第1280回死力を尽くして

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 ヤマカツライデンがハナに立つと、他馬を置きざりに、ぐんぐん差を広げていく。今年の天皇賞はいきなりハイペースの流れになった。逃げるヤマカツライデンから大きく離れた2番手にキタサンブラック、アドマイヤデウス、ワンアンドオンリーが続く。シュヴァルグランは中団の前、サトノダイヤモンドはその後ろから。

 2週目に入っても早い流れは変わらず、大逃げのヤマカツライデンは4コーナーの手前で失速。替わってキタサンブラックが馬なりで先頭に立った。先行していたアドマイヤデウス、中団から早めに仕掛けたシュヴァルグランがキタサンブラックを追う。大外から差し脚を伸ばしてきたのがサトノダイヤモンドだ。

 直線。キタサンブラックは一杯になりながらも、懸命に脚を運ぶ。追うシュヴァルグラン、アドマイヤデウス、サトノダイヤモンドも少し苦しいのか、キタサンブラックとの差はなかなか詰まらない。大歓声の渦の中、そのままキタサンブラックがゴールを突き抜けて、史上4頭目の天皇賞・春の連覇を達成した。有馬記念で負けたサトノダイヤモンドとの対決をも制して、現役最強馬の栄誉と誇りをも取り戻す勝利だった。

 2着はシュヴァルグラン、ゴール前でアドマイヤデウスを交わしたサトノダイヤモンドが3着に上がった。

 キタサンブラックの走破タイムは11年前、ディープインパクトか記録した3分13秒4を1秒近く更新する3分12秒5のレコードタイムだった。上がりの最速はサトノダイヤモンドの35秒0だが、その上がりタイムが示す通り、いずれも死力を尽くしての戦いだったことがわかる。熱のこもったレースに、月並みな言葉だけど、心から感動した。

 ダービートライアルの青葉賞は人気のアドミラブルが圧勝して、ダービーの切符も手にした。アドミラブルは新馬戦9着の後、当時、世代トップの高指数で未勝利戦を勝ち上がり、続く2400メートル戦も、直線、後続を一気に引き離して3馬身差で完勝してきた。

 今回の青葉賞では出遅れて最後方から。3コーナー過ぎから、まくるように上がっていって、直線、大外から一気の差し切り勝ちを決めたが、直線は右に左によれながらのレースぶりで、幼さがみえるとする巷間の評価もうなづけるところがある。

 しかし、遊びながらでも青葉賞でのアドミラブルのスピード指数は、2000年以降の青葉賞で示された最も高い指数であり、皐月賞の上位馬に迫る高レベルだった。

 もともと青葉賞はスローペースになりがちで、上がりだけのレースが多い。そのためか、底力が問われるダービーでは苦戦が続いているようだが、今年は平均ペースで、高い指数の戦いだったことからすると、2000メートルの皐月賞より、ダービーと同じ東京の2400メートルでの高指数と経験を評価してもいいのではないか。アドミラブルのダービー制覇もあるかもしれない。

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2017年4月25日 (火)

第1278回低調だったフローラS

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 今の時期の東京の芝は、まるで絨毯を敷き詰めたように美しい。
 フローラSは、その美しい芝コースを駆け抜けたモズカッチャンが勝利をつかんだ。2着にヤマカツエース、3着にフローレスマジックが入ったが、12番人気、10番人気、2番人気の順で、3連単は39万を超す高配当になった。

 勝ったモズカッチャンは道中7番手、2着のヤマカツエースは2番手から、3着のフローレスマジックは3番でレースを進めていた馬たちだ。逃げたタガノアスワドも4着に粘った。東京は開幕週で馬場も絶好、加えてペースはスローとなれば、先行馬たちの前残りという結果ももうなづける。

 ただ、スローペースだったとはいえ、勝ち馬のスピード指数が60前半で、上がり指数も大したことがないレベルでは、低調なレースというしかない。本番のオークスに主役として登場するのは難しいのではないか。

 中団後方待機策の1番人気ホウオウパフュームは、直線で前が詰まる不利はあったものの、差し脚に他を圧倒するような鋭さがなく8着に負けた。先行馬有利の流れに乗れないままだったが、休み明けも多少影響したのだろう。上がり指数だけなら一応5番目で、ひと叩きされて、次走に期待したいところ。

 京都の読売マイラーズCは、2番人気のイスラボニータが2年7カ月ぶりの勝利をあげた。この勝利でルメール騎手とは(1310)と、好相性が目につく。1番人気のエアスピネルが2着、7番人気のヤングマンパワーが3着。京都開催になった2012年以降、1番人気馬が勝てないマイラーズCだが、今年もそのジンクスは破れなかった。

 2番手で先行したヤングマンパワーが3着に粘れる程度のスローペースの流れだったが、中団から差し脚鋭く駆け上がってきたイスラボニータ、エアスピネルの上がりはともに32秒9。開幕週の絶好馬場とはいえ、ほぼ限界値だろう。

 勝ったイスラボニータのスピード指数はマイルのものとしては今年2番目の高さにあり、指数上でも本格化の兆しを感じさせる。

 福島牝馬Sは大外一気の差し脚を繰り出したウキヨノカゼがフロンテアクイーンをわずかに差し切ってゴール。3つ目の重賞タイトルを手にした。2着のフロンテアクイーン、3着のクインズミラーグロともに、差し脚の鋭い馬たちが上位を占めた。牝馬戦としてはゆるみないペースになったようで、先行した馬たちは直線、粘り切れなかった。

 ウキヨノカゼは7歳馬。牝馬ではかなりの古株だが、スピード指数は自己ベストに迫る好指数で、まだまだ元気だ。

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2017年4月18日 (火)

第1276回高速馬場の皐月賞

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 今年の皐月賞はゴール前、馬群を割って伸びた9番人気の伏兵アルアインが勝った。2着は4番人気のペルシアンナイト、3着は12番人気のダンビュライトと入って、3連単は106万4360円という高配当になった。勝った松山騎手はG1初勝利。片や人気になった牝馬のファンディーナ、2番人気のスワーヴリチャード、3番人気のカデナはいずれも掲示板にも載れなかった。

 勝ったアルアインはこれで5戦4勝。唯一負けたのはシンザン記念での6着だが、直線の勝負所でブレーキをかける大きな不利があってのこと。前走の毎日杯は2番手から、直線素早く抜け出して快勝しており、皐月賞で人気のないのが不思議に思えた。もちろん皐月賞の勝利はフロックでも何でもない。過去の皐月賞馬のスピード指数と比べても遜色ない指数のレベルだった。

 皐月賞はご承知の通り2000メートル戦だが、2011年以降7年連続で、前走1800メートル戦の勝者か、2着の馬が勝つという結果が続くことになった。2000メートルの距離実績より、素軽いスピードが求められる傾向にあるのだろうか。来年はどうだろう。

 もう1点。この春開催の中山の馬場は、良馬場でもそこそこ力のいる状態が続いていたが、皐月賞当日の馬場はそれまでにない突出した速い馬場に変貌していた。雨で重馬場になった前の週の日曜日と比べると、実に4秒以上も早い馬場状態だった。結果としてアルアイン、ペルシアンナイト、ダンビュライトともに、4コーナーで5番手以内に位置していた馬たちが上位を占めたが、高速馬場に加え、ペースもさほど速くなかったことから、先行馬に向く展開になったのかもしれない。後方から5着内に上がって来たのはレイデオロだけで、後方待機の馬たちにとっては苦しい戦いになってしまった。

 ダート重賞のアンタレスSは、3番人気のモルトベーネが2馬身差の完勝。ゴール前、混戦の馬群を抜け出した6番人気のロンドンタウンが2着に、内をついた8番人気のロワジャルダンがわずかに前にでて3着に上がった。

 モルトベーネはこれまで中央競馬のダート戦で7勝をあげているが、そのうちの6勝は馬場指数が-15以上だった。ちなみに重馬場、不良馬場では(4011)。馬場指数が-15以上なら(6115)と、巷間言われる通り、脚抜きの良いダートに適性が高い馬のようだ。

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2017年4月11日 (火)

第1274回1番人気が勝てない

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 単勝1.4倍という圧倒的な1番人気に支持されたソウルスターリングだったが、スタートが良くなかったせいか、いつもならすっと2、3番手につけるところ、この日は中団より後ろの位置になってしまった。それでも3コーナーから徐々に上がっていって、直線では5番手。先に抜け出しを図るレーヌミノルのすぐ後ろから追う形になった。

 大方は、そのままソウルスターリングが前を行く馬たちを差し切って、期待に応えてくれると想像しただろう。ところが、ソウルスターリングは何かもたついているようで、先に先頭に立ったレーヌミノルをとらえるどころか、逆に差を広げられ、後ろから追ってきたリスグラシューにも交されてしまった。結果は3着。それまでの差し脚の鋭さは影を潜め、凡庸な差し脚しか見せられなかった。

 ソウルスターリング陣営からは「力のいる馬場」が、直線伸びあぐねた要因だったとするコメントがあったが、他に考えられることがなければ、確かにそうなのだろう。

 勝ったレーヌミノルは好スタートから4番手につけ、直線、勢いよく突き抜けて勝利をものにした。スピード指数も、牡馬も含めて3歳世代のトップにあり、8番人気ながら圧倒的人気馬を退けての勝利は評価が高いはずだ。

 今年も含めて、過去11年間で桜花賞の1番人気は3勝しかしていない。単勝1倍台の圧倒的人気になった馬はソウルスターリングも含めて6頭もいたが、そのうち勝ったのは単勝1.2倍のブエナビスタとハープスターの2頭だけ。今後にむけて、妙なジンクスにならなければいいが。

 ニュージーランドTは12番人気のジョーストリクトリが勝った。2着に8番人気メイソンジュニア、3着に5番人気ボンセルヴィーソ。昨年に続いて、今年も荒れた。

 メイソンジュニアがスローペースで逃げ、2番手にボンセルヴィーソ。3番手にスズカゼ、5番手でジョーストリクトリの隊列で進んだ。直線、空いた最内に入れて追ったのが勝ったジョーストリクトリ。結局、2、3、4着も前に行った馬たちが、そのままの順位で流れ込んで、後方から差し脚に懸けた馬たちに出番はなかった。スローペースだったこともあり、指数は低調。次走のNHKマイルCにつながるレースとは思いにくい。

 阪神牝馬Sは1番人気のミッキークイーンが快勝。後方から直線内に入れて伸びたアドマイヤリードが2着。直線、いったん先頭の場面もあったジュールポレールが差のない3着だった。とりわけミッキークイーンの強さが目についたが、前走、有馬記念の5着は自力強化の表れだったのだろう。次走はヴィクトリアマイルのようだが、G1の3勝目を手にする可能性も高いのではないか。

 先週は雨のために、阪神も中山も馬場か悪化して、芝は力のいる馬場状態になった。結果からみても先行馬が多く活躍しており、逆に、鋭い差し脚は封じ込められることになったようだ。阪神も中山も今週で春の開催が終わるが、今週の中間の雨で、傷んだ馬場がすぐに回復するとは思えず、今週も荒れた馬場の適性に頭を使うことになりそうだ。

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2017年4月 4日 (火)

第1272回圧倒的な勝利

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 今年から新しくG1に昇格した大阪杯。その初代チャンピオンの栄光は1番人気のキタサンブラックが手にした。他を寄せつけない、圧倒的な強さを印象付けた勝利だった。2着にステファノス、3着はヤマカツエース。ダービー馬マカヒキは4着まで、サトノクラウンは6着だった。

 好スタートを決めたマルターズアポジーがハナに立つと、一気に差を広げて大逃げを打つ。離れた2番手にロードヴァンドール、さらに離れてキタサンブラックが3、4番手で続いた。3コーナーから各馬が差を詰めていき、直線、マルターズアポジーの脚が止まると、すかさずキタサンブラックが先頭に躍り出る。2、3発ムチを入れたものの、まだ余力十分。追いすがり差を詰めてくる馬もなく、最後は流しての完勝劇。改めて、強い馬だと思った。

 ただ、逃げたマルターズアポジーを除けば、ペースはそれほど厳しいものではなかっただろう。先行していたキタサンブラック、ステファノスのペースはむしろスロー気味のペースで、それが直線での圧倒的なパフォーマンスにつながったのではないか。逆に、後方で脚をためていたヤマカツエースやマカヒキにとっては、前が楽をしている分、目いっぱい脚を使っても、前をとらえるのはむつかしかったといえそう。

 直線の短い阪神の内回りの2000メートル戦で、スローペース気味の流れなら、先行馬が有利になるはず。まして、能力の高い一線級の馬が前で楽をしていれば、力があっても後ろからでは苦しい。マカヒキとキタサンブラックの差は、大阪杯の結果ほどには、ないように思える。

 春の天皇賞は、スローペース気味の大阪杯を先行して勝ったキタサンブラックと、ハイペースの阪神大賞典を後方から追い込んで勝ったサトノダイヤモンドの対決に注目が集まりそうだが、果たして結果は--。ペースによっては一波乱あるかもしれない。

 ダービー卿CTはクラレントの逃げでスローペースになった。2番手でレースを進めていたロジチャリスが直線半ばで抜け出して、そのまま押し切った。3頭横並びになった2着争いは、キャンベルジュニアのハナがわずかに出ていた。キャンベルジュニアも先行していた馬。先行馬に有利なスローペースが効いたのだろう。

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2017年3月28日 (火)

第1270回馬場の巧拙

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 日曜日未明からの雨で、中京の芝コースはかなり悪くなっていたようだ。稍重の発表だったが、良馬場だった土曜日と比べると、1600メートル換算で1秒以上もタイムを要する馬場状態だった。

 高松宮記念は4歳馬のセイウンコウセイが完勝したが、セイウンコウセイの陣営は当初から「悪い馬場は得意」と見ていたようで、結果もそのことを証明した形になった。セイウンコウセイは好スタートから4番手に控え、直線は馬場の真ん中から突き抜け、押し切る強さを見せた。馬場が悪く、しかもハイペースを先行して差し切ったわけで、底力を感じさせるレースだった。

 レッツゴードンキは後方から、馬場の荒れた最内をついて33秒9の最速の上がりタイムで2着を確保。荒れた馬場も上手にこなしてみせた。1番人気のレッドファルクスは直線2着のレッツゴードンキを追う形になったが、交し切れず3着。レッドファルクスは力のいる香港でも大敗しており、ここも緩い馬場に泣かされる結果になってしまったが、得意ではない馬場でも、3着ならよく頑張ったといえるのではないか。

 他の馬の騎手たちのコメントを見ても、馬場状態についての発言が多く、力のいる馬場の巧拙が勝負を分けたレースになった。

 日経賞も4歳馬シャケトラが、中団後方から直線一気に差し切り勝ちをおさめた。2着も早め先頭に立った4歳馬ミライヘノツバサが粘り込み、3着は先行していたアドマイヤデウス。圧倒的人気を集めたゴールドアクターは、直線好位につけていたものの、差し脚が伸ばせず5着まで。どうしたのだろう。

 高松宮記念も日経賞も、勝ったのは4歳馬だった。今年に入ってから古馬の重賞は23レースあったが、そのうち8レースで4歳馬が勝っている。フェブラリーSと高松宮記念のG1の2レースはともに4歳馬が勝ち、G2は8レースの内4歳馬が4勝をあげた。格が上がるほど4歳馬が強い傾向が見て取れ、巷間言われるように「今年の4歳馬は強い」ようだ。

 ダートのハンデ戦、マーチSは10番人気のインカンテーションが好位から抜け出して重賞4勝目のゴール。2着ディアデルレイ、3着アルタイル。人気を集めた4歳馬コスモカナディアンは素軽いダートが合わなかったとかで、12着に大敗。4歳馬もいろいろ。

 3歳馬の毎日杯。勝ったのは2番手で先行したアルアイン。圧倒的な人気馬サトノアーサーは最後方から直線脚を伸ばしてきたが、楽に抜け出した勝ち馬をとらえることはできず2着に負けた。確かに内容は悪くなかったが、本来なら勝てるレース。後ろ過ぎたのが敗因だろう。

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2017年3月22日 (水)

第1268回サトノダイヤモンドの底力

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 阪神大賞典は単勝1.1倍のサトノダイヤモンドが勝った。ただ断然の1番人気に応えて「勝った」というだけでなく、その内容と指数の高さは「現役ナンバー1」というにふさわしい高レベルの勝利だった。

 往々にして長距離レースはスローペースで、上がりだけの勝負になりがちだが、今年の阪神大賞典はマドリードカフェ、ウインスペクトルが引っ張り、先行馬は出入りの激しいレースになったが、ペースは最後までゆるむことはなかった。サトノダイヤモンドは後方3番手待機策。2周目の3コーナーから仕掛けていって、4コーナーでは4番手に進出した。直線半ば、先に抜け出していたシュヴァルグランをとらえると、ゴールでは1馬身半の差をつける完勝だった。2着は2番人気のシュヴァルグラン、3着は5番人気のトーセンバジル。

 サトノダイヤモンドの示したスピード指数は現役馬の最高指数で、本番の天皇賞春に向けて、いいスタートがきれた。勝ったサトノダイヤモンドだけでなく、2着のシュヴァルグランも100を超す高レベルのスピード指数で、ともに底力を感じさせる好内容レースだったといえそう。

 皐月賞トライアルのスプリングSを制したのは5番人気のウインブライトだった。中団の後方から直線、大外に回して内に切れ込むように伸びてきた。中団後方待機の2番人気馬アウトライアーズが鋭い差し脚を使って2着に浮上。3着は6番人気のプラチナヴォイスだった。

 朝日杯を勝って1番人気に推されたサトノアレスは、最後方から追い出しをかけたが、直線で伸びがなく4着まで。久々がこたえたのだろうか。

 3歳牝馬のフラワーC。
 断然人気のファンディーナが4コーナー手前、2番手から早々と抜け出し、後続に5馬身の差をつけて圧勝した。これで無傷の3連勝。3歳牝馬限定戦だけに、出走馬のレベルの問題も多少はあったのかもしれないが、超スローペースのレースを馬なりで5馬身差をつけて勝つのは、なかなか出来ることではない。2着は8番人気のシーズララバイ、3着は7番人気のドロウアカード。

 中京競馬場のファルコンSは、後方から直線一気に差し脚を伸ばした3番人気のコウソクストレートが、先行して抜け出しを図る2番人気ボンセルヴィーソ、6番人気メイソンジュニアなどをとらえて、クビ差の勝利をおさめた。1番人気のナイトバナレットは出遅れて最後方から。3コーナー過ぎ、勝ち馬のすぐ後ろから追うように上がっていったが、全くついていけず11着に大敗した。今の時点では力負けの印象だった。

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