2018年11月13日 (火)

第1438回 ペースを判断する能力

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 直線、大外から、矢のように伸びてきたのはモレイラ騎手のリスグラシューだった。ゴールまで残り100メートル地点で、逃げ粘るクロコスミアをとらえると、そのまま突き抜けて快勝。初のG1のタイトルをつかんだ。

 今年のエリザベス女王杯はクロコスミアの逃げで、ペースは落ち着いた。勝ったリスグラシューの上りタイムは33秒8。逃げ粘って2着のクロコスミアは34秒7。上位の2頭からは3馬身の差をつけられた3着のモズカッチャンの上りは34秒7。

 自身も脚を残しつつ、後続馬にも脚を使わせるという、クロコスミアの逃げは絶妙なペースだった。それだけに、ただ1頭、33秒台の上りタイムを使ったリスグラシューの差し脚の鋭さには、驚くしかない。

 リスグラシューは近走、1600、1800メートルの距離で素軽いスピードのある瞬発力を発揮していた。だからこそ、2200の距離は少し長いのではないかと、想像していたが、スローペースなら距離適性は問題ではなかった。

 エリザベス女王杯がスローペースになることで、むしろ、その絶対的な上りのスピードが生きたのだろう。もちろんペースを判断して動く場面を的確に判断するモレイラ騎手の腕が助けになったのも確かだろう。この日モレイラ騎手は10戦して5勝の固め打ち。

 ダートのマイル戦・武蔵野Sは、サンライズノヴァの後方一気の差し脚が鮮やかに決まった。ハイペース気味の流れで、展開が向いた印象はあるものの、今後もマイルまでの距離なら、その決め手は大きな武器になるだろう。後方からサンライズノヴァを追ったクインズサターンが2着。2番手で先行していたナムラミラクルが3着だった。

 福島記念は、直線3番手から伸びたスティッフェリオが快勝。2番手にいたマイスタイルが2着。3着は4番手から脚を伸ばしたエアアンセム。ハイペースの流れになったが、早かったのは逃げたマルターズアポジーと、2番手のマイスタイルだけ。大きく離れた3番手のスティッフェリオは、脚をためられる余裕のペースだったようで、結果は先行馬たちの決着になった。

 デイリー杯2歳Sは、好スタートを切ったアドマイヤマーズがハナに立ち、2番手にメイショウショウブがつけた。スローペースになって、直線では2頭が大きく抜け出し、叩きあうマッチレース。ゴール前、抜け出したのは圧倒的な人気を集めていたアドマイヤマーズだった。これで3戦3勝。スローペースで指数の高さには欠けるが、勝負強さは一級品だろう。

 日曜日の京都は、外国人騎手があわせて11勝。日本人騎手は12レースで藤岡佑騎手が勝っただけ。先週からは短期免許で来日する騎手も増え、日本人騎手はもう、どうにも太刀打ちできない。

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2018年11月 6日 (火)

第1436回 騎手の意地

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 JBCスプリントで、またまたルメール騎手が勝ち、史上初となる4週連続G1勝利を達成した。同時に年間G1勝利数も7に伸ばし、こちらの記録も史上初とのこと。

 勝ったグレイスフルリープは8歳の古豪ながら初のG1挑戦だった。4番人気のグレイスフルリープは逃げるマテラスカイをマークしながら最内の4番手に控えた。直線、マテラスカイとグレイスフルリープの2頭が他馬を大きく引き離して抜け出し、激しい叩きあいが続いたが、ゴールではクビ差でグレイスフルリープが先着。初のG1のタイトルをつかんだ。

 続くJBCクラシックで、ルメール騎手は1番人気のサンライズソアに騎乗。好スタートから果敢に逃げる戦法を取った。直線もよく頑張っていたが、中団から鋭い差し脚を伸ばしたケイティブレイブ、オメガパフュームに交わされて3着。

 ルメール騎手は、3コーナーで競られる形になってペースを上げざるを得なかったのが、直線の粘りを欠いた要因とコメントしていた。ルメール騎手の快進撃を止めたのはケイティブレイブの福永騎手だったが、福永騎手の意地を感じたレースだった。

 最終レースのJBCレディスクラシック。ルメール騎手は2番人気のクイーンマンボで参戦。中団から脚を伸ばしたものの4着まで。勝ったのは6番人気横山典騎手のアンジュデジールだった。M・デムーロ騎手の1番人気馬ラビットランは、中団からアンジュデジールと馬体を合わせて上がっていき、直線は2頭のマッチレースになった。一旦はラビットランが先頭に立ったが、ゴール前、アンジュデジールに差し返されて、結果は悔しい2着だった。

 JBCの3レースともに、平均ペースでの見ごたえのある好レースだった。とりわけ直線の攻防、叩きあいは、騎手の能力が反映された熱戦だったといえそう。それにしても1日にG1戦が3レースもあると、馬券を買う側もなんだか、いつもより気合が入って、すごく楽しかったなぁ。1年に1度くらい、こんな日があってもいいと思った。

 東京のアルゼンチン共和国杯は3番人気のパフォーマプロミスに騎乗のオドノヒュー騎手がJRAの重賞初勝利をあげた。超スローペースになって、最速の上りの脚を使った1番人気のムイトオブリガードが2着。

 スローペースで差し脚比べの京王杯2歳S。先行3番手から直線、内から差し脚を伸ばして早め先頭に立った武豊騎手のファンタジストが、32秒台の上りの脚で追いすがる1番人気のアウィルアウェイ(M・デムーロ騎手)をハナ差抑え込んで勝利をつかんだ。

 2歳牝馬のファンタジーSは、1番人気川田騎手のダノンファンタジーが快勝。直線、中団6番手からの鋭い差し脚が光った。

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2018年10月30日 (火)

第1434回 感服

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 終わってみれば、「ルメールだったな」というのが、今年の天皇賞(秋)だった。
 もちろん、昨年のダービー馬レイデオロの能力が優ったうえでの結果と勝利だったことに違いないが、それでもルメールの騎手としての判断と技量なしに、レイデオロの栄光を確かなものにはできなかったのではないか。

 今年の天皇賞(秋)は逃げ馬不在で、どの馬がハナを切るのかゲートが開くまでわからなかったが、好スタートを決めたキセキが無理なく先頭に立った。ゆるみのないペースになり、直線なかばでもキセキが楽に逃げている。

 ゴールまで残り100メートル。中団の6番手から差し脚を伸ばしてきたレイデオロがキセキを交わして先頭に立つと、最速の上りで追ってきたサングレーザーを振り切って勝利をつかんだ。2着のサングレーザーとは1馬身4分の1の差、3着はキセキが粘りこんだ。

 ゆるみのないペースに、後方の馬たちも脚をためることができなかったようで、勝ったレイデオロ、2着のサングレーザーに33秒台の上りの脚を使われては、勝負にならなかった。結果は、中団より前々でレースを進めた馬たちが上位を占め、スタートで出遅れ、後方からのレースになった1番人気のスワーヴリチャードは34秒1の上りタイムも、結局、見せ場なく10着に終わった。

 これでルメール騎手は3週連続でG1勝ちをおさめたが、この秋の重賞戦は15戦して10勝、2着3回、3着1回とか。もう手が付けられない。今年はすでに177勝をあげ、200勝にも確実に手か届くところに来ている。感服。

 京都のスワンSは、ルメール騎手のモズアスコットとの激しい追い比べを制して、デムーロ騎手のロードクエストが勝った。ともに中団から大外一気の鋭い差し脚をみせ、ゴールはわずかにハナ差の戦いだった。

 デムーロ騎手も先週は5勝をあげて、今年すでに131勝。騎手ランキングの2番手につけている。ルメール騎手もデムーロ騎手も、今年の連対率はともに驚異の4割超え。(モレイラ騎手の連対率は5割を超えているけど)、いずれにしても、すごいとしか言いようがない。

 2歳牝馬の重賞アルテミスSは、武豊騎手のシェーングランツが勝った。直線、最後方からの一気の差し脚は際立っており、素質と将来性を感じさせる好レースだった。

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2018年10月23日 (火)

第1432回 長距離は騎手

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 3歳馬最後の1冠を争う菊花賞。
 直線、馬場の真ん中から抜け出したのはエタリオウ。そのまますんなりとゴールに飛び込むのかと思ったが、内をついて一気に迫ってきたのがフィエールマンだ。

 エタリオウとフィエールマン。きわどいゴールになった。どっちが勝ったのか、すぐにはわからなかった。
 写真判定の結果は、ルメール騎手のフィエールマンがハナ差で先着していた。2着はデムーロ騎手のエタリオウ。離れた3着には武豊騎手のユーキャンスマイルが入った。

 3000メートルの長丁場だけに、例年、菊花賞のペースは落ち着くのが普通だが、今年はさらに遅くなって2000メートル通過が2分06秒9。そして、上位3頭の上りタイムはともに33秒9という、3000メートルの距離としては破格の上りタイムになった。

 2000年以降、菊花賞で33秒台の上りタイムを記録したのは、2005年のディープインパクト上り33秒3(逃げ馬の2000通過2分04秒6)、2006年のソングオブウインド上り33秒5(逃げ馬の2000通過2分02秒2)のみ。今年は上位3頭だけでなく5頭が33秒9の上りを記録。いかにペースが遅かったかを表している。

 フィエールマンもエタリオウも、本来なら後方に位置して差し脚を使うのがこれまでのレースだ。ただ、道中のペースが遅いとみるや、ルメール騎手もデムーロ騎手も、馬を進めて中団の前に位置をあげ、4コーナーは6番手で通過。ともに勝ち負けを争う戦いを演じた。フィエールマンもエタリオウも、いつもの後方の位置にいたのでは届かなかっただろう。

 結局、騎手にその馬の差し脚とペースの関係を見極める力があるかどうか。流れに乗りながら、ペースを判断して、過去にとらわれず、自在に動かしていく勇気があるかどうかなのだろう。長距離は騎手の判断が勝負を分けるウェイトがより高い。
 
 ルメール騎手は東京の土曜日、富士Sもロジクライで勝った。
 ロジクライはスタミナもあり、平均ペースにも強い。ルメール騎手はそのことをわかっていたようで、ロジクライは2番手から。直線も馬なりに差し脚を伸ばして、後続馬に2馬身の差をつけて、危なげない完勝劇だった。後方から鋭い差し脚を使って上がってきたモレイラ騎手のワントゥワンが2着。差のない3着にレッドアヴァンセが入った。

 日曜日の新潟、最終レース。勝ったハトホルから3連単の流し馬券を買った。人気薄の2着馬も押さえていたが、3着が抜けた。3連単は1015万馬券だった。うーーん。

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2018年10月16日 (火)

第1430回 アーモンドアイの輝き

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 アーモンドアイのまぶしいほどの圧倒的な差し脚にひきつけられた秋華賞だった。
 単勝1.3倍という断然の人気馬とはいえ、競馬に絶対などない。アーモンドアイに騎乗したルメール騎手も一抹の不安はあっただろう。休み明けでいきなりのG1戦。馬場入りでは気の悪さを見せ、スタートも出負け気味。中団後方からのレースになって、仕掛けどころの4コーナーではバランスを崩す場面もあったとか。4コーナーで先頭を行くミッキーチャームとは10馬身以上の差があった。

 しかし、直線に向くと、差し脚は他の馬たちと比べ、別次元の鋭さを発揮。大外から馬場の中央を風のように駆け抜けていく。他の馬たちが止まって見えるという表現がぴったりとする速さだ。ゴールの手前100メートル地点で、逃げ粘っていたミッキーチャームを一気に抜き去ると、ゴールでは1馬身半の差をつけていた。

 どんな状況であってもファンの期待に応え、懸命に走って結果を残せる馬はまれにしかいない。だからこそ、真の強さに感動を呼び起こされる。ときおり、こんな名馬が現れるから、競馬は面白い。そして人生すら楽しくさせてくれる。

 国枝調教師によると「仕上がりはまだ八分程度だ」という。まだ強くなるなら、もう国内の牝馬に敵はないだろう。牡馬相手のG1か、はたまた悲願の凱旋門賞か。期待はさらに大きくふくらむ。

 府中牝馬Sは1番人気のディアドラの末脚が光った。
 カワキタエンカが大逃げを打ったが、直線、坂上で後続馬につかまった。差し脚を伸ばしたのはリスグラシュー、フロンテアクイーンなど。ゴール前、リスグラシューが押し切るかと思われたが、直線の坂上から一気に上がってきたのが、後方待機のディアドラだった。結果、クビ差でディアドラが勝ち、2着にリスグラシュー、3着はフロンテアクイーンだった。

 ディアドラの上りタイムは32秒3。スローペースの短距離戦ならいざ知らず、1800メートルの上りタイムとしては破格の速さだ。指数も牝馬のトップレベルに並ぶ高指数で、本格化をうかがわせる好レースだった。

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2018年10月10日 (水)

第1428回 強い牝馬2頭

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 毎日王冠は、1番人気の4歳牝馬アエロリットの逃げ切り勝ち。
 アエロリットはモレイラ騎手を背に好スタートを決め、そのまま逃げる形になった。前半の1000メートル通過タイムは59秒0だから、それほどスローペースではない。それでいてアエロリットは上りを33秒8にまとめており、これは相当に優秀な上がりだろう。

 逃げ馬に33秒台の脚を使われたのでは、後方から差し脚に懸ける馬たちには苦しい展開だったのではないか。アエロリットは目下、現役最強牝馬といえそうだ。

 2着は中団から33秒2の最速の上りタイムをみせた3歳馬のステルヴィオ。3着は2番手先行のキセキだったが、キセキは1頭だけ58キロを背負っての好走。またステファノスも3番手で先行して、4着に踏ん張っており、この3、4着馬は今後、要注意だろう。

 京都大賞典は、2番人気のサトノダイヤモンドが中団からの差し切り勝ちを収めた。
 3歳時に菊花賞、有馬記念を連勝しており、凱旋門賞15着は別にしても、近走、大阪杯7着、宝塚記念6着の成績は物足りなさもあった。

 レースはウインテンダネスの大逃げで始まったが、後続馬たちはスローの流れ。サトノダイヤモンドは中団後方待機策。3コーナーの坂下から1番人気のシュヴァルグランを追うように上がっていき、4コーナーでシュヴァルグランを交わすと、直線半ばで先頭に立った。ゴール手前、後続馬のなかから牝馬レッドジェノヴァが迫ってきたが、難なく振り切って、実に1年半ぶりの復活をアピールする勝利をつかんだ。

 これで京都コースは5戦4勝、3着1回と相性の良さは断然。この後、ジャパンC、有馬記念に向かうようだが、主役の座を奪い返すことができるだろうか。

 サウジアラビアロイヤルCは1番人気の牝馬グランアレグリアが完勝した。
 スタートで出負けしたものの、すぐに2番手に取りつき、直線では1頭だけ違う脚色で抜け出すと、他馬を大きく引き離し、能力の違いを見せつけたレースだった。直線ではムチ2発だけで、ほぼ持ったまま。追えばもっと指数は上がったと思うが、それでも2歳牝馬世代のトップに立つ好指数だった。

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2018年10月 3日 (水)

第1426回 新短距離王

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 日曜日、台風の影響で阪神競馬が中止になった。代替開催の月曜日も馬の輸送ができないとかで中止になり、代替の代替で、きょう火曜日にやっと開催された。すべてが予定通りに行くなんてことはないとわかっていても、バタバタすることはある。今週末は3日間開催もあり、このあとのスケジュールを考えると、少しきつくなりそう。そんなわけで、この馬場日記もアップが遅れることになりました。

 秋のG1第一弾中山のスプリンターズSは、中団からファインニードルの鋭い差し脚が勝負を決めた。春の高松宮記念に続いて、スプリントG1を連勝。ゆるぎない新短距離王の座をつかんだ。

 レースはワンスインナムーンの逃げて始まり、2番手にラブカンプー、3番手にナックビーナス、ラインスピリットがつけた。

 ファインニードルは中段から。直線なかば、逃げ馬をとらえたラブカンプーが先頭に立ち、他の先行馬たちも必死に粘りこみをはかるところ、馬場の真ん中から、一頭だけ違う脚色出かけ上がってきたのがファインニードル。勢いのまま、ゴールを駆け抜け、勝利を手にした。クビ差の2着にラブカンプー、3着は狭い内から伸びたラインスピリット。1番人気、11番人気、13番人気という入着順で3連単は20万円超す好配当になった。

 人気薄の2、3着馬はともに先行馬たち。前日の雨に加え、直前に降り出した強い雨で馬場は渋り気味。先行馬向きの馬場状態で、差し馬には苦しい馬場状態だっただろう。それを軽快な脚で差し切ったわけで、2着との差はクビ差とはいえ、ファインニードルの強さが際立ったレースだった。

 阪神のダートのハンデ戦シリウスSは、2番人気の3歳馬オメガパフュームが中団後方から差し切り勝ちを決めた。2着も後方から鋭い差し脚を使った7番人気のウェスタールンド、3着は2番手で先行、4コーナーで先頭に立って押し切りを図った3番人気のサンライズソア。阪神ダートは水の浮く不良馬場で、軽ハンデの差し馬に馬場が味方したのかもしれない。

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2018年9月25日 (火)

第1424回 ダービー馬の底力

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 菊花賞トライアル・神戸新聞杯は、ダービー馬ワグネリアンが勝った。
 これまでワグネリアンの手綱を取ってきた福永騎手が前週の落馬の影響で騎乗できず、藤岡康太騎手に乗り替わったが、中団後方から差し脚を伸ばす王道の騎乗で快勝。自身の500勝をも飾った。

 ダービーは福永騎手が最高の騎乗をして勝ったと、強く思い込んでいて、乗り替わりは不安に思っていたが、失礼な判断だったと反省した。

 乗り替わりも影響したのかワグネリアンは2番人気。1番人気はダービー2着の皐月賞馬エポカドーロだった。先行して実績を積んできたエポカドーロだが、いきなりスタートで躓き、よろけて、後方からになってしまった。

 道中も後方の3番手を追走。3コーナー過ぎ、前を行くワグネリアンの仕掛けに合わせて追い出しにかかるが、直線で差を広げられて4着だった。鋭い瞬発力が問われるスローペースの差し脚比べでは、やはり分が悪かったというしかない。

 2着はダービーで4着だったエタリオウ(3番人気)、3着は逃げたメイショウテッコン(6番人気)が粘り切った。

 オールカマーは、昨年のダービー馬レイデオロが1番人気に応えて勝った。
 レイデオロはいつも通りに中団後方から。直線、スペースのあった内に進路を取り、2番手から抜け出し、早々に先頭に立った皐月賞馬アルアインとの叩き合いを制しての勝利だった。

 アルアインとはわずかにクビの差。アルアインの外に持ち出していたら、届かなかったかもしれない。ここは内に入れたルメール騎手の好判断が勝利を手繰り寄せたのだろう。

 2着のアルアインは3番人気。3着のダンビュライトは2番人気。上位の3頭はいずれも古馬重賞でも好走してきた強い4歳馬たち。当然の堅い決着だった。

 広島カープはきょう優勝を決めるのかな。中日はいまいちだったが、来年に向けて楽しみを感じる部分もあった。来年、がんばれ。

 今週末はいよいよG1スプリンターズS。競馬は秋シーズンが本番を迎える。

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2018年9月19日 (水)

第1422回 秋本番へ始動

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 菊花賞を目指すセントライト記念。
 単騎ハナを主張して、大逃げを打つタニノフランケル。その離れた2番手にジェネラーレウーノがつけた。直線に入ってもタニノフランケルがまだ逃げていたが、ジェネラーレウーノが徐々に差を詰めていく。ジェネラーレウーノはゴール前の坂を上がったところで先頭に立つと、余裕の脚色のまま、ゴール版を駆け抜けた。

 ジェネラーレウーノは、ダービーも2番手で先行したが、直線で失速して16着に大敗しており、ここは成長を感じさせるレース内容だったといえそう。改めて皐月賞3着の力を示したレースだった。

 勝ったジェネラーレウーノは4番人気馬。中団の後方から差を詰めてきた1番人気馬のレイエンダが2着。後方待機から差し脚を伸ばした6番人気のグレイルが3着に入った。

 2着のレイエンダは、早めに仕掛けた勝ち馬に比べ、位置取りが後ろすぎたのか、最後まで差を詰め切れなかった。逆に、勝ち馬はペースと展開に多少恵まれた部分があったかもしれないが、指数は3歳重賞としてほぼ標準のレベルだ。菊花賞でも活躍が期待できるのではないか。

 ダービー3着のコズミックフォースは6番手から。直線で一瞬、馬群を抜け出す勢いを見せたが、後続馬に詰め寄られ、最後は馬群に飲まれて7着だった。個人的にはダービーのような積極的な先行策を期待していただけに、少し残念。

 秋華賞を目指す3歳牝馬のローズS。
 向こう正面、道中のペースが緩むところを見計らうように、ルメール騎手のカンタービレが逃げるゴージャスランチに並びかけていく。直線、早々に先頭に立つと、そのまま他馬の追走を抑え込んでの完勝。ルメール騎手の好判断、好騎乗が勝利をもたらしたといえるだろう。

 カンタービレは5番人気。中団から差し脚を伸ばした2番人気のサラキアが2着。先行した13番人気のラテュロスが3着に入って、3連単は22万を超す高配当になった。

 オークス6着の1番人気馬サトノワルキューレは後方からの追い込みに懸けたが、鋭い差し脚は不発気味。結果は6着だった。

 セントライト記念もローズSも、前走、ダービー、オークスで2桁着順に大敗していた馬が勝利をつかんだが、3歳馬の夏の成長を計るのはむつかしい。

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2018年9月11日 (火)

第1420回 秋本番にむけて

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 きようは、風が冷たく、半袖では鳥肌が立つ。夏は終わったんだと実感する。
 先週から秋競馬も始まった。

 中山の京成杯オータムハンデは直線の坂上で、ハンデ戦らしく横一線。そこから瞬発力の違いを見せたのが中団後方で脚をためていたミッキーグローリー。ミッキーグローリーを追うように最後方から大外を駆け上がってきたのがワントゥワン。先行集団の後ろから直線、馬群を割って前に出たのがロジクライだった。

 ミッキーグローリーが勝ち、2着にワントゥワン、3着がロジクライ。1、3、2番人気順の決着で、3連単も5960円という堅い配当になった。
 重賞戦としては、指数も少し低調で、この秋のマイル路線の主役としては物足りなさを感じる。

 雨で渋った馬場になった阪神の1200メートル戦セントウルSは、G1馬ファインニードルが力の差を見せつけたレースだった。

 ただ1頭58キロを背負っており、馬場状態を考えれば苦しくなってもおかしくはなかったはず。軽ハンデのラブカンプーがハイペースで逃げ、結果としてスタミナが問われるレースになったのも良かったのかもしれない。6番手で先行して、直線は計ったように差し切る横綱相撲を見せつけられては、他の馬たちはお手上げ。出番はなかった。

 この勝利でファインニードルは今年、国内戦は3戦3勝。すべて90以上のスピード指数で勝っている。本来、ここはスプリンターズSに向けての調整段階のレースだったはずで、秋本番に向け、更に調子を上げてくるだろう。

 52キロの軽ハンデを生かして逃げたラブカンプーが2着に残り、後方から最速の上りの脚を使ったグレイトチャーターが3着に好走した。

 秋華賞トライアルレースの紫苑Sは2番人気のノームコアが直線、鮮やかに抜け出して快勝した。桜花賞、オークスと、春のクラシック戦線には出走がならなかったが、その雪辱を晴らすレースになった。スピード指数も春のクラシック戦線上位馬たちとそん色なく、秋本番に向けて、十分に戦える力があるだろう。

 1番人気のオークス5着馬マウレアは2着には上がってきたが、差し脚にノームコアほど鋭さが見えず、いささか期待外れのレースだった。3着には、逃げ粘った7番人気のランドネが入った。

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