2019年4月16日 (火)

第1479回 高レベルの3強

201904140611
201904130911
201904140911
 長い審議の末、サートゥルナーリアの勝利が確定した。直線でサートゥルナーリアが内によれ、ヴェロックスとぶつかる事象も降着には至らず、2005年ディープインパクト以来の無敗の皐月賞馬が誕生した。

 スローペースになると想像していたが、ランスオブプラーナが果敢に逃げてペースが上がった。中団の前、内ラチ沿いにダノンキングリー、すぐ後ろの外側にヴェロックスがつける。サートゥルナーリアはヴェロックスを見る位置になった。

 直線に向くと、外からヴェロックスが先頭に立ち、ヴェロックスを追うようにサートゥルナーリアが馬体を合わせに行く。内を突いたのがダノンキングリー。直線半ば、後続馬たちが引き離されて、力の入る3頭の叩きあいがゴールまで続いたが、アタマ差、ハナ差のきわどい決着だった。

 ペースが上がったことで、真価が問われるレースになり、上位3頭のスピード指数は歴代の皐月賞馬たちと比べても上位に評価される高レベルだった。3強と、それ以下の馬たちとは2馬身の差がついた。ダービーもこの3頭が中心になるだろう。

 NHKマイルCのトライアルレース・アーリントンCは、牝馬のイベリスがスローペースで逃げ切り勝ちを収めた。最後方から追い込んだカテドラルが2着、3着も後方から脚を伸ばしたトオヤリトセイトだったが、12番人気、7番人気、11番人気の入線順で、3連単は136万円越えの高配当になった。たた、スローペースもあって、上位陣のスピード指数は低調で、次につながるレースだったとは言いにくい。

 アンタレスSはドライヴナイトが逃げてハイペースになった。直線、先行集団から早々抜け出して先頭に立ったグリムを、中団から差し脚を伸ばしたアナザートゥルースがとらえ、半馬身差で快勝した。3着はロンドンタウン。

 春の中山、阪神の開催が終わって、今週から東京、京都の開催が始まる。秋の開催もいいけど、生命の息吹を感じる新緑のこの季節が一番心地いい。

| | コメント (0)

2019年4月 9日 (火)

第1477回 騎手の手腕

201904070911
201904060611
201904060911
 桜花賞はルメール騎手のグランアレグリアが勝った。ペースが落ち着いたのを見越すように4番手から早めに仕掛け、4コーナー手前で早くも先頭に立った。直線に向くと後続馬を引き離す一方で、そのままゴールに飛び込んだ。後方から内に入れて追い込んできた2着馬シゲルピンクダイヤに2馬身半の差をつける圧勝劇だ。3着は中団から外に回して差し脚を伸ばしたクロノジェネシス。1番人気のダノンファンタジーは一旦2着に上がったが、ゴール前、2、3着馬に交わされて4着に沈んだ。

 グランアレグリアは2戦2勝の後、昨年の冬に牡馬相手の朝日杯に参戦。堂々1番人気に推されたものの、結果は3着だった。桜花賞はそれ以来のレースだっただけに、レース間隔が開くことが危惧されたが、心配無用の勝ちっぷりに驚かされた。

 スローペースとはいえ、3コーナー過ぎから仕掛けるのは目標とされやすい分リスクも大きかったはず。翌日のスポーツ紙などには、グランアレグリアの能力を信じきったルメール騎手の好騎乗をたたえる声が大きかった。ルメール騎手は昨年のアーモンドアイの勝利に続いて、桜花賞2連覇を果たした。

 ニュージーランドTは、最内枠番から好スタートを決めたワイドファラオが逃げ切り勝ちを収めた。ペースは超スローで、自身の上りを33秒9にまとめての快勝だった。先行馬の中からメイショウショウブがクビ差の2着に浮上し、3着は最後方から最速33秒3の上りタイムを見せたヴィッテルスバッハだった。大勢が決した後だったとはいえ、ヴィッテルスバッハの差し脚は一頭だけ別次元のように見え、今後も注目に値するだろう。

 阪神牝馬Sはスローペースで差し脚比べになった。直線、先行した馬たちの激しい叩きあいのすえ、ゴールで半馬身抜け出したのが4歳馬ミッキーチャームだった。ミッキーチャームは4コーナー3番手から、2着のアマルフィコーストは2番手、3着のミエノサクシードも4番手だった馬たちだった。逃げたダイアナヘイローも4着に粘っており、後方から追い込む馬たちにチャンスはなかった。ミッキーチャームは重賞初制覇。

 1番人気のラッキーライラックは好スタートを切ったものの、挟まるなどの不利もあって徐々に位置を下げ、直線に向くところではほぼ後方になってしまった。これでは勝負にならない。33秒2の上りでも、脚色は他馬と同水準。鋭さが見えないまま8着に終わった。

| | コメント (0)

2019年4月 2日 (火)

第1475回 ペースが分けた勝敗

201903310911
201903300611
 新しい元号が発表された。「令和」はどんな時代になるのだろう。何よりも平和であってほしいと祈るばかりだ。

 大阪杯はアルアインが復活の勝利を手にした。皐月賞以来、およそ2年ぶりの勝利がこのG1大阪杯。手綱を取った北村友騎手はJRAのG1初勝利になった。

 レースはエポカドーロの逃げでスローペースになった。2番手にキセキ、3番手がスティッフェリオ、アルアインは4番手につけた。直線、馬場の真ん中からキセキが前に出たが、残り1ハロン、内から鋭い差し脚を伸ばして先頭に立ったのがアルアインだ。ゴールではクビ差でアルアインが制し、キセキが2着。最内を突いたワグネリアンが3着にあがった。

 いずれも先行していた馬たちで、後方から差し脚を伸ばしたのは4着のマカヒキだけだった。スローペースのせいばかりでなく、AコースからBコースへのコース替わりに加え、良馬場とはいえ、前日からの雨で馬場もゆるめで、先行馬に向く展開と馬場状態だったといえそう。後方からの馬たちにとっては苦しい戦いを強いられる結果だった。

 1番人気に推されたブラストワンピースは先行できず、スタートから内に閉じ込められて位置取りを下げざるを得ず、最後方からになってしまった。直線、大外から目いっぱい追ったが、最後は先行馬たちと脚色も同じで、6着が精いっぱいだった。

 スローペースのせいで、指数は条件戦並みのレベル。スローペースの割に、上り指数も大したことなく、指数上は低調なレースだった。

 大阪杯と比べると、ハイペースでしのぎを削る戦いになったのがダービー卿CTだ。
 1000メートル通過56秒5のハイペースを作ったのは逃げたマルターズアポジー。さすがにマルターズアポジーも2番手追走のエイシンティンクルも、直線は脚が上がって失速。

 そんな厳しいペースをものともせず、3番手から脚を伸ばしたのがフィアーノロマーノだった。直線、早め先頭に立つとそのまま押し切って、レースレコードで重賞初制覇を果たした。これでマイル戦は5戦4勝。スピード指数も上々で、これからが楽しみなマイル界の新星といえそう。

 差のない2着にプリモシーン、3着はマイスタイル。いずれも中団から差し脚を伸ばして、上位に食い込んだ。後方から最速の差し脚を使ったダイアトニックが4着だった。

 今週は桜花賞。次週が皐月賞。競馬のカレンダーは進みが早い。

| | コメント (0)

2019年3月26日 (火)

第1473回 波乱の日曜

201903240711
201903240611
201903230611
201903230911
 メインレースの高松宮記念の3連単は449万7470円、マーチSも124万620円と、日曜日のメインは大荒れだった。土曜日も含めると、10万円を越えた3連単は合計14本あった。先週も10万越えの3連単は16本でており、先々週も15レース、その前の週も同じく15レースが10万越えの高配当だった。だから、特に今週だけ荒れたということではないが、メインレースで連続100万越えは印象が強く残る。

 高松宮記念は想定通りモズスーパーフレアが逃げた。ただ、外枠が影響したのか、スタートからおっつけどおしで、前を行くセイウンコウセイやラブカンプーを交わすのにも手間取っていた印象。それでも無理して逃げの形に持ち込んだが、楽にハナに立ったという感じはなかった。

 直線でもいつもの粘りがなく、坂下で失速。外から、内から、押し寄せる馬たちになす術もなく、15着に大敗した。「本調子になかった」という陣営のコメントがあったが、牝馬にとって中2週は相当に厳しかったのかもしれない。

 栄冠を手にしたのは3番人気の4歳馬ミスターメロディーだった。内枠から好スタートを決めて先行。直線に向くと前が開いた。早々と先頭に立ったセイウンコウセイの内に入れて、ゴール前100メートル地点で先頭に立つと、そのまま押し切る、堂々の勝利だった。芝の1200メートル戦は初挑戦だったが、それで快勝するのはよほど短距離適性が高いに違いない。

 2着に12番人気のセイウンコウセイ、17番人気のショウナンアンセムが最内から差し脚を伸ばして3着に入り、JRAのG1史上5番目の高配当になった。
 1番人気のダノンスマッシュは、直線、外から脚を使って伸びたものの4着まで。

ダートのハンデ戦マーチSは8番人気のサトノティターンが後方一気の追い込みを決めた。ハイペース気味だったことも幸いしたのかもしれないが、1頭だけ次元の違う鮮やかな差し脚だった。2着に11番人気のロンドンタウン、3着は12番人気のリーゼントロックで、3連単は124万馬券になった。1番人気のテーオーエナジーは10着。3、4番手で先行したものの、直線で脚が上がった。

 日経賞は最内枠からメイショウテッコンがスローペースの逃げ切り勝ちを決めた。2週目の3コーナー手前で1番人気のエタリオウに並ばれたが、直線の叩きあいでは差を広げる余裕の勝利だった。

 3歳馬の毎日杯もまた、最内枠からランスオブプラーナがスローペースの逃げ切り勝ちを決めた。先行集団からウーリリが2着に上がって、1番人気のヴァンドギャルドは後方から追い込んだが、3着だった。

| | コメント (0)

2019年3月19日 (火)

第1471回 力の違いで完勝

201903170911
201903170611
201903160611
201903160711
 阪神大賞典は1番人気のシャケトラが強い勝ち方をした。骨折で休養の後、1年1か月振りのレースになった前走AJCCを快勝。阪神大賞典はG1馬不在の手薄なメンバー構成だったとはいえ、直線、早めに先頭に立ち、5馬身差をつけて完勝。ここでは力が違うことを見せつけた。

 サイモンラムセスがハイペースの逃げを打ち、サイモンラムセスが力尽きた2周目の向こう正面で2番手からロードヴァンドールが入れ替わって先頭に立って、長距離戦としてはペースが速くなった。シャケトラの長距離適性は未知数だっただけに、このハイペースの3000メートル戦の勝利は距離の幅を広げるうえでも大きいだろう。

 2着は格上挑戦だった6番人気カフジプリンス。3着には逃げた10番人気のロードヴァンドールが粘り込んだ。ロードヴァンドールは初の3000メートルで好結果を残したが、厳しいペースを逃げ粘ったスタミナは今後に生きてくるだろう。

 長距離適性から注目していたリッジマンは、直線の脚がみられず6着まで。ペースが合わなかったのか、あるいは有馬記念以来のレースで、本来の調子にはなかったのか。

 上位3頭に皐月賞の優先出走権が与えられるスプリングCは、直線、長く横一線の叩き合いが続いたが、ゴールでアタマだけ抜け出したのが10番人気のエメラルファイトだった。2着は1番人気のファンタジスト、3着が7番人気のディキシーナイト。上位馬のスピード指数はそこそこのレベルにあり、皐月賞本番での期待が広がる。

 3歳牝馬のフラワーCは、2番人気のコントラチェックが好スタートから逃げ切り勝ちを決めた。直線では後続馬を引き離す余力十分の勝利で、全く危なげがなかった。この後は桜花賞を見送って、オークスに向かうようだが、3歳牝馬世代は、まだ大きく抜け出す馬も不在で大混戦。コントラチェックにもチャンスはあるだろう。
 1番人気のエールヴォアが2着。3着は5番人気のランブリングアレー。

 3歳重賞のファルコンSは、後方から大外一気に差し脚を伸ばした4番人気のハッピーアワーが勝って、2着は勝ち馬とともに伸びてきた3番人気のグルーヴィット。その上位2頭から3馬身ほど遅れた3着には、先行した2番人気のローゼンクリーガーが入った。3番手で先行した1番人気のヴァッシュモンは直線、脚を残せず6着だった。

 平均ペースのレースで、勝ち馬のスピード指数は現3歳世代トップの高指数になった。マイル戦から1400メートルに距離を短縮して、持ち味の鋭い瞬発力が生きたレースだったようで、短距離路線ではトップレベルだろう。

| | コメント (0)

2019年3月12日 (火)

第1469回 春本番に向けて

201903100911
201903100711
201903090611

 桜花賞のトライアル、フィリーズレビューは、3番人気プールヴィルと12番人気ノーワンが1着同着になった。3着は6番人気のジュランビルで、3連単はいずれも高配当になった。重賞での1着同着は、2010年のオークスでのアパパネ、サンテミリオン以来の出来事らしい。

 プールヴィルは中団後方から、直線は馬群の混み合う内を突いて伸びた。ノーワンは先行集団の後ろから、直線は内で包まれそうになり、そこから外に持ち出すと、一気の差し脚を見せた。

 ペースからすると、先行馬がもう少し頑張れるはずだが、先行馬では3着のジュランビルが最上位で、多くは脚が残っていなかったようだ。阪神は昼前からの雨で、フィリーズレビューの頃には、芝コースは稍重の馬場状態。その緩い馬場が合わなかった馬もいるのかもしれない。
 さて、フィリーズレビューの結果がそのまま桜花賞につながるかどうか。

 中京の金鯱賞も雨中のレースになった。
 ダービー以来の出走になったダノンプレミアムは3番手の内で脚をため、直線は余力十分。直線半ばで一気に抜け出し、後続の追撃をものともせず、楽々の快勝劇をみせた。

 ダノンプレミアムは朝日杯を勝って、最優秀2歳牡馬にも選出されていた。弥生賞も勝って4戦4勝でダービーに向かい、1番人気に支持されていた馬だ。ここまでは何かと態勢が整わず復帰が遅れたようだが、まさに力の違いを見せつけるような圧倒的な勝利だった。この勝利で6戦5勝。この後はG1大阪杯に向かうはずだが、そこでもと、おおいに期待がふくらむ。

 リスグラシューが2着。3着はエアウィンザー。2番手で先行して、直線、早め先頭に立ったギベオンは残り100メートルで失速。6着だった。

 ハンデ戦の中山牝馬S。
 横一線のゴールは、わずかにハナ差でフロンテアクイーンが先着していた。2着はウラヌスチャーム、3着はクビ差のアッフィラートだった。5、3、11番人気の順で、3連単は16万円超えの高配当。6歳馬の勝利も2010年以来だった。

 注目していた2番人気馬ミッキーチャームは、2、3番手で先行していたものの、直線は見どころなくズルズル後退。最下位に沈んだ。何でだろう。1番人気のノームコアも7着まで。牝馬のハンデ戦はむつかしいし、たいてい荒れる。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2019年3月 5日 (火)

第1467回 重馬場が

201903030611
201903020911
201903020611

 皐月賞トライアルの弥生賞。今年は重賞2勝馬ニシノデイジー、2戦2勝のラストドラフトが1、2番人気に推された。
 あいにく朝からの雨で、弥生賞の発走時には重馬場まで馬場が悪化していた。

 好スタートからハナに立って逃げたのはラストドラフトだった。ラストドラフトは12秒台のラップを刻んでレースを引っ張ったが、直線では脚が上がって結果は7着。馬場状態を考えれば、ペースは楽ではなかっただろう。ニシノデイジーも4、5番手で先行、直線にかけたが、差し脚の鋭さが見えず4着まで。

 雨を突き抜けるように伸びたのは8番人気の伏兵メイショウテンゲンだった。3コーナーでは6番手。直線、比較的馬場の良い外に回して、坂上で先頭に立つと、そのまま押し切って皐月賞への切符をつかんだ。

 2着は最後方から直線、大外一気の瞬発力を見せた6番人気のシュヴァルツリーゼ。1戦1勝馬で、指数は低調だったが、新馬戦は超スローペースを差し切り勝ちしており、その鋭い差し脚はここでも上位にあった1頭だ。

 3着も外から差し脚を伸ばした4番人気のブレイキングドーンで、内を突いて上位に残ったのはニシノデイジーだけ。ここは重馬場の適性や巧拙、内外の馬場の違いなども大きな影響を与え、結果を左右したのではないか。

 桜花賞のトライアル戦チューリップ賞は圧倒的な1番人気ダノンファンタジーが順当に勝利をつかんだ。直線で前がふさがれで、外にコースを取り直すロスがあったものの、前があくと一気に加速して力通りの完勝。最優秀2歳牝馬の栄誉に磨きをかけて、4連勝で桜花賞へ向かう。
 2、3着は4番人気のシゲルピンクダイヤ、7番人気のノーブルスコア。

 芝1200のオーシャンSは、前走カーバンクルSの1、2着馬モズスーパーフレアとナックビーナスの2頭の牝馬が上位人気を構成。前走同様、ハイペースで逃げたモズスーパーフレアと、3番手から追ったナックビーナスが、直線なかばで他の馬たちを引き離して、2頭の激しい叩きあいになった。

 前走カーバンクルSは2頭の間に5キロの負担重量差があり、ナックビーナスの逆転もあると思ったが、最後は逃げるモズスーパーフレアとナックビーナスの脚色が同じになって、差は詰まらないまま。モズスーパーフレアが重賞初勝利をつかみ、高松宮記念の優先出走権も手にした。

 最近の芝短距離戦線はこれといった中心馬も不在で、少し低調気味。4歳牝馬モズスーパーフレアはハイペースで逃げて直線でも脚か使える。これからもっと強くなり、牝馬ながら短距離戦線のキングになれるのではないか。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2019年2月26日 (火)

第1465回 新境地を開く

201902240911
201902240611

 開催替わりの日曜日。3連単の561万馬券や、WIN5の最高配当となる4億7180万円が出るなど、波乱の多い開幕週になった。

 阪急杯も、勝ったのは11番人気のスマートオーディンだった。スマートオーディンは毎日杯、京都新聞杯を連勝。(4101)の成績でダービーに臨んだが結果6着まで。その後、脚部不安で2年もの休養を余儀なくされた。復帰後の4戦は1800、1600メートルを使ってきたが、精彩を欠くレースが続いていた。

 ただ、ナビグラフで見ると、着順は悪かったものの、上りの脚はここでは上位にランクされる高レベルにあった。今回、初めて1400メートル戦に挑戦。持ち味ともいそうな、後方一気33秒4の鋭い差し脚が鮮やかに決まった。短距離に適性があったのだろう。

 2着は3、4番手で先行した4番人気のレッツゴードンキ。直線、一瞬は先頭に立つ場面もあったが、並ぶ間もなく、大外からスマートオーディンに交わされてしまった。3着は中団から内を突いた2番人気ロジクライ。本来なら2番手で先行したかったはずだが、スタート後、他馬によられるアクシデントで位置取りを下げざるを得ず、加えて、直線でも抜け出すのに手間取り、不完全燃焼のレースになってしまった。それでも3着にまで上がってきたのは、地力の高さのためだろう。

 中山記念は、5頭のG1馬を力でねじ伏せた5番人気のウインブライトが、昨年に続いて連覇を達成した。この勝利で中山の芝は(5201)。中山1800は4戦4勝。圧倒的な中山巧者ぶりを発揮した勝利だった。2着に6番人気ラッキーライラック、5番手追走の2馬人気ステルヴィオが3着だった。

 大逃げを打ったのはマルターズアポジー。2番手のラッキーライラックが逃げ馬を追った。逃げ馬から大きく離れた3番手にエポカドーロ。ウインブライトは4番手から。

 逃げ馬はハイペースがたたって失速したが、自分たちのペースを守った中団より前でレースを進めた馬たちが上位を占めたレースで、勝ち馬は33秒7の上りタイムを示しており、後方から追い込む馬たちには少し苦しい戦いになったのではないか。

 1番人気の推された休み明けの牝馬ディアドラは良いところなく6着に沈んだ。ペースや展開のせいだけでなく、まだ完調にはなかったのかもしれない。

 週末はもう3月。季節の変わり目たけに、人も馬も調子を崩すことがあるかもしれない。馬に花粉症はあるのかな。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2019年2月19日 (火)

第1463回 インティと武豊騎手に乾杯

201902170511
201902160511
201902171011
201902160811

 フェブラリーSは藤田菜七子騎手がG1初騎乗になることもあって、ずいぶん盛り上がった。結果は1番人気のインティが逃げ切り勝ち。7連勝でG1タイトルホルダーになり、ダート界のトップに躍り出た。

 前半1000メートル通過が1分00秒2と、G1戦としてはスロー気味の流れに持ち込んで、上りを35秒4でまとめた。武豊騎手の「直線で引き離す作戦」通り、直線に向いてスパートをかけると後続馬は離される一方。中団から最速の上りで差を詰めてきたのが2番人気のゴールドドリームだったが、インティとの勝負はついたあとだった。ハイペースになりがちなダートのマイル戦だけに、慎重にペースを作った武騎手の好騎乗だった。3着にユラノト。藤田菜七子騎手騎乗のコパノキッキングは最後方から追って5着まで上がってきた。

 インティは今回マイルのG1でも勝利をつかんだが、スローの流れに持ち込んだ武豊騎手の判断によるところもあったはずで、本来は1800くらいの距離のほうがいいのかもしれない。

  長距離のダイヤモンドSは、菊花賞3着、続く万葉Sも2着に好走した4歳馬ユーキャンスマイルが単勝1.7倍の圧倒的支持に応えて完勝した。直線、後方から内を突いて、一瞬、スペースを探す場面もあったが、抜け出す脚が違っていた。逃げ粘った8番人気のサンデームーティエが2着に残り、3着は3番人気カフェブリッツ。これといった長距離実績のある馬もいなかったから、ユーキャンスマイルの強さが目立ったが、スローペースもあって指数上は低調なレースだった。

 ハンデ戦の小倉大賞典は57キロのスティッフェリオが制した。スティッフェリオは好スタートから4番手で先行。逃げたサイモンラムセス、2番手のタニノフランケルとの3頭の熾烈な叩きあいを制して、クビ差の勝利だった。3、1、14番人気の決着で、3連単は37万を超す高配当になった。

 京都牝馬Sも荒れた。勝ったのは9番人気のデアレガーロ。直線、中団の位置から馬場の真ん中を差し脚鋭く突きぬけて快勝。初の重賞制覇を果たした。2着は後方大外から伸びた7番人気のリナーテ。3着は2番手で先行していた13番人気アマルフィコーストが残って、3連単は153万超馬券。人気のミスパンテールは伸びあぐねて5着まで。

 宮本輝氏の「流転の海」シリーズが完結したというので、昨年の年末から読み始め、先週、全9巻を読み終えた。戦後の闇市の時代から、主人公、松坂熊吾が亡くなるまでのおよそ21年間の、熊吾、妻房江、子伸仁の一家3人と、一家を取り巻く膨大な人々のあやなす物語だ。宮本輝氏の自伝的作品とされており、三十数年かけて書き続けられた肉厚な作品。読んでいる間、ずっと一家とともに生きていたような気がして、ひきこまれるように一心不乱に読んだ。最後の1巻は、読み進めるごとに、「ああ、もう終わってしまう。終わらないでくれ」と思う気持ちにさらされた。
 大阪や愛媛の南予、富山などが舞台だが、私にとっては土地勘がないところばかりで、地図のコピーを本に挟んで読んでいたが、それもまた楽しかった。
 私自身、作家と年代も近いせいもあって、「泥の河」以来のファンだが、市井の人々へのまなざしのやさしさが好きだ。「優駿」で第一回JRA賞馬事文化賞も受賞しており、競馬にも明るく、「流転の海」シリーズの中でも、たびたび京都競馬場が出てくる。
 長い作品ですが、時間があればぜひ、読んでみてください。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2019年2月13日 (水)

第1461回 春に向けて

201902100511
201902110511_2
201902100811_2

 先週は東京の大雪予報で、開催が変則になった。この時期、雪で開催が変更されることはよくあることで、もう慣れてしまった。今回は、結果として雪は積もらなかったが、天気には逆らいようもなく、不測の事態に備えるに越したことはない。

 共同通信杯は7頭立ての少頭数のレースになった。
 人気は4戦4勝のアドマイヤマーズ。昨年12月の朝日杯にも勝利して、最優秀2歳牡馬にも選出された。そのアドマイヤマーズが先頭に立ち、スローペーで逃げた。2番手に2番人気のフォッサマグナ、内の3番手に3番人気のダノンキングリーがつけた。

 直線、アドマイヤマーズが差を広げるところ、最内から差し脚を伸ばしたのがダノンキングリーだ。ゴールまで200メートルの地点でアドマイヤマーズをとらえると、勢いもそのままにゴールへまっしぐらに突き進んだ。2着のアドマイヤマーズとは1馬身4分の1の差。上りも32秒9の最速タイムで、完勝のレースだった。これで3戦3勝。

 大きく離された3着に4番人気のクラージュゲリエが上がってきたが、スローペースの鋭い瞬発力には欠けるようで、上位の2頭の差し脚が優った結果だった。

 月曜日の開催になったクイーンCも少頭数の9頭立て。
 人気のクロノジェネシスがスローペースの中団後方で脚をため、直線、余裕の差し脚で快勝した。2着は2番人気のビーチサンバ。3着は7番人気のジョディー。

 この勝利でクロノジェネシスは4戦3勝、2着1回。2着に負けたのは阪神JFでのダノンファンタジーにだけで、現3歳世代牝馬のトップクラスの力があることを示した。次走予定の桜花賞で、ダノンファンタジーとの再対決に雪辱をかける。

 京都記念は、4コーナー3番手のダンピュライトが直線の叩きあいの末、クビ差抜け出して2つ目の重賞タイトルを手にした。横一線の2、3着は、大外から追い込んだステイフーリッシュ、マカヒキ。

 道中のペースが遅く、先行するダンピュライト向きの展開になったなか、後方から追い込んだステイフーリッシュ、マカヒキの差し脚は上々のレベル。春本番につながるレースになったのではないか。とりわけ、ダービー馬マカヒキの真の復活を望みたい。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

より以前の記事一覧

その他のカテゴリー

サポート情報 ナビグラフ回顧 競馬