2019年11月12日 (火)

第1538回 スローペースの差し脚

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 エリザベス女王杯は7番人気クロコスミアの大逃げで始まった。離れた2番手に1番人気のラヴズオンリーユーがつけた。クロコスミアは1000メートル通過が1分2秒8というスローペースの逃げだったが、積極的に仕掛ける馬もおらず、後続馬に大きな差を保ったまま直線に向く。

 直線半ば、先行していたラヴズオンリーユー、センテリュオがクロコスミアとの差を詰めにかかるが、直線も必死に粘るクロコスミアに追いつけない。先行馬たちの叩きあいの間隙をつくように、開いた内ラチから一気の差し脚を見せたのが、3番人気のラッキーライラックだった。ラッキーライラックはそのまま突き抜け、クロコスミアに1馬身4分の1の差をつけて快勝した。

 ラッキーライラックは2歳時にG1阪神JFを勝ち、3歳春のチューリップ賞も勝っているが、その後は重賞タイトルに手が届かず、久々の重賞勝ちとなった。

 2着にクロコスミア、3着にラヴズオンリーユー、4着センテリュオと入って、勝ち馬を除けば先行馬の前残りのレースだった。先行馬に有利なスローペースだったわけで、それだからこそ、ラッキーライラックの中団から最内一気の差し脚は見事というしかないだろう。

 武蔵野Sは9番人気の伏兵ワンダーリーデルが快勝した。
 ワンダーリーデルは後方の内から。4コーナーで大きく外に持ち出し、そこから実に長くいい脚を使っての勝利だった。2着は8番人気タイムフライヤー、3着は13番人気ダノンフェイスで、3連単は235万円超の高配当になった。
 ドリームキラリがハイペース気味の流れで逃げ、後方から差し脚を伸ばした馬たちが上位を占める結果だった。

 期待していた圧倒的1番人気馬エアアルマスは、好スタートから3番手で先行する場面もあったが、ズルズル後退して、直線も全く見どころがなかった。川田騎手のコメントでは「砂をかぶるのが嫌」なのだとか。

 福島記念は1番人気のクレッシェンドラヴが底力を見せた。クレッシェンドラヴは中団で流れに乗り、4コーナーで3番手にまで進出。直線の叩きあいを楽に制して、1馬身4分の1差をつける完勝だった。2着はクレッシェンドラヴとの叩きあいには後れを取ったが、中団から勝ち馬と馬体を合わせるように伸びた6番人気のステイフーリッシュ。やはり力があると感じさせたのが、58.5キロの厳しいハンデをものともせず3着に押し上げた2番人気のミッキースワロー。

 デイリー杯2歳Sは、3番人気のレッドベルジュールが勝って、2戦2勝とした。レッドベルジュールは6月の新馬戦以来のレースだったが、後方2番手から、直線は最内を突いて一気に切し切っての勝利。2着は7番人気のウイングレイテスト、3着に1番人気のペールエール。

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2019年11月 5日 (火)

第1536回 気になるインティの大敗

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 アルゼンチン共和国杯は、オジュウチョウサンが逃げてペースはスローになった。3番手で先行したムイトオブリガードが、直線、内から差し脚を伸ばし快勝。ムイトオブリガードは2番人気馬。昨年も2着に好走しており、1年をかけて雪辱を果たし、念願の重賞タイトルをつかみ取った

 2着は後方から内ラチ沿いに伸びた5番人気のタイセイトレイル。馬場中央から勝ち馬に迫った1番人気アフリカンゴールドが3着だった。

 スローペースで今年も指数は低調だった。近年のアルゼンチン共和国杯はスローペースが多く、上がり指数はプラス10以上が必須のようで、勝ったムイトオブリガード、2着のタイセイトレイルともに上がり指数はプラス11と高レベル。スローペースなら先行馬にアドバンテージがあるはずだ。それを見越して、いつもは後方からのムイトオブリガードを先行させた横山典騎手の好騎乗がもたらした勝利だった。

 ダートの重賞みやこSはリアンヴェリテ、スマハマ、インティの3頭がやりあってハイペースになった。1000メートル通過が59秒0という芝並みのペースでは、直線脚が上がるのは当然だろう。スマハマは9着、リアンヴェリテは13着、1番人気のG1馬インティは完走馬では最下位の15着に沈んだ。

 勝ったのは後方から早めに仕掛けた7番人気のヴェンジェンス。4コーナーでは早々と先頭に立つと、そのまま押し切って勝った。後方から最速の上りで迫った10番人気のキングズガードが半馬身差の2着。3着は6番人気ウェスタールンドだった。

 それにしても、インティはもろかった。道中ムキになっていたというが、それだけでは敗因を語れないだろう。ダメージもありそうで、今後、巻き返しが可能なのか、気にかかるほどの大敗だった。

 京王杯2歳S。レコードタイムで勝ったのはタイセイビジョン。直線、中団の後ろから33秒5の最速の上りで圧勝。前走、函館2歳Sは2着だったが、距離を伸ばして持ち味が生きたレースのようだった。函館2歳Sを勝ったビアンフェが逃げ粘って2着。ヴァルナが3着。

 2歳牝馬のファンタジーS。6番人気のレシステンシアが2番手で先行、直線、抜け出すと、1番人気のマジックキャッスルの追撃を押さえて1馬身差の完勝。デビューから2戦2勝とした。スピード指数も現2歳世代の最高指数で、素質を感じさせるレース内容だった。2着はマジックキャッスル、3着はクリアサウンド。

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2019年10月29日 (火)

第1534回 最強アーモンドアイ

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 天皇賞・秋は圧倒的な人気を集めたアーモンドアイが圧勝した。

 内枠から好スタートを決めたアーモンドアイは、内ラチ沿いの5、6番手で流れに乗った。逃げたのは5歳牝馬のアエロリット。ペースは落ち着き、隊列は変わらないまま、直線に向く。直線半ば、内ラチを行くアーモンドアイの前が詰まるようにも思えたが、ルメール騎手は最内に開いたスペースを見逃さなかった。すぐさま、ゴーサインを出すと、内から一気に突き抜け、後続馬たちをぐんぐん引き離していく。ゴールではあっという間に3馬身の差をつけていた。

 先行馬に有利な前残りのペースとはいえ、G1タイトルフォルダーの牡馬たちを全く相手にしなかった。その一瞬のスピードは天性のものというべきだろう。アーモンドアイ1頭だけ次元が違うように見えたレースだった。

 2着は先行していた3番人気のダノンプレミアム、6番人気で逃げたアエロリットが3着に残った。2番人気の3歳馬サートゥルナーリアは2、3番手で先行したが、直線で踏んばれず、6着に後退した。

 過去の名牝といえば、ウオッカ、ジェンティルドンナ、ダイワスカーレット、アパパネ、ブエナビスタなどの名前が浮かんでくる。アーモンドアイは彼女たちと並び立つか、あるいは彼女たちをもしのぐ力があることを示した天皇賞・秋の勝利だった。ルメール騎手は「エネイブルとは対戦していないが、世界で一番強い。そう言っていいレベル」とまでコメントしている。すごい。

 スワンSは、ゴール前、差し脚を伸ばした3頭が他を大きく引き離して叩きあい。後方大外から鋭い差し脚を伸ばした1番人気のダイアトニックがハナ差で勝利をつかんだ。2着はモズアスコット、3着はマイスタイル。ダイアトニックはこの勝利で京都コースは5戦5勝、阪神も1戦1勝で関西圏では、負けなしだ。

 2歳牝馬の重賞、アルテミスSは超スローペースになった。本来、先行した馬たちが有利な流れのはずだが、直線、後方から断然の差し脚を見せたリアアメリアが一気に浮上。力の違いを見せつけて快勝した。2着は2番手先行のサンクテュエール、3着に逃げたビッククインバイオが粘り込んだ。

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2019年10月23日 (水)

第1532回 距離適性

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 令和最初の菊花賞は武豊騎手の3番人気ワールドプレミアが快勝した。クビ差の2着に8番人気のサトノルークスが入り、人気を集めたヴェロックスは2着馬に1馬身離されて3着だった。

 カウディーリョがスローペースで逃げた。ワールドプレミアは4番手で先行するヴェロックスをマークするように同馬の後ろにつけ、内ラチ沿いを進む。直線に向くと、馬場の中央からヴェロックスが抜け出しを図るところ、内からするすると伸びたワールドプレミアが並ぶ間もなく先頭に立った。大外から一気の差し脚を見せたサトノルークスがヴェロックスを置き去りに2着に浮上、ワールドプレミアに迫ったが、クビ差の2着まで。交わしきるところまでには至らなかった。

 ワールドプレミアは初重賞制覇がG1菊花賞、長距離適性の高さのたまものの勝利といえそうだ。勝った武豊騎手がいつも以上に嬉しそうにみえた。馬券では負けたのに、なんだかこちらまで嬉しくなった。

 ヴェロックスの手綱を取った川田騎手はレースの後に、「3000メートルが長かったと思わざるを得ない結果だった」と、コメントしていた。距離が合う合わないは、実際にレースで走ってみないとわからないもの。川田騎手の騎乗は非の打ちどころなく満点だったはず。なのに直線で伸びあぐねた内容からすると、川田騎手のコメント通りと思うしかない。

富士Sはスローペースで先行馬に向く流れだったはずだが、結果は後方から差し脚を伸ばした馬たちが上位を占めた。勝ったのは2番人気の4歳牝馬ノームコア。後方から33秒2の上りタイムで一気に駆け上がり、圧倒的に思える強い勝ち方をみせた。半馬身差の2着はレイエンダ。ノームコアを追って伸び、上りはノームコアをしのぐ驚異の33秒0。アタマ差の3着は中団から33秒6の上りのレッドオルガだった。

 「競馬最強の法則」が休刊になった。先週、その最終号が送られてきた。休刊の理由はよくわからないが、出版全体の不振と無縁でもないのだろう。
 創刊間もない1992年の6月から「スピード指数の理論と実践」の連載をはじめさせてもらい、その後、競馬予想の片隅に身を置く礎を作ってもらった雑誌だけに、往時が懐かしくもあり、少し寂しい気にさせられた。

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2019年10月 8日 (火)

第1529回 圧勝ダノンキングリー

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 毎日王冠は1番人気に推された3歳馬ダノンキングリーが、共同通信杯以来、2つ目の重賞タイトルを手にした。  ダノンキングリーは出遅れ気味のスタートで、最後方からのレースになったが、そのまま4コーナーまでじっと動かず。直線を向くと大外一気に脚を伸ばして、33秒4の最速の上りタイムでの圧勝だった。

 1馬身4分1差の2着には逃げ粘ったアエロリット。3着も2番手で先行したインディチャンプが残った。結果的に1、2、3番人気で決着。人気順の入線で3連単も1000円という堅い配当になった。

 毎日王冠は開幕週で馬場状態もよく、さらにスローペースの流れで、先行馬に向く展開だっただけに、ダノンキングリーの後方一気の差し脚の鋭さは特筆ものだろう。この後は天皇賞秋には向かわず、マイルCSを目指すようだが、差し脚の鋭さを生かすなら、確かにマイル路線のほうが良いのかもしれない。

 京都大賞典は、11番人気の伏兵ドレッドノータスが3番手から差し切り勝ち。波乱の立役者になった。
 平均ペースで逃げたのは6番人気のダンビュライト。3番手にドレッドノータスがつけた。直線なかば、ダンビュライトがしぶとく粘るところ、内から抜け出したドレッドノータスが交わして先頭にたち、そのまま押し切った。2着はダンビュライトが逃げ残り、3着は中団から上がってきた5番人気のシルヴァンシャー。人気を背負ったグローリーヴェイズは先行したものの4コーナーで失速、後方から追い込んだエタリオウは5着まで。 3連単は181万超の高配当になった。

 2歳重賞サウジアラビアロイヤルCは、直線、サリオスとクラヴァシュドールの2頭の叩き合いを制したサリオスが勝利を収めた。スローペースとはいえ、2頭の上りタイムは33秒1。スピード指数も世代トップクラスの高レベルで、サリオスは今後の2、3歳重賞戦線の主役も勤められるだろう。

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2019年10月 1日 (火)

第1527回 新スプリント王

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 スプリンターズSは、2番人気のタワーオブロンドンが念願のG1のタイトルを手にした。  タワーオブロンドンはまずまずのスタートだったが、徐々に下げて中団後方で折り合った。4コーナー手前で動き出し、直線、大外から追い出すと、反応鋭く一気に駆け上がっていく。しぶとく逃げ粘るモズスーパーフレアをとらえると、ゴールでは半馬身の差をつけて圧勝。直線の差し脚の鋭さは1頭だけ抜けたスピードで、他の馬たちを寄せ付けなかった。

 この日も中山の芝は高速馬場。少しペースがゆるむと、追い込みがむつかしくなり、前残りになりがちだ。ルメール騎手が早めに動いたのは、高速馬場を考慮してのことだったようだ。2着に逃げ粘った3番人気馬モズスーパーフレアのしぶさも、高速馬場とペースがもたらしたものだったのだろう。3着は1番人気のダノンスマッシュ。

 新スプリント王・タワーオブロンドンに国内に「敵なし」と思わされる強いレースだったが、今後は海外も視野にあるらしい。新しい強豪たちを相手に、どんな戦いを見せてくれるかが楽しみだ。

 ダート2000メートルのハンデ戦、シリウスSはハイペースになった。3コーナー過ぎ、逃げ先行馬が失速して、中団から上がってきた6番人気馬のロードゴラッソが4コーナーで先頭に立った。直線の叩きあいも、後続馬の追撃をギリギリしのいで、重賞初制覇を果たした。2着は7番人気のアングライフェン、3着は5番人気メイショウワザシ。人気馬は総崩れになり、3連単は11万円を超す高配当になった。

 野球にラグビー、サッカー、バレーボールに世界陸上、ゴルフも気になるし、もちろん競馬もたけなわ。心を揺さぶられる戦いに、年甲斐もなく熱い思いがほとばしる。
 ほかに考えるべきニュースもたくさんあるはずなのに、何も考えなくなっていく自分がいる。これでいいのか。
 先週9月26日は、伊勢湾台風襲来60年の節目だった。子供のころの体験は、いくつになっても鮮明に思い出す。

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2019年9月24日 (火)

第1525回 サートゥルナーリアの圧勝劇

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 神戸新聞杯は1番人気のサートゥルナーリアが圧勝した。
 スタートを決めて逃げたのはシフルマンだった。サートゥルナーリアは抑え気味に2番手に収まった。3番手にレッドジェニアル、4番手がヴェロックス。想定していた雨もわずかで、馬場状態は良かったものの、1000メートル通過が1分03秒4というスローペースになった。

 4コーナー、馬なりでサートゥルナーリアが先頭に立ち、ルメール騎手のゴーサインが出ると、追いすがる後続馬たちを一気に引き離して、32秒3の最速タイの上りでゴールを決めた。

 2着は2番人気のヴェロックス、3着は後ろから追い込んだ3馬人気のワールドプレミアだった。ヴェロックスは馬体を合わせにいくこともできず、3馬身差の完敗。なす術もなく敗れた。

 ヴェロックスは皐月賞、ダービーと、サートゥルナーリアとしのぎを削ってきた世代トップクラスの馬だ。もちろん決して弱い馬ではない。ペースが遅く、先行馬に向く展開だったとはいえ、ライバルと目されたヴェロックスを相手にもせず、直線で楽々3馬身の差をつけてしまうのだから、恐れ入った。

 ただスローペースの差し脚比べで、上り指数は上々だったが、全体の指数は低調。サートゥルナーリアは菊花賞は参戦せず、この後は古馬1戦級を相手の天皇賞秋、ジャパンカップを目指すようだが、はたしてどこまで通用するだろうか。

 オールカマーは、丸山騎手騎乗の4番人気馬スティッフェリオが、まんまと逃げ切り勝ちを収めた。1000メートル通過が1分1秒8だから、このクラスとしてはスローペースの流れだが、超スローペースというわけでもない。逃げて上り34秒0の脚をつかえる絶妙なペースだったわけで、丸山騎手の作戦勝ちといえそうだ。

 2着は3番人気のミッキースワロー、3着はゴール前でレイデオロを交わした6番人気のグレイル。人気を集めたレイデオロは5番手から追ったが、33秒9の上りでは勝ち馬に迫ることもできず、見せ場すら作れなかった。

 2番人気のウインブライトは2馬手からのレースだったが、直線失速。9着に大敗した。レイデオロ、ウインブライトの敗因は何だったのだろう。

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2019年9月18日 (水)

第1523回 本番に向けて

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 菊花賞のトライアル戦、セントライト記念は、1番人気のリオンリオンが直線、3番手から鮮やかに抜け出し、2着馬サトノルークス(8番人気)に2馬身差をつけて快勝した。3着は3番人気のザダル。この3頭が菊花賞の出走権を手にした。

 好スタートを決めたリオンリオンが、いつものように先頭に立つのかと思ったが、外から逃げる気配を見せたアトミックフォースを先に行かせて、リオンリオンは最内の3番手で流れに乗った。直線、ゴールまで残り200メートル地点で、逃げ馬をとらえ先頭に立つと、そのまま押し切った。手綱を取った横山典騎手の好判断、好騎乗が光ったレースだった。

 中山は深夜からの強い雨で、馬場状態は重馬場の状態だった。横山典騎手は「雨が降って馬場もちょうどよかった」とコメントしていたが、重馬場発表とはいえ、それほど悪くはかなったようで、洋芝をオーバーシードされた良馬場に近い状態だったのではないか。まだコースの内側も傷んでおらず、内コースの先行馬に向いた馬場だったといえそうで、上位陣はおおむね先行馬たちが占めた。

 後方からの追い込み馬たちは、苦戦を強いられ、2番人気のニシノデイジーは、最後方から大外に回して、メンバー最速の上りの脚を使って5着だったが、位置取りが少し後ろすぎたのかもしれない。

 秋華賞を目指す阪神のローズSは、1番人気馬ダノンファンタジーがコースレコードで差し切り勝ちを決めた。2着は6番人気のビーチサンバ、3着は2番人気のウィクトーリア。秋華賞の優先出走権はこの3頭がつかんだ。

 ダノンファンタジーは、好スタートも決めたが、控えて中団の後ろまで下げた。4コーナーでビーチサンバが先頭にたち、その外にウィクトーリアが続き、内からはシゲルピンクダイヤも差なく迫る。

 スローペースで先行馬たちの差し脚比べのレースで、激しい叩きあいになったが、大外から1頭だけ差し脚の違いを見せつけたのがダノンファンタジー。33秒1の最速の上りで、ゴール前、きっちり差し切って見せた。
 「本番の秋華賞でも」と思わせる強い内容だった。

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2019年9月10日 (火)

第1521回 レコードタイムの大逃げ

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 秋の中山開幕週のハンデ戦、京成杯AH。  横山典騎手を背に大逃げを打った4歳牝馬トロワゼトワルが、そのまま逃げ切ってJRAレコードタイムで勝利した。トロワゼトワルはこれまで逃げたことはなかったが、逃げの戦法は横山典騎手の判断だったようだ。トロワゼトワルは「切れるタイプではない」ので、スローペースの差し脚比べでは苦しい。52キロの軽ハンデを生かして、ペースを上げて逃げるのが勝利に近いという判断だったようだ。

 この時期の中山の芝コースは野芝のみのコースで、洋芝をオーバーシードする他の季節の馬場と違って、素軽いスピードが求められるのが特徴。開幕週で天候にも恵まれ、馬場は絶好、加えてハンデ戦となれば、軽ハンデを生かして前に行く馬たちには、おあつらえの馬場状態だった。

 トロワゼトワルの1000メートル通過は55秒4。確かにタイムは速かったが、馬場状態を考えればさほどハイペースとはいえない。高速馬場を味方に、見事に思い描いた通りの大逃げで2着馬に3馬身半差をつけた横山典騎手の快勝劇だった。

 2着は3番手で先行したハンデ53キロの5歳牝馬ディメンシオン。3着は3番手で先行したジャンダルム。いずれも先行した馬たちで、高速馬場とペースを生かした馬たちといえそう。

 後方から追い込んだのは5着のプロディガルサンが最上位。また、トップハンデ馬ロードクエストは8着まで。京成杯AHではトップハンデ馬の苦戦が続いているが、その要因のひとつに高速馬場があるのかもしれない。

 阪神のセントウルSは芝1200メートル戦。秋の阪神も中山と同じ野芝オンリーの高速馬場だ。平均ペースで逃げたのはマテラスカイ。タワーオブロンドンはスタートでは出遅れ気味だったが、徐々に位置を上げて4コーナーでは7番手。直線、外に出すと一気の差し脚で圧勝した。

 タワーオブロンドンの上りタイムは33秒2。勝ちタイムもレースレコードだった。短距離戦での3馬身差はまさに大差だ。タワーオブロンドンのスピード指数は過去1年間の短距離戦での最高指数だった。2着は7番人気のファンタジスト、3着は3番人気イベリス。

 最近では、短距離戦で安定したスピード指数の高さを示す馬が不在で、低調な短距離戦線だったが、しばらくタワーオブロンドンの天下が続くかもしれない。もちろん、次走G1スプリンターズSでも大本命になるだろう。

 秋華賞トライアルレースの紫苑Sは、直線半ば、1番人気のカレンブーケドールがぬけだして、そのまま押切を図るところ、3番手から伸びた2番人気のパッシングスルー、4番手から内を突いたフェアリーポルカとの3頭の叩きあいになった。

 激しい叩きあいを制したのはパッシングスルーだった。ハナ差の2着にフェアリーポルカ。3着は半馬身差でカレンブーケドール。このレースはスローペースで、先行馬同士の決着になった。

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2019年9月 3日 (火)

第1519回 2歳戦も本格化

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 令和元年、夏競馬最後の重賞・新潟記念は2番人気のユーキャンスマイルが制した。  ユーキャンスマイルは内ラチ沿いの中団後方から。4コーナー、多くの馬たちが外に回し、内が大きく開いた。ユーキャンスマイルの岩田康騎手は、その開いたスペースを突いて一気に加速、先行馬たちをとらえ、最後はジナンボーとの叩きあいも、わずかにクビ差抑え込んで、2つ目の重賞タイトルを手にした。

 これで左回りのコースは3戦3勝。スピード指数も上々のレベルにあり、秋の東京開催のG1、天皇賞秋、ジャパンカップへと期待がふくらむ。

 2着は6番人気のジナンボー。3着は8番人気のカデナ。人気のレイエンダは直線見どころもないまま10着に敗れた。

 小倉2歳Sは3番人気のマイネルグリットが直線、差し切り勝ちを決めた。
 向こう正面では先行集団のすぐ後ろにつけ、4コーナーは3番手の外から。直線の叩きあいも楽々と差し脚を伸ばしての快勝劇。2着馬トリプルエースとの差はわずかにクビ差だったが、着差以上の強さを印象付けた。これでデビューから3戦3勝。とはいえスピード指数のレベルはさほど高くないので、これからの成長が課題になるだろう。

 2着は2番人気のトリプルエース、3着は4番人気のラウダシオン。

 札幌2歳Sは、5番人気のブラックホールが、直線、大外から一気の差し脚を繰り出して快勝した。2着は3番人気のサトノゴールド、3着は2番人気のダーリントンホールだった。

 ブラックホールは好スタートを決めたものの後方3番手にまで下げた。ようやく3、4コーナーの頂点から仕掛け、直線、大外から一気にまくる荒っぽいレースだったが、長くいい脚を使っており、素質は高いのだろう。

 圧倒的な人気となったゴルコンダは後方から。向こう正面から動いて、4コーナーでは2番手にまで上がったが、切れる差し脚は不発のまま。直線の叩きあいに後れを取って6着だった。ゴルコンダの手綱を取ったルメール騎手は「スタートで躓いてトモの蹄鉄がずれた」とコメントしていた。

 先週、土曜日の札幌1レース、芝2000メートルの2歳未勝利戦を勝ったミヤマザクラ(牝)が現2歳世代トップの高指数を示した。直線だけで2着に5馬身差をつけたが、この時期の2歳馬の指数としては出色なレベルだ。

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