2020年7月 9日 (木)

第1602回 波乱の七夕賞

 福島のメインは波乱の多いハンデ戦、七夕賞。
 1番人気馬は過去10年で2勝、2着1回、3着2回。10番人気以下の馬が上位に浮上することが多く、3連単は高配当になりがちだ。
 ハンデ戦だけに、指数上もランク外の馬の活躍が目に付く。指数上位馬なら、平均指数や過去の指数が高い馬たちが中心だろう。

(七夕賞)  1着        2着        3着
10年    -     -     CZb・Cd同着
11年(中山)-     AYa   -
12年    B c    Yb   -
13年    C c    Xc   -
14年    -     -     CYa
15年     Xa   -     A
16年    -      Xa   -
17年    B a    Y    -
18年    -     B     -
19年     Xa   D c   -

 今年の指数上位は、ジナンボー、マイネルサーパス、ヴァンケドミンゴ、ウインイクシード、レッドローゼス、クレッシェンドラヴ、ソールインパクト、ノーブルマーズなど。

 梅雨時だけに馬場状態が気になるが、スローペースはなさそうなメンバー構成で、有力なのは中団からの差し馬だろう。

 注目は4歳馬ヒンドゥタイムズ。ここは昇級戦になるが、ハンデは55キロとそこそこ高く評価された。これまでデビューからすべて芝2000メートル戦を使って、(4221)の好成績を残してきた。前走の下鴨S(3勝クラス)はトップハンデの57キロを背負って、中団から差し切り勝ちを決め、1番人気にこたえた。スローペースだったから結果としてスピード指数は高くはないが、直線半ばから2着馬に1馬身以上の差をつけた差し脚は見どころ十分だった。福島コースは初めてだが、中団から差し脚を伸ばす脚質なら問題はないだろう。

 馬場が悪化して、よりスタミナが問われるレースなら、4歳馬オセアグレイト(55キロ)の浮上があるかもしれない。ここまで2400以上の距離で好成績を上げており、福島では昨年の夏に2600メートルの信夫山特別を勝っている。

 他では、56.5キロのハンデは気になるものの、福島コースは(2100)と大得意な4歳馬マイネルサーパスにもチャンスはあるだろう。

 ダートの重賞プロキオンSは、昨年まで中京競馬場で行われてきたが、今年は阪神での開催になった。中京で行われてきた過去8年、1番人気は(2222)と比較的安定した成績を残している。ダート重賞だけに、前走指数上位馬の連対率が高い。

 今年の指数上位は、スマートアヴァロン、ミッキーワイルド、ワンダーリーデル、サクセスエナジー、ヤマニンアンプリメ、サンライズノヴァ、レッドルゼルなど。

 ダート短距離戦といっても、極端なハイペースはないメンバー構成で、先行馬が中心になるだろう。

 重賞の実績では盛岡のダートG1南部杯、G3武蔵野S、G3ユニコーンS勝ちのあるサンライズノヴァが最上位だが、59キロの負担重量は厳しいだろう。

 連軸の中心は4歳馬レッドルゼルとした。レッドルゼルは芝の新馬戦3着のあと、ダートに戦いの場を移して(5401)と、高いダート適性を示している。距離も1200、1400メートルの短距離に絞った戦いに好感が持てる。

 マイペースで逃げるサクセスエナジーや、後方一気の差し脚が鋭い8歳馬スマートアヴァロン、カフジテイクに、7歳馬ワンダーリーデルなど、高齢馬たちの鋭い瞬発力に要注意だ。

(プロキオンS)
       1着        2着        3着
12年    -     D b   B
13年    -     B     C c
14年    A c   A     -
15年     Zc   B     -
16年    D     BZ    -
17年    B b   AXa    Yc
18年    D     AXa     B
19年    A a   B     C
(海外、地方競馬を減戦して計算)

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2020年7月 2日 (木)

第1600回 最強の1勝馬

 今週から函館、阪神に加え、福島競馬も始まる。
 福島の開幕週は3歳限定のハンデ戦・ラジオNIKKEI賞が注目のレースだ。
 指数上は、前走指数上位馬や平均指数上位馬、過去の指数上位馬たちが中心になっているものの、ハンデ戦だけに傾向はつかみにくい。
 1番人気は、過去10年で2勝、2着3回、3着1回と連対率は50パーセント。2番人気も(4105)と、50パーセントの連対率だが、勝利数では1番人気を上回る成績をあげている。

(ラジオNIKKEI賞)
       1着    2着    3着
10年    C     -     AYb
11年(中山)A b    Yc    Xa
12年    -      Yc   -
13年    -     A d   -
14年    DZ    DXa   C d
15年    DY     Xa   -
16年    C     B     -
17年    -     -     -
18年    BXa   B     -
19年     Xa   BYb   -
 今年は、サクラトゥジュール、パンサラッサ、アルサトワ、ディープキング、コンドゥクシオン、ベレヌスなどが指数の上位馬たちだ。

 トップハンデが54キロで、軽ハンデでも51キロまで。ハンデ差はあまり気にしなくてよいだろう。 
 ハイペースは考えにくいメンバー構成で、流れは落ち着きそう。更に小回りの福島コースだけに、中心になるのは先行馬だろう。

 先行馬で差し脚もしっかりとしているのは、アルサトワ、アールクインダム、グレイトオーサー、バビット、パラスアテナ、ルリアンなど。ただ、梅雨時のレースだけに、素軽いスピードだけでは苦しいのではないか。過去の勝ち馬は1800や2000メートル以上の距離で好走してきた馬たちで、ある程度スタミナの土台がある馬を中心にとりたい。

 注目はルリアン。指数上はランク外になったが、ここまで3戦2勝、2着1回と好成績を残している。新馬戦2着の後、骨折のため8カ月以上休養したが、3月の復帰初戦を勝って、前走は阪神の2000メートル戦も快勝。大きく離れた2番手から、直線、楽に差し切ったが、先行して長くいい脚を使えるので、福島コースも合うだろう。

 スタミナもありそうな逃げ馬アルサトワ、バビット、パンサラッサたちにも上位のチャンスがありそうだ。
 先行差し馬ではハビットにも要注意。差し脚も鋭い2戦2勝のクレイトオーサーは梅雨時の馬場が合うかどうか。スタミナの点から少し評価を下げた。

 CBC賞は、従来は中京競馬場で行われてきたが、今年は京都競馬場の改修に伴なうスケジュールの変更で、阪神競馬場での開催になった。  今年の指数上位は、クリノガウディー、ディメンシオン、タイセイアベニール、ノーワン、ショウナンアンセム、グランドロワ、アウィルアウェイ。レッドアンシェル、ロケットなど。

 注目は、前走、高松宮記念で1着入線を果たしながら、走路妨害で4着に降着となったクリノガウディー。まだ新馬戦を勝っただけの1勝馬の身だが、新馬勝ちの後はすべて重賞戦に出走し、朝日杯2着、中京記念2着、東京新聞杯3着など、好成績も収めている。

 前走、重馬場の高松宮記念は4コーナー3番手から、直線、鋭い差し脚を使って、ゴール手前100メートル地点で逃げるモズスーパーフレアをとらえ、ゴールまで続いた激しい叩き合いを制した。残念ながら1着入線も降着という裁定だったが、内容も指数も自己ベストのパフォーマンスだった。

 高松宮記念は初の1200メートル戦だったが、距離適性を示せたのは大きな収穫だっただろう。阪神の内回り1200メートルは、比較的先行力が生きるコース。先行力が身上のクリノガウディーには阪神コースも味方しそうだ。課題は58キロのハンデだろう。1勝馬とは思えない重ハンデになったが、高松宮記念の結果からは当然克服しなければならないハンデだろう。

 他では先行できるレッドアンシェル、ロケット、ディメンシオンなどに加え、差し脚鋭いアウィルアウェイ、タイセイアベニール、エイシンデネブ、ジョイフルなどに注目したい。

(CBC賞) 1着    2着    3着
12年    A c   C     A b
13年    CXa   A       d
14年    -      Yc   D
15年    A a    X     Yd
16年    -     -     DXc
17年    B c    Zd   -
18年    -     D      Xb
19年      a    Xd   C b

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2020年6月25日 (木)

第1598回 スタミナ勝負なら

 春のG1の掉尾を飾る宝塚記念が今週の注目のレース。
 過去10年、1番人気は2勝、2着4回、3着1回。連対率は60パーセント。一方、5番人気以下の馬たちが5勝しており、伏兵にも注意がいる。世代別では4歳馬3勝、5歳馬6勝、6歳馬1勝。勝ち馬は4、5歳が中心だ。
 指数上は、過去10年のうち8年で連対する平均指数の上位馬が中心。ただ、前走、スローペースの長距離を使った馬も多く、指数上位馬だけで決着するわけではない。指数のランク外で勝った3頭は、牝馬が1頭、4歳馬が1頭、6歳馬が1頭。牝馬や4歳以外では、指数上のランク馬であることが勝利の要件といえそう。

(宝塚記念) 1着    2着    3着
10年    -      Yb   -
11年    -     A      Xa
12年     Zb   -     -
13年    CXa   -     -
14年     Zd   -     C
15年     Yb   -       d
16年    -     A     B a
17年     Z    C c   -
18年    B d   外     -
19年    C      Xa   BYa
(海外、公営の成績は減戦して集計)

 今年の指数上位馬は、ラッキーライラック、クロノジェネシス、カデナ、ワグネリアン、キセキ、グローリーヴェイズ、ブラストワンピース、サートゥルナーリアなど。

 梅雨時、直線の短い阪神の内回りコースで行われるのが宝塚記念。加えてペースの上がるG1戦だけに、スローペースで上りだけ、あるいは素軽いスピード比べだけのレースにはならない。過去の連対馬たちの多くは、2200メートル以上の距離で好走していた馬たちであり、スタミナのベースがなければ、苦しい戦いになるだろう。

 今年の出走メンバーのなかで、2200メートル以上の距離で好指数を示しているのはワグネリアン、キセキ、サートゥルナーリア、ブラストワンピース、モズベッロ、ダンビュライトなどだ。

 人気面からはサートゥルナーリアが上位に評価されるだろう。4歳馬サートゥルナーリアは皐月賞を勝ち、ダービーは1番人気に推されたが4着まで。アーモンドアイの勝った天皇賞秋は6着、有馬記念は2着に好走した。有馬記念は良馬場とはいえ比較的力のいる馬場状態だった。勝ったリスグラシューには5馬身の差をつけられたものの、後方から2着に押し上げたスタミナのある差し脚は見どころ十分だった。スローペースになった前走のG2金鯱賞は、58キロの負担重量を克服して2馬身差で快勝。格の違いを見せつけており、成長過程の4歳馬なら、ここでも中心になるべき1頭だろう。

 5歳馬ワグネリアンは一昨年前のダービー馬。4歳になって大阪杯、札幌記念、天皇賞秋、ジャパンCと戦ってきたが、いずれも5着以内に好走するものの、勝利を手にすることはかなわなかった。今年は大阪杯から始動して5着だったが、指数のレベルは上々。古馬になってスピード指数は大きく上昇、高く安定しており、いまもなお着実な成長を感じさせる。鋭い差し脚がないので、先行策が好走の条件になるが、ジャパンCでみせたように、ハイペースの対応力もあり、逃げるキセキのペースに戸惑うこともないだろう。宝塚記念は比較的、先行力が生きるレースだけに、神戸新聞杯以来の勝利を期待したい。

 逃げる6歳馬キセキにもチャンスはある。近走は長距離の阪神大賞典7着、天皇賞春6着と、長距離戦を使って粘り切れなかったが、これまで2200から2400メートル戦は(0311)と好成績。昨年の宝塚記念も1番人気に推され2着に粘っており、勝てないまでも、2、3着はあるかもしれない。

 他では、負担重量で楽な5歳牝馬のラッキーライラック、4歳牝馬のクロノジェネシスの差し脚に要注意だ。前走の大阪杯はともに3番手で並んで先行、直線抜け出す堂々のレースで、牡馬陣を抑え込んで1、2着に好走した。鋭い差し脚はここでも上位にあり、直線での浮上に注目したい。

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2020年6月18日 (木)

第1596回 青竜S組が有力

 東京のメインは3歳のユニコーンS。梅雨時の開催は雨と馬場状態が気になる。
 ユニコーンSはダートの重賞だけに、過去10年、指数上位馬が強い傾向がはっきりしている。前走指数の上位馬、平均指数の上位馬はともに10年連続で連対中だ。1番人気馬も(3304)と比較的安定した成績を残している。勝ち馬は全て3番人気までの馬たちで、順当な結果が多いようだ。

(ユニコーンS)
       1着    2着    3着
10年     Yb   C     -
11年    D d   BZc   BY
12年    D       d   C b
13年    -     B b   D・-3着同着
14年    DZb   A     -
15年    A     D d   BYc
16年    C b   A     CXa
17年    DXc   -     B b
18年    C      Xd   C
19年    -     AXa   D b
(スローペース調整-15/-5)
(海外、公営戦は減戦して集計)

 今年の指数上位は、レッチェバロック、デュードヴァン、タガノビューティー、サンライズホープ、キタノオクトパス、アポロアベリアなどだ。
 なかでも前走、重賞を勝った指数上位の3勝馬デュードヴァンが人気を集めそうだ。

 デュードヴァンはデビュー以来4戦3勝だが、ダートに限れば3戦3勝。しかもその3勝はすべて東京ダート1600であげたものだ。前走の青竜Sは中団から。直線、外から脚を伸ばした2着馬(ダノンファスト)に交わされる場面もあったが、ゴール前、左右から攻められて狭くなったスペースをものともせず、差し返す根性を見せて、勝利をものにした。

 2着馬とはクビ差だったが、厳しい叩き合いを制して勝ち切るのは力の証だろう。ユニコーンSは近年、青竜S組の活躍が目立ち、その点からもデュードヴァンは有力馬の中心になる馬だ。

 青竜S組からは、3着のタガノビューティーも参戦している。タガノビューティーはここまで(2112)の成績。朝日杯フューチュリティSで4着、シンザン記念6着と、芝でも好走してきたが、近走はダートに戦線を移して、ヒヤシンスS2着、青竜S3着とダート適性を見せてきた。

 前走の青竜Sは終始、外々を回って勝ち馬を上回る上りタイムで追い上げて3着。後方一気の戦法で、勝ちきれないもどかしさはあるものの、ダートの差し脚の鋭さでは最上位だ。とくに雨でスピードの出やすい重馬場になるようなら、後方一気の差し切り勝ちもあるのではないか。

 他では3勝馬サトノラファール、2戦2勝のレッチェバロック、カフェファラオも有力馬の一角を占める馬たちだろう。

 函館スプリントSは、平均指数や前走指数などの上位馬が連軸の中心になっている。1番人気は(1225)とやや不振気味だ。特に近7年、1番人気は3着2回のみで、波乱の傾向が見える。
 今年は、ダイアトニック、シヴァージ、ジョーマンデリン、グランドボヌール、フィアーノロマーノ、ティーハーフなどが指数の上位馬たちだ。

 指数上位で重賞の実績(1122)も豊富なダイアトニックが中心になるのだろうか。ダイアトニックは、2走前の阪急杯を斜行で2着から3着に降着。続く高松宮記念ではゴール前、進路をふさがれる不利を受けて4着から3着に繰り上げになった。2戦続けて降着に絡むことになったが、指数のレベルは高く維持されており、調子は安定している。

 1200メートル戦は前走の高松宮記念が初挑戦だったが、距離適性に問題はなそうだ。気になる点は58キロの負担重量。直線の短い函館コースだけに、直線、一瞬のスピード比べになって、後れを取ることもあるかもしれない。

 逆転候補として注目したいのはシヴァージ。昨年末にダートから芝に戦いの場を移して以降4戦1勝。スピード指数は重賞レベルにあり、2走前にはハイペースになった小倉の北九州短距離Sを後方一気の差し脚で快勝している。前走の高松宮記念は12番人気ながら、後方から最速の上りの脚を使って5着に好走した。

 今回、ダイアトニックとの3キロの負担重量差は有利にはたらくはずで、逆転も可能だろう。小回りコースは先行馬有利が基本とはいえ、シヴァージの差し脚の鋭さなら十分通用すると期待している。

(函館スプリントS)
       1着    2着    3着
10年    CZd    Xa   -
11年    B b   A     C
12年     Zc   AYa   -
13年     Xc   -     -
14年     Xb   B     -
15年      d   C     -
16年    -     B     -
17年    B     B c   DXa
18年    DXb    Z    A b
19年    D d   A     BXa

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2020年6月11日 (木)

第1594回 レイエンダの連覇は


 無観客での春のG1シリーズが終わって、今週のメインはエプソムカップ。
 1番人気は過去10年で4勝、2着2回。3着1回と、まずまずの連対率だろう。世代別では4歳馬が8勝をあげており4歳馬が強い傾向だ。5歳馬は2勝、6歳以上の勝利はない。
 指数上は、前走指数上位のABC馬や平均指数の上位馬が連軸の中心になっている。

(エプソムC)1着    2着    3着
10年    CYc    Y    -
11年    A a   -     B a
12年    -     A d   C
13年    C a    Xa   A
14年    A     CYa    X
15年    A d   C a   B d
16年    B d   AXa   D d
17年    -     -     -
18年    C     -     -
19年    -      Zc   B a

 今年の指数上位は、アイスストーム、ソーグリッタリング、レイエンダ、サトノアーサー、ダイワキャグニー、トーラスジェミニなど。

 梅雨入りした東京コースで、スタミナも求められそうだ。ここは渋った馬場でも対応できるルメール騎手のレイエンダに注目したい。

 レイエンダは昨年のエプソムCをルメール騎手の手綱で勝ち、初の重賞タイトルを手にした。雨で稍重のスローペースを2馬手で先行。直線は各馬、内をあけて追うところ、馬場の真ん中から力強く抜け出した。その後はマイルを中心に戦ってきたが、勝利からは遠のいている。ただ、前走、ダービー卿CT(芝1600メートル)はハイペース気味のペースを中団から、直線で内に入れ、馬群を割って2着とハナ差の3着に好走した。スピード指数も自己ベストの高指数で、復調を感じさせる内容だった。ここまで1800メートル戦は3戦2勝と、未勝利のマイルより距離は合う。

 他では中団からの差し脚が持ち味のサトノアーサーも有力馬の一角を占める。2年前のエプソムCの勝ち馬で、近走はオープン(L)を中心に戦っているが、近走は成績も指数も高く安定しており、勝利に近い1頭だろう。

 マーメイドSは波乱の多い牝馬限定のハンデ戦。3連単は10年の内7年で10万を超える高配当になっている。1番人気馬は2勝、2着1回、3着1回と不振で、トップハンデ馬も1勝、2着1回、3着1回と信頼は薄い。指数上は前走指数上位馬が連軸の中心のようだ。

 今年の指数上位は、ミスマンマミーア、リープフラウミルヒ、レッドアネモス、フィリアプーラ、リュヌルージュ、エアジーン、サトノワルキューレ、センテリュオ、リンディーホップ、ナルハヤなど。

 トップハンデは55キロのセンテリュオだが、他の馬たちは50キロ前後の軽ハンデ馬が多く、今年も波乱の気配が漂う。

 牝馬限定戦だけに、スローペースは必至で、長く使える差し脚は必須条件。とりわけスローペースの差し脚が問われそうだ。

 スローペースの差し脚は、サマーセント、リンディーホップ、エアジーン、バルクデラモール、ナルハヤなどが上位だろう。

 中心には4歳のサマーセントを取った。まだ3勝クラスの身で、ここは格上挑戦になるが、50キロの軽ハンデは魅力だし、先行脚質ながら、安定した差し脚があり、スローペースには強い。牡馬相手の前走も2番手で先行して、直線早めに先頭に立ち、そのまま押し切るかに思えたほど。結果は、外から伸びた2頭に交わされて3着だったが、牝馬のハンデ戦なら勝ち負けになるのではないか。

 他では5歳のリンディーホップも気になるところ。差し脚が安定しており、50キロの軽ハンデを生かせれば上位も狙えるだろう。

(マーメイドS)
       1着    2着    3着
10年    A     -     -
11年     Y    B a   C
12年    -     -     -
13年    BX     Z    AY
14年    A     -      Xa
15年    -     -     -
16年    DZa   A       c
17年    -     A a    Xb
18年    -     DYd    Y
19年    D     -     -

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2020年6月 4日 (木)

第1592回 アーモンドアイをおびやかすのは

 春のG1の最後を飾る安田記念が今週のメイン。
 過去10年、1番人気は3勝、2着1回、3着2回。連対率は40%程度。人気薄の馬たちの台頭もあって、馬単は8年で万馬券の決着になっており、波乱の傾向が見える。
 指数上、勝ち馬は指数のランク馬が強い。2着馬はランク外の馬も目立つが、連軸は前走指数や、平均指数の上位馬たちが中心だろう。

(安田記念) 1着    2着    3着
10年    -3歳     d   -
11年    A     -      Zd
12年    CYb   -      -
13年    AZ      a   D d
14年    AXa     c    Y
15年    D     -     -
16年    A c    Xa     d
17年      d   -      Z
18年     X    -     BYc
19年    -     B     A a

 今年の指数上位は、アーモンドアイ、クルーガー、ダノンキングリー、インディチャンプ、ダノンプレミアム、ノームコア、アドマイヤマーズなど。

 重賞実績、指数のレベルで5歳牝馬アーモンドアイが断然最上位だ。昨年の安田記念は後方から追って3着だったが、上りは32秒4という破格のタイムだった。スタート時の致命的な不利がなければ、おそらく完勝していただろう。

 素軽いスピードを身上としており、高速馬場は大得意だ。東京コースは昨年の安田記念を除けば5戦5勝。マイル戦も安田記念以外は4戦4勝。高速馬場の東京マイルが最も得意なのかもしれない。

 ここまでG1は桜花賞、オークス、秋華賞、ジャパンカップ、ドバイターフ、天皇賞(秋)、ヴィクトリアマイルを制して7勝しており、8勝すれば史上初の快挙になる。2週前の前走、牝馬相手のヴィクトリアマイルは脚ならしのようなレースで、持ったまま2着馬に4馬身差をつける快勝だった。競馬は何が起きるかわからないとはいえ。アーモンドアイの中心は動かしがたいように思える。

 それでも、アーモンドアイをおびやかすことができそうな相手を探すとしたら、インディチャンプ、ダノンプレミアム、ダノンキングリー、グランアレグリアなどが候補に上がってきそうだ。

 インディチャンプは、昨年の安田記念の勝ち馬。その後、G1マイルCS、G2読売マイラーズCも勝った。海外も含めてマイルは(7103)の成績で、マイル以上の距離では2着もなく、まさにマイルのスペシャリストだ。上りの脚はアーモンドアイが優るが、他の馬たちと比べればインディチャンプも上位のはず。

 インディチャンプは安定した先行力が持ち味で、アーモンドアイより前でレースができる分、馬場状態やペースによっては、アーモンドアイの8冠を阻止できるかもしれない。

 鳴尾記念は2012年から2000メートルに変更になり、この時期の開催になった。
 過去8年、1番人気は2勝、2着3回と安定した連対率を示している。指数上は、前走指数や過去の指数が高い馬が連軸の中心だ。

 今年の指数上位は、パフォーマプロミス、サトノルークス、レッドジェニアル、キメラヴェリテ、トリコロールブルー、ブラックスピネル、ラヴズオンリーユー、エアウィンザー、ドミナートゥスなど。

 阪神は開幕週だけに馬場も絶好で、逃げ馬や先行馬に向く馬場状態だろう。
 先行力があり、差し脚も上位なのはキメラヴェリテ、テリトーリアル、パフォーマプロミス、エアウィンザー、レッドジェニアルなどだ。

 逃げるのは3歳馬キメラヴェリテだろう。別定52キロの負担重賞は断然有利だ。前走は逃げて17着に大敗したが、2走前には阪神の芝2000メートルを好指数で2着に逃げ粘っており、初の古馬相手でもチャンスはあるだろう。

 指数の高さと安定感からは4歳馬レッドジェニアルに注目したい。ダービー8着、神戸新聞杯4着、菊花賞6着と、勝てないまでも同世代のトップ馬たちとしのぎを削ってきた経験は大きい。前走は古馬G1大阪杯で8着も、指数は自己ベストを示し、成長をうかがわせる。

 他では昨年のオークスの勝ち馬ラヴズオンリーユー。素軽いスピードが持ち味で、高速馬場の適性は高く、差し脚の鋭さに期待したい。

(鳴尾記念) 1着    2着    3着
12年    DXa     c    CZd
13年    -      Y      b
14年    C      Xa     b
15年    BXa   -     -
16年    CXa   B b   -
17年    D     -     A
18年    -      Xb   D
19年    C     BZ      c

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2020年5月28日 (木)

第1590回 コントレイルが中心

 今週、いよいよ日本ダービーを迎える。たとえ無観客であっても、競馬最大の祭典を楽しみたい。
 2001年以降、過去19年間で指数ランク馬が16勝をあげており、スピード指数の上位馬、とりわけ前走指数の上位馬たちが強いレースだ。
 昨年は12番人気の馬が勝ったが、過去19年間で、10番人気以降の馬が勝ったのはその1度だけだ。1番人気馬は10勝、2、3番人気馬があわせて6勝と、上位人気馬で16勝しており、指数上位の人気上位馬が中心のレースだろう。

(ダービー) 1着    2着    3着
01年    BYb   A d   -
02年     Xa   -     -
03年    A     D     -
04年    BZb   -     D
05年    A a   C b   B
06年    A      X    B a
07年    DXc    Z    DZb
08年    AXa   -     BYb
09年     X    -      Z
10年    C     C     B a
11年    AYa   -       d
12年    DYc   -      B
13年     X    B a   -
14年    CZa   A a   -
15年    AZb     d   DXd
16年    BYa   C d   A c
17年    -       a   DY
18年    -     CY    C
19年    -     A c   AZa
(スローペース調整-15/-5)

 今年は、コントレイル、サリオス、ガロアクリーク、ウインカーネリアン、ディープボンド、ヴァルコスなどが指数の上位馬たちだ。

 過去19年間、前走で皐月賞を使った馬たちが13勝、2着10回。他ではNHKマイルC組が3勝、2着1回。京都新聞杯組が2勝、2着3回で、桜花賞組が1勝をあげてきた。勝ち馬はないものの青葉賞組が2着5回と健闘している。連対馬に限れば、それがすべてで、その他路線組は苦しい。

 当然、中心勢力は皐月賞組だ。

 今年の皐月賞はコントレイルが4戦4勝、無敗で皐月賞馬に輝いた。戦前はコントレイル、サリオス、サトノフラッグの3強といわれたが、終わってみればコントレイル1強の結果だった。

 コントレイルは行き脚がつかず後方からのレースになったが、3コーナー手前から動いて4コーナーでは大外の7番手に進出。直線に向くとサトノフラッグの外に合わせ、難なく交わすと、馬群から抜け出してきたサリオスとの差し脚比べになった。2頭が後続を引き離していく。坂を上がるとコントレイルが加速、サリオスを置き去りにして、半馬身差で栄光のゴールを駆け抜けた。3着にはガロアクリークが上がってきたが、2着のサリオスとは3馬身半の大きな差がついていた。

 コントレイルの指数は世代トップの高指数だった。2着のサリオスとの指数差は1しかないものの、まだ余力があり、さらに伸びるように見えた。距離が伸びても十分に力を発揮できるだろうと想像させる。コントレイルに比べると、サリオスの脚色は一杯一杯にみえ、指数差以上に差を感じさせた。距離が伸びると、苦しいかもしれない。

 皐月賞を見る限り、すでに決着はついたと思える。そこにはコントレイルの能力を上回る馬はいなかったし、他路線組にもいないだろう。2020年の3歳世代はコントレイルの時代だ。

 相手の中心はサリオスだろう。距離に課題があるかもしれないが、中団からの差し脚はまずまずで、皐月賞での直線の再現で巻き返しを狙う。皐月賞は5着だったがサトノフラッグの底力は軽視できない。8番人気ながら3着に上がってきたガロアクリーク、4着のウインカーネリアン、9着のブラックホールなど、連下の相手には皐月賞組を上位に評価したい。

 他路線組では京都新聞杯を勝ったディープボンド、青葉賞2着のヴァルコスなども上位に食い込む力はありそうだ。

 ハンデ戦の目黒記念の1番人気は、過去10年で1勝、2着3回、3着2回。トップハンデ馬も1勝のみで、ともに苦戦続きだ。指数上は、過去10年のうち7年で連対する平均指数上位馬が有力だが、ハンデ戦らしく、ランク外の馬も活躍が目立つ。

 今年は、ゴールドギア、ボスジラ、バラックパリンカ、ノーブルマーズ、タイセイトレイル、サトノクロニクル、ミライヘノツバサ、ステイフーリッシュ、ニシノデイジーなどが指数の上位馬たちだ。

 トップハンデは57.5キロのステイフーリッシュだが、トップハンデ馬苦戦の傾向から、軸馬には取りにくい。

 スローペース気味の差し脚比べになりそうで、長く使える差し脚で上位の、ゴールドギア、キングオブコージ、バラックパリンカ、オセアグレイト、タイセイトレイルなどに流れが向くだろう。

 なかでも目下3連勝中の4歳馬キングオブコージに注目したい。3連勝中といっても前走3勝クラスを勝ち上がったばかりの格下馬だが、3連勝の中身は評価に値する。昨年は1800メートルまでの距離の芝戦で(1204)の成績だったが、年が明けた今年は、2000、2500、2200メートルに距離を伸ばして、確変を思わせるような3連勝。横山典騎手の手腕もあって、ともに先行して、直線で楽に差し切る安定した内容のレースだった。指数上はランク外だが、期待をこめて中心に推したい。

 他では、前述した差し脚上位馬ゴールドギア、バラックパリンカ、オセアグレイト、タイセイトレイルなどの決め手に注目したい。

(目黒記念) 1着    2着    3着
10年    C     -     A
11年    -     B c   C
12年     Yd   C      C d
13年    -      Yc   -
14年    AZa   CYb   -
15年     Y    -     D d
16年    -     -      Xa
17年    -       b   -
18年    C d   -     -
19年    CYa   -     A

 葵Sは、2018年から重賞に格上げされた3歳芝1200メートル戦。 

 指数上位は、トロワマルス、グリンデルヴァルト、ビップウインク、ケープコッド、ゼンノジャスタ、ビアンフェ、ワンスカイなど。

 先行馬に力のある馬たちがそろっており、中心は先行馬から取りたい。期待は、前走、不良馬場の1200メートルを逃げ切ったトロワマルス。ハイペースで逃げても持ちこたえるスタミナは十分で、力で押し切れれば勝機だ。ただ、素軽いスピードには欠けるかもしれず、ゼンノジャスタ、ワンスカイ、ケープコッド、ビップウインクなどに差し切られる場面もあるかもしれない。

(葵S)   1着    2着    3着
18年    -     -     BZ
19年    DX    -     A a
(スローペース調整-20/-10)

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2020年5月21日 (木)

第1588回 2冠を目指すデアリングタクト

 今週は3歳牝馬クラシック第2弾オークスが注目のレースだ。
 1番人気馬は過去10年で、(5212)と、連対率は70パーセント。比較的安定した成績を残している。なかでも前走、桜花賞組が7勝をあげて中心を担う。他路線組では忘れな草賞の勝ち馬が3勝しているのが目を引く。2着馬ならフローラS組が5連対、スイートピーS勝ち馬が1連対している。
 指数上は前走指数上位馬が中心。なかでも前走指数の高い馬A、B馬が最有力だが、平均指数の上位馬や過去の指数上位馬も差なく好走している。

(オークス) 1着    2着    3着
10年   (AZa)(c)1着同着  Z
11年    -     D     B d
12年    AYa   B b   -
13年    -     -     -
14年      c   DY    AX
15年    BX    -     C
16年    AXa   B b   -
17年    BZa   -      Xb
18年    A a   C c   BZb
19年    -     -     A a
(スローペース調整-20/-10)
 今年の指数上位馬は、デアリングタクト、スマイルカナ、ウインマリリン、ホウオウピースフル、サンクテュエール、ミヤマザクラ、マジックキャッスル、アブレイズなど。

 昨年は桜花賞馬が不在で、忘れな草賞の勝ち馬が1着、スイートピーSの勝ち馬が2着になって、桜花賞組は上位に食い込めなかったが、オークスでの勝率、連対率で他路線組を圧倒する桜花賞出走馬たちを中心に取るのが常道だろう。

 雨で重馬場となった今年の桜花賞を制したのはデアリングタクトだった。
 桜花賞は内枠からスマイルカナが逃げ、外枠から2番手にレシステンシアがつけた。デアリングタクトは後方待機策。後続を引き離してレシステンシアとスマイルカナが並んで直線を行く。直線半ば、レシステンシアが先頭に立って押し切るかに見えたが、後方から大外一気に駆け上がってきたのがデアリングタクトだった。鋭い差し脚でレシステンシアをとらえ、ゴールでは1馬身半の差をつける完勝劇だった。もちろん上りタイムは最速。スピード指数も世代牝馬のトップに立つ高指数で、デアリングタクトの力強さが光ったレースだった。

 デアリングタクトはここまで3戦3勝。東京コースも、2400メートルも初体験になるが、重馬場の桜花賞の勝ち方を見る限り、距離が伸びても問題はないように思える。桜花賞は重馬場で上りは36秒6、2走前の良馬場のエルフィンSも34秒0の最速の上りで勝っており、新馬戦から3戦連続、最速の上りだった。
 安定した差し脚は信頼がおける。重馬場の適性は桜花賞で示した通りたが、良馬場の素軽いスピード比べでもパフォーマンスは落ちないだろう。

 今年のオークスにはデアリングタクトの他、桜花賞組は3着のスマイルカナ、4着のクラヴァシュドール、5着のミヤマザクラ、6着のサンクテュエールなどが出走してきたが、3着馬に3馬身以上の差をつけたデアリングタクトのパフォーマンスを見る限り、他の馬たちの逆転はむつかしそうに思える。もし、デアリングタクトが苦戦する場面があるとしたら、スローペースを後方から追って届かず、先行馬たちの前残りのケースだろう。

 デアリングタクトの相手の筆頭には、サンクテュエールを取りたい。桜花賞は重馬場がこたえたのか、中団のまま終わってしまったが、先行力もあり、良馬場なら巻き返しもあるだろう。桜花賞を逃げ粘ったスマイルカナも要注意。ここも楽に逃げられそうで、逃げれば想像以上にしぶとさを発揮する。

他路線組からは、忘れな草賞を勝ったウインマイティー、スローペースに強そうなスイートピーSの勝ち馬で2戦2勝のデゼル、フローラSを制したウインマリリン、フラワーCを勝って2戦2勝のアブレイズなどが注目されそうだ。

 平安Sは5月の開催になって今年で8年目。
 ダートの重賞だけに、前走指数上位馬が連軸の中心だ。
 今年の指数上位は、ゴールドドリーム、オメガパフューム、スワーヴアラミス、ダンツゴウユウ、ヴェンジェンス、スマハマなど。  なかでもオメガパフュームやゴールドドリーム、ヴェンジェンスなどの指数が高い。

 連軸の中心馬には、前走、大井の東京大賞典連覇を果たしたオメガパフュームを取りたい。5か月の休み明けで、59キロの負担重量は厳しいが、ダートの重賞実績ではオメガパフュームが最上位。昨年は、フェブラリーS10着、平安S3着の後、大井の帝王賞1着、JBCクラシック2着、チャンピオンズC6着、東京大賞典1着と、ダートの一線級のメンバーとしのぎを削って好成績を残してきた。ダート1900メートル以上の距離では(4310)と、すべて複勝圏内に好走しており、その堅実さを評価したい。ただ、なぜか中央のダート重賞は、18年9月のシリウスSを勝って以降、勝利がないのはどうしたことだろう。

 気になるのがロードレガリス。公営からの再転入馬で、公営時代から目下6連勝中。中央でも4連勝中だ。ここは重賞初挑戦になるが、前走、アルデバランSで2着に下したスワーヴアラミスが次走でマーチSを勝ったことからすれば、重賞でも力は足りるはず。

 先行できてスタミナもあるスワーヴアラミスとダンツゴウユウには要注意だ。

(平安S)  1着    2着    3着
13年    AXa   B      Yc
14年    -       c   B
15年    -     BZc    Xa
16年    AYc     d   B b
17年    B     D d   -
18年    -     -       d
19年    A a   -       c
(海外、公営のレースは減戦して集計)

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2020年5月14日 (木)

第1586回 アーモンドアイの取捨

 今週のメインは牝馬限定のG1ヴィクトリアマイル。
 過去10年、1番人気は(2305)の成績だが、その2勝は名牝として名高いブエナビスタ、ヴィルシーナのもの。圧倒的な能力上位でない限り、1番人気は疑ってかかった方がいいだろう。また1番人気が勝てなかった年の勝ち馬は、2、4、11、5、7、6、8、5番人気の馬たちで、2、3番人気馬もあてにならない。
 世代的には過去10年で6勝している4歳馬が中心。4歳馬が連対できなかったのは2015年の1度だけで、4歳馬が連軸向きといえそうだ。
 指数上は、前哨戦などにスローペースが多いこともあり、ランク外の馬たちが上位に浮上しており、指数上位馬が圧倒する状況ではない。

(ヴィクトリアマイル)
       1着    2着    3着
10年     Xb   -     C c
11年    BYc   DXa   -
12年    A     -       Zc
13年    -     -     A d
14年      d    d     Xb
15年    -     A     -
16年     Y    DZb   BYa
17年    -     -     -
18年    -      Xa   -
19年    B c   A a   -
(スローペース調整値-10/0)

 今年は、アーモンドアイ、プリモシーン、サウンドキアラ、スカーレットカラー、ノームコア、ラヴズオンリーユーなどが指数の上位馬たちだ。

 なんといっても注目はアーモンドアイだ。牝馬3冠達成の後、ジャパンC、ドバイターフ、天皇賞(秋)も制して、G1で6勝をあげ、その実績は牡馬を含めても断然の輝きを放っている。アーモンドアイの実績と指数は、ここでは抜きんでており、不動の中心馬になるだろう。

 ただ、前走の有馬記念は厳しいペースに直線失速、9着に負けた。また今年の春は連覇を目指してドバイに遠征したが、コロナ対策でレースが中止になった。有馬記念から5か月余、ここが復帰戦になるが、順調さを欠いた臨戦態勢になったのは少し気がかりだ。

 アーモンドアイが新馬戦以外で負けたのは、昨年の安田記念と、有馬記念だけ。安田記念はスタートしてすぐ、外からかぶされて大きな不利をうけたのが大きく、後方から最速の32秒4という驚異的な上りの脚を使ったが、3着に上がるのが精いっぱいだった。有馬記念は2500の距離が長かったこと、力のいる中山の馬場に加え、ハイペース気味の流れで折り合いを欠いては、さすがのアーモンドアイでも苦しかったようだ。

 ジャパンCでのレコード勝ち、安田記念で驚異の32秒台の上りの脚を見る限り、高速馬場は得意のはずで、とりわけ東京コースは5戦4勝と、最も合うコースだろう。

 すでに名牝の座にあるアーモンドアイだけに、牝馬相手なら死角はないように思える。

 それでも気になることがある。3歳時の牝馬限定戦は別にすると、アーモンドアイの指数の高さ、差し脚の鋭さは、牡馬の一線級を相手に、G1特有の厳しいペースでもたらされたものだ。牝馬は斤量も楽だし、アーモンドアイなら中団から鮮やかに差し切ることもできた。絶対的スピードが求められる高速馬場での鋭い差し脚こそがアーモンドアイの最大の武器だろう。ただし、ここは牝馬限定で、牡馬並みのペースはあり得ない。緩いペースになれば、先行馬に向く流れで、直線の叩きあいになるのが自然の理だ。当然、厳しいペースで作られた指数の高さは求められない。必要なのは先行力と、スローペースに対応できる差し脚だろう。牝馬限定戦だからこそ、アーモンドアイにも死角が生まれるのではないか。そう考えれば実績の差ほどの大きな差はないはずで、荒れる牝馬戦になるかもしれない。

 なんだかんだといっても、アーモンドアイがあっさり勝ってしまうかもしれないが、それを承知で、アーモンドアイに対抗できる有力馬候補として、サウンドキアラを取り上げたい。

 サウンドキアラはアーモンドアイと同世代の5歳馬。昨年までは目立たない存在だったが、今年になって京都金杯、京都牝馬S、阪神牝馬Sと、重賞を3連勝してきた。前走の阪神牝馬Sは5番手で先行、直線、馬群を割って抜け出し快勝を決めた。スムースに折り合って、中団から鋭い差し脚をくり出すのが近走の勝利のパターンだが、牝馬戦のペースがちょうど合うのだろう。これまで1400、1600メートルを中心に使われて、マイル戦は(5332)と実績も豊富。さらに松山騎手とは4戦4勝と相性は抜群だ。ヴィクトリアマイルは近年、阪神牝馬S組が活躍する傾向が顕著で、その点からも注目に値するだろう。

 他では、(3001)とマイルが得意な昨年の勝者ノームコア、切れる脚が特徴のスカーレットカラーなどにも期待したいが、連軸の中心になる4歳馬たちのなかで、とりわけビーチサンバ、ラヴズオンリーユー、ダノンファンタジーには要注意だろう。

 京王杯スプリングCは、1番人気馬が過去10年で2勝と苦戦中。指数上は過去10年で9度連対している平均指数上位馬が連軸向きだろう。

 今年は、ケイアイノーテック、ストーミーシー、グルーヴィット、ドーヴァー、タワーオブロンドン、ステルヴィオ、ダノンスマッシュなどが指数の上位馬たちだ。

 ペースは上がりそうで、そのペースに耐えられるスタミナがあり、差し脚の使える先行馬に向くだろう。

 注目はステルヴィオ、セイウンコウセイ、ダノンスマッシュ、タワーオブロンドンなど前走、高松宮記念を戦ってきたメンバーたち。今年の高松宮記念は重馬場で行われ、モズスーパーフレアが果敢に逃げ、1位入線馬の降着もあって、モズスーパーフレアが繰り上げで優勝した。セイウンコウセイは2番手で先行したが、直線半ばで前についていけず7着。ダノンスマッシュは4角4番手も伸びきれず10着。ステルヴィオは中団の7、8番手から9着、1番人気だったタワーオブロンドンも8、9番手からも差し脚は見せられないまま12着に後退と、いずれも結果にはつなげられなかった。その4頭のなかでも差し脚が一番良かったのがステルヴィオだ。もともと1600メートル以上のレースで実績を積んできた馬で、宮記念が初の1200メートル戦だったことを考えれば、結果は仕方ないところ。今回、距離が1400に伸び、1200よりはペースがゆるむはず。もう少し前でレースができるようなら、勝機も広がるのではないか。

 ただし、差し脚は4歳馬グルーヴィットが最上位。先行馬たちが脚をなくす展開になったら、グルーヴィットの後方一気が決まることもあるだろう。伸び悩む古馬より、若手からの手のほうがいいかもしれない。

(京王杯スプリングC)
       1着    2着    3着
10年    -     BYc   A
11年    -     BYb    Zd
12年      a   -      C
13年    -     -     -
14年    -     A c   -
15年     Xb   -     -
16年    BXa   -     A b
17年    DYc   -       b
18年    -     A c   -
19年    C c   D     -

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2020年5月 7日 (木)

第1584回 先行力のレシステンシア

 NHKマイルCの1番人気は過去10年で5勝、2番人気馬が2勝している。1、2番人気がそろって連対できなかったのは2度だけだ。ただ、人気薄の台頭もあって、3連単は高配当も多い。
 指数上は前走指数上位馬や、過去の指数上位馬が連軸の中心になっている。勝ち馬に限れば過去指数上位のXYZ馬が8勝しており、目を引く。

(NHKマイルC)
       1着    2着    3着
10年    -     C     A a
11年     X    -     -
12年    D      Zc   -
13年     Y    -     -
14年    DYc   B     CZ
15年    AZb   -     -
16年     Xb   AYa   -
17年    CX    -      Yc
18年     Xa   D     -
19年    AZa   -     -
(スローペース調整-10/0)

 今年は、レシステンシア、ルフトシュトローム、タイセイビジョン、シャインガーネット、サクセッション、プリンスリターンなどが指数の上位馬たちだ。

 今年は前哨戦となった重賞戦の馬場状態が、稍重や重馬場が多く、良馬場で行われたのはスプリングC、ニュージーランドTなどでしかない。現在、東京の馬場はきわめて良好で、先週は高速馬場といえる状態だった。今週も素軽いスピードが求められる馬場状態だとすると、力のいる馬場で戦ってきた馬たちの評価は少し難しいかもしれない。

 とはいえ、力のいる馬場で好走してきた馬たちの先行力、スタミナを生かしたペースからみて、ここはスローペースは考えにくく、スタミナのある先行馬の差し脚比べを基本とした組み立てを取りたい。

 マイルの瞬発力が鋭いのは、ニュージーランドT勝ち馬のルフトシュトローム、同3着のウイングレイテストに加え、桜花賞2着のレシステンシア、ファルコンSの勝ち馬シャインガーネットなどだ。ニュージーランドT組のルフトシュトローム、ウイングレイテストは後方から一気の差し脚を見せたが、先行してマイルの差し脚も鋭いのがレシステンシアだ。

 牝馬のレシステンシアはデビューから3連勝で阪神JFを制して、最優秀2歳牝馬に選出された。年明け後はチューリップ賞3着、桜花賞2着の成績。ここ2戦とも1番人気にこたえられなかった。雨で重馬場になった前走の桜花賞は1000メートル通過が58秒0という厳しいペースを2番手で先行。直線で抜け出し、そのまま押し切るかに思えたが、後方から差し脚を伸ばしたデアリングタクトに差し切られてしまった。

 自身の上りは38秒2もかかっており、結果的にハイペースがたたったのだろう。しかしながら、直線、先行各馬が脚をなくす状況下で、2着に粘ったレシステンシアの底力は特筆ものではないか。牝馬は2キロ減の55キロで乗れる。その恵量を生かして、逃げ切りもあるかもしれない。

 一方、ニュージーランドTも1000メートル通過が57秒6というハイペースに飲み込まれ、先行馬は直線失速。後方から差し脚を伸ばしたルフトシュトロームが鮮やかな差し切り勝ちを決め、デビューから3戦3勝とした。こちらは展開がはまった感もあるが、マイル3連勝の距離適性と、差し脚の鋭さは最上位にあり、高速馬場にも対応できるのも強みだろう。

 前走は出遅れて後方からになったが、先行するのが本来のスタイルのはず。ただし、ペースが上がってスタミナ比べのレースを先行した経験がなく、その点が少し気がかりだ。

 他では3連勝中のサトノインプレッサ。前走1800メートルの毎日杯を勝っており、スタミナはあり、要注意だろう。

 京都新聞杯は、過去10年、1番人気は(2224)。2、3番人気も合わせて5勝している。指数上は平均指数の上位馬の連対率が高い。

 今年の指数上位馬はアドマイヤビルゴ、ディープボンド、イロゴトシ、シルヴェリオ、サペラヴィ、ファルコニア、キングオブドラゴンなど。

 ここは前走指数最上位馬で、目下2戦2勝のアドマイヤビルゴが抜けているようだ。前走、若葉Sの指数は、3月末までの指数としては世代の最高指数だった。現時点では皐月賞馬コントレイル、同2着馬サリオスに次ぐ高さだが、わずか2戦目で世代トップレベルの高指数をたたき出すのは驚き以外ない。

 前走を見る限り、平均ペースを先行しても差し脚はしっかりとしており、2200メートルの距離に不安もないだろう。今のところ欠点が見えず、ここも楽に通過するようなら、ダービーではコントレイルの強敵として立ちふさがる存在になるだろう。

(京都新聞杯)1着    2着    3着
10年    AYc   CZb   B a
11年    -     AYa   B
12年    D     AXa     c
13年    BXa   -     -
14年    -       d   -
15年    -     -     C
16年    DXb    Yd   AYa
17年     Zd   -     DY
18年      d   -     -
19年    -     -     -
(スローペース調整-15/-5)
 新潟大賞典はハンデ戦だが、前走指数の上位馬が健闘している。1番人気は過去10年で勝ち星がなく2着1回、3着3回のみ。最近は8年連続で、1、2番人気馬がともに勝てず、波乱のレースが続いている。

 今年の指数上位馬は、ドゥオーモ、カツジ、サラス、レッドガラン、ダイワキャグニー、ブラックスピネル、ギベオン、メートルダールなど。

 トップハンデは57.5キロのエアウィンザー、ギベオン、ダイワキャグニーの3頭だが、トップハンデは57キロまでが許容範囲。57.5キロは2着が1度あるだけで、微妙な重量だ。

 波乱気味のレースだけに、ここは思い切った狙いも立ちそうだ。その点からの注目馬にトーセンスーリヤをあげたい。前走3勝クラスを勝ったばかりで、オープン初挑戦の格下馬だが、近走は先行して長くいい脚を見せ、成績も安定してきた。4コーナーで3番手以内に取り付いていれば、これまで(3411)の好成績で、ここは前に行く馬が少なく、楽に先行できるはず。ここも積極的なレースを期待したい。

 他ではスローペースの差し脚が鋭い4歳馬アトミックフォースにプレシャスブルー。後方から脚を使うサラスなどからの手もありそうだ。

(新潟大賞典)1着    2着    3着
10年    A b    Zd     a
11年    -     -     CXb
12年    B     -       b
13年    C     A     -
14年    -     A d   B a
15年    BZ     Z     Z
16年     Yc   AX    C
17年    C      X    A a
18年     Z    -     -
19年    -     AXc   -

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